2014年03月14日
第10回東方シリーズ人気投票分析(総評・キャラ部門)
結果発表
前回の分析
<総評>
今回の最大のポイントは投票数が大きく減ったということにある。キャラ投票ベースで今回は約3万1千票だが,前回が4万4千票なので,尋常じゃない減り方をしている。前々回(8回)でさえも3万6千票,第7回が3万3千票なので,これは第7回以来(4年前)の水準ということになる。これはキャラ部門をベースにしているからの話で,実は音楽部門やアンケート部門で比較するとさらに少ない。それでも,全ての部門で第6回(5年前)よりは多い。私は今回の投票数は減るだろうと,事前に考えていた。しかしそれは前回の投票数が異常だったからであって,前々回水準の3万5千票前後だろうと考えていた。それさえも下回ったというのはちょっとした驚きである。
投票数減の原因はいくつか考えられる。影響の大きそうなものから挙げていくと
1.昨年開催しなかった関係で2年空き,投票が忘れられていた可能性。多分これが一番大きい。昨年までは2月になると「そろそろ投票の季節だな」と自然に界隈が騒がれだす感じであったが,今年はそんな雰囲気が全くなかった。開催期間直前になってから「そういえば今年はあるんだった」と気づく人が私の観測範囲では多く,古参でも投票し損ねた人たちはそれなりに多かったのではないか。
2.東方Wiki自体の地位低下。1番に関連するのだが,東方コミュニティの多様化・細分化が進んだ結果,東方Wikiが東方コミュニティの総本山と思われなくなった節があり,それで投票に来なかった層・そもそも投票の存在自体を知らなかった層が増えてきているのではないか。これは昨年の東方ニコ動祭での人気投票が,思われていたよりも投票数が多かったことと正反対の現象かもしれない。
3.艦これ等の隆盛により,東方の影自体が薄い1年だった。これは1番や2番よりは影響力が小さいが,全く無かったと言い切れるわけでもないと思う。よって,原因として挙げておく。
<キャラ部門>
保守化が激しく,主要メンバーは定位置である。投票数が伸び悩んだのが,保守化の最大の原因であろう。その中でいくつか挙げていくと,まず「魔理沙復権」。これはまさに保守化の一環ではないか。「こいし急上昇で3位」「こころちゃん初登場で15位と大健闘」は非常にわかりやすい。私も“こいここ”は大好きだ。こころの初登場15位は本当に快挙で,20位以内の面々はほぼ固定されており,これに食い込むのはかなり難しい。紅美鈴が常にこのラインちょうどにいるので,まさに門番の役割である。これを乗り越えたというのは初登場のご祝儀があるにせよ大したものだ。
なお,保守化の原因について「人気キャラは風神録あたりまでで固まってしまっていて,新キャラがなかなかそこに食い込めない」という意見をよく見る。これは前々回くらいまでは正しかったと思うが,今回の結果を見るになんとも言えない。20位以内のキャラを分類してみると,主人公2,紅4,妖4,永1,花1,風2,緋1,地3,星1,心1となる。どちらかというと紅魔郷と妖々夢が強すぎるだけで新キャラもそれなりに上位に定着している,と考えを改めた方がいいかもしれない。その意味で,神霊廟と輝針城で上位定着キャラがいないことについては,もう少し経過観察が必要かもしれない。現状では神霊廟が35位の布都,輝針城は34位の 針妙丸が最高という状況ではあるが。
次,早苗さんが10位以内に戻ってこない。前回の分析で「次回は反動で7位くらいに戻ってくると思うので慎重に見たい」とか書いたのだが,反動は無かったようだ。パルスィが38位から25位に急上昇。これは原因不明だが,MMDで良いモデルが活躍していることや,こういうキャラは風見幽香や藤原妹紅の事例があるように急上昇してそのまま上位にそれなりに定着するというパターンがあるので,今回もそのパターンかもしれない。その意味では小傘が地味に順位を上げている方が,もっと理由がわからない。これもMMDではちらちら姿を見る,というくらいかなぁ。輝針城最高位は針妙丸の34位。これは影狼とどっちかなと思っていたのだが,6ボスの意地を見せたようだ。もっとも,影狼は42位で輝針城では2位なので,予想は間違っていなかったようだ。あとは,小鈴が思ってたより伸びなかった(51位)のが意外。以前は書籍組は伸びない傾向があったが,ここ2・3回は華扇ちゃんの登場もありそうでもなかった。
大きく下がっているのはまず布都(19→35)。これは予想できたが,逆に太子様は上がっている。心綺楼でのアピール度合いの差が出たか。次に衣玖さん(30→39),これは最近露出してないからと思われる。鍵山雛(29→41)も同様か。慧音(31→44)の場合も最近公式作品で見かけないからと理由づけてもいいのだが,案外小鈴の登場で票を取られたのではないかと思っている。
今回も作品別・ステージ別の平均順位を取ってみた。まずステージ別,中ボス含み,妖々夢の4ボスはルナサで代表させた。
紅:27.6 妖:35.1 永:44.3 風:34.7 地:41.3 星:44.1 神:55.9 輝:61.4
やっぱり紅魔郷が圧倒的に強い。なお,紅魔郷は大妖精と小悪魔を外すと平均順位17.1位という驚異的な数値を叩きだしてくれる。もっとも,前回は23.7位,中ボス抜きで15.9位だったので下がってはいる。新キャラが増えた分順位が下がるのは普通であり,紅魔郷の下がり幅は気にするレベルではない。他の作品も大体は3位くらいずつ前回より平均順位を下げているが,その中で極めて下げ幅の少ない作品が2つある。地霊殿と星蓮船である。地霊殿は言うまでもなくこいしとパルスィのおかげであるが,星蓮船は大きく上がったのが小傘だけである。残りのキャラは大きく伸びてもいないが下がってもおらず,結果として平均値は保ったということのようだ。下がらないというのは新キャラが入ってきてもぶれなかったということで,固定ファンが多そうである。
下げ幅が大きかったのは新作ご祝儀の切れた神霊廟と(48.6→55.9),風神録(29.1→34.7)。風神録の理由を探っていて気づいたのだが,秋サンドの下がり具合がすごい。中身が霖之助と目立つ存在だったのでそっちに気を取られていたが,それぞれ13位・14位下げていた。加えて鍵山雛も12位下げており,残りのキャラは現状維持だから,そりゃ平均すれば6位ほど下がっているのもやむなしである。ただ,この3キャラがこれだけ大きく下がった理由についてはよくわからない。
次にステージ別。こちらは中ボスは完全に無視した。永夜抄の4ボスに霊夢・魔理沙は含めず,神霊廟の1ボスに幽々子は含めず。EXはPhを含めた。
1:64.6 2:44.1 3:43.5 4:48.0 5:28.5 6:29.0 EX: 26.7
5ボス・6ボス・EXが強いという傾向は前回と変わらない。しいて言えば前回1位は5ボスだったが,今回はEXボスであった。これはこいし効果としかいいようがない。前回と全く様相が違うのが4ボスで,前回は32.8位だったから実に16位近く落ちている。いったい何が起きたのかと調べてみると,既存キャラの順位はほとんど変化なし,一方新規加入の九十九姉妹が84位に91位だったため,大きく平均順位が下がった模様。また,実は1ボスも平均順位を約10位落としている。それで気づいたのだが,ルーミア以外の1ボスは軒並み10位近く順位を落としていた。2ボスや3ボスには見られなかった現象なだけに,興味深い。
前回の分析
<総評>
今回の最大のポイントは投票数が大きく減ったということにある。キャラ投票ベースで今回は約3万1千票だが,前回が4万4千票なので,尋常じゃない減り方をしている。前々回(8回)でさえも3万6千票,第7回が3万3千票なので,これは第7回以来(4年前)の水準ということになる。これはキャラ部門をベースにしているからの話で,実は音楽部門やアンケート部門で比較するとさらに少ない。それでも,全ての部門で第6回(5年前)よりは多い。私は今回の投票数は減るだろうと,事前に考えていた。しかしそれは前回の投票数が異常だったからであって,前々回水準の3万5千票前後だろうと考えていた。それさえも下回ったというのはちょっとした驚きである。
投票数減の原因はいくつか考えられる。影響の大きそうなものから挙げていくと
1.昨年開催しなかった関係で2年空き,投票が忘れられていた可能性。多分これが一番大きい。昨年までは2月になると「そろそろ投票の季節だな」と自然に界隈が騒がれだす感じであったが,今年はそんな雰囲気が全くなかった。開催期間直前になってから「そういえば今年はあるんだった」と気づく人が私の観測範囲では多く,古参でも投票し損ねた人たちはそれなりに多かったのではないか。
2.東方Wiki自体の地位低下。1番に関連するのだが,東方コミュニティの多様化・細分化が進んだ結果,東方Wikiが東方コミュニティの総本山と思われなくなった節があり,それで投票に来なかった層・そもそも投票の存在自体を知らなかった層が増えてきているのではないか。これは昨年の東方ニコ動祭での人気投票が,思われていたよりも投票数が多かったことと正反対の現象かもしれない。
3.艦これ等の隆盛により,東方の影自体が薄い1年だった。これは1番や2番よりは影響力が小さいが,全く無かったと言い切れるわけでもないと思う。よって,原因として挙げておく。
<キャラ部門>
保守化が激しく,主要メンバーは定位置である。投票数が伸び悩んだのが,保守化の最大の原因であろう。その中でいくつか挙げていくと,まず「魔理沙復権」。これはまさに保守化の一環ではないか。「こいし急上昇で3位」「こころちゃん初登場で15位と大健闘」は非常にわかりやすい。私も“こいここ”は大好きだ。こころの初登場15位は本当に快挙で,20位以内の面々はほぼ固定されており,これに食い込むのはかなり難しい。紅美鈴が常にこのラインちょうどにいるので,まさに門番の役割である。これを乗り越えたというのは初登場のご祝儀があるにせよ大したものだ。
なお,保守化の原因について「人気キャラは風神録あたりまでで固まってしまっていて,新キャラがなかなかそこに食い込めない」という意見をよく見る。これは前々回くらいまでは正しかったと思うが,今回の結果を見るになんとも言えない。20位以内のキャラを分類してみると,主人公2,紅4,妖4,永1,花1,風2,緋1,地3,星1,心1となる。どちらかというと紅魔郷と妖々夢が強すぎるだけで新キャラもそれなりに上位に定着している,と考えを改めた方がいいかもしれない。その意味で,神霊廟と輝針城で上位定着キャラがいないことについては,もう少し経過観察が必要かもしれない。現状では神霊廟が35位の布都,輝針城は34位の 針妙丸が最高という状況ではあるが。
次,早苗さんが10位以内に戻ってこない。前回の分析で「次回は反動で7位くらいに戻ってくると思うので慎重に見たい」とか書いたのだが,反動は無かったようだ。パルスィが38位から25位に急上昇。これは原因不明だが,MMDで良いモデルが活躍していることや,こういうキャラは風見幽香や藤原妹紅の事例があるように急上昇してそのまま上位にそれなりに定着するというパターンがあるので,今回もそのパターンかもしれない。その意味では小傘が地味に順位を上げている方が,もっと理由がわからない。これもMMDではちらちら姿を見る,というくらいかなぁ。輝針城最高位は針妙丸の34位。これは影狼とどっちかなと思っていたのだが,6ボスの意地を見せたようだ。もっとも,影狼は42位で輝針城では2位なので,予想は間違っていなかったようだ。あとは,小鈴が思ってたより伸びなかった(51位)のが意外。以前は書籍組は伸びない傾向があったが,ここ2・3回は華扇ちゃんの登場もありそうでもなかった。
大きく下がっているのはまず布都(19→35)。これは予想できたが,逆に太子様は上がっている。心綺楼でのアピール度合いの差が出たか。次に衣玖さん(30→39),これは最近露出してないからと思われる。鍵山雛(29→41)も同様か。慧音(31→44)の場合も最近公式作品で見かけないからと理由づけてもいいのだが,案外小鈴の登場で票を取られたのではないかと思っている。
今回も作品別・ステージ別の平均順位を取ってみた。まずステージ別,中ボス含み,妖々夢の4ボスはルナサで代表させた。
紅:27.6 妖:35.1 永:44.3 風:34.7 地:41.3 星:44.1 神:55.9 輝:61.4
やっぱり紅魔郷が圧倒的に強い。なお,紅魔郷は大妖精と小悪魔を外すと平均順位17.1位という驚異的な数値を叩きだしてくれる。もっとも,前回は23.7位,中ボス抜きで15.9位だったので下がってはいる。新キャラが増えた分順位が下がるのは普通であり,紅魔郷の下がり幅は気にするレベルではない。他の作品も大体は3位くらいずつ前回より平均順位を下げているが,その中で極めて下げ幅の少ない作品が2つある。地霊殿と星蓮船である。地霊殿は言うまでもなくこいしとパルスィのおかげであるが,星蓮船は大きく上がったのが小傘だけである。残りのキャラは大きく伸びてもいないが下がってもおらず,結果として平均値は保ったということのようだ。下がらないというのは新キャラが入ってきてもぶれなかったということで,固定ファンが多そうである。
下げ幅が大きかったのは新作ご祝儀の切れた神霊廟と(48.6→55.9),風神録(29.1→34.7)。風神録の理由を探っていて気づいたのだが,秋サンドの下がり具合がすごい。中身が霖之助と目立つ存在だったのでそっちに気を取られていたが,それぞれ13位・14位下げていた。加えて鍵山雛も12位下げており,残りのキャラは現状維持だから,そりゃ平均すれば6位ほど下がっているのもやむなしである。ただ,この3キャラがこれだけ大きく下がった理由についてはよくわからない。
次にステージ別。こちらは中ボスは完全に無視した。永夜抄の4ボスに霊夢・魔理沙は含めず,神霊廟の1ボスに幽々子は含めず。EXはPhを含めた。
1:64.6 2:44.1 3:43.5 4:48.0 5:28.5 6:29.0 EX: 26.7
5ボス・6ボス・EXが強いという傾向は前回と変わらない。しいて言えば前回1位は5ボスだったが,今回はEXボスであった。これはこいし効果としかいいようがない。前回と全く様相が違うのが4ボスで,前回は32.8位だったから実に16位近く落ちている。いったい何が起きたのかと調べてみると,既存キャラの順位はほとんど変化なし,一方新規加入の九十九姉妹が84位に91位だったため,大きく平均順位が下がった模様。また,実は1ボスも平均順位を約10位落としている。それで気づいたのだが,ルーミア以外の1ボスは軒並み10位近く順位を落としていた。2ボスや3ボスには見られなかった現象なだけに,興味深い。
Posted by dg_law at 12:00│Comments(0)│