2014年11月29日

ドイツ・フランス・ベルギー旅行記(前編:フランクフルト・ハイデルベルク・ストラスブール)

行ったのはフランクフルト・ハイデルベルク・ストラスブール・パリ・ブリュッセル・ケルン。旅行記を書くにあたって,旅程順に都市ごとに書いていくか,それぞれのトピック(治安・食事など)ごとに書いていくか迷った結果,両方やることにした。まずは旅程順・都市ごとに。今回の旅の主要な目的は,

・ストラスブールにて『ごちうさ(ご注文はうさぎですか?)』『WHITE ALBUM2』の聖地巡礼
・パリにて約10年前に行って制覇できなかったルーヴル・オルセーへのリベンジ

であった。あとは残りの参加メンバーの要望に沿って旅程が組まれた感じ。結果,パリは滞在三日間で,ストラスブールが一日半,残りの都市は半日で一都市という割とハードスケジュールになった。ただ,意外とそれで満喫できたような気も。


出発
11/15早朝,上野から京成電鉄で成田へ。よくよく考えてみると京成の電車も成田空港もそれ自体聖地だったような気がするものの,さすがにありふれすぎてて写真を撮る気にはなれず。今回,出国・入国の際に指紋認証をすると並ばなくて済むようになるというのを知って導入した。確かにこれは便利。一瞬で手続きが終わる。成田からインチョン経由でフランクフルトへ。お値段は往復10万円ちょうどくらい。実はこれより安いやつで,アブダビ経由で往復5万という超格安プランがあったのだが,時間がかかりすぎる上にさすがにちょっと不安になってやめた。機内食はまずまず。辛いもの好きの友人は韓国料理に歓喜していた。機内では映画の『レゴムービー』を見たが,意外とおもしろかった。約12時間ではあるが,映画見て飯食って寝てれば,案外と飽きずに着く。フランクフルト空港にてユーロに換金。別記するが,空港のレートは良くないというのが一般的な評価だが,実は街中の換金所でも全然変わらないというのが今回よくわかったので,ここで使う分だけ一気に替えてしまうか,必要最低限だけ替えてあとはクレジットカードで全部済ます覚悟を決めた方がいいと思う。


フランクフルト
ほとんど往復の空港と初日のホテルのためだけに滞在した感じ。正直経済都市すぎて見るところがあまりなく,レーマーベルクは10年前に行ったしなぁ……と思っていたのだが,そういえばシュテーデル美術館があったなということに到着して街歩きしていたら気づいた。手遅れである。初日の夜は「典型的なドイツ料理を食べたい」というメンバーの希望により,いかにもなドイツの居酒屋を探して歩きまわり,ようやっと見つけて大混雑の店内を案内されて席を確保。いい加減ドイツ語&英語でやっと注文。周囲のメンバーが「ソーセージ4人前(人数分)」と主張する中,前に旅行した経験から「絶対に大変なことになる」と行って2人前にとどめたところ,案の定えげつない量が出てきた。

DSC_0072


写真だとわかりにくいかもしれないが,ソーセージと肉の塊の下にザワークラウトが敷き詰められている。さすがにこのキャベツの山は残す羽目になり,ドイツ料理の洗礼を受ける。店員のおっちゃんに「なんだ東洋人,胃が小せぇな」という目で見られつつお勘定をしたが,いや,お前らが食い過ぎなだけだって。実際,フランスは常識的な量だったし。あと,事前の調べでは「ドイツ国内で最も治安が悪い」とあり,実際フランクフルト中央駅(Hbf)の駅前は非常に雰囲気が悪かった。一方,街中は,体感上の治安ではあるが,そう危険は感じなかった。


ハイデルベルク
城だけ。ハイデルベルク駅からはバスで麓まで行き,そこからケーブルカーという行き方が一般的な模様。バスは値段を忘れたが,市内均一料金で行ける。20分に一本くらいは出てるので,そんなに待たないと思う。ケーブルカーはハイデルベルク城に行くだけなら全く必要ない。山城ではあるものの,実はハイデルベルク城が建っているのは山の中腹で,2,30分登山すれば着く。もちろん,ケーブルカーで行けばものの2分で着くが,登山道の景色も良いので歩いて登るのを勧める。道は単純なので迷うこともないだろう。ただし,ケーブルカーはハイデルベルク城を通りすぎて山頂まで通っており,そこまで歩いて行くのは辛いようだ。山頂まで行きたければケーブルカーに乗ろう。我々は時間的都合もあり,山頂までは行かなかった。

ハイデルベルク城はめちゃくちゃ雰囲気が良かったが,一応は近世の山城・要塞であり,ロマンチック街道的な城やノイシュヴァンシュタイン城的なものを求めていくと,どちらの意味でも裏切られると思う。一方,「山深き場所に建つ,要塞建築の廃墟」として見るとやはり格別の美しさであり,行くべき観光名所である。友人たちがいろいろ写真を撮っていたが,何枚かピックアップして。

ハイデルベルク城1 ハイデルベルク城2 ハイデルベルク城3


一枚目の写真のように堀が枯れており,歩くことができる。なかなかのドラクエ気分が味わえる。二枚目の写真の崩れている塔が最大の見どころであろう。この塔,てっきり激戦だったファルツ継承戦争で壊れたものかと思われたが,実際には火薬の暴発による自滅らしい。真相なんてそんなものである。また,中に入れるスペースは少なく,というより一日に数回の城内ツアーに参加しないとほとんど見れないに近い。弾丸ツアーの我々には入っている余裕が無かったのが残念ではある。城内をしっかり見たければ,ある程度時間的余裕をもって行くのを勧める。一応,付設のレストランと,なぜかあった薬事博物館に入ると,それなりに城内が見られる。三枚目の写真は街の全景。統一感があって美しい。

ハイデルベルク駅での昼飯はカリーヴルスト。ケチャップが混ざっているおかげか,辛いものが苦手な私でも食える程度の辛さでしかなく,大変にうまい。ドイツの産んだ最強のファーストフードでは。そこからDB(ドイツ国鉄)でカールスルーエへ。ほとんど滞在時間なく,SNCF(フランス国鉄)に乗り換えてストラスブールへ。ドイツの田園風景はほとんど畑か牧草地で,たまに鬱蒼とした森が混じる。案外と変化に富んでいておもしろかった。


ストラスブール

ストラスブール1


こんなもん到着した瞬間に滂沱の涙ですよ。聖地巡礼用の写真はおおよそ全部押さえて撮ってきたのだが,全部貼ってるととんでもない重さになるので,先駆者の記事へリンクを張っておく。あと,以下の画像が死ぬほど役に立った。



どこに行っても基本的にまんまの風景がそこにあり,非常に聖地巡礼のしがいがあった。この中でのハイライトと言えばやはりクレベール広場である。クレベールはフランス革命期に活躍した将軍なのだが,エジプト遠征で取り残されてカイロで暗殺されたらしく,やや不運な生涯である。フランス革命期のアルザス地方というとドイツ系であるということで,国民国家建設から疎外されないよう,他の地方よりも革命政府に協力的だった。クレベール将軍もそうした背景から出てきた人物の一人と言えよう。で,ちゃんと『WHITE ALBUM2』同様に夜に行ってばっちり撮影。プレイ済みの方なら納得していただけると思うが,クレベール広場のシーンは『君望』で言う事故のシーンに匹敵するインパクトである。『WA2』未プレイで『君望』プレイ済の方は,あの事故のシーンの聖地に訪れることができたと想像してみてほしい。

ストラスブール2


あまりの感動に打ち震えて身体が勝手に五体投地していた(言い訳)。かずさー! 俺だー! 俺のためにピアノ弾いてくれー! ……あ,私が伏している場所のすぐ右に例の巨大クリスマスツリーがある。そういえばストラスブールがクリスマスツリー発祥の地という説もあるそうだが,その説に則るなら極めて歴史的に意義深いクリスマスツリーなのでは。また,私が拝跪しているこの建物は,厳かそうに見えて実は単なる商業施設であり,よく見るとユニクロの看板がある。ちなみに,少し左にカメラを動かすと,今度はアップルストアの看板が見える。割と興が醒めるので,見ないほうがいいかも。もう一つ,この建物の反対側には,ギャラリー・ラファイエット様がどどんと建っておられ,この建物が実にすばらしかった。

ストラスブール3


フランスと言えば百貨店文化だなぁ。そのギャラリー・ラファイエットに,翌日の昼に入ってみたのだが,

ストラスブール4


なんすかこのブリオン。店内装飾も美しかったのに,これだけすっごい違和感が。これが……フランスの百貨店文化……!!!(多分違う


一方,『ごちうさ』の場合,特定の背景が採用されているというよりも,街全体がストラスブールとコルマールから取られているとのこと。実際,旧市街にそれっぽい建物はいくらでも見つかるので心がぴょんぴょんし放題である。あと,聖地巡礼抜きで大聖堂には行くべき。今回,ノートルダム・ド・パリ,ケルンと3つ見たけど,残り2つに全く遜色ないすごさだった。

体感上の治安は非常に良い。というよりも,今回の旅行で一番治安の良い街だった。物価も安い。行った都市のスーパーマーケットには必ず行くようにしていて,そこで物価を見ているのだが,ストラスブールが一番安かった(そういえばスーパーマーケットでフランス版源氏パイを買ったので某人に今度プレゼントします)。食事についても,何を食ってもうまかったのだが,量が異常で,やっぱりここはまだドイツなんだなぁと妙なところで納得させられた。おう,芋とザワークラウトてんこもりにすんのやめーや。


と,ストラスブールを満喫したところで,お次はパリ。TGVに乗って一気に移動。フランスの田園風景も基本的に畑と牧草地なのだが,森が無いのと起伏がないので,ドイツに比べてまったくおもしろみがなかった。そしてパリに近づき市街地が見えるや否や落書きの嵐で一抹の不安が漂いつつ,パリに到着。(中編に続く


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