2013年02月25日

タイ紀行(1):気候・食

行ったのは1月中旬だが,いろいろあってずるずると報告を書くのを引き伸ばしにしていた。主な理由は行き帰りに読んだ『天地明察』の書評が滞っていたことだったりするのだが,ようやく旅行記に取り掛かれることとなった。行った先はチェンマイからスタートして南下,時間の都合でスコータイにはよれず,アユタヤには寄ってバンコクから帰還した。時系列順に書いていってもあまりおもしろくなさそうだったので,分野別に書いていく。


1.気候
タイは言うまでもなく国土全体が熱帯で,ケッペンの区分で言えばほぼ全域がサバナ気候に入る。1月だろうと超熱いだろうということで真夏用の服装を準備していったが,これはアユタヤ以南では大正解であった。というかバンコクの気候はおかしい。気温が40度近いとかいう以前の問題で,日差しが痛いのである。きついのを通り越して”痛い”。時折「日本の夏は気温より湿気のせいで不快指数が高い。熱帯の乾燥してる時期のほうが過ごしやすいくらい」とかいう言葉を聞くが,誰だそんなこと言った奴は。日差しが痛いなんてのは生まれて二十数年,初めての経験であり,あれが一日中,ほぼ一年中続くのであれば,私的にはどう考えても日本の夏のほうがよほど快適である。他人の感覚なんてあてにならないというよりは,経験してみなければわからないもんだなと思った。

一方,チェンマイはイメージしていたタイと全く違い,最初の観光地であっただけにカルチャーショックは大きかった。それだけにアユタヤに着いたときの「これだよ,これ!」感も強かったが。具体的にどうだったかと言えば,チェンマイは涼しかったのである。さすがに日本の冬とは比べ物にならないが,日差しが痛いということもなく,半袖じゃないと過ごせないということもなく,むしろ薄手の長袖は必要なくらいには涼しかった。チェンマイはタイ北部の都市であるが,北だから涼しかったというよりは高地だから涼しかったと言ったほうが正しかろう。一応現地の天気予報を見ると最高気温で25度前後であったが,体感としてはもっと涼しく,この辺がまさに「乾いているから」なのだとすれば前述の言葉もあながち間違っていない。


2.食
辛いイメージがあるが,韓国料理がそうであるように辛くないものだってあるだろう,というノリであまり心配していなかった。これはおおよそ正しく,それほど食には困らなかった。もちろん味付けが独特で,辛くなくても食べづらいというものはいくつか出てきたし,辛いものが多かったことは言うまでもなかろう。その独特の味付けを楽しむのが海外旅行だと思う。

目についた料理をいくつか。チェンマイ名物と言えばカオソイと呼ばれる麺料理だが,一言で言えば「カレーラーメン」である。カレーうどんではなく,麺はほぼ日本のラーメンであった。辛さ控えめで,辛いのが大の苦手な私でも十分完食できた。二回食べて二回ともそうだったし,同時に食べた普通のカレーは普通の辛さだったので,そういう料理なのだと思う。ブログにアップするつもりであったのだが,カオソイの写真を撮り忘れたのが痛い。さてそのカレーであるが,インド風カレーと比べるとココナッツミルクがベースになっているため,まろやかで一口目の感触はそれほど辛いように感じない。が,見事にココナッツミルクのクッションに騙されているだけで,魔法が解けると反動もあって突然辛さに襲われることになる。やはり,辛いものはどうあっても辛い。

そしてカレーだけ辛いならいいのだが,タイ人は何かにつけて香辛料を入れるらしく,何食べてもスパイシーであった。見た目が赤ければまだわかるのだが,カツで閉じられた肉に香辛料がかかってたり,グリーンカレーのような状態だったりすると見た目辛そうに見えないというトラップがあり,飯は常に戦々恐々としていた。トムヤンクンは無論のことながら辛かったのだが,辛いというよりは酸っぱいという感覚が先行し,普通のカレーに比べれば意外にも飲みやすかった,それでも完食はできなかったが。意外な安牌が米類で,インディカ米ではあるのだがモチ米文化でもあるらしく,毎食モチ米であったのだがこれが抜群にうまい。辛さに耐えられ無くなったらモチ米をほおばる方式で,割りと辛さも楽しめたのかな,とは思う。

と,ここまで店屋で食べたものばかりで書いてきたが,夜市などの屋台の食べ物について。まず言うまでもなく衛生的に相当怪しいので,慎重に食べること。さらに店屋のものは現地民向けの店であっても,多少なりとも味がマイルドになっているが,屋台の物はいろんな意味でド直球であることには留意せねばなるまい。その上で言うならまあ,一回くらい食べても人生経験にはなると思うが正直に言ってお勧めはしない。どこでもいいから店で食べよう。

熱帯共通のこととして,フルーツはおおよそ何を食べてもうまかった。マンゴー・スイカ・パイナップルが3点セットで出てくることが多く,スイカは日本のものと変わらないかやや水っぽい。マンゴーとパイナップルは圧倒的に味が濃かった。さて,タイでフルーツと言えばドリアンかと思うが,ドリアンは二回食べて二回とも味が大きく違ったので種類差か個体差が激しいのではないかと思う。一つは強烈な臭さだったが甘みも豊富で,もう一つはそれほど臭くなくて食べやすかったものの「王様」的な風格に欠ける甘みであった。前者は(食べたことがある人なら同意してくれると思うが)とても完食できるような臭さではない。後者はインパクトこそ欠けたものの,普通に食べられる上においしかった。前者は店屋で出てきたが後者は屋台で買ったので,おそらく臭くて食べられないほうが高かったと思う。画像は屋台で買って,屋台のおばちゃんにカットしてもらったもの。


ドリアン



最後に,お酒。ビールが好きならシンハービールを飲んでおけば良かろうが,ビールが別に好きではない私にとってはこの点なかなかつらい国で,ビール以外は日本で飲めるようなお酒しか見なかった。さっき調べたら一応米焼酎も国産のものがあったようだが,旅行中は見つけられなかった。残念である。


(2)へ。

この記事へのコメント
コンビニにいくとたいてい BLEND っていう米で作ったという噂のウィスキーがありますよー。普通に飲みやすくていいですよ。
発展途上国ならではのきつさを味わいたいならMekongや100 Pipersをどうぞ。レッドブルで割って飲むといいらしい、と聞きますね。確かにおいしかった。
あと辛いのが苦手でしたらカオカームーやカオモッガイ、それから各種クイッティアオに挑戦してみてください。おいしいですよー。
Posted by Koshian at 2013年02月26日 00:43
そうなんですよ,ガイドブックでは見てたので,米のお酒無いかな−と。
コンビニにも寄ったんですが,正直よくわからずに買えませんでした。
その意味では,語学力と度胸の敗北ではありますね。
次にいつ海外旅行(というかタイ旅行)できるかわかりませんが,米のウィスキーも飲んでみたいと思います。

カオカームーとカオモッガイの画像見て思い出しましたが,正確な料理名が分からずじまいでしたが炒飯的なものは何食べてもおいしかったですね。
餅米のインパクトが強くてそっちを書いちゃいましたが。
Posted by DG-Law at 2013年02月26日 09:53