2014年04月17日
【咲-Saki-】「末原さんは全ての点数移動にかかわる性質を持っている」説
アニメの感想でちらっと書いたが,私は末原さんは全くの凡人ではないと思っている。いや,「姫松の大将を務めているくらいなんだから,一般人よりも雀力強いに決まってるじゃん」という意味での凡人ではない。平たく言えば,何かしらの能力・性質を持っているのではないか,と疑っているからだ。理由はいくつかある。
まず,前出のアニメの感想で書いた通り。実は末原さんも凡人ではなくて“自覚のない妖怪”なのだとしたら,見事に話がひっくり返っておもしろいし,咲さんの怯えも納得がいく。『咲』の一つのテーマとして,積極的に楽しむことが挙げられる。で,能力に振り回され,機械的に打ってきた人たちが打ち破られてきた光景は,これまで本作ですでに繰り返されてきた。そろそろそのアンチテーゼ――無自覚な能力者,それも能力とは言いがたい,自分が必ずしも有利になるとは限らない類の性質の持ち主が登場してもいい頃だろう。これは自らが「奇幻な打ち手」という自覚のある,これまでの強力な登場人物たちとは正反対だ。それが宮永咲と対峙するなら,準決勝大将戦は咲の転機として大きな意味を持ってくる。これに加えて,どう見てもなんかある爽にネリーなんだから。決勝を見据えて,咲の本質に迫る何かがそろそろ明かされてもいい頃合いだろう。
じゃあ咲にとって嫌な性質とは何か,というところで「全ての点数移動にかかわる」というのはどうか。咲の能力はいくつかあるが,私は「プラマイゼロで終わりたいという動機」がスタートで,「プラマイゼロを達成するために細かな符の調整が必要になった」ところから,彼女は「嶺上開花」と「場の圧倒的な支配力」に行き着いたのではないか,と思っている。これは,『咲』が「70符2翻」で始まったところが非常に説得的で,このとき咲は,まさにプラマイゼロのために符を調整したのである。であれば,彼女にとって一番嫌なのはプラマイゼロの達成を阻害されることではないか。とすると,全ての点数移動にかかわるなんていうのは天敵で,それも自分の支配力よりも上だったとしたら。調整が極めて難しくなるはずである。そりゃもう,開始時に自分は1000点なんて思い込みをしている場合ではなくなるはずである。二回戦大将戦南三局に至るまでの過程は,おそらくあれしか自分が勝つビジョンが見えなかったのではないか。咲さんが何を見ているのかはわからないが,彼女本人にしか見えないパラメータがあって,唯一見つかったルートが,あそこで末原さんに倍満を上がらせるというものだったと。(「要するに咲さんはTASさん」という言葉が頭をよぎったがダジャレではない。でも,あれは乱数を調整してるんだと考えると,理解はしやすい。)
で,二回戦大将戦は具体的にどうだったのよ,というところで,ここが完全に他人の褌なので躊躇していた,というのが本稿を書く筆が遅かった最大の原因だったりするのだが,こういうのは大体咲グラフさんを見れば一目瞭然でわかる。
・圧倒的な実力差を見せつける咲さん 〜末原さん蹂躙編〜(咲グラフ)
掲載されている表を見ての通り,末原さんは全ての点数移動にかかわっている。おまけに,咲さんがほとんど同じ符で上がっていない(40符だけ二回)ことから言っても,かなり無茶して調整していることが推測できる。無論のことながら「偶然じゃないの?」と言うこともできるが,一応作中の他のどの対戦を見ても,一人が全ての点数移動にかかわっていたことは無いはずである。(実は際どかったのが2つある。1つはAブロック準決勝先鋒戦の照。これはすぐに思い出していただけると思うが,怜がすばらに差し込んだ局だけ照がかかわっていない。もう1つが,Aブロック準決勝大将戦の淡。前半戦南二局で竜華が姫子からロン上がりしていたので,ここだけ淡がかかわっていない。枕神怜ちゃんが使われた局である。)
まとめると
・二回戦大将戦の末原さんは,実際に全ての点数移動しており,現状末原さんが参加していない麻雀で全ての点数移動に絡んでいた人は(多分)いない。
・咲さんの能力の基盤を考えると,「全ての点数移動にかかわる」は己の根幹にかかわる天敵
・そろそろ自覚のない性質持ちが物語にかかわると,深みが増すのでは
これらが,この仮説の根拠になる。これで準決勝大将戦東一局でいきなり末原さんが点数移動にかかわらなかったらこの説は無かったことに。
まず,前出のアニメの感想で書いた通り。実は末原さんも凡人ではなくて“自覚のない妖怪”なのだとしたら,見事に話がひっくり返っておもしろいし,咲さんの怯えも納得がいく。『咲』の一つのテーマとして,積極的に楽しむことが挙げられる。で,能力に振り回され,機械的に打ってきた人たちが打ち破られてきた光景は,これまで本作ですでに繰り返されてきた。そろそろそのアンチテーゼ――無自覚な能力者,それも能力とは言いがたい,自分が必ずしも有利になるとは限らない類の性質の持ち主が登場してもいい頃だろう。これは自らが「奇幻な打ち手」という自覚のある,これまでの強力な登場人物たちとは正反対だ。それが宮永咲と対峙するなら,準決勝大将戦は咲の転機として大きな意味を持ってくる。これに加えて,どう見てもなんかある爽にネリーなんだから。決勝を見据えて,咲の本質に迫る何かがそろそろ明かされてもいい頃合いだろう。
じゃあ咲にとって嫌な性質とは何か,というところで「全ての点数移動にかかわる」というのはどうか。咲の能力はいくつかあるが,私は「プラマイゼロで終わりたいという動機」がスタートで,「プラマイゼロを達成するために細かな符の調整が必要になった」ところから,彼女は「嶺上開花」と「場の圧倒的な支配力」に行き着いたのではないか,と思っている。これは,『咲』が「70符2翻」で始まったところが非常に説得的で,このとき咲は,まさにプラマイゼロのために符を調整したのである。であれば,彼女にとって一番嫌なのはプラマイゼロの達成を阻害されることではないか。とすると,全ての点数移動にかかわるなんていうのは天敵で,それも自分の支配力よりも上だったとしたら。調整が極めて難しくなるはずである。そりゃもう,開始時に自分は1000点なんて思い込みをしている場合ではなくなるはずである。二回戦大将戦南三局に至るまでの過程は,おそらくあれしか自分が勝つビジョンが見えなかったのではないか。咲さんが何を見ているのかはわからないが,彼女本人にしか見えないパラメータがあって,唯一見つかったルートが,あそこで末原さんに倍満を上がらせるというものだったと。(「要するに咲さんはTASさん」という言葉が頭をよぎったがダジャレではない。でも,あれは乱数を調整してるんだと考えると,理解はしやすい。)
で,二回戦大将戦は具体的にどうだったのよ,というところで,ここが完全に他人の褌なので躊躇していた,というのが本稿を書く筆が遅かった最大の原因だったりするのだが,こういうのは大体咲グラフさんを見れば一目瞭然でわかる。
・圧倒的な実力差を見せつける咲さん 〜末原さん蹂躙編〜(咲グラフ)
掲載されている表を見ての通り,末原さんは全ての点数移動にかかわっている。おまけに,咲さんがほとんど同じ符で上がっていない(40符だけ二回)ことから言っても,かなり無茶して調整していることが推測できる。無論のことながら「偶然じゃないの?」と言うこともできるが,一応作中の他のどの対戦を見ても,一人が全ての点数移動にかかわっていたことは無いはずである。(実は際どかったのが2つある。1つはAブロック準決勝先鋒戦の照。これはすぐに思い出していただけると思うが,怜がすばらに差し込んだ局だけ照がかかわっていない。もう1つが,Aブロック準決勝大将戦の淡。前半戦南二局で竜華が姫子からロン上がりしていたので,ここだけ淡がかかわっていない。枕神怜ちゃんが使われた局である。)
まとめると
・二回戦大将戦の末原さんは,実際に全ての点数移動しており,現状末原さんが参加していない麻雀で全ての点数移動に絡んでいた人は(多分)いない。
・咲さんの能力の基盤を考えると,「全ての点数移動にかかわる」は己の根幹にかかわる天敵
・そろそろ自覚のない性質持ちが物語にかかわると,深みが増すのでは
これらが,この仮説の根拠になる。これで準決勝大将戦東一局でいきなり末原さんが点数移動にかかわらなかったらこの説は無かったことに。
Posted by dg_law at 21:00│Comments(0)│