2014年10月07日

もう何度目だ展の一角

ミレー《晩鐘》ぼちぼち通常運営に戻していく。というわけで,新美のオルセー美術館展に行ってきた。こういうコンセプトの曖昧な「○○美術館展」はよほど豪華でない限り,あまり行かないことにしているのだが,今回はよほど豪華だった例である。公式サイトの「みどころ」が,これほど本当にみどころだったことはあまりない。ただし,印象派の本当の大作はことごとく無い。もっとも,私としてはそれがむしろ好都合であった。印象派も無論好きではあるんだけども,別に印象派だけが見たいわけではなく,印象派の大作1つ借りてくるために,他の名画が3つ消えるのであれば,それは嫌という。

そういう前置きで見ると,今回は的確なチョイスだったと思う。マネ《笛を吹く少年》は確かに「世界一有名な少年」の一人だろうし,あえて印象派の大作を1つ持ってくるならこれ,という気はする。モネやルノワールは直球すぎるだろう。他の印象派からはバジールの絵が2つほど来ていて,一つはそれなりに有名な印象派が集合したアトリエの絵だったし,もう一つは家族の集合している絵でこれも良い絵だった。バジールは本当に夭折が悔やまれる。普仏戦争が悪い。モネは数点来ていたが,《サン・ラザール駅》と《かささぎ》が有名な作品だっただろうか。ただ,この二つは何度も来日しているので,私的にはそう珍しくもない。大作《草上の昼食》が来ていたが,これはマネのものを真似たという点と,物理的に「大作」という点では見るものがあるが,正直つまらない絵である。大体,草上の昼食を名乗っているくせに,女性が服を着ていてどうする。

ミレーの《晩鐘》。《笛を吹く少年》よりもこちらをメインにすべきだったのでは。本展覧会では間違いなく最強の知名度だと思う。で,実際に名画だ。実物は思っていたよりも小さい。《晩鐘》というと,昔美術の教科書で見た背景がキノコ雲になってるパロディが忘れがたいのだが,残念ながらタイトルも作者名も覚えていない。共感してくれる人いますか。カイユボットの《かんな》。これは以前にどこかで見たことあるはずで,見覚えがある。カイユボットの代表作というとやはりこれだろう。ところで,カイユボットの名前から漂うおかゆ感とロボット感がぱないな,と思っていたらジャスト同じことを考えている人がいた。


カバネルの《ヴィーナスの誕生》。これはやはり西洋絵画の一つの到達点だなぁと。エロいです。以前に模写は一度来日していて見たが,本物はここで初めて見た。対照的なのがクールベの《裸婦と犬》で,同じ展示室内に置いたのはGJだった。あのちょっと太った女性の脂肪の巧みさよ。最後にマネの《クレマンソー》。西洋美術館の常設展にもクレマンソーの肖像画があるが,あちらはカリエールによって描かれた茫洋とした雰囲気の絵で,おそらく制作年代がそう離れていないのに全く違った。


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