2013年03月08日
受験世界史悪問・難問・奇問集 ver.2013 その1(上智大)
書籍版ができました!この年度も収録しています。
・序
昨年の記事は大変好評をいただき,このブログでも一,二を争う長期ヒット作となった。読者の皆様に感謝申し上げる。基本的な目的意識については昨年のものとなんら変わりない。つまり,悪問や度を超えた奇問・難問に対する糾弾である。なぜならそれらの大半は偶発的な事故や意欲的な作問の結果などではなく,大学という教育研究機関にあるまじき知的怠惰の結果から生まれるものであり,それもほとんどの場合一切釈明しないという傲慢な権威主義が見られるものだからだ。本記事は単なる悪問の収集を行うだけでなく,どうしてそのようなことが言えるのか,解説を加えていくものである。ただし,収集の目的が主であるから,きちんと釈明された問題や単純な出題ミスについても収録している。ミスのない人間などおらず,謝罪・訂正のあったものについては全く批判する気はない。この点ご了承いただきたい。
・収録の基準と分類
基準は昨年と全く同じであるので再掲する。
出題ミス:どこをどうあがいても言い訳できない問題。解答不能,もしくは複数回答が認められるもの。
悪問:厳格に言えば出題ミスとみなしうる,国語的にしか解答が出せない問題。
→ 歴史的知識及び一般常識から「明確に」判断を下せず,作題者の心情を読み取らせるものは,世界史の問題ではない上に現代文の試験としても悪問である。
奇問:出題の意図が見えない,ないし意図は見えるが空回りしている問題。主に,歴史的知識及び一般常識から解答が導き出せないもの。
難問:一応歴史の問題ではあるが,受験世界史の範囲を大きく逸脱し,一般の受験生には根拠ある解答がまったく不可能な問題。
難問の分類について注記しておく。大学入試という形式上,どれかしらの高校生向け検定教科書に記載があることが,最低限の基準である。ゆえに本記事で言及する「受験世界史の範囲」は,「山川の『用語集』に頻度�,任發いい�らとりあえず記載があるもの」とした。おそらく,これが「受験世界史の最広義の定義」であり,ある種の「受験生と大学の暗黙の了解が守られる限界のライン」であろう。特に慶應大学の作題者は『用語集』の頻度� Ν△鯀世辰討�ている節があり,信義をギリギリで守っているがゆえに早稲田や上智に比べると収録数が少ない。逆に言えば,少し基準を緩めただけで大量に引っかかるということなのだけれど。
もっとも,現実的に考えると,販路の限られた教科書の全種類に受験生が触れることは実質的に不可能であり,また他科目への圧迫ともなる。ゆえに,多くの教科書に記載がある=少なくとも用語集頻度が�ぐ幣紂い修靴道垣遏ε貊顱�実教のいずれか1冊以上で言及のあるもの,というのが本来の適正な「受験世界史の範囲」であろう(東大や京大はほぼこの基準を守っている)。あわせて,たとえば「� 銑い�ら選ぶ正誤判定で,�,寮飢鬚棒賁臈�な歴史用語が使用されているが,�◆銑い�全て(マイナーではあれ)受験世界史範囲内知識であるため,なんとか�,�正解とわかるパターン」のようなものは収集対象としていない。
・総評
今回のリストも総数で約40,昨年とほぼ同じ数が積み上がったものの,比較的小粒である。昨年に比べると悪問は量的に変わらないながら,質的にはおとなしくなったといえるだろう。喜ばしいことである。一方で「日本語がひどいせいで悪問」というものは昨年と変わらず目立ち,これを作ったのが日本の学術をリードしている方々だと考えると暗澹たる気分になる。また,今年の本当のラスボスは早大ではなく一橋であった,ということは付記しておく(まあ一橋大のアレは一応受験世界史範囲内で解答可能だけれども)。
以下,具体的なリストに入る。本日は上智大のみで,慶應大・早稲田大については明日。出落ち感が半端ないのでご注意。
・序
昨年の記事は大変好評をいただき,このブログでも一,二を争う長期ヒット作となった。読者の皆様に感謝申し上げる。基本的な目的意識については昨年のものとなんら変わりない。つまり,悪問や度を超えた奇問・難問に対する糾弾である。なぜならそれらの大半は偶発的な事故や意欲的な作問の結果などではなく,大学という教育研究機関にあるまじき知的怠惰の結果から生まれるものであり,それもほとんどの場合一切釈明しないという傲慢な権威主義が見られるものだからだ。本記事は単なる悪問の収集を行うだけでなく,どうしてそのようなことが言えるのか,解説を加えていくものである。ただし,収集の目的が主であるから,きちんと釈明された問題や単純な出題ミスについても収録している。ミスのない人間などおらず,謝罪・訂正のあったものについては全く批判する気はない。この点ご了承いただきたい。
・収録の基準と分類
基準は昨年と全く同じであるので再掲する。
出題ミス:どこをどうあがいても言い訳できない問題。解答不能,もしくは複数回答が認められるもの。
悪問:厳格に言えば出題ミスとみなしうる,国語的にしか解答が出せない問題。
→ 歴史的知識及び一般常識から「明確に」判断を下せず,作題者の心情を読み取らせるものは,世界史の問題ではない上に現代文の試験としても悪問である。
奇問:出題の意図が見えない,ないし意図は見えるが空回りしている問題。主に,歴史的知識及び一般常識から解答が導き出せないもの。
難問:一応歴史の問題ではあるが,受験世界史の範囲を大きく逸脱し,一般の受験生には根拠ある解答がまったく不可能な問題。
難問の分類について注記しておく。大学入試という形式上,どれかしらの高校生向け検定教科書に記載があることが,最低限の基準である。ゆえに本記事で言及する「受験世界史の範囲」は,「山川の『用語集』に頻度�,任發いい�らとりあえず記載があるもの」とした。おそらく,これが「受験世界史の最広義の定義」であり,ある種の「受験生と大学の暗黙の了解が守られる限界のライン」であろう。特に慶應大学の作題者は『用語集』の頻度� Ν△鯀世辰討�ている節があり,信義をギリギリで守っているがゆえに早稲田や上智に比べると収録数が少ない。逆に言えば,少し基準を緩めただけで大量に引っかかるということなのだけれど。
もっとも,現実的に考えると,販路の限られた教科書の全種類に受験生が触れることは実質的に不可能であり,また他科目への圧迫ともなる。ゆえに,多くの教科書に記載がある=少なくとも用語集頻度が�ぐ幣紂い修靴道垣遏ε貊顱�実教のいずれか1冊以上で言及のあるもの,というのが本来の適正な「受験世界史の範囲」であろう(東大や京大はほぼこの基準を守っている)。あわせて,たとえば「� 銑い�ら選ぶ正誤判定で,�,寮飢鬚棒賁臈�な歴史用語が使用されているが,�◆銑い�全て(マイナーではあれ)受験世界史範囲内知識であるため,なんとか�,�正解とわかるパターン」のようなものは収集対象としていない。
・総評
今回のリストも総数で約40,昨年とほぼ同じ数が積み上がったものの,比較的小粒である。昨年に比べると悪問は量的に変わらないながら,質的にはおとなしくなったといえるだろう。喜ばしいことである。一方で「日本語がひどいせいで悪問」というものは昨年と変わらず目立ち,これを作ったのが日本の学術をリードしている方々だと考えると暗澹たる気分になる。また,今年の本当のラスボスは早大ではなく一橋であった,ということは付記しておく(まあ一橋大のアレは一応受験世界史範囲内で解答可能だけれども)。
以下,具体的なリストに入る。本日は上智大のみで,慶應大・早稲田大については明日。出落ち感が半端ないのでご注意。
1.上智大 2/3実施
<種別>リード文
<問題>1 世界史を好きになる方法について,生徒と教師の会話文。なぜか広島弁。そのラストの教師の台詞「いうとくけど,入試で点とるには,暗記に徹するしかないんよ。完全なマーク式で細かいことまで聞く大学もあるけん。」
<コメント>開き直りにもほどがある。 ※ 上智は完全マーク式です。
細かいことを聞くのは良いのだが,教科書範囲外では暗記しようがない点についてはノーコメントなのだろうか。それにしても,まさか暗記学習を推奨するとはねぇ……ちなみにこの大問は中国史で,三国志についての設問が多かったことを付記しておく(五丈原の戦い,党錮の禁,司馬炎等)。出題者の趣味か。ただし,この大問は上智にしては比較的まともで,2に挙げた1問を除けば普通に解ける。この作題者については言うだけのことはあるという感じ。一方,この日程の他の大問はひどく,3以降ずらずらと続く。
2.上智大 2/3実施(2つめ)
<種別>難問
<問題>1 問(15) ギリシア近現代史の説明として誤っているものはどれか。
a 1829年にオスマン帝国から独立した。
b 1941年にドイツ軍に占領された。
c 1972年に軍事政権が倒され民主制へ復帰した。
d 1981年にECに加盟した。
e 2009年の政権交代により財政赤字の隠ぺいが明るみに出た。
<解答解説>答えはcで,民主制復帰は1974年だから。わずか2年違いであり,ギリシアの民主制復帰はほとんどの教科書で詳細な記載がない。こうした場合は消去法で解くのが正攻法だが,残りの選択肢も細かい。eのギリシア財政危機は無論の事ながら教科書に記載がない。しかも財政赤字隠ぺいの発覚は確かに2009年の年末だが,それが表面化し経済危機に推移していったのは2010〜11年のことなので紛らわしい。案外この選択肢で間違えた受験生も多いのではないか。
3.上智大 2/3実施(3つめ)
<種別>限りなく出題ミスに近い
<問題>2 問(10) 下線�─並莪貅々餠�合作)時期の中国に関する次の説明のうち,誤っているものはどれか。
a 北京に中華民国の中央政府が存在したが,各省に軍閥が割拠し,北京政府の権限は大きく制約された。
b この時期まで,袁世凱以来の北京政府が存続したことから,臨時約法が曲がりなりにも基本法として機能した。
c 北京政府は大総統・国務院と国会により運営された。
d この時期,北京政府の実権を握っていたのは奉天派の段祺瑞である。
<解答解説>dの誤りが明白な易問であり(段祺瑞は奉天派ではなく安徽派),むしろこれが解答できなければ上智は受からない。しかし,bの内容も怪しい。なぜなら臨時約法は1923年10月に失効しているからである。より正確に言えば袁世凱独裁の過程で空文化したが,その死後に復活し黎元洪政権ではそれなりに機能していた。その後曹コン(曹錕)の政権になってから正式な憲法が発布されたが,これが1923年10月のこと。無論の事ながらこれらの内容は全て受験世界史範囲外である。が,「受験生が知らないから大学側も無視してよい」ということはない。同様の指摘は代ゼミからもあったが,この件について大学から訂正の発表はない。なお,上智大は臨時約法についての出題ミス・悪問は昨年もやらかしてしまっており,受験生以上に大学側が臨時約法に詳しくないようである。そもそも臨時約法自体が極めてマイナーであることも踏まえるに,もう出題しないほうがいいのではないかという感想しかない。
4.上智大 2/3実施(4つめ)
<種別>出題ミス
<問題>2 問(20) 下線�亜癖顕渋膤很申�結宣言・「四つの現代化」の新目標の提唱)の宣言,新目標を提唱した最高指導者を次から選びなさい。
a ��小平 b 華国鋒 c 江沢民 d 朱鎔基
<解答解説>こんなもんaの��小平でFAだろと考えた人が大半であろう。しかし,明確に��小平体制が確立したのは1980年代初頭のことであり(1981年とするのが一般的),これらが起きた1977年当時ではまだ復活の直後で権力闘争の行く末は未定であった。これを前提とすると,bの華国鋒は発表時の共産党主席・首相兼任で,少なくとも表向きは紛れもなく「最高指導者」である。これは複数解答と判断せざるを得ず,やはり代ゼミから指摘があったが大学からの発表はない。「一つ選びなさい」とは書いてないし,闇に葬る予定らしい。
5.上智大 2/3実施(5つめ)
<種別>悪問
<問題>3 現段階で最古の文字とされているのは,(5)で,前(6)年頃に誕生したとされている。
(5)a 楔形文字 b ヒエログリフ c 甲骨文字 d マヤ文字 e 正解無し
(6)a 4000 b 3500 c 3100 d 1500 e 正解無し
<解答解説>そもそも古代史の年代などそうそう確定しているものはなく,出題には慎重を要するものだ。一般的にこうしたものの最古は大概メソポタミア文明であるから,出題者も楔形文字を想定しているのであろう。山川・東京書籍・実教・三省堂・帝国書院と主要教科書はさらってみたが,断定的に書いてあるものはなく,年代を掲載しているものも皆無であった。次に辞書・百科事典類を探してみると,ちらほら記載はあるものの楔形文字説・ヒエログリフ説どちらもあり,かつ年代も4000年説・3400年説・3100年説・3000年説とてんでばらばらで,解答を絞りようがない。(5)は代ゼミ・東進ともにa楔形文字だが,(6)は代ゼミがc,東進はbとcを併記している。
6.上智大 2/3実施(6つめ)
<種別>難問かつ悪問
<問題>3 『旧約聖書』によると,(8)川上流で遊牧生活を送っていたひとりの族長にヤハウェ神の命令が下り〜〜(中略)〜〜こうしてヘブライ人は,前(11)世紀頃パレスティナに移住した。
(8)a チグリス b インダス c ナイル d ユーフラテス e 正解無し
(11)a 19 b 17 c 13 d 11 e 正解無し
<解答解説>(8)の正解はdのユーフラテス川だが,ヘブライ人の原住地は範囲外である。(11)は不自然に無い「15」が正しいので,マークとしてはeが正解。これは用語集に記載があるので,難問ではあるが解答不能で糾弾される問題ではない。ただし,問題文に従って『旧約聖書』に則るならば,アブラハムの生存年代は紀元前20〜18世紀にあたるため,解答はaになる。キリスト教関連の知識を問うあたりさすがは上智大学だが,歴史学上の解答が欲しいのか神学上の解答が欲しいのかは,はっきりしておいてほしい。
7.上智大 2/3実施(7つめ)
<種別>難問
<問題>3 それ(ヤハウェ第二神殿)がまたもや破壊されたのは(24)によってであり〜〜
(24)a ハスモン朝 b プトレマイオス朝 c ローマ帝国 d セレウコス朝 e 正解無し
<解答解説>第一神殿はソロモン王が建設し,ネブカドネザル2世のカルデアによって破壊されている。そして,アケメネス朝のキュロス王によってバビロン捕囚から解放されると第二神殿がつくられるが,これが破壊されたのはローマ帝国期のユダヤ戦争,紀元後70年のこと。よって正解はcになる。第一神殿は教科書に記載があるが,第二神殿については受験世界史範囲外。去年も書いたが,この第3問(5.〜7.)作った方はもう一度キリスト教徒の博愛の精神に立ち返って欲しいところである。
8.上智大 2/4実施
<種別>悪問
<問題>1 ちまたに知られている「赤壁の戦い」といえば,いうまでもなく中国の(1)時代の戦いで,(2)末期に,圧倒的な勢力を誇る魏の曹操軍と〜〜
(1)a 五胡十六国 b 春秋 c 戦国 d 三国 e 正解無し
(2) a 後漢 b 秦 c 新 d 前漢 e 正解無し
<解答解説>上智大は二日連続で第1問に三国志である(1.参照)。さて,「赤壁の戦い」は”三国志”の出来事だが,厳密に言えば時代的には”後漢末”である。よって(2)はaの後漢でよかろう。問題は(1)である。厳密に考えれば後漢なので解答無し,よって正解はeだが,ここで後漢と答えると(1)と(2)は同じことを聞いていることになるので,片方全く無意味な問題となってしまい,とても困惑する。国語的に考えると(1)はdの三国が正解になるが……仮に二題連続で同じ答えを要求しているのなら,出題者は性格悪いか間抜けのいずれかであり,(1)は三国を聞いているなら歴史に厳密でない出題である。どうしようもない問題。
なお,この大問のリード文はなぜか講談調であり,前後の日程とあわせて上智が第1問のリード文にだけは本気を出すということが表されている。ついでに書くと,この大問には上智特有の年号算数問題が出ていたことを付記しておく。悪問でも奇問でもなかったのでナンバリングして収録はしないが,計算式だけ掲載しておく。325(ニケーア公会議)+56=381(コンスタンティノープル公会議),431(エフェソス公会議)−381=50で,50年後という選択肢が存在しないので正解はe(解無し)。
9.上智大 2/4実施(2つめ)
<種別>難問
<問題>3 �検‐綯丗臈租�の地図問題。中国東北地方から東シベリアにかけて,アムール川沿い,シベリア鉄道・東清鉄道・南満州鉄道沿いの都市15の中から,指定した都市の位置を特定させる。聞いているのはハルビン,アイグン(条約の場所),ネルチンスク(同),ノモンハン,ダマンスキー島。
<解答解説>難問揃い。確かにちゃんと場所を示している教科書や資料集もなくはないが……普通は聞かない部分である。ハルビンは比較的易しいとして(東清鉄道と南満州鉄道の結節点なので),アイグンやネルチンスクの場所を聞いて何がしたいのか。ノモンハンはまだ聞く価値があるかなぁ……
10.上智大 2/5実施
<種別>誤植
<問題>1 �供〔筍�(3) 下線(C)(編註:大航海時代)に関するa〜dのうち,間違っているものを1つ選びなさい。
b アメリカ大陸からの大量の銀が流入し,ヨーロッパの銀貨が下落,物価が高騰した。
(他選択肢省略)
<コメント>解答は容易でbは正文だから誤答になる。銀貨が銀「価」の誤植。ただの誤植ならどうでもいいのだが,「銀貨が下落」では日本語として全く意味が通らない。物理的に落下したのか,そりゃしたこともあるだろうさ,という話になってしまう。誤文=正解と判断されかねないから放置はまずいのではないかと思うのだが,この件について当局からの発表はない。
11.上智大 2/5実施(2つめ)
<種別>悪問
<問題>2 問7 �Α癖埣陝�台湾海峡)について正しい記述を1つ選びなさい。
a D(=中国)の明王朝は清軍に攻められてC(=台湾)に逃れた。
b 明王朝の復活をねらった鄭芝竜はCを拠点として戦った。
c 鄭芝竜は明の王から姓を賜ったので国姓爺と称されていた。
d 中華民国政府の蒋介石は1947年にCに逃れた。
e Cの李登輝はDとの両立を目指す「二国論」を主張した。
<解答解説>鄭芝竜は台湾に渡っておらず,bとcはその息子鄭成功が正しい。dは無論1949年が正しい。問題はaとeで,eは明確に正しいがaは判断できない。明王朝の皇族は台湾に行っていないが,台湾に逃れた鄭成功のスローガンは「反清復明」であった。ここは前者で解釈してaを誤文扱いにするしかない。危うい問題。
12.上智大 2/5実施(3つめ)
<種別>誤植・出題ミス
<問題>2 問8 地図上の港湾都市(イ〜ハ)の地名は何か。もっとも適するものを選びなさい。
(編註:イ・ロは適正なため省略。地図上のハの位置は台湾海峡の反対側,緯度は台北より北)
ハ)a 泉州 b 広州 c 香港 d マカオ e 南京
<コメント>なんのことはなくaの泉州が正解,というのが素直な解答であろう。が,注記でわざわざ緯度に言及したところに気づいた方は,いたら鋭い。地図上のハはどう見ても福州を指しており,台北とほぼ同緯度にあたる泉州にはあたらない。よく言えば誤植,悪く言えば解答不能の完全な出題ミスである。これについて当局から発表はない。
13.上智大 2/6実施
<種別>難問・奇問
<問題>1 問15 エルグレコの出身地はどこか。
a ヴェネツィア b トレド c クレタ d キプロス e コルシカ
<解答解説>エル=グレコがギリシア出身ということを知っていれば解答できる……のはずが,選択肢にクレタとキプロスの二ヶ所あることで一気に難問と化した。cのクレタが正解。一応用語集には記載があるが,歴史の問題としては奇問であろうということで収録した。なお,上智大は別日程(2/9実施)でエル=グレコの定住地「トレド」を聞く問題を出していた。展覧会が開催されているから出題しよう,ということか。
14.上智大 2/6実施(2つめ)
<種別>難問・奇問
<問題>2 (13) 18世紀末から19世紀初めのイギリスで炭鉱業が栄えた地域としてもっとも適切でない地域を<図>(※)の上で特定し,次の選択肢(a〜h)から1つ選びなさい。
(※ 本来は次々ページにイギリスの地図があるが,ここでは地名で示す)
a グラスゴー周辺 b ニューカッスル周辺 c イーストミッドランズ中部(ダービー周辺?) d マンチェスター周辺 e イーストアングリア f バーミンガム周辺 g カーディフ周辺 h ブリストル周辺
<解答解説>地理の問題だろこれ。地理としても奇問だと思うけど。答えはeのイーストアングリア。詳しく載っている地図帳を参照すると一応解答は出るが,範囲外とみなしうるだろう。
15.上智大 2/9実施
<種別>リード文
<問題>1 歴史小説作家と記者の会話文。作家の言葉「教科書にのっていなくても,常日頃から新聞などに接していれば誰でも知っていることは,入試で聞かれてもおかしくないと思うよ。」
<コメント>開き直りにもほどがあるパート2。
というか,これ自体にはさして異論は無いのだが,大人目線での「常識」と高校生・浪人生視点での「常識」はまた違ったものがあり,大卒の常識を受験生に求めるのはお門違いではないか,という気はする。まあそれは置いといて,じゃあ上智の悪問って「世間的常識」ゆえのものなんですかね,というところでこの台詞は作題者の代弁とすれば欺瞞でしかない。ただし,2/3の第1問のリード文(1.)同様,この大問に関しては良問が多く,言うだけのことはある。
16.上智大 2/9実施(2つめ)
<種別>悪問
<問題>2 問1 この時期(春秋戦国時代)の農業生産力発展を支えた要因は何であったか。
a 長年の課題であった黄河の治水に成功し,氾濫が起きなくなったこと。
b 木製などの農具にかわって鉄製農具が普及したこと
c 畜力を利用した重量有輪犂が急速に普及したこと。
d 牛を使った耕作法が全国的に普及したこと。
<解答解説>多くの受験生はbかdかの判断が付かなかったのではないだろうか。多くの教科書の説明ならどちらも正文だからだ。しかし,しかし,社会経済史にはやたらと詳しい東京書籍の教科書にはこっそり「牛耕が広まったのは華北」と書いてあるため,dは誤文である。まあ,「全国的に」とかついてたら怪しいよねという極めて国語的で上智大的な解法で正解できた受験生も多かったのではないか。ところで,春秋戦国時代では今より華南の指す範囲が狭いので全国≒華北ではないかというツッコミは入ってもおかしくないと思うのだが,どうか。その他の選択肢を見ても国語的に弾けそうな選択肢の作り方になっており,問題の作り方があまりにも下手である。
17.上智大 2/9実施(3つめ)
<種別>日本語が怪しい
<問題>2 問2(ロ)「戦国の七雄」を生みだした国はどれか。
a 斉・楚・燕・韓・魏・趙・秦
b 斉・楚・晋・韓・魏・趙・秦
c 斉・楚・燕・韓・魏・魯・秦
d 周・楚・燕・韓・魏・趙・秦
<解答解説>問題は易問でaが正解だが,”生みだした”はおかしくないか,日本語として。”「春秋五覇」を生みだした”ならわかるのだが。戦国の七雄は個人を指すものではないはずなのだがなぁ。
<種別>リード文
<問題>1 世界史を好きになる方法について,生徒と教師の会話文。なぜか広島弁。そのラストの教師の台詞「いうとくけど,入試で点とるには,暗記に徹するしかないんよ。完全なマーク式で細かいことまで聞く大学もあるけん。」
<コメント>開き直りにもほどがある。 ※ 上智は完全マーク式です。
細かいことを聞くのは良いのだが,教科書範囲外では暗記しようがない点についてはノーコメントなのだろうか。それにしても,まさか暗記学習を推奨するとはねぇ……ちなみにこの大問は中国史で,三国志についての設問が多かったことを付記しておく(五丈原の戦い,党錮の禁,司馬炎等)。出題者の趣味か。ただし,この大問は上智にしては比較的まともで,2に挙げた1問を除けば普通に解ける。この作題者については言うだけのことはあるという感じ。一方,この日程の他の大問はひどく,3以降ずらずらと続く。
2.上智大 2/3実施(2つめ)
<種別>難問
<問題>1 問(15) ギリシア近現代史の説明として誤っているものはどれか。
a 1829年にオスマン帝国から独立した。
b 1941年にドイツ軍に占領された。
c 1972年に軍事政権が倒され民主制へ復帰した。
d 1981年にECに加盟した。
e 2009年の政権交代により財政赤字の隠ぺいが明るみに出た。
<解答解説>答えはcで,民主制復帰は1974年だから。わずか2年違いであり,ギリシアの民主制復帰はほとんどの教科書で詳細な記載がない。こうした場合は消去法で解くのが正攻法だが,残りの選択肢も細かい。eのギリシア財政危機は無論の事ながら教科書に記載がない。しかも財政赤字隠ぺいの発覚は確かに2009年の年末だが,それが表面化し経済危機に推移していったのは2010〜11年のことなので紛らわしい。案外この選択肢で間違えた受験生も多いのではないか。
3.上智大 2/3実施(3つめ)
<種別>限りなく出題ミスに近い
<問題>2 問(10) 下線�─並莪貅々餠�合作)時期の中国に関する次の説明のうち,誤っているものはどれか。
a 北京に中華民国の中央政府が存在したが,各省に軍閥が割拠し,北京政府の権限は大きく制約された。
b この時期まで,袁世凱以来の北京政府が存続したことから,臨時約法が曲がりなりにも基本法として機能した。
c 北京政府は大総統・国務院と国会により運営された。
d この時期,北京政府の実権を握っていたのは奉天派の段祺瑞である。
<解答解説>dの誤りが明白な易問であり(段祺瑞は奉天派ではなく安徽派),むしろこれが解答できなければ上智は受からない。しかし,bの内容も怪しい。なぜなら臨時約法は1923年10月に失効しているからである。より正確に言えば袁世凱独裁の過程で空文化したが,その死後に復活し黎元洪政権ではそれなりに機能していた。その後曹コン(曹錕)の政権になってから正式な憲法が発布されたが,これが1923年10月のこと。無論の事ながらこれらの内容は全て受験世界史範囲外である。が,「受験生が知らないから大学側も無視してよい」ということはない。同様の指摘は代ゼミからもあったが,この件について大学から訂正の発表はない。なお,上智大は臨時約法についての出題ミス・悪問は昨年もやらかしてしまっており,受験生以上に大学側が臨時約法に詳しくないようである。そもそも臨時約法自体が極めてマイナーであることも踏まえるに,もう出題しないほうがいいのではないかという感想しかない。
4.上智大 2/3実施(4つめ)
<種別>出題ミス
<問題>2 問(20) 下線�亜癖顕渋膤很申�結宣言・「四つの現代化」の新目標の提唱)の宣言,新目標を提唱した最高指導者を次から選びなさい。
a ��小平 b 華国鋒 c 江沢民 d 朱鎔基
<解答解説>こんなもんaの��小平でFAだろと考えた人が大半であろう。しかし,明確に��小平体制が確立したのは1980年代初頭のことであり(1981年とするのが一般的),これらが起きた1977年当時ではまだ復活の直後で権力闘争の行く末は未定であった。これを前提とすると,bの華国鋒は発表時の共産党主席・首相兼任で,少なくとも表向きは紛れもなく「最高指導者」である。これは複数解答と判断せざるを得ず,やはり代ゼミから指摘があったが大学からの発表はない。「一つ選びなさい」とは書いてないし,闇に葬る予定らしい。
5.上智大 2/3実施(5つめ)
<種別>悪問
<問題>3 現段階で最古の文字とされているのは,(5)で,前(6)年頃に誕生したとされている。
(5)a 楔形文字 b ヒエログリフ c 甲骨文字 d マヤ文字 e 正解無し
(6)a 4000 b 3500 c 3100 d 1500 e 正解無し
<解答解説>そもそも古代史の年代などそうそう確定しているものはなく,出題には慎重を要するものだ。一般的にこうしたものの最古は大概メソポタミア文明であるから,出題者も楔形文字を想定しているのであろう。山川・東京書籍・実教・三省堂・帝国書院と主要教科書はさらってみたが,断定的に書いてあるものはなく,年代を掲載しているものも皆無であった。次に辞書・百科事典類を探してみると,ちらほら記載はあるものの楔形文字説・ヒエログリフ説どちらもあり,かつ年代も4000年説・3400年説・3100年説・3000年説とてんでばらばらで,解答を絞りようがない。(5)は代ゼミ・東進ともにa楔形文字だが,(6)は代ゼミがc,東進はbとcを併記している。
6.上智大 2/3実施(6つめ)
<種別>難問かつ悪問
<問題>3 『旧約聖書』によると,(8)川上流で遊牧生活を送っていたひとりの族長にヤハウェ神の命令が下り〜〜(中略)〜〜こうしてヘブライ人は,前(11)世紀頃パレスティナに移住した。
(8)a チグリス b インダス c ナイル d ユーフラテス e 正解無し
(11)a 19 b 17 c 13 d 11 e 正解無し
<解答解説>(8)の正解はdのユーフラテス川だが,ヘブライ人の原住地は範囲外である。(11)は不自然に無い「15」が正しいので,マークとしてはeが正解。これは用語集に記載があるので,難問ではあるが解答不能で糾弾される問題ではない。ただし,問題文に従って『旧約聖書』に則るならば,アブラハムの生存年代は紀元前20〜18世紀にあたるため,解答はaになる。キリスト教関連の知識を問うあたりさすがは上智大学だが,歴史学上の解答が欲しいのか神学上の解答が欲しいのかは,はっきりしておいてほしい。
7.上智大 2/3実施(7つめ)
<種別>難問
<問題>3 それ(ヤハウェ第二神殿)がまたもや破壊されたのは(24)によってであり〜〜
(24)a ハスモン朝 b プトレマイオス朝 c ローマ帝国 d セレウコス朝 e 正解無し
<解答解説>第一神殿はソロモン王が建設し,ネブカドネザル2世のカルデアによって破壊されている。そして,アケメネス朝のキュロス王によってバビロン捕囚から解放されると第二神殿がつくられるが,これが破壊されたのはローマ帝国期のユダヤ戦争,紀元後70年のこと。よって正解はcになる。第一神殿は教科書に記載があるが,第二神殿については受験世界史範囲外。去年も書いたが,この第3問(5.〜7.)作った方はもう一度キリスト教徒の博愛の精神に立ち返って欲しいところである。
8.上智大 2/4実施
<種別>悪問
<問題>1 ちまたに知られている「赤壁の戦い」といえば,いうまでもなく中国の(1)時代の戦いで,(2)末期に,圧倒的な勢力を誇る魏の曹操軍と〜〜
(1)a 五胡十六国 b 春秋 c 戦国 d 三国 e 正解無し
(2) a 後漢 b 秦 c 新 d 前漢 e 正解無し
<解答解説>上智大は二日連続で第1問に三国志である(1.参照)。さて,「赤壁の戦い」は”三国志”の出来事だが,厳密に言えば時代的には”後漢末”である。よって(2)はaの後漢でよかろう。問題は(1)である。厳密に考えれば後漢なので解答無し,よって正解はeだが,ここで後漢と答えると(1)と(2)は同じことを聞いていることになるので,片方全く無意味な問題となってしまい,とても困惑する。国語的に考えると(1)はdの三国が正解になるが……仮に二題連続で同じ答えを要求しているのなら,出題者は性格悪いか間抜けのいずれかであり,(1)は三国を聞いているなら歴史に厳密でない出題である。どうしようもない問題。
なお,この大問のリード文はなぜか講談調であり,前後の日程とあわせて上智が第1問のリード文にだけは本気を出すということが表されている。ついでに書くと,この大問には上智特有の年号算数問題が出ていたことを付記しておく。悪問でも奇問でもなかったのでナンバリングして収録はしないが,計算式だけ掲載しておく。325(ニケーア公会議)+56=381(コンスタンティノープル公会議),431(エフェソス公会議)−381=50で,50年後という選択肢が存在しないので正解はe(解無し)。
9.上智大 2/4実施(2つめ)
<種別>難問
<問題>3 �検‐綯丗臈租�の地図問題。中国東北地方から東シベリアにかけて,アムール川沿い,シベリア鉄道・東清鉄道・南満州鉄道沿いの都市15の中から,指定した都市の位置を特定させる。聞いているのはハルビン,アイグン(条約の場所),ネルチンスク(同),ノモンハン,ダマンスキー島。
<解答解説>難問揃い。確かにちゃんと場所を示している教科書や資料集もなくはないが……普通は聞かない部分である。ハルビンは比較的易しいとして(東清鉄道と南満州鉄道の結節点なので),アイグンやネルチンスクの場所を聞いて何がしたいのか。ノモンハンはまだ聞く価値があるかなぁ……
10.上智大 2/5実施
<種別>誤植
<問題>1 �供〔筍�(3) 下線(C)(編註:大航海時代)に関するa〜dのうち,間違っているものを1つ選びなさい。
b アメリカ大陸からの大量の銀が流入し,ヨーロッパの銀貨が下落,物価が高騰した。
(他選択肢省略)
<コメント>解答は容易でbは正文だから誤答になる。銀貨が銀「価」の誤植。ただの誤植ならどうでもいいのだが,「銀貨が下落」では日本語として全く意味が通らない。物理的に落下したのか,そりゃしたこともあるだろうさ,という話になってしまう。誤文=正解と判断されかねないから放置はまずいのではないかと思うのだが,この件について当局からの発表はない。
11.上智大 2/5実施(2つめ)
<種別>悪問
<問題>2 問7 �Α癖埣陝�台湾海峡)について正しい記述を1つ選びなさい。
a D(=中国)の明王朝は清軍に攻められてC(=台湾)に逃れた。
b 明王朝の復活をねらった鄭芝竜はCを拠点として戦った。
c 鄭芝竜は明の王から姓を賜ったので国姓爺と称されていた。
d 中華民国政府の蒋介石は1947年にCに逃れた。
e Cの李登輝はDとの両立を目指す「二国論」を主張した。
<解答解説>鄭芝竜は台湾に渡っておらず,bとcはその息子鄭成功が正しい。dは無論1949年が正しい。問題はaとeで,eは明確に正しいがaは判断できない。明王朝の皇族は台湾に行っていないが,台湾に逃れた鄭成功のスローガンは「反清復明」であった。ここは前者で解釈してaを誤文扱いにするしかない。危うい問題。
12.上智大 2/5実施(3つめ)
<種別>誤植・出題ミス
<問題>2 問8 地図上の港湾都市(イ〜ハ)の地名は何か。もっとも適するものを選びなさい。
(編註:イ・ロは適正なため省略。地図上のハの位置は台湾海峡の反対側,緯度は台北より北)
ハ)a 泉州 b 広州 c 香港 d マカオ e 南京
<コメント>なんのことはなくaの泉州が正解,というのが素直な解答であろう。が,注記でわざわざ緯度に言及したところに気づいた方は,いたら鋭い。地図上のハはどう見ても福州を指しており,台北とほぼ同緯度にあたる泉州にはあたらない。よく言えば誤植,悪く言えば解答不能の完全な出題ミスである。これについて当局から発表はない。
13.上智大 2/6実施
<種別>難問・奇問
<問題>1 問15 エルグレコの出身地はどこか。
a ヴェネツィア b トレド c クレタ d キプロス e コルシカ
<解答解説>エル=グレコがギリシア出身ということを知っていれば解答できる……のはずが,選択肢にクレタとキプロスの二ヶ所あることで一気に難問と化した。cのクレタが正解。一応用語集には記載があるが,歴史の問題としては奇問であろうということで収録した。なお,上智大は別日程(2/9実施)でエル=グレコの定住地「トレド」を聞く問題を出していた。展覧会が開催されているから出題しよう,ということか。
14.上智大 2/6実施(2つめ)
<種別>難問・奇問
<問題>2 (13) 18世紀末から19世紀初めのイギリスで炭鉱業が栄えた地域としてもっとも適切でない地域を<図>(※)の上で特定し,次の選択肢(a〜h)から1つ選びなさい。
(※ 本来は次々ページにイギリスの地図があるが,ここでは地名で示す)
a グラスゴー周辺 b ニューカッスル周辺 c イーストミッドランズ中部(ダービー周辺?) d マンチェスター周辺 e イーストアングリア f バーミンガム周辺 g カーディフ周辺 h ブリストル周辺
<解答解説>地理の問題だろこれ。地理としても奇問だと思うけど。答えはeのイーストアングリア。詳しく載っている地図帳を参照すると一応解答は出るが,範囲外とみなしうるだろう。
15.上智大 2/9実施
<種別>リード文
<問題>1 歴史小説作家と記者の会話文。作家の言葉「教科書にのっていなくても,常日頃から新聞などに接していれば誰でも知っていることは,入試で聞かれてもおかしくないと思うよ。」
<コメント>開き直りにもほどがあるパート2。
というか,これ自体にはさして異論は無いのだが,大人目線での「常識」と高校生・浪人生視点での「常識」はまた違ったものがあり,大卒の常識を受験生に求めるのはお門違いではないか,という気はする。まあそれは置いといて,じゃあ上智の悪問って「世間的常識」ゆえのものなんですかね,というところでこの台詞は作題者の代弁とすれば欺瞞でしかない。ただし,2/3の第1問のリード文(1.)同様,この大問に関しては良問が多く,言うだけのことはある。
16.上智大 2/9実施(2つめ)
<種別>悪問
<問題>2 問1 この時期(春秋戦国時代)の農業生産力発展を支えた要因は何であったか。
a 長年の課題であった黄河の治水に成功し,氾濫が起きなくなったこと。
b 木製などの農具にかわって鉄製農具が普及したこと
c 畜力を利用した重量有輪犂が急速に普及したこと。
d 牛を使った耕作法が全国的に普及したこと。
<解答解説>多くの受験生はbかdかの判断が付かなかったのではないだろうか。多くの教科書の説明ならどちらも正文だからだ。しかし,しかし,社会経済史にはやたらと詳しい東京書籍の教科書にはこっそり「牛耕が広まったのは華北」と書いてあるため,dは誤文である。まあ,「全国的に」とかついてたら怪しいよねという極めて国語的で上智大的な解法で正解できた受験生も多かったのではないか。ところで,春秋戦国時代では今より華南の指す範囲が狭いので全国≒華北ではないかというツッコミは入ってもおかしくないと思うのだが,どうか。その他の選択肢を見ても国語的に弾けそうな選択肢の作り方になっており,問題の作り方があまりにも下手である。
17.上智大 2/9実施(3つめ)
<種別>日本語が怪しい
<問題>2 問2(ロ)「戦国の七雄」を生みだした国はどれか。
a 斉・楚・燕・韓・魏・趙・秦
b 斉・楚・晋・韓・魏・趙・秦
c 斉・楚・燕・韓・魏・魯・秦
d 周・楚・燕・韓・魏・趙・秦
<解答解説>問題は易問でaが正解だが,”生みだした”はおかしくないか,日本語として。”「春秋五覇」を生みだした”ならわかるのだが。戦国の七雄は個人を指すものではないはずなのだがなぁ。
Posted by dg_law at 00:41│Comments(6)
この記事へのコメント
14は地理の問題としても無理筋だと思いますよ。
a,b,d,fは絶対に知っていないと文系地理受験生名乗れないレベルですが、他は隅ですね。
2年前の受験なので、忘れてるだけかもしれませんが。
そんな私は世界史でも一橋がラスボスの意味がよくわかりません。
地理を使っている一橋受験生にとっては、地理は毎年ラスボスなのですがねぇ。
a,b,d,fは絶対に知っていないと文系地理受験生名乗れないレベルですが、他は隅ですね。
2年前の受験なので、忘れてるだけかもしれませんが。
そんな私は世界史でも一橋がラスボスの意味がよくわかりません。
地理を使っている一橋受験生にとっては、地理は毎年ラスボスなのですがねぇ。
Posted by iron at 2013年03月09日 01:47
>14は地理の問題としても無理筋だと思いますよ。
やっぱりそうですか。
>そんな私は世界史でも一橋がラスボスの意味がよくわかりません。
>地理を使っている一橋受験生にとっては、地理は毎年ラスボスなのですがねぇ。
まず,「マーク式と論述は別競技」という前提で,難易度の比較はそれほど意味がないかなとは思います。
ただし,受験生への無茶ぶり具合では比較対照が可能かなと。
そうしてみると,一橋大の世界史も毎年困難ですが,なんだかんだで書こうと思えば400字埋まるので,場合によっては満点のうち半分も受験世界史をはみ出ている早稲田の商学部や社学のほうが悪質でした。
が,今年に限れば早稲田がおとなしかったのに加え,一橋大の論述テーマが受験世界史を逸脱気味であるため,こちらのほうが受験生一般において厳しかったかなと思います。
そういう判断での「ラスボス」表現です。
やっぱりそうですか。
>そんな私は世界史でも一橋がラスボスの意味がよくわかりません。
>地理を使っている一橋受験生にとっては、地理は毎年ラスボスなのですがねぇ。
まず,「マーク式と論述は別競技」という前提で,難易度の比較はそれほど意味がないかなとは思います。
ただし,受験生への無茶ぶり具合では比較対照が可能かなと。
そうしてみると,一橋大の世界史も毎年困難ですが,なんだかんだで書こうと思えば400字埋まるので,場合によっては満点のうち半分も受験世界史をはみ出ている早稲田の商学部や社学のほうが悪質でした。
が,今年に限れば早稲田がおとなしかったのに加え,一橋大の論述テーマが受験世界史を逸脱気味であるため,こちらのほうが受験生一般において厳しかったかなと思います。
そういう判断での「ラスボス」表現です。
Posted by DG-Law at 2013年03月09日 08:47
世界史神 という名でTwitterしてるものです。
上智は悪問多いですよね。
上智は悪問多いですよね。
Posted by 世界史神 at 2014年01月21日 23:32
上智は悪問多いですね。
早慶はわざとというより事故のような悪問をよく見かけますが,上智はわざと出してると思います。
よくもまあこんな悪問思いつくもんだ,と毎年思いますね。
早慶はわざとというより事故のような悪問をよく見かけますが,上智はわざと出してると思います。
よくもまあこんな悪問思いつくもんだ,と毎年思いますね。
Posted by DG-Law at 2014年01月22日 01:53
上智の9番。問題文・解説文で「東進鉄道」になっていました。業界的な誤変換。
書籍だと解説は問題ないですが、問題は東進でした。あるいは原文も誤変換だったり?
https://nix-in-desertis.blog.jp/archives/52461548.html
別記事ですが、東清と東進の混在有。
書籍だと解説は問題ないですが、問題は東進でした。あるいは原文も誤変換だったり?
https://nix-in-desertis.blog.jp/archives/52461548.html
別記事ですが、東清と東進の混在有。
Posted by 世界史探究の探究 at 2026年01月05日 13:13
ありがとうございます。両方直しました。
1巻の方は,なぜか問題文は「東進」で解説は直ってました。当時の記憶はありません……
1巻の方は,なぜか問題文は「東進」で解説は直ってました。当時の記憶はありません……
Posted by DG-Law at 2026年01月12日 15:25