2011年09月30日
『敷居の部屋の行方』雑感
まずはじCさんのほう。彼の言いたいことを端的にまとめると
・そもそもニコマスなどという集団自体が幻想であり,何かしらの性質をもった集団として呼びかけること自体が間違いだった
・その意味で,主張系の衰退論には何の意味もないし,飽きた。(自分の記事については,自分では衰退論だと思って書いていない)
・あとは蛇足のわかむらPdis=動画は投稿した以上,作者一人のものではない&削除して出ていったなら戻って来るべきではない
ぶっちゃけて言えば,炎上するほどのものではない。炎上させたいのであればもっと過激なことを書くべきだったのであるが,まあそんなことは何度も炎上してきたはじCさんには釈迦に説法だと思うので,周囲の期待に反して本人は炎上させる気なくこれを書いた,と思っておくことにする。まあ,わかむらPへのdisはあまりにも本題と離れており,引退が衰退に与えた影響の有無を論じているわけでもないので,書くとしても別項にしたほうが良かったんじゃないかという気はするが,たとえばブログに書けばもうちょっと話題になったんじゃないか。
本題については,ここで彼が「飽きた」と言い放つことはそれなりの意味があったんじゃないかと思う。いや,実際飽きるでしょこんだけ話題がループしてりゃ。加えてアイマス自体はアニマスで息を吹き返した感がある現状で,「ニコマス」の衰退を嘆いてもさしたる意味を感じない。ついでに言えば,ニコマスについては縮んで精鋭だけが残った結果居心地が良くなったようなところも最近感じるところである。もはやJupiterをdisってる奴すら稀にしか見ない(大いに観測範囲の問題はあるが)。小羊Pのアレについては同感で,なぜあの時期に?としか思わなかった。はてブすらしていなかったのが当時の私の関心の低さをうかがわせるのではあるが,今あらためて読み返してみると,はじCさんのところからまるで変わっていないことに驚く。
ひとつ言わせてもらえば,作られるクオリティの高さに皆ひかれてきただけで,ニコマスには最初から「外部からの視点」なんて無かった。それを「昔はあった」と錯覚するから,主張系の衰退論が生まれるのである。スタート地点が間違っている。さっさと飽きるのが正解。ついでに言えば,ニコマスに限らずニコニコという場は一つの動画でどうこうなることはあっても,一人の言論でどうこうなる場ではないので,どうこうするつもりで何かを主張するのはお勧めできる行為ではない。
どうでもいいが,今頃この企画に気づいた。とっくの昔に締切を過ぎているのでこの場で書いておくと,「2010年1月1日以降で一人何個でも可」ならば10年上半期20選と,10年下半期20選と,11年上半期20選の大体全部で済むような気はする。しかし,さらにこの中から5つほどに絞るのであれば,
【ニコニコ動画】[HD版] アイドルマスター×東方アレンジ 春香『Crimson Glory』似非PV 【ニコニコ動画】アイドルマスター2 「schwarzweis 〜霧の向こうに繋がる世界〜」
このあたりを挙げておく。ニコマスPVのクオリティは界隈が縮小しても,決して下がっていない。ただ,見る人が絶対的に減っている。それは,魅力ある3D動画が(作る方も見る方も)当時はアイマスくらいしか選択肢がなかったが,今では無数にある。だから,アイマス自体に魅力がなければ人がよってこない,が引退する人はいる,というのがどうしようもない原因だろう。まあ,引退する理由がコミュニティの性質そのものとされてしまうのは,残されるものとして非常に寂しいところではある。と同時に,それでも新たな力あるプロデューサーが出現するのには,様々な方面に感謝したい。
さて,敷居さんのほうである。彼は私の書いた衰退論に「「もうちょっと暗い側面も書いたほうが」的なこと何回か指摘されたことあっけど、モチベわかんのよねー。 」と書いていたので,今回何を書いたのかはかなり興味があった。その読んだ感想はというと,興味がないままなら別に書かないままでも良かったんじゃないかな,であった。いっそのこと,本書を「2発売後特集」の方向で刊行したほうがよかったのではないか,と思う程度には。
第1章・第2章,それと第3章のはじC衰退論まではよくまとめてあると思う。ここまではなんら不満がないのだが,最大の問題点はまさにその直後である。この史論は概説であるにもかかわらず,2009年2月から2010年9月までの期間について,何一つ書いていないのである。参考URLにおいても,時系列順に載せてあって,2008年5月の次が2010年1月に飛んでおり,2009年はまるで何も無かったかのようになっている。そうして振り返ってみると,第3章のはじC衰退論登場の文脈もおかしい。あれは本文を見ての通り,Pネタやののワさん等よく言ってハイコンテクストな,悪く言えば身内ネタが流行し始めていたからこそああした言論が飛び交うようになったのであって,「滅亡の心配がなくなったからそちらへ話が移行していった」わけではないはずだ。
そして2009〜2010年前半というのは,まさに数字としてニコマス界隈が大きく変容した時期である。様々な具体的なデータの示す通り,実際には縮んでいたわけではなく「PVは公式からのネタ投下不足,技術の限界等の理由により確かに縮んだ。一方,架空戦記やノベマス,やってみた系が好調で総体としては縮んだとは言えない。新規Pも多い」と総括できたのがこの時期である。ただし,はじCさんや小羊P他,多くの衰退論で槍玉に挙げられた「外部への波及力」という点では,中核のPVが伸び悩んだ結果,そしてニコマス以外のニコニコが大きく拡大した結果,ニコニコ内部での存在感を緩やかに失っていったと確実に言えるのもこの時期であった。小羊Pは外から見えた最後の花火として2008年6月の24時間を挙げているが,それではまだ大分早く,私は2009年末のシネ☆MAD3rdあたりだったのではないかと思う。そうしたこともあって,私は2010年2月という時期に前掲のこの記事を書いた。除外組をカウントしたとしても,週マスで1万ptsを超えるものはめっきり減少していた。(半ば繰り返しになるが,それでも中に入ってきてくれた人は大勢いるし,古株として大変感謝もしている。)
さらに本書のDikePの項目が示す通り,SPやDSの販売実績としての頭打ち,なかなか見えない2の構想や前々からうっすらと降り積もっていた企業としてのバンナムへの不信感など,不満材料の数々もこの時期に積み上げられていった。実際にはプロモーションが失敗していただけで2はそこまで不満を持たれるような作品でもなかったし(竜宮小町については未だにくすぶっている感もあるが),2の売上はそこまで悪かったわけでもなく,むしろ現状はアニマスやPS3版発売前夜で盛り上がっているわけだが,9.18前夜は全くそのような雰囲気ではなかった。だからこそ「2こそ起死回生」という期待が強まっていた。強まっていたからこそ,ああなった。
これらの2009〜2010年にまたがるニコマスやアイマス公式の変化をすっ飛ばして,9.18も何も無い。ゆえにこの先の,第4章後半の論旨もしっくり来ないのである。確かにアイマス界隈(ニコマスに限らず)はゲハブログやその他のやっかみ,とりわけ「オワコン」という言葉に踊らされ,看過できない多大なる被害を受けただろう。だが,9.18をそのようにして片付けていいものか。「従来の衰退論と決定的に異なる」とすれば,なぜ小羊Pのような,以前と代わり映えしない言説が飛び出してきたのか。この論説こそ「オワコン」言説に引っ張られており,大枠が見えていないように感じた。そんなわけで,私はこの衰退論を評価していない。
・そもそもニコマスなどという集団自体が幻想であり,何かしらの性質をもった集団として呼びかけること自体が間違いだった
・その意味で,主張系の衰退論には何の意味もないし,飽きた。(自分の記事については,自分では衰退論だと思って書いていない)
・あとは蛇足のわかむらPdis=動画は投稿した以上,作者一人のものではない&削除して出ていったなら戻って来るべきではない
ぶっちゃけて言えば,炎上するほどのものではない。炎上させたいのであればもっと過激なことを書くべきだったのであるが,まあそんなことは何度も炎上してきたはじCさんには釈迦に説法だと思うので,周囲の期待に反して本人は炎上させる気なくこれを書いた,と思っておくことにする。まあ,わかむらPへのdisはあまりにも本題と離れており,引退が衰退に与えた影響の有無を論じているわけでもないので,書くとしても別項にしたほうが良かったんじゃないかという気はするが,たとえばブログに書けばもうちょっと話題になったんじゃないか。
本題については,ここで彼が「飽きた」と言い放つことはそれなりの意味があったんじゃないかと思う。いや,実際飽きるでしょこんだけ話題がループしてりゃ。加えてアイマス自体はアニマスで息を吹き返した感がある現状で,「ニコマス」の衰退を嘆いてもさしたる意味を感じない。ついでに言えば,ニコマスについては縮んで精鋭だけが残った結果居心地が良くなったようなところも最近感じるところである。もはやJupiterをdisってる奴すら稀にしか見ない(大いに観測範囲の問題はあるが)。小羊Pのアレについては同感で,なぜあの時期に?としか思わなかった。はてブすらしていなかったのが当時の私の関心の低さをうかがわせるのではあるが,今あらためて読み返してみると,はじCさんのところからまるで変わっていないことに驚く。
ひとつ言わせてもらえば,作られるクオリティの高さに皆ひかれてきただけで,ニコマスには最初から「外部からの視点」なんて無かった。それを「昔はあった」と錯覚するから,主張系の衰退論が生まれるのである。スタート地点が間違っている。さっさと飽きるのが正解。ついでに言えば,ニコマスに限らずニコニコという場は一つの動画でどうこうなることはあっても,一人の言論でどうこうなる場ではないので,どうこうするつもりで何かを主張するのはお勧めできる行為ではない。
どうでもいいが,今頃この企画に気づいた。とっくの昔に締切を過ぎているのでこの場で書いておくと,「2010年1月1日以降で一人何個でも可」ならば10年上半期20選と,10年下半期20選と,11年上半期20選の大体全部で済むような気はする。しかし,さらにこの中から5つほどに絞るのであれば,
このあたりを挙げておく。ニコマスPVのクオリティは界隈が縮小しても,決して下がっていない。ただ,見る人が絶対的に減っている。それは,魅力ある3D動画が(作る方も見る方も)当時はアイマスくらいしか選択肢がなかったが,今では無数にある。だから,アイマス自体に魅力がなければ人がよってこない,が引退する人はいる,というのがどうしようもない原因だろう。まあ,引退する理由がコミュニティの性質そのものとされてしまうのは,残されるものとして非常に寂しいところではある。と同時に,それでも新たな力あるプロデューサーが出現するのには,様々な方面に感謝したい。
さて,敷居さんのほうである。彼は私の書いた衰退論に「「もうちょっと暗い側面も書いたほうが」的なこと何回か指摘されたことあっけど、モチベわかんのよねー。 」と書いていたので,今回何を書いたのかはかなり興味があった。その読んだ感想はというと,興味がないままなら別に書かないままでも良かったんじゃないかな,であった。いっそのこと,本書を「2発売後特集」の方向で刊行したほうがよかったのではないか,と思う程度には。
第1章・第2章,それと第3章のはじC衰退論まではよくまとめてあると思う。ここまではなんら不満がないのだが,最大の問題点はまさにその直後である。この史論は概説であるにもかかわらず,2009年2月から2010年9月までの期間について,何一つ書いていないのである。参考URLにおいても,時系列順に載せてあって,2008年5月の次が2010年1月に飛んでおり,2009年はまるで何も無かったかのようになっている。そうして振り返ってみると,第3章のはじC衰退論登場の文脈もおかしい。あれは本文を見ての通り,Pネタやののワさん等よく言ってハイコンテクストな,悪く言えば身内ネタが流行し始めていたからこそああした言論が飛び交うようになったのであって,「滅亡の心配がなくなったからそちらへ話が移行していった」わけではないはずだ。
そして2009〜2010年前半というのは,まさに数字としてニコマス界隈が大きく変容した時期である。様々な具体的なデータの示す通り,実際には縮んでいたわけではなく「PVは公式からのネタ投下不足,技術の限界等の理由により確かに縮んだ。一方,架空戦記やノベマス,やってみた系が好調で総体としては縮んだとは言えない。新規Pも多い」と総括できたのがこの時期である。ただし,はじCさんや小羊P他,多くの衰退論で槍玉に挙げられた「外部への波及力」という点では,中核のPVが伸び悩んだ結果,そしてニコマス以外のニコニコが大きく拡大した結果,ニコニコ内部での存在感を緩やかに失っていったと確実に言えるのもこの時期であった。小羊Pは外から見えた最後の花火として2008年6月の24時間を挙げているが,それではまだ大分早く,私は2009年末のシネ☆MAD3rdあたりだったのではないかと思う。そうしたこともあって,私は2010年2月という時期に前掲のこの記事を書いた。除外組をカウントしたとしても,週マスで1万ptsを超えるものはめっきり減少していた。(半ば繰り返しになるが,それでも中に入ってきてくれた人は大勢いるし,古株として大変感謝もしている。)
さらに本書のDikePの項目が示す通り,SPやDSの販売実績としての頭打ち,なかなか見えない2の構想や前々からうっすらと降り積もっていた企業としてのバンナムへの不信感など,不満材料の数々もこの時期に積み上げられていった。実際にはプロモーションが失敗していただけで2はそこまで不満を持たれるような作品でもなかったし(竜宮小町については未だにくすぶっている感もあるが),2の売上はそこまで悪かったわけでもなく,むしろ現状はアニマスやPS3版発売前夜で盛り上がっているわけだが,9.18前夜は全くそのような雰囲気ではなかった。だからこそ「2こそ起死回生」という期待が強まっていた。強まっていたからこそ,ああなった。
これらの2009〜2010年にまたがるニコマスやアイマス公式の変化をすっ飛ばして,9.18も何も無い。ゆえにこの先の,第4章後半の論旨もしっくり来ないのである。確かにアイマス界隈(ニコマスに限らず)はゲハブログやその他のやっかみ,とりわけ「オワコン」という言葉に踊らされ,看過できない多大なる被害を受けただろう。だが,9.18をそのようにして片付けていいものか。「従来の衰退論と決定的に異なる」とすれば,なぜ小羊Pのような,以前と代わり映えしない言説が飛び出してきたのか。この論説こそ「オワコン」言説に引っ張られており,大枠が見えていないように感じた。そんなわけで,私はこの衰退論を評価していない。
Posted by dg_law at 21:52│Comments(2)│
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この記事へのコメント
哀れな小羊Pの記事が出た際、ニコマスにふれるブログ等において、
横軸にここ1年くらいのアイマス・ニコマスへの情報量(単純に文字数)
縦軸に今回の衰退論への情報量
をざっくり脳内プロットした所(印象論なのは否めませんが)、
動画製作者たちは、まあ、色々だなあという感じで、
それ以外の方々については、負の相関があるなあという印象でした。
左上の方々と、右下の方々。(右上に、続・空あたりがぽつんとw)
衰退論が流通すること自体にも、利益と損失が発生する。
横軸にここ1年くらいのアイマス・ニコマスへの情報量(単純に文字数)
縦軸に今回の衰退論への情報量
をざっくり脳内プロットした所(印象論なのは否めませんが)、
動画製作者たちは、まあ、色々だなあという感じで、
それ以外の方々については、負の相関があるなあという印象でした。
左上の方々と、右下の方々。(右上に、続・空あたりがぽつんとw)
衰退論が流通すること自体にも、利益と損失が発生する。
Posted by * at 2011年10月01日 16:27
>衰退論が流通すること自体にも、利益と損失が発生する。
そうでしょうねぇ。
基本的に荒れる話題なんて投下しないほうがいいんですよ。
荒れる光景を見せられると,尚更外からの視線が厳しくなると思います。
あと,カズマさんのところはいろいろ特殊なので。
私はあの語り口嫌いじゃないです。
そうでしょうねぇ。
基本的に荒れる話題なんて投下しないほうがいいんですよ。
荒れる光景を見せられると,尚更外からの視線が厳しくなると思います。
あと,カズマさんのところはいろいろ特殊なので。
私はあの語り口嫌いじゃないです。
Posted by DG-Law at 2011年10月02日 00:06