2015年04月15日

最近読んだもの・買ったもの

・『アルテ』1巻・2巻。ルネサンス期(16世紀初頭)のフィレンツェを舞台とした漫画。主人公は下級貴族出身の娘で,家を飛び出て画家の工房に潜り込む。女性蔑視の強い時代で,彼女はいっぱしの画家になるべく奮闘するというストーリー。アルテは主人公の名前だが,artのイタリア語形でもある。そして人間を形作るものはなにか,身につけた努力・技術ではないかということを基本路線に,自立した人間,特にこの時代にあって「自立した女性」を描いていく。その過程がなかなか丁寧ですばらしい。
→ 時代考証は相当にがんばっていて,ルネサンス期のフィレンツェをよく再現できていると思う。この道では先進している『チェーザレ』と見比べても遜色ない。本当に厳密な話をすると『チェーザレ』は15世紀末,フィレンツェがサヴォナローラの独裁に入る前の時期を描いているが,本作の設定は16世紀初頭であるから,おそらくチェーザレの覇業が失敗に終わってメディチ家が戻ってきた頃の時代設定なのだろう。そういう意味では下級貴族だったアルテの実家はよくサヴォナローラの独裁を耐えたな……それこそそこまでは設定を練っていない(必要もない)のだと思うが。





・『東方鈴奈庵』3巻。阿求と小鈴,なんでこんなにかわいいのや……毎巻言っている気もするが言わざるをえない可愛さである。帯にも「カワイイは,幻想郷にあり!」って書いてあるしね。多分,この帯神主は関与してないけど。
→ 話の本筋としては,人里で起こる異変を霊夢と魔理沙が何とかする,という東方ド直球のようでいて意外と見ない展開が多かった気がする。あまりに「霊夢の生活実態がわからない」「村人とのかかわりがなさすぎ」と言われていた影響はあるのだろうか。代わりにマミゾウさんが出てこなかったのは珍しい。
→ 阿求が「幻想郷において妖怪は人間の敵。これはそういうルールなんだから疑ってはいけない真実なの」と言っているが,近年神主は幻想郷のルールが変わってきていることをテーマにしたがっているように見え,本作では古い側の代表が阿求で,新しい側の代表が小鈴という立ち位置だったりするのだろうか。根本的に,以前のイメージよりも『鈴奈庵』や『茨歌仙』,近年のゲームで見ると人里に妖怪が入りまくってて,ルールの形骸化がひどい。
→ 改めて考えるに,永琳が健康管理しているなら幻想郷の医療水準は下手したら外の世界より高いのでは。やっぱり幻想郷は楽園なのでは。


・『東方茨歌仙』5巻。こちらは華扇ちゃんのポケモンマスターっぷりに磨きが。アザラシは想定外だったというか,まさか多摩川のタマちゃん(またはそれに類する生物)のネタで来るとは思わなかった。絶妙に懐かしかった。しかし,2011年に別のアザラシが出てきた時もそこそこ騒ぎになったし,また東京湾の河川に住み着く動物が出てきたら,なんだかんだ言って大きな話題になると思う。その意味で,タマちゃんは幻想郷入りしないんじゃないかな。
→ 本筋,華扇ちゃんの正体については全く進展がなかった。新作ゲームにも出演するようだし,そちらに期待かな。


・『ゆるゆり』13巻。毎話,コンスタントに笑える話を描くんだからすごいと思う。今回印象深かったのは92話,一つも台詞がないのもさることながら,わらしべ長者ならぬ善行してるのにどんどんアイテムのランクがダウンしていって,最後は爪楊枝になってしまうのに,それが一番必要な物だったという。端役のりせ会長と西垣先生が,表面的には一番ド直球な百合をしてるという不思議な百合漫画である。
→ 95話の,1ページごとに話がつながっているようで実は場面が転換されている芸も,笑ったというか感心した。こういう漫画を活かしたネタはなもりは多い。


・『火ノ丸相撲』3巻。関東新人戦が開幕。4巻で作中の人物がまとめているが,火ノ丸にとっては中学の因縁の相手と,同体格別戦術の相手という二大試練を乗り越える巻。そして「草薙」始動の巻でもある。草薙の強さ紹介としては,それぞれ戦術が違う五條と國崎はちょうどいい相手だっただろう(五條が久世と相対するのは厳密に言えば4巻だが)。
→ さらに,先の展開を知っている立場からすれば桐仁の影が見え始める巻でもある。連載当時は「誰に電話してるんだ」と疑問だったが,こうして読むと桐仁と電話していたんだということがわかる。これはいい伏線であった。
→ 横綱大和国は,貴乃花と白鵬を足して二で割らないような感じの大横綱を想定していると思われる。そりゃレジェンド中のレジェンドですわ。