2013年04月07日

2013年冬アニメ感想その2(と,さくら荘のアレその2)

・さくら荘:2クール終わって,基本的な感想は1クール目が終わったときと変わりがない。視聴者をうまく振り回していたと思う。青春活劇に恋愛の三角関係,さらには才能と向き合うことというテーマをくっつけて重層的に物語に折り込み,混乱するかと思いきやうまいこと処理しきった。こういうのは大体どれかに偏っていって他が適当になったり,シリーズ前半は恋愛描写重視なのに後半になって突然才能の問題になるなどテーマ描写が重ならなかったりする。はたまたありうるのはキャラの精神年齢が達観しすぎていて,全然青春してなかったりするパターンもある。そうしたありがちな失敗にならず,むしろちゃんとそれぞれのテーマが同時進行したのは地味に凄い。
→ 『つり乙』のレビューでも書いたが,私は天才と秀才(と凡才)の物語に関心が強いので,この点でも惹きつけられたのだと思う。勝てないような独創的な天才が登場したとき,我々はどう振る舞うべきか。空太君はぜひとも今後も振り回されながら,がんばってほしいと思う。

・で,残念なことに最終話手前の卒業式で国旗国歌が描かれずまたしても炎上していたわけだが,これについては批判側も擁護側も誤解が激しいので整理しておく。

●そんな細かいところはどうでもいいのでは?
→ 実際,私的にはどうでもいいことこの上ない。現実の世界だって国旗を掲揚せず,国歌を斉唱しない学校くらいあるだろう。が,騒動になってしまったものに私的な感想を言ってもしょうがない。
→ 原作では国歌を歌ったという一文があるので,厳密に言えばこれは原作改変にあたる。
●実際に歌うと尺をとるから省いたのだろう。
→ その通りだと思うし,国旗が無かったのも作画上邪魔ったいからだろう。が,「国歌斉唱」がプログラム(式次第)からも削除されているところでミソがついた。
●じゃあどうして式次第からも削って,全面的に国旗国歌を出さないようにしたのか?
→ 考えられるのは以下4つほど。

1.単純に「式次第の作画しているときに気づかなかった」=もろもろ含めて全般的に,特に何かを示した意思表示・演出というわけではない。
2.国歌斉唱のシーンが無いから式次第にあるのも不自然と考え,削った。
3.芸術大学の付属だから,国旗国歌はそぐわないと判断した可能性は考えられる。(ただし,これが理由だとしたら個人的にはどうかと思う。「芸術は反規範であらねばならない」ってそれはそれで偏見。)
4.海外展開する上で邪魔だったのでは?:というのもネット巡回していられたら見られた。が,「さくら」を意識させている点ではむしろ「日本」を押し出していくべきでは?と,これも個人的には首を傾げる理由である。別の方の指摘にもあったが,本作はさくらから日本を意識させる描写があるので,ある種の人々が騒ぐような陰謀論は当然考えられない。

●というところで,私は2ではなかったかと思うし,2なら一番良いと思う。一番理由として自然だし,波風立つような理由ではない。
→ 3や4の場合も,批判するようなものでもない。要するに3・4ならサムゲタンのときと全く同じ構図になる。無論のことながら表現は自由であり,”変なのに目をつけられたから”といって表現を変えるのは実質的な規制にあたるから,そういったことを決してするべきではない。だからこそ,制作者の矜持として3や4の理由があってそうしたなら,演出上の成否は別としてこれは批判すべき点にあたらず,むしろよくやったという話になる。もっとも,前述の通り演出上成功していたかは首をかしげるが……というところまで含めて,やっぱりサムゲタンのときと同じ構図だと思う。
→ というわけで,2・3・4ならおおよそなんの問題ない。が,1だとするとこれはなんとも間抜けな話になってしまう。なぜなら理由のない原作改変をした挙句,かつ事故ったからだ。「予測がつかないから事故」と呼ぶとはいえ,事故も二度目である。この点本作は”極めて不運”ではあるのだが,じゃあアニメスタッフが万全の注意を払ってたかというと,どうかなーと思わんでもない。原作に忠実であるということはこうした事故のときに,原作に責任を押し付けることができるわけで,だから理由なき原作改変はそれ自体悪と呼べるところがあるように思う。一方で,無論のことながら,批判する前にその改変意図を出来る限り読み取る義務が,視聴者にもあるわけだけれども。
→ で,その1〜4のいずれなのかがわからないので,私は態度を決めかねている。というか2だと思い込むことにした。


この記事へのトラックバックURL

この記事へのコメント
わたしはもともと絵師さんの禁書関連の薄い本(要するにいちゃレーですw)を何度か買うたことがあって,その縁でさくら荘も「おお,あのケージさんがライトノヴェルの挿絵描くのか」みたいな感じで名前は知ってたんですが,タイトルにいかにもアレなものを感じてしまい手に取らずにいたんですよね(「ペットな彼女」という文言にワタクシのはてな脳がビビッと来ましてですね,はい)。

でもってアニメとなったので放映前に1巻を買うてきたはいいんですが「あ,このヒロインダメだわ。生理的に」と思ったので途中で読むのやめて積ん読にしちゃってたんですよね。頭のネジが悪い方に飛んだヒロインを介護する物語は読む気になれないなーと思いまして(アニメ版CLANNADも途中まで楽しく見てたけど風子で投げたクチです)。

ですがDG-Lawさんのエントリを読んで,「天才と秀才(と凡才)の物語」「勝てないような独創的な天才が登場したとき,我々はどう振る舞うべきか」というアマデウス展開は大好きなので,これがそういう物語なのだとしたらやっぱ見ればよかったかなあ,と頭を抱えているのが現状ですw こういう物語だとむしろ天才はダメダメであるからこそその残酷なまでの格差が際立つので,だとしたらヒロインがちょっと残念であることをもって読む/視聴するのをやめた判断は偏狭すぎたかなーとも。

取り敢えずアニメの方は時間がかかりそうですが原作の方は読んでみようかなーとか思っています。
Posted by mukke at 2013年04月12日 03:52
溝口ケージは良いですね。
禁書関連は全く追ってないんですが,別のネタの同人誌は何冊か持っていた気がします。

>(「ペットな彼女」という文言にワタクシのはてな脳がビビッと来ましてですね,はい)
>「あ,このヒロインダメだわ。生理的に」と思ったので途中で読むのやめて積ん読にしちゃってたんですよね
気持ちはめちゃくちゃよくわかりますw
アニメが始まるまでは私もそういう感じでしたし。某はてな村民の熱い一押しと溝口ケージの絵が動くという魅力が無かったらそもそも1話も見てなかったと思います。あとニコニコでやってたのが大きかったですかね。1話を見ておいてよかったです。
終わってみればキャッチーなタイトル損だなーと思います。ヒロインが単なる手のかかる子だったのは,序盤だけでしたから。
Posted by DG-Law at 2013年04月12日 20:26
超横やり&話題転換ですが
Keyはアホの子にプレイヤーが逆襲されるメタ・ギャルゲーなので
そこで切るのはちょっともったいかもしれないっす。
しかし、そこ以降もダレ場が多くてにんともかんとも。

ロジックも直感も天才も凡人も受け入れてくれるこの宇宙(そら)〜。
Posted by toppoi at 2013年04月13日 21:18