2012年07月11日
アイマスクエスト考察（１）
長くなったので２分割した。（１）は作品全体の話。（２）は作中の設定確認や今後の予想など。
この偉大な作品を語る上で，外せない言葉がある。「アイマスクエスト�犬箸蓮撻▲ぅ疋襯泪好拭次曄撻疋薀乾鵐�エスト�検�FC版）】【ニコニコ動画（ニコマス）】を混ぜ合わせた二次創作物です。」ておくれPのHPのトップにある言葉である。突飛な設定や展開であっても，必ずこの３つのどれかにかかわるように作っているという点は，意外と指摘がなされていない。この言葉が初めて明言されたのは，４章解説の末尾である。いつ頃閣下に関連する設定が定まったのかはわからないが，少なくともこの時期までに今の展開をおおよそ構想していたに違いない。もっとも，この４章解説末尾でておくれP自身が「閣下とか「ドラクエ」にも「アイマス」にもない」と言っているのはその通りであるし，現在ではわかっていることではあるが閣下＝◯◯という発想からこの作品が誕生している。ゆえに，その意味ではあの１章からしてすでに３要素の合体した動画ではあった。同じ事は，８章冒頭でもはっきりと書かれている。
以下，ネタバレ。
この偉大な作品を語る上で，外せない言葉がある。「アイマスクエスト�犬箸蓮撻▲ぅ疋襯泪好拭次曄撻疋薀乾鵐�エスト�検�FC版）】【ニコニコ動画（ニコマス）】を混ぜ合わせた二次創作物です。」ておくれPのHPのトップにある言葉である。突飛な設定や展開であっても，必ずこの３つのどれかにかかわるように作っているという点は，意外と指摘がなされていない。この言葉が初めて明言されたのは，４章解説の末尾である。いつ頃閣下に関連する設定が定まったのかはわからないが，少なくともこの時期までに今の展開をおおよそ構想していたに違いない。もっとも，この４章解説末尾でておくれP自身が「閣下とか「ドラクエ」にも「アイマス」にもない」と言っているのはその通りであるし，現在ではわかっていることではあるが閣下＝◯◯という発想からこの作品が誕生している。ゆえに，その意味ではあの１章からしてすでに３要素の合体した動画ではあった。同じ事は，８章冒頭でもはっきりと書かれている。
以下，ネタバレ。
作者自身が明らかにしているところでは，「装備品の入手タイミングは極力原作にあわせる」「持ち歌やリリースされた曲のイメージに沿った展開を用意する」である。たとえば，原作５章のキングレオ編までで手に入るアイテムしか真は使っていない・迷走Mindが来たから６章の悩み苦しむ展開になったという点は６章解説で説明されている通りである。５章末は「隣に」が来たせいでああなった，ということも５章解説で語られていたりするので，こちらで読み取るまでもなく意図は明確である。
美希はシリーズと通して春香に次ぐ準主役の扱いで，単独のマーニャ編まであるが，これ自体箱○無印アイマスを考えれば順当な扱いである。ミネア救出のためのフラグが足りず急遽増えたライアン編とはここで一線を画す。そのマーニャ編解説では「新曲次第でシナリオも変わるかもしれません。このシリーズは曲の織り成す物語です」とあり，よりいっそうマスクエ全体のテーマ設定＝ニコニコとアイマスとドラクエの融合が明確になった。「inferno」がなければ７章雪歩がああなったとは考えづらいし，「マリオネット」が来たから美希がああなりましたよね，と。
ときどき８章で「もうアイマスじゃねーじゃん」だの「もうドラクエじゃねーじゃん」だのというコメントが流れるが，８章でもいまだもってきちんとアイマスとドラクエのコラボであり，特に曲の影響は極めて強い。本当はずらずらと並べて解説したいのだが，ちょっと見ている余裕がないのでこれくらいで勘弁してもらいたい。というか，俺が見たいので誰かやって。
どちらかというと，作品アイデンティティとして危ないのはアイドルマスターの側よりも，ドラゴンクエスト４の側であると思う。強調しておきたいには「４」という点。私は旧来からのドラゴンクエストファンで，このブログ内でもドラゴンクエスト関係のものはいくつか書いているくらいだ。だからこそ，この話を見た時にとても嬉しかったと同時に，随分と話の舵を切ったなと驚いた。
この話以後，どんどんロト時代のドラクエの設定が，アイマスクエストに追加されていく。おそらく，構想のレベルではておくれPの中でこうなっていたとは思うのだが，表現のレベルではこの話が最初だと思う。今となってはアイマスとドラクエ”シリーズ”とニコニコ動画のコラボ，としたほうが正しい。
そうすると実のところ，ここまでドラクエ６の要素がほとんど出てきていないのが伏線なのか，単にマスクエの世界では６は無かったことになってるのかが判断つかない。伏線だとするとおもしろい。１１４話でだいまどうが天空の勇者システムについて語るシーンがあるが，６がなければ４が最初の天空の勇者になるから，最初でシステムは無いだろう。また，マスタードラゴンが登場するのは２の後であろうから，６の話が無いとするとあのマスドラは本当に功績のないトカゲになってしまう。それはあまりに威厳がなかろう。この先ておくれPが描写するかどうかはわからないが，マスクエ世界でも６の話はあったと考えたほうが個人的にしっくり来る。時系列では賢者エスタークが登場する少し前か。
（要するに，原作２→閣下の魂は器無く彷徨う→原作６：天空勇者システム確立→賢者エスターク登場→地獄の帝王エスターク封印→マスクエ……かなぁ？）
（２）へ。
美希はシリーズと通して春香に次ぐ準主役の扱いで，単独のマーニャ編まであるが，これ自体箱○無印アイマスを考えれば順当な扱いである。ミネア救出のためのフラグが足りず急遽増えたライアン編とはここで一線を画す。そのマーニャ編解説では「新曲次第でシナリオも変わるかもしれません。このシリーズは曲の織り成す物語です」とあり，よりいっそうマスクエ全体のテーマ設定＝ニコニコとアイマスとドラクエの融合が明確になった。「inferno」がなければ７章雪歩がああなったとは考えづらいし，「マリオネット」が来たから美希がああなりましたよね，と。
ときどき８章で「もうアイマスじゃねーじゃん」だの「もうドラクエじゃねーじゃん」だのというコメントが流れるが，８章でもいまだもってきちんとアイマスとドラクエのコラボであり，特に曲の影響は極めて強い。本当はずらずらと並べて解説したいのだが，ちょっと見ている余裕がないのでこれくらいで勘弁してもらいたい。というか，俺が見たいので誰かやって。
どちらかというと，作品アイデンティティとして危ないのはアイドルマスターの側よりも，ドラゴンクエスト４の側であると思う。強調しておきたいには「４」という点。私は旧来からのドラゴンクエストファンで，このブログ内でもドラゴンクエスト関係のものはいくつか書いているくらいだ。だからこそ，この話を見た時にとても嬉しかったと同時に，随分と話の舵を切ったなと驚いた。
この話以後，どんどんロト時代のドラクエの設定が，アイマスクエストに追加されていく。おそらく，構想のレベルではておくれPの中でこうなっていたとは思うのだが，表現のレベルではこの話が最初だと思う。今となってはアイマスとドラクエ”シリーズ”とニコニコ動画のコラボ，としたほうが正しい。
そうすると実のところ，ここまでドラクエ６の要素がほとんど出てきていないのが伏線なのか，単にマスクエの世界では６は無かったことになってるのかが判断つかない。伏線だとするとおもしろい。１１４話でだいまどうが天空の勇者システムについて語るシーンがあるが，６がなければ４が最初の天空の勇者になるから，最初でシステムは無いだろう。また，マスタードラゴンが登場するのは２の後であろうから，６の話が無いとするとあのマスドラは本当に功績のないトカゲになってしまう。それはあまりに威厳がなかろう。この先ておくれPが描写するかどうかはわからないが，マスクエ世界でも６の話はあったと考えたほうが個人的にしっくり来る。時系列では賢者エスタークが登場する少し前か。
（要するに，原作２→閣下の魂は器無く彷徨う→原作６：天空勇者システム確立→賢者エスターク登場→地獄の帝王エスターク封印→マスクエ……かなぁ？）
（２）へ。
Posted by dg_law at 12:00│Comments(3)│
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この記事へのコメント
はじめまして。
１人のマスクエファンとして楽しく読ませていただきました。
マスクエの時系列を考えるうえで、「�困匹海い辰�!?」って話は必ず思い浮かびますねー。
身も蓋もない話ですが、自分はマスクエ世界では「�困鰐気�ったことになっている」と考えた方が自然だと思っています。
マーニャ編の人気投票動画（sm13347422）の13分辺りでておくれPが、
「�垢筬困鰺蹐瓩襪�10章超えちゃう」
という話をされていますし、マスクエのストーリー構想から�困漏阿気譴討い襪辰櫃い任后�
もちろん使われていないだけで�困眤減澆呂靴討い燭塙佑┐襪海箸�できるんですが、
世界の創造や施設の封印など、わりと大規模なことをやらかしていたデスタムーア時代の話に全く触れないというのはやや不自然かなーと。
（今後の展開への伏線という可能性もありますが）
それに、おっしゃる通り�困魘瓦爐覆薛兇肇┘好拭璽�時代の間というのが順当なのですが、
その場合、閣下（エスターク）が倒した勇者は「天空の勇者」ということになります。
しかしそうすると、閣下の軌跡を見てきたはずの春香が天空の勇者の事を知らなかったことなど、いくつか矛盾に近いものが生まれてしまうんですよね。
後、主観的な話になりますが、閣下が倒した勇者がロトの血族＝閣下の子孫であった方がより劇的になる気がw
そんなわけで、自分は�困鯡気�ったものと考えて、
閣下がゾーマ撃破。他の魂へ乗り移る秘術取得（�掘�
→勇者と魔王の戦いが繰り返される（�機Ν供�
→エスターク時代。地獄の帝王誕生
→天空の勇者のシステム誕生、地獄の帝王との戦いを繰り返す。
閣下は己を受け入れられる器が無いため封印されたまま。
→ピサロに敗れたことで、マスドラの閣下への監視が解かれる。
→春香参入により、閣下が再び現世へ。
……といった具合に時系列を捉えています。
長文失礼しました。
（２）も楽しみにしてます！
１人のマスクエファンとして楽しく読ませていただきました。
マスクエの時系列を考えるうえで、「�困匹海い辰�!?」って話は必ず思い浮かびますねー。
身も蓋もない話ですが、自分はマスクエ世界では「�困鰐気�ったことになっている」と考えた方が自然だと思っています。
マーニャ編の人気投票動画（sm13347422）の13分辺りでておくれPが、
「�垢筬困鰺蹐瓩襪�10章超えちゃう」
という話をされていますし、マスクエのストーリー構想から�困漏阿気譴討い襪辰櫃い任后�
もちろん使われていないだけで�困眤減澆呂靴討い燭塙佑┐襪海箸�できるんですが、
世界の創造や施設の封印など、わりと大規模なことをやらかしていたデスタムーア時代の話に全く触れないというのはやや不自然かなーと。
（今後の展開への伏線という可能性もありますが）
それに、おっしゃる通り�困魘瓦爐覆薛兇肇┘好拭璽�時代の間というのが順当なのですが、
その場合、閣下（エスターク）が倒した勇者は「天空の勇者」ということになります。
しかしそうすると、閣下の軌跡を見てきたはずの春香が天空の勇者の事を知らなかったことなど、いくつか矛盾に近いものが生まれてしまうんですよね。
後、主観的な話になりますが、閣下が倒した勇者がロトの血族＝閣下の子孫であった方がより劇的になる気がw
そんなわけで、自分は�困鯡気�ったものと考えて、
閣下がゾーマ撃破。他の魂へ乗り移る秘術取得（�掘�
→勇者と魔王の戦いが繰り返される（�機Ν供�
→エスターク時代。地獄の帝王誕生
→天空の勇者のシステム誕生、地獄の帝王との戦いを繰り返す。
閣下は己を受け入れられる器が無いため封印されたまま。
→ピサロに敗れたことで、マスドラの閣下への監視が解かれる。
→春香参入により、閣下が再び現世へ。
……といった具合に時系列を捉えています。
長文失礼しました。
（２）も楽しみにしてます！
Posted by 胡桃坂 at 2012年07月11日 21:38
はじめまして。とは言いつつ，めぐりあいクロニクルをちまちま読んでいるので，ちょっと不思議な気分ではありますｗ
で，一応，デスタムーア編を閣下が観察していなかったことについては，
１．詳細がわからなかったからスルーした。閣下の”世界を見通す目”は「目の前の相手は詳細にわかる，器の大きさくらいなら世界のどこにいる相手でもわかる」程度なので。
２．６の勇者は閣下が入るに足る器ではなかったから，あえてスルーした。
のいずれかかなーという私は解釈をとっています。
帝王エスタークがロトの勇者を倒してしまっている点については……ちょっとどうにも整合性取れませんね。そうすると，原作６の位置を地獄の帝王誕生後・マスクエ手前ということにすると，まだ整合性としてマシですが。
いずれにせよ，原作６存在説はこの点でかなり苦しいですね。
実は原作６存在説は，本文に書いた通り
・だいまどうが事前に「天空の勇者」のシステムについて知っているのは，４を初出の「天空の勇者」とすると不自然
・マスドラがあまりにも無功績で不憫
という点の不自然さの是正から考えついたものだったりします。
しかし，これらの点は
＞→天空の勇者のシステム誕生、地獄の帝王との戦いを繰り返す。
とすると，不自然さは消えますね。
原作６ではない，無数の天空の勇者が，マスクエまで地獄の帝王と戦って世界をつないできたのかもしれません……
で，一応，デスタムーア編を閣下が観察していなかったことについては，
１．詳細がわからなかったからスルーした。閣下の”世界を見通す目”は「目の前の相手は詳細にわかる，器の大きさくらいなら世界のどこにいる相手でもわかる」程度なので。
２．６の勇者は閣下が入るに足る器ではなかったから，あえてスルーした。
のいずれかかなーという私は解釈をとっています。
帝王エスタークがロトの勇者を倒してしまっている点については……ちょっとどうにも整合性取れませんね。そうすると，原作６の位置を地獄の帝王誕生後・マスクエ手前ということにすると，まだ整合性としてマシですが。
いずれにせよ，原作６存在説はこの点でかなり苦しいですね。
実は原作６存在説は，本文に書いた通り
・だいまどうが事前に「天空の勇者」のシステムについて知っているのは，４を初出の「天空の勇者」とすると不自然
・マスドラがあまりにも無功績で不憫
という点の不自然さの是正から考えついたものだったりします。
しかし，これらの点は
＞→天空の勇者のシステム誕生、地獄の帝王との戦いを繰り返す。
とすると，不自然さは消えますね。
原作６ではない，無数の天空の勇者が，マスクエまで地獄の帝王と戦って世界をつないできたのかもしれません……
Posted by DG-Law at 2012年07月11日 23:32
こちらこそちょくちょくお邪魔させてもらってます。
ホントは楽曲の話とかコラボの話とかにも乗っかりたかったんですが、まさかの文字数制限がっ……w
「地獄の帝王誕生後に天空の勇者制度ができ、何度か戦いを繰り返してきた」
っていうことにしたのは、
僕の仮定の整合性をとるにはそう考えざるを得なかったからでした。
しかしもしかすると、本編の設定の方に何らかの矛盾が生じているという可能性もあるかもしれませんね。
何せこれだけ長く複雑に入り組んだ物語を、
楽曲やキャラクターの心情に合わせて分岐させながら紡ぐなんていうとんでもないことをしているわけですから。
ストーリーテラーとしてのておくれPの手腕はそりゃもう信者とか呼ばれかねないレベルで信頼しているわけですが、
それでもやっぱり細かい矛盾とかは出ちゃうものなんじゃないかなー、なんて。
まあそんなのはプロの漫画家とかでも普通にやらかしちゃうことですし、
大きな破綻さえなければ自分はさほど問題だとも思わないんですがw
再びいろいろと失礼しました。
この調子だとコメント返しの無限ループに陥りかねない気がするので、
こちらのコメントには返信無しで大丈夫ですw
ホントは楽曲の話とかコラボの話とかにも乗っかりたかったんですが、まさかの文字数制限がっ……w
「地獄の帝王誕生後に天空の勇者制度ができ、何度か戦いを繰り返してきた」
っていうことにしたのは、
僕の仮定の整合性をとるにはそう考えざるを得なかったからでした。
しかしもしかすると、本編の設定の方に何らかの矛盾が生じているという可能性もあるかもしれませんね。
何せこれだけ長く複雑に入り組んだ物語を、
楽曲やキャラクターの心情に合わせて分岐させながら紡ぐなんていうとんでもないことをしているわけですから。
ストーリーテラーとしてのておくれPの手腕はそりゃもう信者とか呼ばれかねないレベルで信頼しているわけですが、
それでもやっぱり細かい矛盾とかは出ちゃうものなんじゃないかなー、なんて。
まあそんなのはプロの漫画家とかでも普通にやらかしちゃうことですし、
大きな破綻さえなければ自分はさほど問題だとも思わないんですがw
再びいろいろと失礼しました。
この調子だとコメント返しの無限ループに陥りかねない気がするので、
こちらのコメントには返信無しで大丈夫ですw
Posted by 胡桃坂 at 2012年07月12日 01:06
