2015年06月27日

確かに手書きの地図は書かなくなって久しい

・「筆談ホステス」斉藤さん当選 音使わぬ選挙戦に法の壁(朝日新聞)
→ こう書かれるとけっこう重い。備忘録として残しておく。
>斉藤さんは街頭演説の代わりに、ボードに文章を書いて見せようと考えたが、公選法が禁じる「文書図画の掲示」にあたる可能性があるとして断念。告示後は有権者一人ひとりに名刺を渡してPRしたが、これも違反の恐れがあると警察から指摘され、支援者とともに有権者に声をかけるしかできなかった。
> 「今の選挙制度は、『音』があることが前提。言語や聴覚の障害者を排除しているのでは」と訴える。


・もしもインターネットがなかったら・・・ - (Yahoo! BB)
→ これインターネットじゃなくてパソコン(IT機器全般)だよねという至極当然入るツッコミを除けば,けっこうおもしろい記事。まあ元がYahooBBのPR記事なので,インターネットということにしておかないとPRにつながらないということなのだろう。さて,私自身アラサーなので,こういう労働環境は『課長島耕作』の中でしか見たことが無い。エアシューターは確かに「ダウト」と言いたくなる。
→ ファイリングは現代でも大事では。どうしても紙媒体の資料にしかならないものってあって,そういうのに限って重要だったりよく使ったりするので。
→ IT全く関係ないけど,禁煙が進んだのは本当にすばらしい。体質的にタバコはダメなので,それだけで会社勤めが危ぶまれるレベル。現代で本当に良かった。
→ 手書きの地図と携帯電話の無い待ち合わせは,小学生時代の自分も体験した。これは仕事とは無関係に革命的。
→ IT化で個人主義化が進んだのは間違いなくあるだろう。同時にホワイトカラーの仕事がごっそり奪われたのも。


・“教員の質の向上”とやらで教育の問題が解決できるわけがない(Danas je lep dan.)
→ 大筋で同意で,異論は無い。まずは教員を増やすことに尽きるだろう。日本の教育にかける公的支出は諸外国と比べて少なすぎると言われているのだから,もっと予算をつければいい話である。この期に及んで「少子化が進んでいるのだから,教員数は減らせる」とか言い出す財務省は論外。予算を増やしても国民からの文句も出なさそうなもんだが,やはり文科省自体が弱いからか(ご存じの方はご存じの通り,国家公務員の中では不人気役所です)。
→ ただ,現在の縁故採用・学閥は国家資格化すると減るのかも。あれはあれで大問題ではあるので。
→ 修士を要件にした上で教員数を増やせば,もろもろ解決できるのでは,とは前に考えたことがある。学部の4年間よりは修士まで含めた6年間の方がまだしも時間的にゆとりがあるだろうし,学部卒を門前払いすることで異常な高倍率もある程度緩和されるだろう。何より高学歴ワーキングプアー問題の解決に一歩前進するのでは。


・ぜおんぐさんが語る『ネパール政府とネパール毛派と中国共産党とインドの関係』(Togetter)
→ ネパール王国は清と英領インド帝国の両属で,琉球と似たような状態だったのよな。イギリス側が併合に興味なかったとはいえ,現在まで独立を保っていること自体が割りと歴史の怪奇かも。ちなみにネパールは1924年に中華民国に朝貢使を派遣していて,当時の孫文が演説でこれに言及している。英領インドに併合されていないネパールは中国に朝貢に来ているのに,宗主国たる中国は半植民地状態であるのはおかしい,と。しかし,ネパールも完全に自立していたわけではないので,その主張もどうなのだろうか。
→ 似たようなものとしては琉球以外だとカンボジアがあって,ベトナム(阮朝)とタイ(バンコク朝)に両属していた。ベトナムがフランスに侵略され始めると,フランスの保護国となってこの両属から脱することになるが,琉球ともネパールとも違った結末である。タイ人が自国史を語る際にしばしば「チャクリー改革において,我が国は膨大な領土(カンボジアとラオス)をフランスに割譲した」とその“屈辱”を表明することがあるが,(主権国家体制と前近代の領土を同一視できないとしても)普通の国は朝貢国を自国領に含めないし,いずれにせよカンボジア・ラオス・ベトナム人には非常に失礼な話で,タイ王国の中華思想も大概やなとと思うことがある。

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この記事へのコメント
>文科省自体が弱いからか
もう1つの原因と思われるのが高齢化によるシルバーデモクラシーの跋扈でしょうね。
同じ1票同士だと多数派の年配層の意見を汲み取る人が当選しがちなわけで…。
そうなると老人向けの政策ともいうべき年金制度や保険制度の改革は行われにくく、一方で子供や若者や子育て世代のための政策ともいうべき教育制度の充実や子供医療の充実や少子化対策は期待できないわけで…。

正直年齢別選挙区の導入も必要かねえ…。
ちなみに参政権は18歳に引き下がるけどこれだけでは若年層や子育て世代の意見が通るようにはならないだろうなあ…。
Posted by hts at 2015年06月27日 22:21
年齢別選挙区は1票の平等性から言って難しいと思います。
(地区別の1票の不平等性とはまた別の意味合いがありますし。)

高齢者には「賢い」有権者として振る舞ってほしい,と期待したいところです。
Posted by DG-Law at 2015年07月01日 10:49