2012年01月24日
WORLD END ECONOMiCA Episode.1 レビュー
昨年の夏コミで発売された同人ゲー。シナリオライターに『狼と香辛料』の支倉凍砂を据えた作品で,やはり話のタネは経済・金融である。ただし,金融の話に特化するために,かなり独自の世界設定を用意している。作中の冒頭で説明され,また公式HPにも簡単に書いてあるものの,ここでも軽く説明すると,まず人類は軌道エレベーターの建設と月への本格的な進出に成功しており,月面都市は人口規模こそ数十万人で小さいものの,18世紀後半のアメリカ13植民地のごとく,地球とは半ば独立した自治的な環境を獲得していた。そこはフロンティアとしての役割は勿論,地球のしがらみにとらわれない,自由な経済活動の保障された都市として整備されたため,むしろ金融都市としての発展が色濃くなっていった。
そうしてとうとう,純粋な開拓民ではなく,自由自活をモットーとする月生まれ月育ちの世代が勃興してくる。本作の主人公は,そんな月生まれの少年である。ゆえに,10代半ばにしてすでに学校へ通わず,デイトレーダーとして生計を立てていることに,本人は何の気兼ねもない。ストーリーもいろいろ横道に逸れつつも,基本的には彼のデイトレーダーとしての生活と成長が主眼になる。横道としては,前半は世界観とキャラクターの紹介,後半はメインヒロインのハガナとの交流ということになるだろうか。というわけで,『狼と香辛料』が中世〜近世初期な分,本作が近未来ということで現代に近い株式市場が再現されている。株の知識は若干必要かもしれないが,まあ我々の世代はリーマン・ショックやらなんやらを幸か不幸か体験しているので,それほど苦もなく読める方が多いのではないかと思う。
ストーリーやテキストは,非常に支倉凍砂らしいと思う一方で,こういうのも書けるのか,と思わせられ,両方の面があった。具体的に言えば,テキスト(というか文体)は全く『狼と香辛料』と変わらないし,人間関係の描写やストーリーはいつも通り,といった感じがする。ただし,これは一長一短で,ラノベのノリでビジュアルノベルを書かれると若干齟齬を感じる,という本作に限らない現象は起きてしまっているように思う。とかく,こうしたゲームでは3〜4行ずつしかプレイヤーが読むことが出来ず,それが小説とは違う一種独特のリズムになっている,ということは気遣われるべきであろう……とは言い古された批評であるが,まあ書いておく。なお,メインヒロインのハガナちゃんはとてもかわいいので,そこは安心していい。ツンデレ好きから無口好きまで広くフォロー(ry
で,『狼と香辛料』と違うなと思わせられたのは,経済周りで,特に後半某キャラが出てきてから。こればっかりはどう書いてもネタバレになるのでやってみてのお楽しみ,としか言いようがない。しかし,この某キャラの特異性は際立っていて,登場した途端に物語が大きくうねり始めるのを感じるだろう。この意外性のおかげで,Ep.2が俄然楽しみになってきた。本作は借りてプレイしたのだが,次からはちゃんと買ってプレイしたい。
プレイ時間はちゃんと測ってないのであてにならないかもしれないが,適当な体感時間で7〜8時間程度。ボイスが無いのと,前述の通り株式の知識の有無で,相当読む速度が変わってくるのではないかと思う。
そうしてとうとう,純粋な開拓民ではなく,自由自活をモットーとする月生まれ月育ちの世代が勃興してくる。本作の主人公は,そんな月生まれの少年である。ゆえに,10代半ばにしてすでに学校へ通わず,デイトレーダーとして生計を立てていることに,本人は何の気兼ねもない。ストーリーもいろいろ横道に逸れつつも,基本的には彼のデイトレーダーとしての生活と成長が主眼になる。横道としては,前半は世界観とキャラクターの紹介,後半はメインヒロインのハガナとの交流ということになるだろうか。というわけで,『狼と香辛料』が中世〜近世初期な分,本作が近未来ということで現代に近い株式市場が再現されている。株の知識は若干必要かもしれないが,まあ我々の世代はリーマン・ショックやらなんやらを幸か不幸か体験しているので,それほど苦もなく読める方が多いのではないかと思う。
ストーリーやテキストは,非常に支倉凍砂らしいと思う一方で,こういうのも書けるのか,と思わせられ,両方の面があった。具体的に言えば,テキスト(というか文体)は全く『狼と香辛料』と変わらないし,人間関係の描写やストーリーはいつも通り,といった感じがする。ただし,これは一長一短で,ラノベのノリでビジュアルノベルを書かれると若干齟齬を感じる,という本作に限らない現象は起きてしまっているように思う。とかく,こうしたゲームでは3〜4行ずつしかプレイヤーが読むことが出来ず,それが小説とは違う一種独特のリズムになっている,ということは気遣われるべきであろう……とは言い古された批評であるが,まあ書いておく。なお,メインヒロインのハガナちゃんはとてもかわいいので,そこは安心していい。
で,『狼と香辛料』と違うなと思わせられたのは,経済周りで,特に後半某キャラが出てきてから。こればっかりはどう書いてもネタバレになるのでやってみてのお楽しみ,としか言いようがない。しかし,この某キャラの特異性は際立っていて,登場した途端に物語が大きくうねり始めるのを感じるだろう。この意外性のおかげで,Ep.2が俄然楽しみになってきた。本作は借りてプレイしたのだが,次からはちゃんと買ってプレイしたい。
プレイ時間はちゃんと測ってないのであてにならないかもしれないが,適当な体感時間で7〜8時間程度。ボイスが無いのと,前述の通り株式の知識の有無で,相当読む速度が変わってくるのではないかと思う。
Posted by dg_law at 23:57│Comments(0)│