2014年11月24日

『WHITE ALBUM2』レビュー

一応致命的なネタバレは避けていて,本作の設定を知らなくても読めばそれなりに分かるように書いているはず。(むしろ『君望』はネタバレしている)

さて,三角関係を描いた本作の感想というと,まずもって来るのが「どうしてこうなった」「誰が一番原因だ」問題である。まずこれに意見を表明しておかないとレビューとはなるまい。私の立場は,「全員が平均的に悪い」というありきたりなものではあるが,これ自体が本作の重要なポイントであると思う。ちょっと説明を加えさせてほしい。

本作の三角関係の根本的な原因は,すれ違い,タイミングの妙が全てで,実際のところ究極的な悪者はいないというものだ。これは極めて丸戸らしい世界観で,「世界は貴方が思っているよりもちょっとだけ優しい」から全くぶれてない。絶対的な悪者がいない程度には優しいのだけれど,しかし運命は残酷で。「世界は」「貴方が思ってるよりも」「ちょっとだけ」「優しい」のがそれぞれ重要で,特定の誰かが優しいわけではなく,それは時と場合により移り変わり。人間は自らの将来について悲観しがちで。それよりは現実は少しだけ厳しくないけど,でも基本的には厳しくて。だからこそ,自分の想像を少しだけ超える優しさが垣間見えた瞬間が奇跡に見えて。やっぱ里伽子抄最高や!(唐突)……いや,真面目な話,あれが丸戸史明の世界観の中核じゃないかと。本作は怒りや邪念の無い,ただただ積り続けるどん詰まりの純粋な苦しさを味わうことが出来,最後にはそれなりの救済がやってくる。だから,物語の大半は余分なことを考えさせずにストレートに胃に来る。というか,脳みその方は綿密に張られた伏線の回収の方で忙しい。こんなもん,マゾヒストじゃなくても楽しいに決っている。

一方で,この「全員が平均的に悪い」というのはさじ加減が難しいもので,個人的には極めてうまくやってのけた作品だと思うのだが,実際には雪菜もかずさも春希も,特定の誰かが悪いという批評はそれなりに見られる。これは別にその人たちの読解力を問題視しているわけではなくて,読めばそういう観点ならと納得するものも多い。特にまあ,アンチ雪菜がそこそこ発生するのは理解できるところで。つまり,これだけ丁寧に描いてもどうにもならない感性のゆらめきというものはあり,テキストのバランス調整は至難の業なのだなと痛感させられる話である。しかし,そういった批評であっても概ね高い評価をつけているものがほとんどではあるのも,また本作のおもしろいところではあろう。

もう一つ。本作はIC(序章)・CC(本編)・coda(最終章)の三章に分かれていて,それぞれの時期でそれぞれの精神的な成長と,譲れないものが変わっていくのもポイントになる。「全員が平均的に悪い」「最悪のすれ違い」という点といい,「時間が最大の解決」になる点といい,本作は清く正しい『君望』の後継者である。言うまでもないが,だからと言って『君望』の偉大さが減じるわけではない。というか,厳密に言えば『君望』は「全員が平均的に悪い」わけではない。言うまでもなく遥は「運が悪かった」だっただけだ。あの事故にあらゆる「悪さ」の焦点を集めた点でやはり『君望』は画期的な舞台装置であった。一方,本作はあえて文化祭を焦点にせず,ICの後半,作中時間の半年をかけて作っていった。結果的に,一瞬の破壊力は劣るものの,破滅に近づく恐怖をじっくり味わうことができる。いずれにせよ,「平均的に悪い」三角関係を稼働させるには,整った舞台装置が必要で,それを綿密に作り上げた作品の系譜だと思う。丸戸さん,相当『君望』を研究してから本作にとりかかったのではなかろうか。ネタバレゾーンで後述するけど,サブヒロイン群の配置を見ても,ねぇ。どこぞで見かけた「ホワルバの型に君望の中身を詰め込んでHERMIT系の丸戸作品で味付けした感じ」はかなり的確な例えじゃなかろうかと。

そうそう,本作といえば「誰が一番悪いか」に引っ掛けられて「誰が一番嫌いか」もしばしば話題になるところだが,私は嫌いなキャラはいない。とはいえ,一番好きなのは誰かと言われれば,やっぱり冬馬かずさが好きだ。ただし,いわゆる「俺の嫁」というよりは,なんというか父性をくすぐられる感じ。それだけに,私は物語で特定の登場人物に感情移入しないのだが,本作のcodaは完全に冬馬曜子(かずさの母親)視点で読んでた自分がいた。それだけにcodaはどのエンディングに行っても,それぞれ別の意味で心に染みた。かずさが幸せなら,それでいい。

正直満点つけても良い気分なんだけど,冷静に考えると満点分楽しめたかというと疑問点がいくつか。それを含めて,各分野についてちょいちょいと。まずグラフィック。立ち絵は優秀だったけど,もう少し種類が欲しかった。特にcodaでは文章の感情表現に追いついてない場面がちらほら。一枚絵は誰てめ絵になりかかってるのが何枚かあった。しかもHシーンでそれが多いため絶妙に実用性が低い。種類が足りないのはBGMも同じで,CCの終盤あたりから聞き飽きた曲が出てくる。一方,ヴォーカル曲は数も質も圧巻。本作の『届かない恋』は,『AIR』の『青空』クラスの破壊力をもって私の人生に刻まれた。イントロだけで嗚咽が生じる,至高の胃痛ソングである。各声優さんの名演技も光っていた。特に雪菜役の米澤円。これは神がかっていたと言わざるをえない。

最大の問題点は,冗長さである。正直30〜40時間持っていかれるのは時間泥棒で,ICとcodaはいいとしてもCCは冗長な場面が多かった。あれは,あと2〜3時間でいいから削れただろう。あの冗長さは本作のシナリオ面での数少ない(が看過もできない)瑕疵になっていると思う。自分自身,長すぎて放置してたところがある。それを一気にクリアすることにしたのは,聖地巡礼の計画が立ち,それに間に合わせる必要が出てきたからだ(聖地巡礼は別記事にて)。一度再開すれば,おもしろさもあって一気に進んだが,それでも終わったのは海外旅行の前日,飛行機が飛び立つ9時間ほど前であった。これは丸戸史明の悪い癖で,どうでもいい会話の中にふっと重要な感情を吐露させる手法を多用し,テキスト自体のおもしろさを活かして気づかれるか気づかれないかのぎりぎりを攻めていきつつ時間を経過させるのが丸戸の脚本だ。これは反面,文章量がどうしても膨大になり,かつ一場面ずつ切り出して読んでみると大変に淡白である。いかにテキスト自体がおもしろかろうと,これだけ引き伸ばされて淡白になれば冗長と言わざるをえまい。しかも,本当にふっと挟まれるので,変にスキップしたり流し読みしたりできないのもまたつらいところだ。

しかし,もろもろ減点しても90点以上をつけていいくらいには楽しめたかなと。2010年代のゲームに限れば『穢翼のユースティア』と並ぶエロゲ史上の最高傑作の一つだと思う。まだやってない人は胃薬と十分なプレイ時間を確保して,是非。で,今私が悩んでいるのは,PS3版をやるべきか否か。というよりも,やりたいんだけどもハードを持っていない。PS1のゲームも久々にやりたいのがあるし,ドラクエ無双(通称)も出るし,PS4が出て値段も下がってるし,そろそろPS3を買わざるをえないかなぁ。


以下,ネタバレを含めて。

本作は丸戸本人が「キャラクターと社会のかかわり」が一つのテーマと語っている通り,閉じた3人の空間と,それ以外の広がった社会がしばしば対立点となる。では閉じた空間が閉じたのはなぜか。つまるところ,雪菜中心のコミュニティに,かずさが入っていけなかったのが最大の原因だ。ゆえに登場人物の大半は雪菜の味方で,かずさのことは忘れよう,となる。ところが,この三角関係は当人たちにしかわからない特殊事情があるわけで,春希や雪菜はそこを周囲に説明はしているのだけど,さっぱりうまくいかない。後述するが,春希も雪菜も特殊過ぎる人間なのだ。ゆえに依緒と武也は一般人代表なので,どれだけ長い付き合いがあろうとも二人の特殊性を理解しきれず,無駄どころか後退させるような支援しかできなかった。実のところ私が本作で一番もやっとしたのはここで,いくらなんでも依緒の物分かりが悪すぎるだろうと。その点,柳原朋は雪菜をしっかり見抜いていた。さすがは熱狂的なファンだ。

その意味で,codaの雪菜trueにおいてかずさが「友人として」「一般人代表の」武也と依緒をコンサートに招いたのは決定的な場面で,他がどうなろうとあのシーンがなければ雪菜trueは大団円とは言えなかっただろう。仮に雪菜trueを「正史」と見るなら,『ホワルバ2』は「ひねくれて育った不良娘が,一世一代の大恋愛と失恋を通じて社会復帰する話」に他ならず,これほど無駄に壮大な不良の更正話があっただろうか。無論のことながら,かずさtrueがこの逆パターン。かずさは3人の空間に引きこもり,春希が唯一の社会とのハブになる。

さて,その春希と雪菜の特殊性である。特にCC以降の雪菜。一言で言えば「超絶ワガママ」ということにはなろう。自分の幸せと,春希の幸せと,「3人でいること」が全部成り立たないと納得しないのだから。しかし,三角関係の上ではこんなの全く成り立たない。成り立たないことに気付かされたのがICという物語だ。しかし,これだけで済めば雪菜はそう複雑なキャラではない。彼女が厄介なのはここからで,これだけ複雑な欲望が,内部矛盾で衝突していれば,普通の人ならどれかを諦めるか,精神が崩壊する。彼女自身,本当は自分がどうしたいのかわからなかったはずだ。しかし,IC後の展開で鍛えられた尋常じゃなく強い精神で,内に溜めこんで乗り越えてしまう。溜め込んでおいて,状況が変わるのをじっと待っているのである。そう考えると健気といえば健気かもしれない。ところが,時折耐え切れなくなって噴出してしまうところがあり,典型的なのがCCのクリスマスであった。「なんであそこで春希を振るのか意味不明」という批判は実際のところ正しくて,おそらく作中の雪菜にすら自分の行動原理が理解できていなかったに違いない。どろどろしてて,本人さえもよくわかってない混沌とそれを御すことなく貯めこむ器。雪菜は怪物という評は正しい。「大魔王」のあだ名もやむなし。作中で千晶が怯えるのも然り。

一方の春希は,実のところ雪菜とよく似ていて,けっこうなワガママである。ただ,雪菜との決定的な違いは,雪菜が徹底的なエゴイストなのに対し,春希は自罰的だという点だ。ICの展開は不幸な出来事で,3人共平等に悪いはずだが,春希は一人で抱え込んだ。だが,その自罰が徹底的でないところがミソで,結局のところ彼も自分以外全員幸せなら満足かというとそうでもなく,どこかで自分も幸せになりたい気持ちが残っている。だから,欲望が理性を振りきってしまうことがある。彼もこの自罰的な精神と欲求に素直な自分とのバランスがとれるだけの精神力があれば,あっさり幸せになれたのだと思うが,そんな魔王的精神力を持ち合わせてなかったのが彼の不幸であろう。いや,そんなもん持ち合わせてる方がおかしいのだけれども。雪菜同様,CCの春希も行動原理が意味不明だとか優柔不断だとか批判されるが,それもそのはずで,やっぱり春希くん自身で自分の行動指針なんて全く立ってなかったのである。ともすればいきあたりばったりにも見えよう。そう考えると,codaの雪菜trueとは,春希がやっと自罰的な自分と決別を図った話であり,至極単純な成長物語と取れる。また,それを支えた雪菜にとっては「女の一念岩をも穿つ」という話でもある。


最後に,サブキャラのルートについて。前述したように,『君望』らしい配置をしていると思う。完全に既存のコミュニティから縁を切ってしまうルート,安牌だと思ったらとんでもない地雷だったルート,もう一回別の三角関係をなぞらされるルート。これに加えて,既に指摘されきっている通り,それぞれが小かずさ,小雪菜,小春希としても見ることができるという重層的な構造になっている。さらに重ねると,麻里さんはこれだけ別のゲームと言えそうなくらいの濃厚な丸戸臭。こういうめんどくさい大人,丸戸ゲーに必ず一人はおる。「あなたのせいでもう20代終了なのよ」とかいう妙にリアルで笑える台詞といい,ここだけホワルバではない。一方で,伏線の魔術師としての丸戸が前面に出たのが千晶のルートで,『パルフェ』の里伽子のアレとか『こんにゃく』の茜とかを彷彿とさせる手腕。かつ,外側から見た春希・雪菜・かずさの三角関係は,もろもろ逆に見えるという示唆までさせている。そして小春のルートはICのセルフパロディ的な展開で,『パルフェ』のサブタイトルに「二番煎じ」と付けた丸戸らしい小技である。

また,批評でない完全に個人的な感想として。麻里さんのルートが一番春希くんが幸せになれそうな。結局,あんだけこじれたら既存のコミュニティから抜けるしかないし,5年ほど経てば戻れるように時が解決してくれるんじゃないかなと。ところで,セントレアからアメリカへ向かう便はデトロイト行きしか存在せず,それも今年の4月に消滅したとかいう話があり,原作を完全再現する聖地巡礼は不可能になってしまった疑惑ががが。せめていつかJFK空港は行きたいのう。


かずさについては,ほとんど書くことがない。いやだって,忠犬ですし。ごく単純にかわいい。

この記事へのコメント
未プレイなのでネタバレなしの部分だけ読ませていただきました。
方々から名作との評価を聞いているのでいずれプレイするのが楽しみな反面、多角恋愛というエロゲの中でさえも使い古された題材で果たしてどれだけの物語を見せてくれるものかと斜に構えてもいます。
丸戸作品でハズレを掴まされた記憶はないので、やって損がないのはわかってるのですが、恋愛メインでここまで名作扱いされる作品はなかなか例がなく、否が応でもプレイ前の期待値が高くなってるんですよね。
Posted by 4E at 2014年11月25日 18:11
>雪菜中心のコミュニティに,かずさが入っていけなかったのが最大の原因だ。
>ゆえに登場人物の大半は雪菜の味方で,かずさのことは忘れよう,となる
プレイ済みのかずさ派ですが、その雪菜中心のコミュニティ(具体的には依緒と武也)もまたかずさを受け入れられるほど寛容ではなかったのが問題だったように見えましたね。
この二人はICの時点で雪菜の味方に回っていてかずさを疎外していましたし、彼らがかずさを受け入れるのは、かずさが雪菜と春希の仲を祝福した――つまりはかずさが雪菜に「屈服」した――雪菜Tだけしかなく、かずさの方から譲歩して歩み寄らない限り決して手を差し伸べ受け入れようとはしませんでしたから。

>ゆえに依緒と武也は一般人代表なので
彼らが一般人代表という役柄を与えられてることは分かりますが、それでも彼らの人間性を鑑みると一般人ではないだろうという声が内から沸きあがりますw
あの二人も中学生のころからcodaまで約10年も付かず離れずの煮え切らない関係を続けてましたし、特に武也なんか千晶曰く「一人の女の身代わりに百人の生贄を必要とする」――依緒の気をひくために女漁りを繰り返していたような奴ですから、十分特殊な人間だろうとw


>仮に雪菜trueを「正史」と見るなら,『ホワルバ2』は「ひねくれて育った不良娘が,一世一代の大恋愛と失恋を通じて社会復帰する話」に他ならず
PS3版に追加された浮気ルート後のエクストラエピソードも、かずさが春希以外の他人を受け入れて世界を広げ成長する話でした。
ですので私は雪菜Tの話は大嫌いですね。あれは雪菜と雪菜のコミュニティにかずさを縛り付けて社会復帰・成長することを「強要」されているように感じましたし、「三人一緒」はICのときと同じ拷問にしか見えませんでした。
Posted by N at 2014年11月25日 23:37
初めまして。今回のブログの記事は大変興味深く拝見させていただきました。大変恐れ入りますが、コメントに文字数制限があるので分割させて投稿させて頂きます。
雪菜が徹底したエゴイストというのは私も前から思っていたところでした。彼女は周囲の人間全員の幸福と、自分が多くの人から愛されることを両立させようとする傾向があり、その根底にはかなり強いエゴが感じられます。もっともどんな人間も根底ではエゴイストなのですが、彼女の場合は自分の理想を叶えるためには、どんな矛盾ですら強引に突破しようというのですから、相当なエゴイストだと思います。しかもそれを無意識の内にやってしまうのですから質が悪い。
Posted by しげ at 2014年11月25日 23:52
そのせいで彼女の行動原理が(雪菜自身を含めて)理解不能なことになっているのでしょう。基本的に献身的で利他的なキャラなので、嫌な感じはうけません。
ただ、雪菜Trueルートでの雪菜の行動にはいまいち納得しきれない点が残ってしまいました。確かにあのルートのラストでは、春樹は長年の母親との確執から救済され、周囲のほとんどの人々が皆幸せになっています。このことを「奇跡」と表現する人がいるのもりかいできます。しかし、かずさに関してはどうでしょうか。かずさはあの後、長年思い続けていた男性が、違う女性と仲睦まじくする光景を、否応なしにも見せつけられる日々が待っているのです。これはいくら春樹との別れを表面上は済ませたとは言え、かなりきつい仕打ちではないでしょうか。
こういうもやもやを残さないためには、雪菜の無意識なエゴイストとしての側面を批判できる人物が必要だったのではないかと思います(本来なら朋がその役割を果たせたのですが、Coda編ではすっかり雪菜の信者と化してしまっていたのが残念です)。
Posted by しげ at 2014年11月25日 23:53
「女の一念岩をも穿つ」というのは一見美しい話ではありますが、その負の側面を隠してしまったがために、個人的には不満の残るオチではありました。エゴの全面肯定というのはあまり好きな思想ではありません。

さてブログ主さんがあまり言及されなかったかずさの魅力について述べてみます。彼女の魅力は女性的なかわいらしさというより、少年的(ボーイッシュ)な純粋さにあると思います。自分の感情を表にはださないが、どのような状況や年月を経ても一人の人間を愛し続け、なおかつその愛情表現が非常に不器用な形でしかできないキャラというのは、どちらかというとハードボイルド小説にでるような男性キャラ(それも精神的に未成熟な)に近いと感じます。彼女のキャラからはチャンドラーやフィッツジェラルドの小説に出てくる、一人の女性に一途ではあるが、コミュニケーションが上手くとれない、不器用な男性たちを連想します。彼らはその一途さ、純粋さが美しいのですが、あまりにも危うく脆く、またそこが魅力的であります。そういうキャラは男性が持つロマンチストで理想主義的な面を象徴するキャラなのでしょう。そしてかずさもそんなキャラの系譜に位置付けしていいと思います。もちろんかずさは女性であるので、彼らとは性格に違う点は多々あります。しかし、かずさに魅力を感じる男性はもしかすると、彼女の中に自身のロマンチックな姿を投影して、そこに共感を覚えているのでないでしょうか。もちろん、かずさの魅力をこれだけで語りつくすのはむりがあるのは重々承知してはいますが。
以上、駄文失礼しました。
Posted by しげ at 2014年11月25日 23:53
>4Eさん
その気持ちは非常によくわかります。
私も,あまりの期待感の高さと,30時間超と伝えられるプレイ時間に負けて,ずるずるとプレイが止まっていましたから。
なので,二つの助言をするなら,
・期待通りの出来であるから,恐れずにプレイしてみよう
・強すぎる期待は足を止めるので,高すぎる期待を捨てて,気持ちを落ち着けてプレイ開始しよう
というところですね。


N さん

先に軽いところから。
>それでも彼らの人間性を鑑みると一般人ではないだろうという声が内から沸きあがりますw
それは間違いないですねw

>PS3版に追加された浮気ルート後のエクストラエピソードも、かずさが春希以外の他人を受け入れて世界を広げ成長する話でした。
それは読みたいところですね。私もかずさ派ではあるので。
やはりPS3ごと買うべきか……
Posted by DG-Law at 2014年12月07日 10:08
Nさんへのコメント返し,続き。
>その雪菜中心のコミュニティもまたかずさを受け入れられるほど寛容ではなかった
IC後半になると3人での行動が増え,彼ら2人が登場しなくなるのが顕著ですね。結局,少なくともIC時点では雪菜自身が「衣緒」か「かずさ」かの選択肢しか持てなかった,ということではあるような気がします。引き合わせるような努力をした描写は見られない。(ただし,ICの頃のかずさが手のつけられない不良だったのはまあ間違いないところで……)


>ですので私は雪菜Tの話は大嫌いですね。〜〜
この辺はおそらくかずさ派同士でも意見が大きく分かれるところだと思います。雪菜派は割と固まっている一方,かずさ派は雪菜Tを認めるか否かと,雪菜の性格を許容できるか大嫌いか,で4分される気が。

雪菜が嫌いじゃない&雪菜Tは正史,という私の立場から想像するに,雪菜T後のかずさは衣緒や武也程度には「後退」して,良い意味でコミュニティに埋没していくのではないかと思っています。何なら,新しい恋愛を見つけて欲しいくらいで。そこまで出来て真の社会復帰かなと思いますし,そうした強さを身につけたのがcodaのかずさではあるかなと。
雪菜の「3人」の呪いが強烈だったのは「3人」だったからで,それがIC時点でのかずさの不幸であろうと。5人ならまた話は別でしたでしょうが,様々な事象がそれを許さなかった。

なぜ「3人」から「コミュニティ」に発展し得なかったのか,のは本作を語る上での重要テーマですが,そういえば諸レビューを拝見して,これを大々的に取り上げたものは見かけなかったですね。私自身,ちょっと抜け落ちてたところで,ちょっと再考してみます。
Posted by DG-Law at 2014年12月07日 10:10
しげさん

長文でのコメントありがとうございます。

>かずさに関してはどうでしょうか。〜〜
やはりここがかずさ派内部での焦点でしょうね。
雪菜Tを肯定できる私の立場はNさんへのコメントの通りです。
ビンタ大戦から続く雪菜の説得はかずさを吹っ切れさせるだけの効果があったのではないか,と思っています。

一方で,
>雪菜の無意識なエゴイストとしての側面を批判できる人物が必要だったのではないか
という視点はおもしろいです。考察しがいがある。
結局誰も諫めないので無理が生じる。その無理に春希が耐えられなくなり,二人は別れることになる。場合によってはかずさTのような大ダメージになって雪菜本人に返ってくる。
春希くんはいろんな人がお説教してくれるので,立ち止まったり健全に成長したりできるわけですが,雪菜さんは打たれ強くなっていくばかりで「魔王」化せざるをえなかった。
そう考えると,雪菜をお説教する人の不在はそれ自体物語の重要なギミックだったのでしょう。
Posted by DG-Law at 2014年12月07日 10:18
DG-Lawさんコメント返しありがとうございます。
まずWA2はPS3版だけでなくPSVitaでも発売されてるので、購入なさる場合はこちらも検討するといいかもしれません。
またエクストラエピソードの内容は…賛否両論。浮気ルートで感動した、という場合はその余韻をぶち壊す恐れがあるので個人的にお勧めはしませんw

>引き合わせるような努力をした描写
ええと一応依緒とかずさはお互い会ってはいます。学園祭ライブの前に会っていますし、アニメ版では春希たち三人+イオタケ親志の六人で下校するシーンもありましたし関わりが薄いわけではありません。
またcodaの春希視点の地の文でも、学祭ライブ以降のかずさはイオタケのような知人や下級生のファンもできて一度は孤独を克服した等の説明がありましたし(ドラマCD「祭りの日」でも下級生のファンから慕われてました)、それほど周りの人間を拒絶していたわけでもなかったと思います。

>良い意味でコミュニティに埋没していくのではないか
私はちょっとそれは考えにくいです。
なぜならかずさTで春希自身が、かずさの境遇を三人で背負って三人が幸せになれた時、かずさはもう自分を奪うことはしない、いつか一人静かに消えていく、その先に自分の傍に寄り添うかずさはいない、幸せな三人と幸せな二人とそして幸せになれなかった二人が残ると予見してるからです。
私の考えでも、春希と雪菜、ついでに武也と依緒が幸せそうにしてるのを見ながら、雪菜が中心の、雪菜が周りから愛されまくるコミュニティで雪菜の下風に立って生きるのはやはり辛く息苦しいだろうと思います。
Posted by N at 2014年12月07日 22:56
お返事頂きありがとうございます。

>やはりここがかずさ派内部での焦点でしょうね。
>雪菜Tを肯定できる私の立場はNさんへのコメントの通りです。
>ビンタ大戦から続く雪菜の説得はかずさを吹っ切れさせるだけの効果があったのではないか,と思っています。

そうおっしゃられると返事が難しいです。ただ雪菜のあの説得は、どちらかと言うとかずさの弱みにつけ込んだ印象が強いんですよね。少なくとも雪菜側が圧倒的に優位な立場にあって、そこから無理やりかずさを三人の輪に引きずり出したように見えてしまいます。あれで吹っ切れるのかどうかは、私としては何とも言いがたいです。その辺を考えるために、もう一度再プレイしてみます。
ただ、仮にかずさが雪菜Tで最終的に幸せになったとしても、どうも雪菜の魔王的なまでのエゴイストとしての面が肯定されるのが受け入れられないです(人間としての雪菜は嫌いではありませんが)。
これはもはや作品に何を求めるかという、プレイヤーの価値観の問題になってくるのかもしれません。
私自身は「ことにふれて執心なかれとなり」(『方丈記』、鴨長明)という一文にシンパシーを感じる仏教徒なので、エゴも執着も無条件に祝福する思想がどうも性に合わないみたいです。
そういう立場からすると、かずさ浮気ルートや、かずさTルートの方が評価が高くなってしまいますね。



>そう考えると,雪菜をお説教する人の不在はそれ自体物語の重要なギミックだったのでしょう。

そうなのかもしれません。ただ個人的にはCodaあたりで出ても悪くはなかったように思います。
どうも雪菜の立場を相対化できる人物や思想がないことに物足りなさがあります。
Posted by しげ at 2014年12月07日 23:08
あとすいません。どうもかずさTへの言及が少ないようなので、雪菜Tの評価に絡んでかずさTについても語らせてください。


まず上でも雪菜Tを「正史」と評されてますが、丸戸氏本人が雪菜Tが本当のエンドでしょうか、という問いに、いえ違いますどのエンディングが真だとかそういうのはない、とインタ等で言及してますので、どのルートが正史だのグランドフィナーレだのと決めるのはナンセンスだと思います。
丸戸氏自身は↓のインタビューでWA2にテーマというのがあるなら「社会との正しい決別」がそうだ、とも答えてますので、そのテーマに沿うならかずさTこそが正史だ、と言えなくもないので。
ttp://www.4gamer.net/games/186/G018635/20121215001/


>春希くん自身で自分の行動指針なんて全く立ってなかったのである
私はかずさTにおいては春希が、「俺はかずさを守るために生きる」「今の恋人を守るために頑張る強い男になる」という自分の行動指針を立てていると思います。
このルートでは春希は自分の実母、そして雪菜や雪菜コミュニティというような母親的な存在と対峙し決別しています。かずさもまた追加公演で母親レベルの高度な演奏をし、唯一このルートで母曜子さんと別れます。
「母親(=雪菜、コミュニティ)」との対峙、克服、決別とそこからの自立。かずさTもまた一つの成長物語だといえるのではないでしょうか。
(雪菜Tは春希が実母と和解したことに象徴されるように、逆にコミュニティ(=母親)との融和、赦すことあたりがテーマでしょうか)

私自身は、母親と対峙し克服し母離れしてこそ初めて少年は男になれる、自立できると思っていますので、母的存在からの自立を描いたかずさTが一番好きです。
Posted by N at 2014年12月08日 00:09
Nさんへ
かずさTが母からの自立を描いた成長物語という指摘は初耳でした。非常に興味深いご意見だと思います。
私はあの2人の行動は社会からの逃避としてしかとらえておらず、一種の心中のようなルートだと見ていました(それはそれとして評価はしていましたが)。
ただ春樹が雪菜からの自立ができていたのかは正直疑問です。というのも、あのルートだと雪菜は精神的に異常を来していて、まともなコミュニケーションができる状態ではなかったからです。結局雪菜との関係は、春樹もかずさも、あいまいなまま終わったのではないでしょうか。そうでなければエピローグで再び雪菜が現れることの理由がわかりません。
また、数年間付き合った婚約者へ、相手に何の問題もないにも関わらず突然婚約破棄をするというのは、自立した大人がとる行動でしょうか?やっぱりあの行為は大人になりきれない人間の逃避という方がしっくりきてしまいます(もっと言ってしまうと新たな母親的存在(=かずさ)への依存という退行現象とも見てとれるかもしれません)。
その辺りのNさんのお考えが気になるのですが、如何でしょうか?
Posted by しげ at 2014年12月08日 00:35
しげさんコメントありがとうございます。私の愚見にまで興味を持っていただき嬉しく思います。

>雪菜は精神的に異常を来していて〜
私はこの部分は少し違うと思っています。かずさと雪菜が喫茶店で会話し別れた後の
「卑怯者、卑怯者…小木曽雪菜の卑怯者ぉ」
という雪菜の台詞を見ると、精神に異常を来たしていたというのは春希の同情を引きかずさを恫すための彼女の演技が含まれていたのではないかと。
有海で春希と会話したときの雪菜は割と理性的でしたから。でその有海で春希とかずさの絆の強さ(コンサート成功メール)を見せられて以降から「お幸せ、に」までの雪菜との決別までの流れを見るに「母との対決と勝利、克服}はなされたと見ています。エピローグの雪菜のビデオレターは丸戸氏いわく私は元気でやってるよ程度の意味らしいですし。

>新たな母親的存在(=かずさ)への依存という退行
それはむしろ浮気ルートの春希ではないでしょうか。かずさの胸を吸ってる場面やかずさと別れる場面を見ると、あのルートの春希の方がかずさに母性を見て依存し、かずさも不器用ながら母親をやろうとしてそれが叶わないため雪菜の元へ春希を帰したのではないかと。
一方かずさTの春希は浮気ルートを見てきたかのように、
「あと俺を護ろうとか俺のために犠牲になろうとか二度とそういうこと考えるんじゃないぞ迷惑だ」
「俺のためにずっと役立たずでいてくれ。俺が頑張れるように一生俺の負担になってくれ」
“かずさは自分の中に何も生み出さない。けれど俺の中に強いエネルギーを灯してくれる。そのピアノと涙と…そしてほんのたまにしか見せてくれない笑顔で。”
などと述べておりこれは母親への依存というより父親が娘を見るのに近い境地であり、精神的に独り立ちしようとしてない限り至れないかなと思います。
Posted by N at 2014年12月09日 23:36
Nさん
>ええと一応依緒とかずさはお互い会ってはいます。〜〜
一応,それを踏まえての話です。その上で,「IC後半になると3人での行動が増え,彼ら2人が登場しなくなるのが顕著」ではあって。雪菜の言い方も,いつまでも「3人」だったなぁと。
codaでかずさを説得するときには「世界」だったので,対照的かなぁと考えてたりします。

>なぜならかずさTで春希自身が〜〜
この辺は,春希にしろかずさにしろ,ルートによって,物語中にけっこう考え方が変わっているところがあって,将来の予見についても全く変わってくるのではないかと思っています。
雪菜Tに入ったかずさなら,大丈夫かなと。うまく後退できるかなと。


>まず上でも雪菜Tを「正史」と評されてますが〜〜
「仮に」ってつけているように,あれがあれが続編に続くような正しい世界だ,と考えているわけではありません。
また,大団円ではあるでしょう。納得できるかどうかは別問題ですし,あの後で結局破綻するのではないかという予測も立ちうるわけですけど,少なくともエンディング時点では一番丸く収まっている。どちらかというとそういう意味合いで「正史」と表現しました。
わかりづらい表現でしたね。

その上で言うと,『ホワルバ2』のcodaはかずさTルートによらず,社会とのかかわり方をすごく重視した作品で,そこがまた高評価すべき点だと思います。
「仲間」とか「友人」ではなくて社会なんですよね。
春希くんが会社を辞める際の身を切られるような辛さと,送別会の展開は大好きなシーンです。逆に雪菜ルートの,それぞれが社会での立場を最大限生かしつつ無理を通していくのも,裏返し的に痛快で良い。
「社会との正しい決別」も含めて,「キャラクターと社会との関わり」が『ホワルバ2』のテーマではあるのかなと。
Posted by DG-Law at 2014年12月11日 21:08
>春希くん自身で自分の行動指針なんて全く立ってなかったのである
これは主にCCの話ですね。
上の話にも引っかかるというか,丸戸さん本人がインタビュー中に書いてますが,「子供には決められないが,大人には決められることがある。その代わり責任が生じる。大人ってそういうもの」という話ではあるのかなと。
大学生の春希くんにはなかなか決断できないわけですが,大人になると「決別」も含めて,決められるようになってしまう。これを成長と呼ぶかどうかはなんともほろ苦いところですが。

>「母親(=雪菜、コミュニティ)」との対峙、克服、決別とそこからの自立。かずさTもまた一つの成長物語だといえるのではないでしょうか。
言われてみれば確かに。しげさんもおっしゃってますが,母親との対比は無かったので新鮮な意見です。



しげさん

そうですね,もはや価値観の問題だと思いますしw,雪菜のエゴイストが肯定される世界に違和感があるのは,そうした価値観に立つなら理解できるところです。

Posted by DG-Law at 2014年12月11日 21:17
昨晩「white album2」をオールクリアしました。あとvitaで不倶戴天の君へ。

プレイ前から、批評が大変賑やかな作品だと思っていました。これは確かに語りたくなる作品ですね。それから謎で引っ張るタイプではなくシナリオの基本が誰と結びつくかにかかっているのであまりネタバレを気にせず話しやすいです。

DG-Lawさんのレビューの通り、どういった視点で見るかor価値観を持つかで感想が大きく変わる作品で論争が激しいのも頷けます。

私も2大ヒロインでは相対的にかずさ派です。最後はかずさtrueで締めました。一番好きなキャラは曜子さんと千晶ですが。

CCで雪菜が唐突に春樹を拒絶した理由についての解釈なるほどと思いました。あれは何故あんな振る舞いをしたのか雪菜自信ですらわかっていなかったのではないかというのはこのレビューを見ないと気付かなかったかもしれません。かずさtrueの雪菜の狂い方は凄まじいものでした。カフェでかずさと話す場面で雪菜の立ち絵がずっと笑顔か無表情のまま平坦な調子で話していたのがホラーでした。あと朋に「私たち3人の問題。あなたに何の関係が?」と冷たくあしらうシーンも良かったです。『アンナ・カレーニナ』のアンナみたいに落ち度のない恋人を悪者扱いするような狂い方の方がまだ生優しいんだと思い知らされました。

(続く)
Posted by 祈 at 2015年06月11日 20:28
(承前)
高校編のICの頃から思っていましたがこの作品、どのキャラクターも雪菜と主人公が結ばれる事こそ幸せで、正しい事なんだ、っていう信念に盲目的すぎないか?という違和感が最後まで晴れませんでした。

↑のコメントでお話しされていた、朋がcodaで雪菜の批判をやらなくなってしまったというのは大きいと思います。CCでは「相手をしてくれない一人の男に3年も拘泥するなんて」とか「歌はどうしたのか?」といった鋭い指摘をしていたのに。あとは千晶がいい感じにこの三角関係のクリティックになって、メイン三人+悪友2人の言う「誠実」ってそんなにいいものなのか?という違った観点を与えるキャラになっていました。codaにはかずさにとっての曜子のような、雪菜へのツッコミ役がいない。

(続く)
Posted by 祈 at 2015年06月11日 20:29
(承前)

一番最初のシーンでの「そして冬―降り積もる雪は、すべての罪を覆い隠し。 やがて春―雪解けと共に、すべての罰を下す。」を一番体現したのがかずさtrueだと思います。これが雪菜trueだとハッピーな雰囲気で表面化されませんが、かずさtrueはこの作品の友情が「春樹と雪菜の交際」に過剰なまでに掛かっている歪さがはっきりと開示するルートだと思います。

雪菜はカリスマA+ぐらいあるんじゃないですかね(fate/snのスキル的に)。ここまでくると人望ではなく魔力、呪いの類。

居酒屋で朋と依緒が春樹を責め立てるシーンで武也が「春樹を追い詰めるためだけにいるな出ていけ」と低い声でいったシーンは感動ものだったのに、やっぱり最後は「雪菜ちゃんとヨリを戻してくれ」の一点張りだったのが悲しかったです。

長文コメント失礼しました。
Posted by 祈 at 2015年06月11日 20:30
返事がずいぶん遅れてすみません。

>私も2大ヒロインでは相対的にかずさ派です。最後はかずさtrueで締めました。一番好きなキャラは曜子さんと千晶ですが。
私は「雪菜のtrueが大団円」と攻略サイトを見て知っていたのでそっちを最後にしたんですが,事前に何も知らなければ私もかずさtrueを最後にしていたと思います。
「相対的なかずさ好き」の少なくない人は,曜子さんに心情移入してた人が多そうだなぁと,我が身を振り返ってみても思いますね。

>カフェでかずさと話す場面で雪菜の立ち絵がずっと笑顔か無表情のまま平坦な調子で話していたのがホラーでした。
あれは名演出でした。他のルートではあそこまで崩れない雪菜だからこそ,というのもあり,他のルートでも悲しい立場に追いやられることが多い雪菜だからこそ,というのもあり。

>『アンナ・カレーニナ』のアンナみたいに落ち度のない恋人を悪者扱いするような狂い方の方がまだ生優しいんだと思い知らされました。
アンナさん,その辺は割りと普通な女性ですからね。それを克明に描いたからこその名作ではあるんですが。

>この作品、どのキャラクターも雪菜と主人公が結ばれる事こそ幸せで、正しい事なんだ、っていう信念〜〜
実は,これは本作最大の論点の一つですよね。「雪菜を止めてくれる人が実は朋くらいしかいなかった」「朋がcodaで雪菜の批判をやらなくなってしまったがゆえに雪菜がああなっていった」というのはコメント欄の議論の最大の収穫でした。
Posted by DG-Law at 2015年06月20日 23:07
>かずさtrueはこの作品の友情が「春希と雪菜の交際」に過剰なまでに掛かっている歪さがはっきりと開示するルート
とはいえ,かずさとの再会を予期しない状況では周囲が「春樹と雪菜の交際」を推すのは,まあ不自然ではないかなと。あの三人しか知り得ない事情を知らないわけでもありますし。
雪菜trueルートの立場から言えば「春希とかずさが再会してしまった」こと自体が,雪解けと共に表出してしまった巨大な罰だったと言えるでしょうから。

Posted by DG-Law at 2015年06月20日 23:12
ああやっぱり周囲が雪菜との交際を推してくるのに違和感を覚える人はいるんですね。
私も初め雪菜の女友達である依緒が雪菜との復縁を望むのはまだ理解できたんですが、春希の男友達で、自身も女遊びをしてる武也がしつこく雪菜推しをしてくるのはあまり共感も理解もできなかったものです。
普通、学生時代や若いころの恋愛なんて半分遊びだしもっとゆるくていいだろうに、やたら押し付けがましいなと。

まあ依緒と武也自身があの三人以上にめんどくさい恋愛をしていたため、春希と雪菜に自分たちの理想を押し付けていたんだなと今では解釈していますが。
Posted by N at 2015年07月03日 22:55
Nさん

icの頃ならまだ分かるんですけどね。もう会えなくなるかずさへの叶わぬ恋を捨てて、後腐れなく今の幸せを掴んでおけ、というのはまだ納得ができます。

ccで依緒と武也が二人の復縁を目指しますが「別れされた方が二人のためだ」という発想がさっぱり出てこないのが謎でした。vitaの不倶戴天で雪菜母が別れるという選択も間違いではないと諭すシーンがやっと出てきますが。武也はcodaで春樹の影響で真面目化しますが、春樹と雪奈に対して依緒との関係の理想を描いていたんでしょうね。

かずさTで一度だけ春樹の立ち絵が出たのが印象に残りました。単なる開発状況の都合だったのかは分かりませんが、あのシーンは春樹が雪奈マジックから意識的に抜け出せた、春樹の一番主体的な選択だったからだと私は考えています。
Posted by 祈 at 2015年07月04日 16:20
祈さん

一応武也も別れるという選択も間違いではない、という発想はありましたよ。CC序盤の依緒との会話で述べていました。
「もう三年だ。どうしてずっと想い合ったままなんだよ?いい加減、お互い離れればいいのに」
「…そういう解決方法だって正解だ。ただ、俺たちが目指してないだけで」

ただそれでも雪菜との復縁に固執していたのは、依緒との関係を進ませたいという想いが強かったからでしょうね。
まあそれを抜きにしても、自分の彼女たちですらぞんざいに扱っていた武也が雪菜をやたら尊重するのは異様でしたが。

かずさTで春希の立ち絵が出たのは面白い演出でした。仰るとおり春希が己のエゴを解放するルートだったからでしょう。
Posted by N at 2015年07月07日 23:45
Nさん

あれ、そんな会話ありましたか。言われてみればあったような気がします。すっかり忘れていました。

武也は「雪が解け、そして雪が降るまで」で口説いていた女の子が春樹の陰口叩いているのを見て怒って突き放すシーンや春樹のために何度もデートキャンセルしてるなどを見ると、自分の彼女の大切さの度合いを春樹くんの遥かに下に位置付けていますよね。なのに雪菜に関した事だと……。

例え春樹の恋愛は認められなくても、春樹と親友では居続けて欲しかったです。
Posted by 祈 at 2015年07月09日 05:30
個人的には、この物語における悪者っぷりでいうと
春希>>>>かずさ>雪菜
って感じだったなあ。

春希はいまさら言うまでもないので割愛。
かずさは精神的に幼すぎるというか、拗れすぎ。ちゃんと母親にも愛されてたのに、なぜあんなにも捻くれた性格になったのか。春希がいたから可愛く見えるけど、もし春希がいなかったらかなりの地雷だと思う。
雪菜は気持悪いくらいに「良い子」すぎるのが欠点な印象。オスカーワイルドの幸福な王子かって。

最初はかずさ派だったんだけども、後半のマイナス点がすごくて、結果的にこの順位になった感じ。
Posted by   at 2016年03月03日 21:59

雪菜が本当に良い子なら最初から両思いの男女の間に割り込まず友人から略奪なんかしないし、ic後に春希とは別れてるはずさ。
こういう所々黒くて粘着質なくせに、外面が良く周りも味方にしてしまう奴はタチが悪いし嫌いだな。
かずさが幼いのも捻くれてるのも環境を考えれば当然のこと。
父無し子の私生児として生まれて、母親は男遊び激しく父親らしき人はコロコロ変わる。それでも慕ってた母が思春期の多感な時期に保護責任ほったらかして外国に行ったら拗れもするし捻くれもするでしょ。
Posted by 月 at 2016年03月08日 21:39
そもそも雪菜は略奪愛っていうか、ものすごい真っ当な正攻法で春希を落としたって印象なんだよなあ。ちゃんと学園祭前日に、かずさに対して宣戦布告してからの戦争だし。
「私は春希君が好きだよ。かずさはどうなの?」からの「じゃあ私、取っちゃってもいいの」「勝手にしろ」「……いいの?」「(寝たふり)」みたいなやり取りしてるし。

基本的に俺、行動しない人間が嫌いなんだよ。仕事の愚痴ばかり言うのに転職活動しない奴とか、彼女が欲しいとか言ってるのに何の行動もしない奴とか。
逆に腹黒かろうがなんだろうが、ちゃんと行動してる人間を評価する。雪菜は色々と動いてたけど、かずさは常に受身で逃げてばかり。
雪菜が好きというよりは「かずさが嫌い」なんだな、俺。
Posted by 時計 at 2016年03月18日 21:47
時計さん


私には雪菜の方法が完全に真っ当な正攻法とは思えませんでしたね。
学園祭前日に宣戦布告してたといっても、だからといって正当性があるわけでもなく、宣戦布告なんて単なる片方の自己満足に過ぎません。
リアルの戦争と同じくね。
告白にしても寝起きの春希に奇襲をかけて迫るより、「かずさのいる前で堂々と春希に告白をする」方が「真っ当な正攻法」と言えるのではないでしょうか。
正攻法と言いますがあれは、かずさが寝ている春希にキスするという奇襲を見て、雪菜も奇襲をかけて奪っただけでしょう。


また雪菜は色々と動いていたけど、かずさは常に受身で逃げてばかり、と言いますが、逃げまくってたのは雪菜も一緒でしょう(更には春希も)。
春希と付き合った後もかずさと春希がお互いへの想いを引きずっていることを知っていながら、二人と対話することもせず逃げ、ccでは春希が関係を修復しようとすると春希を拒絶して逃げ、codaでもかずさが来日して春希と急接近してるのに気づきながら、かずさに会いに行って対決しようともせず逃げていた。
雪菜が受身で逃げていたから、優位な立場であったのにccでもcodaでも他の女にそれぞれのルートで春希をかっさらわれたのです。

WA2は春希、かずさ、雪菜の、三人が三人とも逃げていたからこそ、あれだけこじれた物語だと思います。
Posted by N at 2016年08月29日 02:55
しかしまあかずさが嫌い、雪菜が好きという人は大抵かずさは逃げてばかり、雪菜は行動したと主張しますが、雪菜も逃げまくっていた事実(特にcc)はホントスルーしますねえ。
Posted by N at 2016年08月30日 23:42
icでの雪菜の告白はかずさを傷つけてしまった訳だけど、あの時点で春樹は誰の物でもないですし、たとえ両想いだろうが、告白すること自体に落ち度があったとは思えません。アニメ版では最後の「かずさほど真剣じゃなかった」「そんなわけがない」という独白で、春希をかずさに取られたくなかったという想いもあったと推測できますしね。思いを押し殺せ、というのならそれはic、codaでのかずさの行動に対するブーメランですよ。

ccでは歌を忘れた偶像で、最初は向き合おうとしたがその度にお互いを傷つけたため、本編ではつかず離れずのお互い避け続ける関係になったと解釈ができると思います。

ホテルでの拒否だって春希があまりにも醜い嘘をついたために、雪菜が拒否反応を起こしてしまった訳です。リセットなんかできる訳がないのだから正直にかずさの事を引きずってるが、雪菜も好きだと告げるべきだったのかなと思います。

かずさのことも好きですがあまりに雪菜に対する批判が多かったので援護したくなってしまいました。お目汚し失礼しました。
Posted by みや at 2016年09月01日 02:58
みやさん

雪菜が告白したことは私も悪いことじゃないと思いますよ。
別に雪菜もかずさも「ぬけがけ禁止」の紳士協定を結んでいたわけじゃありませんし。
恋愛を一種の戦争と捉えるなら、奇襲、闇討ち、不意打ち、勝つためには何でもアリでしょう。
かずさが寝ている春希にキスしたことも、それを見た雪菜が春希に告白したことも、卒業式の日にかずさが春希と寝たことも、責められないでしょう。
戦いなんですから。
Posted by N at 2016年09月05日 00:25
Nさん
たしかに戦争ならばあれは誰も悪くないということになるでしょう。
問題なのは、三人全員自分が罪を犯したと自覚しつつ自分のエゴを満たしたいというめんどくさい人間ということです。
わたしが思うに、coda trueはそれぞれのヒロインのエゴを貫く物語なんですよ。
雪菜はすべてを手に入れ、かずさは春希を手に入れる。
それぞれ、かずさの気持ちと周りのすべてを犠牲にしてるわけです。
かずさが春希と結ばれることだけがかずさの幸せだ、
それ以外は辛いだけという人にはかずさnも
雪菜tも印象が悪くなってしまうのも理解できます。
Posted by みや at 2016年10月04日 22:35
結局、根本的な部分で雪菜とかずさは同じなんですよ。
究極のエゴイスト、雪菜は言わずもがな、かずさもcodaのもはや引き返すことの出来ない状況から、春希に迫るわけですし。
DG-Lawさんも仰ってるとおり、この物語を誰視点で見るか、感情移入するかでキャラ(特に雪菜)への評価は変わってくると思います。
私個人の意見としては、雪菜trueのかずさは確かに辛い思いをするかもしれない。
だけどそれだけじゃないと私は思っています。そもそも、三人でいることを選んだのはかずさですし、やっぱり雪菜と仲直りできて嬉しいのではないかと。三人は辛いけど、嬉しい。
そんな矛盾した感情を持っているのではないかと思います。ですから、雪菜trueは拷問でしかない、というのはどうしても違和感を覚えてしまいました。
Posted by みや at 2016年10月04日 23:20
雪菜Trueが正史という考え方はやっぱり雪菜派の傲慢だよね。
雪菜の独善的な3人一緒につきあわされるかずさからしてみれば拷問でしかない
Posted by M at 2018年06月07日 23:18
4年ぶりにこのページに来ましたが今年になっても議論が白熱しているようで嬉しいです。さすがに今では作品内容についてあまり覚えていないのですが、コメント欄を読んだ感想を簡単に書き残しておきます。
雪菜という人間への評価や雪菜Tエンドの解釈の違いが、人によってここまで割れているのが興味深いですね。プレイヤーの価値観や人生観によって見え方ががらりと変わるシナリオなのでしょうね。私は前にも申した通り雪菜Tエンドに関しては否定的ですが、かといってかずさTエンドを肯定もしません。かずさTエンドでは春希が自立したとする意見もありましたが、それはもう一度、完全に正常な状態での雪菜との対決を経てからでないと確実に断定できないと思います。このルートのかずさと春希の物語はまだ未完であるとするのが私の持論です。また、それは雪菜Tエンドも同じことです。かずさの負担が大きい歪な関係の下で、平穏な日常があのまま続けられるとは思えません。一つや二つのイベントで、人間が簡単に成長したり変われるとは、私には容易に信じられないのです。
春希、かずさ、雪菜の三人は良くも悪くも人並み外れたエゴと執着の持ち主です。結局、雪菜Nエンドのように、三者がそれぞれ挫折し、痛み分けで終わるような形でないと互いに安定した関係が築けないと私は見ています。そして、仏教徒としての私の価値観からは、三者のエゴが一度徹底的に否定され、そこから新しい関係性を再構築するこのエンドこそが、もっとも美しく希望に溢れた物に見えてならないのです。私にとっては『君が望む永遠』の水月ルートに肉薄する珠玉の結末です。
Posted by しげ at 2018年12月18日 23:42
追伸

プレイ当時から思っていたのですが、かずさがゲイの男性で、春希がバイという設定の話であれば、三人のめんどくさい心理の多くが納得できるんですよね。こんな感じのBLをどなたか書いてください!
Posted by しげ at 2018年12月19日 01:28
もう雪菜TRUEではかずさは不幸だ、の一点張りですね。
まあ三角関係の片方のTRUEなんだから、もう片方が痛い目を見るのは当然といえば当然です。
ここまで雪菜TRUEをボロクソに言っておいて、かずさTRUEこそが正史だ!とか喚きだしたらさすがに人格を疑いますが。
個人的には不倶戴天が一番好きです。
Posted by みや at 2019年02月11日 23:11
みやさん

こんにちは。

>>もう雪菜TRUEではかずさは不幸だ、の一点張りですね。

というのは私宛てでしょうか?よく分からないので先にお尋ねしておきます。

私はもうこの作品の内容についての記憶も曖昧ですし、今は本作をプレイできる環境にありません。なので具体的なゲーム内容に立脚した議論は控えます。

私自身は雪菜もかずさも春希も同じくらい好きですので、どちらが人格的に優れているかというような論争には加わりたくありません。
また「三角関係の片方のTRUEなんだから、もう片方が痛い目を見るのは当然といえば当然」という登場人物を物語の中における単なるコマとして見るような立場も取りたくありません。もっとも恋愛を男や女を取り合う単純なゼロサムゲームとし、そこには将棋の終局のように明らかな勝者と敗者が存在するという考えに立脚すれば、そのような捉え方もありうるかもしれません。

みやさんにどうしても1つだけお聞きしたいことがあります。それは雪菜Tの結末における「強烈なエゴイズムを周囲に押し通した人物が(作者から)祝福される」というこの物語の構造をどう思われるかということです。
もちろん雪菜は私の好きなキャラです。ただ、春希やかずさに強い執着を見せる雪菜の「エゴ」に対しては、楽観的に肯定することはどうしてもできかねます。漱石の一連の小説にあるように、この種の「エゴ」を雪菜のように拡張していった先には――仮に彼女の内に一滴もの悪意が存在していなかったにしても――不幸な事態を今後も招くことになると思われてなりません。雪菜Tのエンディングはあくまで彼らの人生の一つの通過点に過ぎません。仮に雪菜、春希、かずさたちの関係があの後も良好なままだとしても、そこだけをもってハッピーエンドとしていいのでしょうか?もっと掘り下げるべき人の心の深淵はまだ手付かずのままなのではないでしょうか?

Posted by しげ at 2019年02月23日 16:04
追伸

もちろんかずさTにおける春希とかずさのエゴについても私は同じくらい批判的です。ただ、エンディングにおいて彼らが作者から肯定的に扱われたかについては、私にはよくわかりませんでしたので、最終的な評価は保留のままです。かずさTは未完の物語というのが私の見立てです。

まあエゴイズムなんて大層な問題をエロゲの感想で取り上げるなんてバカバカしいことかもしれません。個人の人生観に関わるややこしくてデリケートな問題ですので、一連の私の投稿は笑い飛ばして結構ですよ。
でも優れたエロゲはエゴイズムという古典的な問いに真剣に向かい合っていると思うんですよね。私のお気に入りの『キラ☆キラ』『君が望む永遠』『腐り姫』『真剣で私に恋しなさい』はどれもそうだと思っています。そしてこれらの作品はエゴイズムを無条件で祝福しているわけではない。
それと比べるとWH2の人間観はどうも全体的に楽観的に感じるんですよね。丸戸さんの作家性なのでしょうか。彼の他の作品はちょっと苦手なのですが、そういう所に理由があるのかもしれません。

さてここからは昔プレイした記憶を呼び起こして、色々と書き記してみます。作品全体を振り返ってみると、物語のダイナミズムを演出するためにキャラクターの行動の動機付けが不明瞭なことが多い作品ではありました。シナリオの分量が長大になったせいで人物描写が十分に掘り下げられなかったのかもしれません。ただプロットの精緻さと登場人物の内面表現の甘さというアンバランスが、ネット上で数多くのプレイヤーにプレイ感想を語ることを促したのでしょう。謎の多い登場人物の内面を埋め合わせるために、自分の感情を三人に投影し、彼らの深層心理を想像する人がどれほど多かったことか。同じ三角関係物でも『君が望む永遠』は(少なくとも私にとって)ここまで語らせるタイプの作品ではありませんでした。
Posted by しげ at 2019年02月24日 11:42
そういえばオタク界全体に影響を与えたエロゲというのは、本作の後にはあまり聞いたことがありません。発売から7年が過ぎ、そろそろこの作品の歴史的意義を考察できる時期になったと思います。2010年代はエロゲからラノベ、男性主人公から女性主人公、ハーレムから百合、恋愛から日常とオタク業界の軸足が移っていく時代でした。そんな流れの中でどういう評価を2019年の我々はWH2に下せるのでしょうね?

Posted by しげ at 2019年02月24日 11:58
すいません、しげさんに対して申し上げた訳ではありません。
勘違いさせ、不快な思いをさせてしまい申し訳ありませんでした。

三角関係の勝敗についてですが言葉が足りませんでしたね。
雪菜T、かずさTはそれぞれのヒロインのエゴを貫く物語だ、という私の立場からすれば、
片方のヒロインがエゴを貫くわけですから、もう片方はそのエゴの影響を受けてしまうわけです。
しかも春希がどちらを選ぶかがトリガーになっているわけですから、春希と結ばれるという点においては、
勝ち負けとはっきり言えるのではないかと思います。もちろん男女の愛のみが人にとって大事なことではないので、それだけで各ルートのヒロイン二人の幸せを計ることはできませんが。

雪菜TRUEですがメタ的な視点に立つと留飲は下がりました。雪菜は作者の偏執的な愛によって何度も物語にいじめられますが、その作者からのいじめに耐え抜いたご褒美としてみれば純粋な雪菜派としては雪菜Tはものすごく感動的ではあるんですよね。
Posted by みや at 2019年02月25日 02:10
ただICから通してみると高校時代に浮気されただけで、不幸な出来事としてはこれくらいなんですよ。(余波で三年間ぐっちゃぐっちゃですが)やはり雪菜は世界に、作者に愛されておりエゴが肯定されてしまった感は否めないです。
ただ個人的にはTOBのような主人公やヒロインがエゴを貫く物語が好きなので、雪菜TもかずさTも批判点はあれど好きです。
たとえその後に報いがあるとしても、自分の欲望のために突っ走る姿は醜く美しいと感じます。

雪菜ルートのその後に心配されていますが、その先の物語は我々が介入して良い領域を超えているのではないかと思います。
どのルートでも不幸な事態というのは(原因がなんにせよ)起こりうるし、三人がそれぞれ考えてだした結論ですので、不幸になる予感を感じ取ったからと言って彼らのその後について決めつけて良いわけではありません。

雪菜Tを完璧なハッピーエンドだとは思いません。確かに何年後かにまた問題が発生するかもしれません。けどそれはもう彼らが解決するしかないですし、見届け終わった私たちがその後にまで介入するのは無粋ってもんです。(考察する余地が残されているのならば別ですが)

乱文失礼しました。
Posted by みや at 2019年02月25日 02:11
みやさん

>>すいません、しげさんに対して申し上げた訳ではありません。
>>勘違いさせ、不快な思いをさせてしまい申し訳ありませんでした。

いえいえ、とんでもないです。私も言葉がきつくなってしまい、大変申し訳ありませんでした。

>>三角関係の勝敗についてですが言葉が足りませんでしたね。
>>雪菜T、かずさTはそれぞれのヒロインのエゴを貫く物語だ、という私の立場からすれば、
>>片方のヒロインがエゴを貫くわけですから、もう片方はそのエゴの影響を受けてしまうわけです。
>>しかも春希がどちらを選ぶかがトリガーになっているわけですから、春希と結ばれるという点においては、
>>勝ち負けとはっきり言えるのではないかと思います。
>>もちろん男女の愛のみが人にとって大事なことではないので、それだけで各ルートのヒロイン二人の幸せを計ることはできませんが。

みやさんのおっしゃることがこれでよく分かりました。恋愛という観点に限って言えば、勝敗ははっきりしているというのは理解できます。
Posted by しげ at 2019年02月25日 22:40
>>雪菜TRUEですがメタ的な視点に立つと留飲は下がりました。雪菜は作者の偏執的な愛によって何度も物語にいじめられますが、その作者からのいじめに耐え抜いたご褒美としてみれば純粋な雪菜派としては雪菜Tはものすごく感動的ではあるんですよね。
>>ただICから通してみると高校時代に浮気されただけで、不幸な出来事としてはこれくらいなんですよ。(余波で三年間ぐっちゃぐっちゃですが)やはり雪菜は世界に、作者に愛されておりエゴが肯定されてしまった感は否めないです。

実は私も初めて雪菜Tルートをプレイした際には、雪菜に共感して涙を流しながら読み進めていました(ただし彼女の言動の全てを肯定はできませんでしたが)。ICから続くモヤモヤが解消され、最初の頃のような三人の幸せな関係が再構築されるカタルシスは堪りませんでした。なのでこのルートを批判するのは今でも複雑なんですよね。
Posted by しげ at 2019年02月25日 22:42
WA2は作品全体を通してもプレイヤーの感傷を呼び起こすことに関しては、よく練られた物語であることは間違いありません。メロドラマとして非常に完成されていると言っていいでしょう。しかしもう少し工夫すれば、さらに人間や恋愛の本質に迫れたのではないかという気がするのです。『君が望む永遠』や瀬戸口廉也作品に匹敵できる程のポテンシャルが本作にはあったと思うのですが……

>>ただ個人的にはTOBのような主人公やヒロインがエゴを貫く物語が好きなので、雪菜TもかずさTも批判点はあれど好きです

>>たとえその後に報いがあるとしても、自分の欲望のために突っ走る姿は醜く美しいと感じます。

多分この辺がみやさんと私の解釈の違いなのでしょうね。そもそも私は雪菜を始めとするキャラクター個人に対する評価には、今ではそんなに関心はありません。そこではなく物語それ自体やその構造に対する評価について語りたいのです。
私も『風と共に去りぬ』のようにエゴを貫く女性の物語は好きですが、そういう作品は大体、それ相応の「報い」がセットになっているんですよね。やはり強すぎるエゴイズムが野放しになるプロットでは、読者や観客は後味が悪いのでしょう。雪菜Tのように「報い」が弱いストーリーは(あくまで雪菜個人への評価とは別にして)「物語としては」肯定的に評価し辛いのが正直なところです。少なくとも恋愛物の理想を『源氏物語』に求め、なおかつ仏教徒である私からすると、(あくまで雪菜個人の言動への評価とは別に)この結末を美しいと評することには躊躇してしまいます。恐らく雪菜以上のエゴの持ち主であり、源氏の現代語訳者の瀬戸内寂聴先生も、天にまします紫式部先生も、私に同意してくださると思います
Posted by しげ at 2019年02月25日 22:43
>>雪菜ルートのその後に心配されていますが、その先の物語は我々が介入して良い領域を超えているのではないかと思います。
>>どのルートでも不幸な事態というのは(原因がなんにせよ)起こりうるし、三人がそれぞれ考えてだした結論ですので、不幸になる予感を感じ取ったからと言って彼らのその後について決めつけて良いわけではありません。

>>雪菜Tを完璧なハッピーエンドだとは思いません。確かに何年後かにまた問題が発生するかもしれません。けどそれはもう彼らが解決するしかないですし、見届け終わった私たちがその後にまで介入するのは無粋ってもんです。(考察する余地が残されているのならば別ですが)

私は三人の今後に介入するつもりはありませんし、そのようなことは不可能です(二次創作でも書けば話は別ですが)。また、三人の今後を決め付けていると言われればそうかもしれませんが、作品の評価に関わる点ですので仕方ありません。それに私としては老婆心ながら朋の代わりに雪菜にアドバイスを送っているつもりでもあるのです。
Posted by しげ at 2019年02月25日 22:44
そういえばDG-Lawさんの

>>(雪菜は)結局誰も諫めないので無理が生じる。その無理に春希が耐えられなくなり,二人は別れることになる。場合によってはかずさTのような大ダメージになって雪菜本人に返ってくる。
>>春希くんはいろんな人がお説教してくれるので,立ち止まったり健全に成長したりできるわけですが,雪菜さんは打たれ強くなっていくばかりで「魔王」化せざるをえなかった。
>>そう考えると,雪菜をお説教する人の不在はそれ自体物語の重要なギミックだったのでしょう

というご指摘は正鵠を得ています。「雪菜のそれは『成長』ではなく『魔王』化であり、彼女の周囲を今後も不幸にしうる」という指摘自体は許されないことではないでしょう。そして「雪菜の『魔王』化それ自体の是非」についてではなく「雪菜の『魔王』化を祝福する物語の是非」については論ずる価値はあると思います。雪菜、春希、かずさの人生とは離れた文脈において「魔王」的価値観の行き着く先には何があるのでしょうね……
もしかすると、誰も争わない、どこにも苦しみがない理想郷を自己の周囲に具現化しようとする小木曽雪菜という「魔王」は、無数の美少女が闊歩する幸福な世界をマンガやアニメ、エロゲを通して夢想する男性オタクたちの「映し鏡」の一つなのかもしれません(もちろん似たようなことはかずさにもーーそしてあらゆる美少女キャラにもーー言えることです)。果たして我々の内なる「魔王」たちは今、どこに向かっているのか――そしてエロゲ界の「魔王」たちはなぜ今、存在感を失いつつあるのか――妄想は尽きません。
乱文、失礼致しました。
Posted by しげ at 2019年02月25日 22:44