2015年05月27日
最近読んだもの・買ったもの(ゴールデンカムイ他)
・『ゴールデンカムイ』1巻。評判良いなー,アイヌが出てくるのかへー,と眺めつつ買って読んでみたら設定からして大勝利にして惹き込まれる描写の1巻であった。これは名作なので読むべき。
→ その設定。舞台は20世紀初頭の北海道。日露戦争からの退役兵の杉元は,ある事情(善意の事情です,念のため)から大金を欲し,北海道で砂金を取っていた。そこで,ある男(網走刑務所の死刑囚)がアイヌを殺してから奪って金塊を隠した,という噂を耳にする。金塊の噂は事実であると判明した。杉元は偶然であったアイヌの少女アシㇼパ(アシリパ)と協力して金塊を追うが,金塊の噂を耳にした帝国陸軍,網走から脱獄した死刑囚たちとの三つ巴のサバイバルバトルが勃発する。
→ 本作の見どころは1.過酷な三つ巴サバイバル。なお,敵は陸軍や死刑囚たちだけではない。北海道の過酷な大自然とヒグマも「強敵」として描かれる。2.非常にリアルなアイヌ・アイヌ語描写。研究者や北海道アイヌ協会の監修・協力を得て描かれている。3.魅力的なアイヌ料理描写,アイヌ料理は非常にうまそうなものからご遠慮願いたいもの(リスの脳の生はちょっと……)まで。4.アシㇼパさんめっちゃかわいい,の4つである。
・『冴えない彼女の育てかた』7巻。第一部,堂々完結。その大事な7巻のカラーイラストに付された文が「あの春の日,俺は,運命と出会った」とかいうパロディなのは,まあ本作らしいか。「俺たちの運命の分岐点には,いつも雪が降る」もひどいセルフパロディだしなぁ。
→ しかし,詩羽がかずさならエリリが雪菜になるはずだが,さすがにそこまで構図はかぶらない。むしろ雪菜を二つに分け,ある種のモンスター性を引き取ったのが加藤とは言えるのかも。ただし,恋愛をすると調子が変動するのはエリリの方だったが。その観点で言えば,雪菜を割った結果が出てるというか,最も悲劇的な結末にはならず,かつ主人公の元に残ったのがそのモンスター性を引き取った加藤だった,というのはおもしろい展開で,『ホワルバ2』との差異が光る。ここまでが『ホワルバ2』からのテイクオフだったとすると,第二部はどういう展開になるのか。期待して待とう。
・『チェーザレ』11巻。10巻が出たのはいつだったかなとブログ内検索して2013年の春とわかってちょっとばかし驚いた。連載進んでないもんなぁ……『ヒストリエ』の方はやっと少し年が進んで安堵しているが,こちらはまだまだである。
→ ともあれ,ジョヴァンニ・デ・メディチとアンジェロがローマに到着,フィレンツェではロレンツォ・イル・マニーフィコが逝去。ローマ教皇とナポリ王も先は長くない。「愚か者」ピエロがフィレンツェの政権を握り,ミラノ・フィレンツェ・ナポリの三国同盟が破綻していく。そして明白になるサヴォナローラの台頭と,時計の針が進んでいないわけではない。12巻はようやく教皇選が読めるだろう……読めるよね?
・『プリニウス』2巻。1巻はプリニウスの変人紹介に徹していた感があるが,2巻は物語が動き出した感じ。ネロ皇帝と,プリニウスの書記にして主人公のエウクレス,そして二人をつなぐ娼婦プラウティナの関係が語られていく。ネロは比較的オーソドックスなキャラ付けで,政治に興味はない,ギリシアマニアで芸術を好むが見識は高くない,孤独で猜疑心が強い。あとがきで作者二人が「新しいネロ像」と言っているが,むしろありきたりなのでは。別にそれが悪いこととは思わないが,何かズレが。
→ その設定。舞台は20世紀初頭の北海道。日露戦争からの退役兵の杉元は,ある事情(善意の事情です,念のため)から大金を欲し,北海道で砂金を取っていた。そこで,ある男(網走刑務所の死刑囚)がアイヌを殺してから奪って金塊を隠した,という噂を耳にする。金塊の噂は事実であると判明した。杉元は偶然であったアイヌの少女アシㇼパ(アシリパ)と協力して金塊を追うが,金塊の噂を耳にした帝国陸軍,網走から脱獄した死刑囚たちとの三つ巴のサバイバルバトルが勃発する。
→ 本作の見どころは1.過酷な三つ巴サバイバル。なお,敵は陸軍や死刑囚たちだけではない。北海道の過酷な大自然とヒグマも「強敵」として描かれる。2.非常にリアルなアイヌ・アイヌ語描写。研究者や北海道アイヌ協会の監修・協力を得て描かれている。3.魅力的なアイヌ料理描写,アイヌ料理は非常にうまそうなものからご遠慮願いたいもの(リスの脳の生はちょっと……)まで。4.アシㇼパさんめっちゃかわいい,の4つである。
・『冴えない彼女の育てかた』7巻。第一部,堂々完結。その大事な7巻のカラーイラストに付された文が「あの春の日,俺は,運命と出会った」とかいうパロディなのは,まあ本作らしいか。「俺たちの運命の分岐点には,いつも雪が降る」もひどいセルフパロディだしなぁ。
→ しかし,詩羽がかずさならエリリが雪菜になるはずだが,さすがにそこまで構図はかぶらない。むしろ雪菜を二つに分け,ある種のモンスター性を引き取ったのが加藤とは言えるのかも。ただし,恋愛をすると調子が変動するのはエリリの方だったが。その観点で言えば,雪菜を割った結果が出てるというか,最も悲劇的な結末にはならず,かつ主人公の元に残ったのがそのモンスター性を引き取った加藤だった,というのはおもしろい展開で,『ホワルバ2』との差異が光る。ここまでが『ホワルバ2』からのテイクオフだったとすると,第二部はどういう展開になるのか。期待して待とう。
・『チェーザレ』11巻。10巻が出たのはいつだったかなとブログ内検索して2013年の春とわかってちょっとばかし驚いた。連載進んでないもんなぁ……『ヒストリエ』の方はやっと少し年が進んで安堵しているが,こちらはまだまだである。
→ ともあれ,ジョヴァンニ・デ・メディチとアンジェロがローマに到着,フィレンツェではロレンツォ・イル・マニーフィコが逝去。ローマ教皇とナポリ王も先は長くない。「愚か者」ピエロがフィレンツェの政権を握り,ミラノ・フィレンツェ・ナポリの三国同盟が破綻していく。そして明白になるサヴォナローラの台頭と,時計の針が進んでいないわけではない。12巻はようやく教皇選が読めるだろう……読めるよね?
・『プリニウス』2巻。1巻はプリニウスの変人紹介に徹していた感があるが,2巻は物語が動き出した感じ。ネロ皇帝と,プリニウスの書記にして主人公のエウクレス,そして二人をつなぐ娼婦プラウティナの関係が語られていく。ネロは比較的オーソドックスなキャラ付けで,政治に興味はない,ギリシアマニアで芸術を好むが見識は高くない,孤独で猜疑心が強い。あとがきで作者二人が「新しいネロ像」と言っているが,むしろありきたりなのでは。別にそれが悪いこととは思わないが,何かズレが。
Posted by dg_law at 09:00│Comments(0)│