2014年10月29日

歴史・宗教関連のニュースいろいろ

・セルビア「スマヌ、スマヌ…もう百万遍は謝った。そろそろ許してくれないか?」ヨーロッパの反応(10000km.com)
→ 世界悪者クラブあるあるw
→ 余分なことを言ってブーメランが刺さる展開が多すぎるスレである。いいからイギリスとフランスはだまってろ。
→ うちの国も人ごとじゃないんだよなぁ。途中でイギリス人に「昔やった悪さを無かったことにするという点でイギリスは日本並み つーか日本よりヤバい」とか言われてるし。こんな何気ないスレでこう言われてしまっているという認識は持たなくてはいけない。
→ 日本国民が日本のことで「もう何度も謝った」というのは傲慢になってしまうが,端から見てるとドイツやセルビアはもう許してやれよ感ある。むしろイギリスおめーはダメだ。中東問題は罪深すぎる。
→ 翻訳がおもしろすぎるのだけれど,原文読みに行ったら大体どころでなくあってた。このスレ自体がおもしろすぎる。


・ISIS、カリフ制イスラム国の樹立宣言(朝日新聞)
→ 「袁術による皇帝僭称と同程度の死亡フラグにしか見えない……」とは当時書いたものの,まだ生き残っているという。意外にしぶといというか,泡沫ではなく歴史に名が残ることは確定してしまった。
→ しかし,これでシリア・イラク地域はアサド政権・反政府軍(自由シリア)・ヒズボラ・イスラーム国・クルド人自治政府・イラク政府とカオスにも程がある戦国時代状態である。これで周辺プレイヤーにイスラエル・レバノン・トルコ・湾岸諸国・エジプト・イラン・アメリカがいるんだからもう。


・仏ブルカ禁止法は「信教の自由侵害せず」、欧州人権裁(AFPBB)
→ これはヨーロッパ人権裁判所の判決なので「フランスが」どうこう言うのはタイミングがずれてる気が。
→ 別記事を見るに,フランス政府はオートバイのヘルメットや目出し帽も取り締まってるからって反論してたらしい。ただ法律制定の背景はどう考えてもライシテであって,背景と目的(と運用)がまるで一致していないのが根本的な原因であり,その点原告ムスリム女性の「自身のベール着用は自由意志によるものであり、警備上の理由で必要とされればベールを脱ぐこともいとわないとした上で、公共の場でのベール禁止は尊厳をおとしめるものだと訴えていた」の方が正しい。それでも仏ブルカ禁止法は違憲ではないという判定を欧州人権裁が下したというのは,ムスリムへのゼノフォビアでしかなかろう,というところまで切り分けて,初めてこの一件の問題性があらわになると思う。粗雑な批判は,逆に問題を見えにくくする。要するに,フランスひどいというよりは,ヨーロッパどうなっとるんや,という。
→ ところで,「これはヨーロッパ人権裁判所の判決なので「フランスが」どうこう言うのはタイミングがずれてる気が。」という私のブコメに対して,私が判決を賛同しているように読解して賛同してくれた人がいるっぽいんだけれども,大間違いだからな。さすがにそれは読解力がなさすぎる。


・スイス、新国歌の候補曲募集に215件の応募(AFPBB)
→ 1847-48年に革命騒ぎが起きてるんですがそれは。 >「通常、国歌が代えられるのは革命か社会混乱による場合がほとんどだが、平和で安定したスイスで革命などが起きたことはなない。」
→ もうちょっと具体的に書くと,カトリック圏が分離独立を訴えて国が真っ二つに割れ,カトリック側をオーストリアが支援して(何百年ぶりかの)故地回復を狙ったものの,プロテスタント側にイギリスがついてオーストリアを脅迫,折しもオーストリア国内でも革命騒ぎが起きたため,オーストリアが支援を撤回し,スイスは国家分裂の危機が回避された。スイスはこの反省から連邦制に移行している。
→ AFPともあろうものが,さすがに取材不足というか,おそらく革命騒ぎを黒歴史視するスイス政府の受け売りをそのまま垂れ流してしまったのでは。

この記事へのトラックバックURL