2014年05月04日

来年の自由研究にも期待

・A大学のA君はなぜ大学を退学したのか(とある法学部教員ブログ)
もちろん別の見方もあるわけだが,このブログの問題意識として「現在の大学の教育状況が問題」という観点からの例示なら納得できる。
退学者問題というのは、多面的に考えるとなかなか難しいのが実態です。ただ、大学側にいる人間としては、「教育改善によって退学者問題を解決する」という考え方をとる以外の選択肢はありえません。
という言葉はなかなかに重い。
→ 高校(もしくは大学入試)と大学の授業が接続していない,だから授業がつまらない,という話は割とよく聞くところで。自分の場合そうでもなかったのは,東大の配慮だったか,それとも取った授業の先生がたまたま配慮してくれていたか。
→ このブログ,他の記事も大学の教育問題に関心があればおもしろい。お勧め。


・「選挙違反の歴史―ウラからみた日本の一〇〇年」季武 嘉也 著(Kousyoublog)
→ これはおもしろい。暴力的な選挙から現金が飛び交う選挙へ。選挙の清浄化が大政翼賛会につながり,戦後には社会の複雑化にともなって莫大な資金を必要とする現在の選挙に変わっていく。
→ 「『選挙の純潔』を追求しすぎた結果『選挙の自由』が失われ、『選挙の自由』に制限を加えなければ『選挙の純潔』が穢され、ひいては『選挙の真正』も損なわれ、逆に『選挙の真正』を求めて行く過程で『選挙の自由』『選挙の純潔』とは対立することにもなる。」なるほど。純潔・自由・真正のそろった選挙制度というのは理想だが,それぞれ矛盾するという困難さ。
→ 現に日本の選挙は純潔を求めすぎて,自由と真正さに欠いている。私的には,特に不自由さの弊害は強いと思う。改善されていってほしい。


・「メロスの全力を検証」(理数教育研究所)
→ 理数教育研究所が行っている自由研究コンクールの受賞作品。小学生・中学生・高校生の部に分かれているが,本作は中学生の部である。
→ なんともすばらしい着眼点である。発想の勝利であり,かつ検証も適切。受賞もうなづける。
→ あまりのメロスの遅さにセリヌンティウスは激おこぷんぷん丸。しかも,古代ローマの1マイルはもっと短いので,もっと遅く走っている可能性が微レ存……?
→ ただまあ,約40kmとなると現代人では普通に歩くのも困難で,いかに現代人よりも健脚な古代人でも軽い気持ちで歩ける距離ではあるまい。小説の内容の通り地形的な厳しさや山賊のアクシデントもある。走ってはなかったかもしれないが,がんばっていなかったわけでもない,とは言えるかも。
→ URL削ると出てくるが,高校生の部の大賞は「本当に最強打者を4番に置くべきなのか」を数学的に分析したいる。こっちもおもしろかった。
→ これは2013年が初めての試みのようだ。2014年もおもしろい自由研究が出てくるといいなぁ。


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