2012年02月29日

第9回東方シリーズ人気投票分析(総評・キャラ部門)

結果発表。
前回の分析。

・総評
今回もぽつぽつと語っていこうと思う。まず,ここに来て投票者数が大きく増加するとは思ってなかった。キャラ部門基準で前回約3万6千が今回は約4万4千であるから,約20%増である。第7→8回が約10%増にとどまったことや,例大祭やコミケの混み具合,ニコニコでの人気等を加味して,ここ2年ほどはブームも落ち着きこれからは沈静化・成熟化する局面に入っていくだろうと思っていたのだが。成熟化具合については,肯定材料も否定材料もあるように思う。投票者アンケートの項目で触れることにしたい。

一つ考えられるのは,キャラ投票の票数だけやたらと伸びていることから,ニコニコから某キャラへの投票だけを行った人が少なからずいるのではないか,ということだ。キャラ投票ベースで考えると票数は激増だが,曲投票ベースだと10%の伸びで,アンケートに至っては微減しており,ここらから「ベースとなる投票者層は前回とほとんど変わっていない」と読むこともできる。であれば,これは今回だけのイレギュラーな現象ということになる。それに伴ってか,キャラ大変動,曲無風,アンケートは票自体が減少とそれぞれ違った特徴を示すことになった。


・キャラ部門
まず,どうしても言及しなければならないのはアリスの2位だろう。これについては,初見で半ば冗談で「にがもん式のせい」と言ったところ,案外本当のことっぽいという。いろいろなところの反応やキャラ投票コメントを読む限り,どうやらにがもん式アリスの与えた影響は大きそうである。MMD,ひいてはニコニコの影響力もまだそれほど衰えていない(希薄化していない)ということか。今年も某サークルが東方コミュニティ白書2012を出すのであれば,タグクラウドがおもしろそうである。ただし,意外と直接「にがもん式」「MMD」「Sweet magic」と書いているコメントは少なく,単純に「かわいい」が圧倒的に多い。

なお,これらのことをつぶやいたところ,けっこうな東方好きであるにもかかわらず初めてにがもん式を知った,という人が何人か見つかった。観測範囲の差というか,ニコニコの中でもMMD界隈となると視聴者層は(多いなりに)限られてくる。事情を知らない人は,今回の結果を分析できず困惑しているのではないだろうか。



今動画を見に行くと2位おめでとうコメントで埋まっている。さて他のキャラ。魔理沙はもう戻ってこないのだろうか,消えた秋サンドの代わりにスカーレットサンドにされる羽目に。実は3位から外れたのは前回の5位が初めてで,今回復権する可能性もあったのだが。魔理沙については「キャラ性能でいじめられすぎ」という声が随所から上がっていたが,私もこれだと思う。妖夢の急上昇(13→8)は完全に神霊廟効果。早苗はこれまでの反動であろう,次回は7位くらいに戻ってくると思うので慎重に見たい。紫様が最近ふるわないのは,さすがに2年経って良くも悪くも儚月抄の残滓が消え(そもそも下がった原因も儚月抄だが),そういえば書籍でも見かけないので単純に最近目立ってないのが原因ではないかと思う。

神霊廟組1位は布都。これは事前の予想通り。某友人と「神子は布都に負けそう」と話していたが,その通りになった形である。布都の19位については健闘したと言えるが,神子の41位は,曲のほうが19位に入っているだけに思った以上に低く,霍青娥にも僅差で負けている。実は,Win初期三部作の6ボスは4,13,33(50)位であるのに対し,後期4作は44,16,23,41と明らかに分が悪い。ついでに言えば足を引っ張っている33位の輝夜(と50位の永琳)は黄昏作品に未登場で,逆に健闘しているお空は非想天則で登場した。ここらへんが差の開いた原因の一つではないか。

あと特筆すべきは華扇か。62→26と驚異の急上昇だが理由は単行本の発売以外にない。萃香が急落しているが(28→36),原因は不明。華扇に票をとられたというわけではあるまい。ナズーリンも急落し,1ボス1位の座をルーミアに奪還されてしまった。あと下がってるのは寅丸星,はたて,永琳あたりだがこの辺は単純な出番不足だろう。霖之助は香霖堂の単行本が出てしばらく経ち,追加の話題がないのが原因か。


ついでに,ざっとではあるが作品別・各ステージ別の平均順位を出していろいろ考えてみた。ちょっと長くなったので,具体的な数字と分析は折りたたむことにして,簡潔なまとめとしては

・紅魔郷圧勝。以下,風神録>妖々夢>>>永夜抄=地霊殿>星蓮船>神霊廟。
・風神録は作品中キャラ人気の偏りがかなり小さい。それに対して妖々夢と永夜抄は格差社会化しつつある。
・3部作の最初は強くて最後はキャラ人気が出づらい。神霊廟は4作目なので例外。
・5ボスが最強。主人公補正ぱない。以下,EX>6>4>3>2>>1。
・思ったほど6ボスは強くなく,EXとの差がけっこうある。逆に4ボスとの差は少ない。
・3・4ボスは準主役格が多くて有利。その影響もあって,3・4ボスが恐ろしいほどの格差社会。

という感じになる。以下,詳しく読みたい人はどうぞ。

作品別順位。風神録の文以外初出に限定する。すなわち,妖々夢のチルノ,永夜抄の霊夢と魔理沙,神霊廟の幽々子とぬえ等は加味していない。妖々夢は,4ボスをルナサに代表させた数字とメルラン・リリカも加味した数字を両方算出。有効数字は小数点1桁まで。

紅:23.7 妖:31.3(41.5) 永:41.0 風:29.1 地:40.4 星:44.7 神:48.6

やはり紅魔郷が圧倒的に強い。が,実は小悪魔と大妖精の中ボス二人が大きく足を引っ張っているため,これを除くと平均15.9位とさらに圧倒的になる。もっとも中ボスを除くと順位が大きく上がるのはその他の作品でも同じで,妖:31.3(変動なし),永:35.8,風:27.0,地:34.6,星:44.7(変動なし),神:45.3。地霊殿の上昇が著しいのはキスメがカウントされなくなるためである。永夜抄は4ボスに霊夢・魔理沙の数値を入れると平均が33.4位まで上昇するが,さすがにこれは参考記録扱いだろう。同様に神霊廟も1ボスに幽々子・EX中ボスにぬえを入れると43.3位まで上がる(それぞれ,それでも紅魔郷に勝てないのが辛いところで)。

他では風神録と妖々夢が強い。特に風神録は軒並み今回下げてのこの順位なので,前回の平均値では紅魔郷とそれほど変わらなかったのではないかと予測される。また,風神録は全員そこそこ高い代わりに早苗と文以外突出した人気があるわけではないのに対し,妖々夢は圧倒的な人気をもつキャラを複数抱える一方,1・2・4ボスがWinキャラ最下位争いに近いため結果的にこうなっている。その4ボスが3人に増えたほうの平均順位では地霊殿に劣り,地霊殿・永夜抄にさえ負けてしまう。

実は風神録のように全員人気が分散しているパターンは珍しく,大体の作品は突出して人気のあるキャラとそうでないキャラに分かれる傾向がある。永夜抄は妹紅・優曇華・輝夜・慧音とその他,地霊殿は古明地姉妹・お空とそれ以外,星蓮船に至っては白蓮とそれ以外だし,神霊廟も布都とそれ以外になってしまっている。試しに標準偏差も出してみたが,一番格差社会が激しいのが妖々夢で二番目が地霊殿であった。興味深いことに,この2作品だけ標準偏差が約26と飛び抜けて高く,残りはおおよそ20以下である。もっとも,サンプル数が少ないのでこの標準偏差が有意であるかは我ながら疑問である。まあ,下がったといえども風神録は十分に強かったし,特異な存在であるのは変わりない。また,紅魔郷とあわせて「三部作の最初は強い」ということも再確認しておくべきだろう。

前期3部作では永夜抄が突出して低いが,これは以前からの傾向であり,今回に限ればむしろ永夜抄組は順位が極めて安定しており,大きく下がったのはてゐと永琳だけである。特に今回特筆すべきことがあるわけではなく,下がった原因については以前考察した通り,意外と儚月抄の効果は本当に大きいのではないかということと,登場回数不足である。


ステージ別。条件は先程と同じ。

1ボス:54.3 2ボス:40.1 3ボス:37.3 4ボス:32.8 5ボス:22.4 6ボス:28.0 EX・Ph:24.7

なんと5ボスが一番強いという結果に。自機は強い,としか言いようがない。これに追いすがるのがEXボスで割りと実力伯仲である。ちょっと下がって6ボスがいるが,5ボス・EXボスにこれだけ大差がついたのは意外である。それ以外は順当な結果といえよう。もう少し1ボスは順位が高いかと思っていたのだが,30位台がルーミアとナズーリンの二人だけ,残りは50位以下ではこうした結果になってしまう。

おもしろいのは3ボスと4ボスで,おそろしいほど順位に開きがある。3ボスでは,風神録までの4人が21,2,31,20と健闘しているのに対し,地霊殿からの3人が58,74,55と振るわない。上位陣については考えてみると萃夢想で自機化した美鈴,萃夢想・永夜抄で自機化したアリス,地霊殿で魔理沙のサポート役をゲットしたにとりと,3ボスは5ボスに次いで出番に恵まれやすいとは言えるかもしれない。残り3人も再登場の機会があれば,あるいは。4ボスはパチェ・文・さとりの3人が17・9・10位に対し,ルナサ62位・ムラサ59位・青蛾40位とこれも差が開いている。パチェと文は出番が非常に多く,さとりは実質的な地霊殿の主と要素が多いのに対し,幽霊楽団と船長はややキャラ立てに苦戦している様子が見受けられる。青蛾はさとりに近いポジションではあるが,黒幕ではあっても主ではないので少し弱いのが響いている。

最後に,それぞれの最高順位。

作品別では,紅:昨夜(3) 妖:アリス(2) 永:妹紅(12) 風:文(9) 地:さとり(10) 星:白蓮(23) 神:布都(19)となる。意外と5・6・EXボスに固まらない。

ステージ別では,1ボス:ルーミア(紅,35) 2ボス:チルノ(紅,25) 3ボス:アリス(妖,2) 4ボス:文(風,9) 5ボス:昨夜(紅,3) 6ボス:レミリア(紅,4) EX・Ph:フラン(紅,6)。わかってはいたが紅魔郷無双で,こう上から下まで強いとコメントのしようがない。

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この記事へのコメント
個人的には20位〜50位の中間層が大荒れに荒れたなあといった感想です。
下がることはあっても上がることはないだろうというキャラが上昇し、逆に早々下がらないだろうというキャラが下降。なかでも、椛の急上昇が謎すぎる……
華仙も個人的にはここまで伸びたのは(納得ですが)意外でした。
三月精の例からいって、コア層しか支持しないだろうと思っていたので。
Posted by 三毛招き at 2012年03月04日 14:03
そのあたりの中間層って,落ちるほうは割りとわかりやすいんですよ。
ちょっと目立たなければすぐに新キャラや目立ったキャラに票が流れてしまうので。かなり僅差で順位がついてますしね。
18〜20位でかなり票数に差があるので,20位以下はまさに中間層と言えるかもしれません。
それにしても萃香下がりすぎだろうとか,椛の急上昇の理由はよくわからない,とかありますが。

華扇ちゃんはあれです。pixiv効果も大きいです。
Posted by DG-Law at 2012年03月04日 22:28