2015年08月03日

最近読んだもの・買ったもの(アド・アストラ他)

・『アド・アストラ』1・2巻。サブタイトルの「スキピオとハンニバル」の通り,第二次ポエニ戦争を題材とした漫画である。主人公は一応後のアフリカヌスこと大スキピオということになるだろうか(作中では親父が生きているので小スキピオだが)。基本的には史実を忠実に追っていく形だが,史実がよくわかっていない部分や細部に関しては若き日のスキピオがやったことになっていて,18歳にしてすごい軍功だなぁおいという状況になっている。まあ,主人公補正と,後の史実補正ということで。その辺も含めて,正統派な歴史漫画と言えよう。
→ この漫画,歴史漫画にはなぜだかありがちなことに描き込み量がすさまじく,1巻ではまだがんばれという感じだが,2巻以降飛躍的に画力が増していく。刊行ペースのゆったりさもあり(半年に1冊),ほとんどpixivの「絵師一年進化録」状態になっていておもしろい。無論多くはトーンの貼りこみではあろうが,特に人物の陰影が版画かな? という状態になっていく。そういう意味では絵自体がヨーロッパ的でそれっぽく見えるのは思わぬ利点だろう。
→ 1巻は第1次ポエニ戦争終結から第二次ポエニ戦争開戦,ティキヌス川の戦いまで。2巻はトラシメヌス湖畔の戦いまで。なお,ティキヌス・トレビアの戦いは詳細に描写されるが,トラシメヌス湖畔はスキピオが参戦していない関係で1話でさっくり終わる。





・『痕』4・5巻(完結)。どうせやるならもっとしっかり終わらせて欲しかったなと。確かに漫画からいきなり入ってゲームの方を全く知らないという人はおそらくほとんどいないと思われるものの,説明を端折り過ぎてて全貌が見えてこない。千鶴と楓の話は大体出てきた気もするが,梓と初音の話がほぼなかったような。まあ初音の話はいいとして,梓ルートはやらないと「たかゆき」って誰だったのかという話に。というか長瀬刑事と柳川刑事どっかで出てきましたっけ? ひょっとして最初からいなかった? まあ私もクリアしたの死ぬほど昔なので,細部覚えているかと言われると全くなのだが。
→ 原作終了後20年近く経ってからの,それも月吉ヒロキを登板させての漫画版としては不満の残る内容と言わざるをえない。そういう意味では,月吉ヒロキには文句がなかった。エディフェルと楓がとにかくかわいかった,そこは満足。


・『火ノ丸相撲』4巻。久世VS火ノ丸編。戦法の全く異なるレスリングの國崎,空手の佑真でも無理なら,正攻法で身体の足りない火ノ丸でも無理だった,という。火ノ丸の初めてのまともな敗戦であり,おそらく本作通しての最大のライバルとなるであろう久世を印象づけた巻であった。心で勝ってて技が互角なら,身体で負けるのは道理であり,じゃあどうすればいいんだよというところでうまい具合に5巻に話が続く。
→ 大和国親方は前からちらほら出ていたが,顔がわざとずっと隠されたままで,はっきり出てきたのはこの巻の28話が初めてである。火ノ丸視点ということか。
→ ところで第28話で登場した久世母がかわいい,第33話の潮母もかわいい,というかこの漫画に登場する大人の女性はなぜに全員こんなにかわいいのか。5巻にはあの子も出てくるし,レイナさんの立場がない。


・『ぷちます』7巻。連載が進むにつれて,ぷちたちが変な能力を持っている→人間たちが能力を活用しだす→ぷちたちが自分らの特殊能力に気付き,自発的に使いはじめると段階を踏んでるのがおもしろい。それにともなってぷちたちの知能もどんどん向上しているような。ちびきなんて明らかに初期より賢い。召喚した動物たちを現地に帰す話が一番笑った。
→ そんな中,一向に人語を介さず人間社会に溶け込まないはるかさんは逆に貴重な存在になりつつあるのかも。