2012年08月01日
彼女と彼女と私の七日 レビュー
先に書いておくと,端的に言って名作である。百合ゲーでフリーゲーム,という非常に特殊なゲームである。フリーなので公式HPからダウンロード可能であるが,夏コミにサントラ付のパッケージ版が発売されるので,今からプレイするならそっちを買うことをお勧めする。ショップ委託もあるそうである。
公式HPを見てくれればわかる通り,まずCGのクオリティが高い。また,実際にやってみるとわかるが音楽とテキスト・シナリオの質も悪くない。しかもフルボイスである。短いには短いが,普通にプレイして6〜7時間ほど,読むのが早ければ5時間ほどはかかる程度にボリュームがあり,低価格路線の商業作品程度には作品規模がある。これでフリーというのは驚異でしかない。あとがきで作者たち自身が「こうしたものの安売りは業界の価格破壊につながる」ということを述べているが,にもかかわらずフリーである。
それでもフリーにした理由そのものが,本作の高品質のために犠牲となったものであるとも言える。すなわち,金銭がかかわることで3人のチームワークが崩れてしまうのを避けたことと,それぞれの本業優先で制作したため,ボリュームと比較すればあまりにも長い制作期間がかかったことだ。2chで「同人ゲーム 作 ら な い か」が立ったのがなんと2008年5月,やっとメンバーがそろったのが2009年4月,そこから公式HPが開設され作品公開の目処が立ったのが2010年7月,そして2011年3月にやっと完成した。丸3年近くかかっており,どこの大作だという話なのだが,声優さんやスペシャルサンクス,名無しのスレ民たちを除けば主要スタッフが3人だけなのだから仕方がない。ちなみに,3人だから絵・シナリオ・音楽かとおもいきや,絵とシナリオが同一人物で,3人目はスクリプトだったりする。
やる気と時間(と能力)をかければ高品質なものはできるという点では,まさに同人の醍醐味であるだろう。一方で,きちんとお金をかければ大概良い物ができる,という対義語もある程度正しいのではあるのだけれど。
さて,一方。評価に「低価格であることorフリーであること」を考慮するべきか否かというのは常に我々レビュアーに立ちはだかる問題である。個人的には価格を考慮してもよいと思う。というよりも,価格によらず,全ての外的事情を外して作品そのものを評価するというのは非常に困難で,究極的には内的感想と外的要因の分離は不可能である。繰り返していうが,これは価格に限った話ではない。バグの量やその修正過程,特典の種類や質・量,パッケ絵(その意味ではパッケ版かDL版かということ自体),さらにはその人のプレイ環境等々,感想に影響を与える外的要因というのは無数にあり,”純粋な感想”というものは幻ではないかと思う。
しかし,これだけの作品をフリーで配布されるのは,それはそれで気が引ける話であって,むしろそのことが作品評価に影響しかねない。今からプレイするならばパッケ版を勧めるのはそうした理由もある。いずれにせよ,私はフリーで遊ばせてもらったこと自体を評価したい。点数をつけるなら,85点弱。
百合ゲーとして見るなら,やや異色の作品ではあるかもしれない。それこそ,同人らしい作者のエゴが存分に出ている。受け攻めのリバはしない,貝合わせとかない,ふたなり色は薄い(出ないわけではない),そもそも18禁である点自体等。私自身の好みで言えばド直球でもなく外れているわけでもなくという感じだが,十分に実用的であった,とは言っておく。
シナリオについて。凝った設定の割に短く綺麗にまとめたのはすごいと思うが,そもそもあれだけ凝った設定にする必要があったのかどうかはやや疑わしい。その辺の自信の無さはジャンル名「エセ魔法学園でエセオカルトな18禁ガチ百合ノベル」にも現れている。確かにエセオカルト……ではあるかな。一応,魔法が科学となってしまった世界におけるオカルトの存在意義,という話ではあるので。(ネタバレ:ぶっちゃけて言えば型月の魔術と魔法の違いではあるので,斬新さはない。)一方で発展の余地はあり,あの凝った設定が続編の伏線なのであれば,それは大いに期待したいところだが。
公式HPを見てくれればわかる通り,まずCGのクオリティが高い。また,実際にやってみるとわかるが音楽とテキスト・シナリオの質も悪くない。しかもフルボイスである。短いには短いが,普通にプレイして6〜7時間ほど,読むのが早ければ5時間ほどはかかる程度にボリュームがあり,低価格路線の商業作品程度には作品規模がある。これでフリーというのは驚異でしかない。あとがきで作者たち自身が「こうしたものの安売りは業界の価格破壊につながる」ということを述べているが,にもかかわらずフリーである。
それでもフリーにした理由そのものが,本作の高品質のために犠牲となったものであるとも言える。すなわち,金銭がかかわることで3人のチームワークが崩れてしまうのを避けたことと,それぞれの本業優先で制作したため,ボリュームと比較すればあまりにも長い制作期間がかかったことだ。2chで「同人ゲーム 作 ら な い か」が立ったのがなんと2008年5月,やっとメンバーがそろったのが2009年4月,そこから公式HPが開設され作品公開の目処が立ったのが2010年7月,そして2011年3月にやっと完成した。丸3年近くかかっており,どこの大作だという話なのだが,声優さんやスペシャルサンクス,名無しのスレ民たちを除けば主要スタッフが3人だけなのだから仕方がない。ちなみに,3人だから絵・シナリオ・音楽かとおもいきや,絵とシナリオが同一人物で,3人目はスクリプトだったりする。
やる気と時間(と能力)をかければ高品質なものはできるという点では,まさに同人の醍醐味であるだろう。一方で,きちんとお金をかければ大概良い物ができる,という対義語もある程度正しいのではあるのだけれど。
さて,一方。評価に「低価格であることorフリーであること」を考慮するべきか否かというのは常に我々レビュアーに立ちはだかる問題である。個人的には価格を考慮してもよいと思う。というよりも,価格によらず,全ての外的事情を外して作品そのものを評価するというのは非常に困難で,究極的には内的感想と外的要因の分離は不可能である。繰り返していうが,これは価格に限った話ではない。バグの量やその修正過程,特典の種類や質・量,パッケ絵(その意味ではパッケ版かDL版かということ自体),さらにはその人のプレイ環境等々,感想に影響を与える外的要因というのは無数にあり,”純粋な感想”というものは幻ではないかと思う。
しかし,これだけの作品をフリーで配布されるのは,それはそれで気が引ける話であって,むしろそのことが作品評価に影響しかねない。今からプレイするならばパッケ版を勧めるのはそうした理由もある。いずれにせよ,私はフリーで遊ばせてもらったこと自体を評価したい。点数をつけるなら,85点弱。
百合ゲーとして見るなら,やや異色の作品ではあるかもしれない。それこそ,同人らしい作者のエゴが存分に出ている。受け攻めのリバはしない,貝合わせとかない,ふたなり色は薄い(出ないわけではない),そもそも18禁である点自体等。私自身の好みで言えばド直球でもなく外れているわけでもなくという感じだが,十分に実用的であった,とは言っておく。
シナリオについて。凝った設定の割に短く綺麗にまとめたのはすごいと思うが,そもそもあれだけ凝った設定にする必要があったのかどうかはやや疑わしい。その辺の自信の無さはジャンル名「エセ魔法学園でエセオカルトな18禁ガチ百合ノベル」にも現れている。確かにエセオカルト……ではあるかな。一応,魔法が科学となってしまった世界におけるオカルトの存在意義,という話ではあるので。(ネタバレ:ぶっちゃけて言えば型月の魔術と魔法の違いではあるので,斬新さはない。)一方で発展の余地はあり,あの凝った設定が続編の伏線なのであれば,それは大いに期待したいところだが。
Posted by dg_law at 12:00│Comments(0)│