2014年09月20日

最近読んだもの・買ったもの

・『プリニウス』1巻。ヤマザキマリがまた古代ローマで何か描きだしたと思ったら,プリニウスである。古代ローマの大百科事典『博物誌』の著者であるが,『博物誌』は伝説や珍事を含めてありとあらゆることを収録した大著であり,「あー,いるいる現代にもこんな人。知識欲も収集癖もひどかったんだろうな。」というのが著書から分かる感じだが,その想像通りの人物を描いている。ザッツ変人というような変人。
→ 物語のあらすじは,プリニウスの口述筆記官を務める若者を主人公に据えた比較的オーソドックスなもの。ネロ皇帝の時代のようで,ウェスパシアヌスもすでに登場している。ネロがまだ24歳なので西暦62年にあたり,ウェスパシアヌスは公職引退中でローマにいるし,オクタウィアとセネカは追放されている。ついでに言えばブッルスはすでに死んでいる。1話を見るに,プリニウスが死ぬところまでやる予定のようだ。そうすると,けっこう先は長い。
→ あることないこと書いてある『博物誌』の性質上,本書も科学的なことも非科学的なことも描いているが,基本的に非現実的な現象はプリニウス本人が一方的に語っているか,他の人が見たものをプリニウスが聞いているかのどちらかで表現されており,プリニウスや主人公が直接見聞きしたものは現実的な現象という描き分けがなされている……ような気がするが,これは以後の巻で確かめたい。
→ 今回は厳密に言えばとり・みきとの共著になる。が,とり・みきは背景の自然風景や建築物担当のようなので,全く違和感がなく読める。というか,知らないと共著って気づかないと思う。


・『東方茨歌仙』4巻。今回も短編集の振りをして,本編の補完をしたり,ちょっとずつ重要設定を公開していくスタイル。それにしても華仙ちゃん,最近正体隠す気もうないでしょw。お酒の話とか笑ってしまった。そりゃ萃香さんにも見つかりますよ。
→ 人を超えるために仙人になる神子と,人に近づくために仙人になった華仙が非常に対照的。別に仙人は人と鬼の中間点にあるわけではないのだけれど,仙人が欲を抑える/叶えるもので,鬼は強すぎる欲を振りまくものとすると,まあ中間にあるのは人間なのかなと。あとまあ,宗教は自分を助けるものか,衆生を助けるものかという宗教観の違いは,華仙と他の宗教家の違いに顕著だった。その点,神道は神仏習合するまで己を鍛えるという概念は薄かったからちょっと特殊かな。


・『UQ HOLDER』3巻。本作のおもしろさは,単純に少年漫画としておもしろい部分と,前作『ネギま!』との関連性が垣間見えるところの両方にあると思うが,両方の意味でマギア・エレベアが出てきたのは良かった。ようやくネギとのつながりが見えてきたし,エヴァンジェリンがつきっきりで見てた理由も推測が立つようになった。ある程度の適性がないとそもそも身につけられない類の魔法だし,武闘系なのに「近衛」姓な理由も,その姓なのに田舎に隔離されてた理由も,まあある種の監視のためなんだろうなぁと。あとはなんでそんなことに? という部分だけど,これは後々明かされていくことでしょう。


・『ゆるゆり』12巻。ナチュラルに好かれまくり,ナチュラルにボディタッチする京子さんは百合キャラの鑑ですわ,と改めて思うなど。
→ 79話,ちなっちゃんがいる時点でお絵かき系はダメだったのでは。
→ 83話,櫻子に漫才は無理だろ……
→ 84話,千鶴さんにも友人が。これは大きな変化では。姉さんの方は恥じらいを覚えたし。
→ 85話,向日葵さん,将来悪い人にだまされないようにね……そういう意味では櫻子がしっかりつかまえといてくれれば安心かも。
→ 86話,一番笑った。京子の京子らしさがすごくよく出てる。
→ 87話,「おなかがぽんぽんポンパドゥール」……なんつうマニアックな地名。


・『大室家』2巻。撫子さんの彼女はまだ明かされない。まだまだ引っ張る模様。
→ どっちかというとお姉様組の方が読んでておもしろいかなー。めぐみさんなんでそんな苦労人なん? 美穂さんは相変わらず黒い。藍さんはもうちょっとキャラを立てよう。

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