2012年09月19日

イクター制ややこしい

・中東と源平(Togetter)
→ このたとえは細部違いつつわかりやすいから使ってしまう。天皇と将軍,カリフとスルタンの関係は,やはり近いものがあると思う。
→ ただし,ブワイフ朝はシーア派で,スンナ派のアッバース朝カリフからしてみれば完全な武力抑圧であったので,同じ武家政権でもセルジューク朝の到来を期待していた点。これに比べると源平の争乱は同じ武家の棟梁同士の争いでしかない。
→ また,ブワイフ朝は文化的に成熟していたとはいいがたく,統治制度としても,イクター制という半ば封建制をイスラーム世界に導入してしまい,これで中東の農業が荒廃して後世大きく尾を引いた点は指摘しておく必要がある。イクター制が世襲ではなく,初期には行政権もなく,本当に単純な「給料分だけ徴税する権限」だったのはその通り。ただし,そのせいでより極端な収奪が進んでしまった点と(ブワイフ朝期),改善のため行政権を含んだ結果封建制に近くなり(セルジューク朝期),封建制から脱していく西欧とは逆の歴史を経てしまった点を鑑みるに,良い制度だったとは言えないだろう。
→ オスマン,サファヴィー朝など近世の諸帝国では縮小,消滅したのも当然か。逆説的に言って,だからこそ近世の諸帝国が出現したとも。


・殴り慣れ(増田)
→ 自分もこの流れは苦手。現場にいたら殴らずに済ませると思う。もっとも,こういう流れに遭遇したこと自体が滅多にないが。


・「着物はこうあるべき」という世間の目が和装文化をじわじわ殺している。(Togetter)
→ 言われてみるとそうだな,と思う。何事も伝統と革新のバランスが大事だが,自分を含めた世間の風潮は伝統の側によりすぎていたかもしれない。
→ でも画像見ると,これが「着物」とは思えんなー。「着物」と「着物風」は違う,というのは大事なことかな。デザインや意匠が着物由来のものが日常的に入り込む分には抵抗がないけど,それを正真正銘着物と言われてしまうと抵抗がある”部外者”は,かなり多いと思う。
→ なお,tweet自体は1年前のもの。


・皇居ランナー 平日夕方4000人 過密状態、歩行者ひやり(産経新聞)
→皇居でジョギング,ランニングする人が増えて問題になっているという話題。皇居の東御苑周辺は自分もときどき行くが(近美などの用事で),確かに多い。しかもランニングのスピードが早いので避けようがなく,けっこう怖い。規制もやむなしであろう。
→ 景色はいいし距離も測りやすく,仲間がたくさんいるので流行するのもわかるのだが,排ガスくさいので健康に気を使うなら別の場所で……とは思う,他人事ながら。

この記事へのコメント
はじめまして。

少し前に貴サイトを見つけ、こんな面白いブログがあったのかと驚愕し、よくお邪魔しています。

私も歴史も東方も野球も好きな人間ですので、ニヤニヤしつつ(←)記事を楽しませて頂いております。

ほんの挨拶程度でしたが、今後とも宜しくお願い致します。
Posted by omi at 2012年09月21日 12:07
話題が日々てんでバラバラなうちのブログとしては,それだけついてこられるネタが多い方は貴重であります。

これからよろしくお願いします。
Posted by DG-Law at 2012年09月21日 22:11