2015年09月28日
横綱の変化,是か非か
というタイトルをつけてはみたが,先にこれを書いておく。今場所は相撲内容が本当に充実しており,毎日見ていて楽しかった。優勝争いが白熱したのは様々な嬉しくない事情によるものなので素直には喜べないものの,白熱したのは事実であり,“嬉しくない事情”はちょっと横においておくとして評価はしたい。あわせて,これだけ内容と展開の双方で楽しめた場所は数年に一度のレベルであろう。よって,そもそも14日目の結びの一番だけをピックアップしてああだこうだ言うこと自体が本場所全体の完成度からすると些事であり,ファンになりたての人はいいが,好角家がそれで相撲楽しいか? と聞いてみたいのが本音ではある。
その上で本題に触れるが,基本的にはこれと同意見である。もはや綺麗に是非をつけられる話ではない。
付け加えて言うなら,普段相撲を見ていない(にわかファンですらない)のに,こういう時だけ出てきて「相撲はよく知らないけどルール上問題ないものを騒ぐなんて“守旧的”」と発言して進歩派を気取りたいだけの人たちはほんと害悪でしかないので,ちゃんと相撲を知って簡単に白黒つかない話であることを前提に,自らの白黒を開陳してもらえませんか。
ただ,私の立場をあえて言うなら,擁護する気はないが「“個人的に”面白かったからよし」という立場になる。鶴竜の変化が批判される理由は大きく「横綱相撲ではない」点と「興ざめ」という点に絞られると思うが,つまりは興行としてアウトという話である。しかし,ちょっと考えてみてもらいたい。最初の一番で変化が決まっていたor失敗していたなら鶴竜に失望していたのだが,最初の一番が取り直しになったのが結果的に良かったと思う。二度も変化したという珍妙さに,二度で左右が違うという珍妙さの重ねがけ。しかもそれが決まりそうな相手である稀勢の里に仕掛けることになったという,優勝争いの展開の妙。変化自体にはついていったのに,動揺から二歩目が出なかった稀勢の里の心理面の弱さ。苦手の稀勢の里を変化で退け,あとは手負いの照ノ富士で優勝は盤石という状態からの,本割での敗北。鶴竜は変化に負い目があり,変化した翌日はしばしば負けるのだ。その意味で鶴竜の心理も盤石でない(※)。ここまでの経緯を踏まえた上での決定戦での鶴竜優勝となると,もはやすべてが滑稽であり,何か相撲の神様ではなく,運命の女神様がいたずらで鶴竜に変化を決心させたのではないかと思う程度にはドラマチックであった。「相撲は興行だから横綱は変化してはいけない」とするなら,あの変化は興行的に面白い展開を導いたという点でなら,擁護できる。
しかし,無論のことながら,鶴竜はその「すべてが滑稽」の上で優勝してしまったということは,本人が重々噛みしめるべきであろう。
※ その意味で言えば,11日目の栃煌山戦で変化した翌日,12日目の琴奨菊戦で鶴竜は負けると私は踏んでいたのだが,この12日目はあっさり勝ってしまった。だから鶴竜の心臓にも朝青竜ばりに毛が生えてきたのかなと思った矢先の14日目・千秋楽である。これも踏まえるとなお面白い。
以下,個別評。熱戦が多かったので書くことが多い。まず途中休場した白鵬だが,これにより途切れた記録の数々がすさまじいので掲載しておく。
・横綱連続出場722回(2位北の湖653回)
・幕内連続二桁勝利51場所(2位北の湖37場所)
・通算連続勝ち越し(2位)51場所(1位武蔵丸55場所)
※ 通算連続幕内勝ち越しとすると1位になる。白鵬は51場所すべて大関・横綱だが,武蔵丸は十両・幕下を6場所含むため,49場所に減る。
まあ継続記録とはいつかは途切れるものである。心機一転して来場所がんばってほしい。
鶴竜の相撲は意外と普段通りで,特に調子が良かったわけではない。白鵬と日馬富士がいなければ,12勝3敗くらいはできるくらいの実力はあるという確認にしかならなかった。そういう意味では,白鵬と日馬富士がいなくても12勝しかできなかった,その上照ノ富士がケガをしなければ優勝できなかったというのは若干残念な話ではある。ただまあ10日目の妙義龍戦は取り直しが妥当で,不運な星の落とし方ではあったと思うし,3日目の嘉風は万全の白鵬でも苦戦したであろうくらい動きが機敏だったので,情状酌量の余地はあるか。
大関陣。照ノ富士は豪快な相撲が売りだが,豪快過ぎて膝への負担が不安とは指摘されていた。ここに来てそれが爆発した形である。ただ,照ノ富士が豪快な相撲にならざるをえないのは立ち合いが遅いゆえに不利な体勢で取らざるをえないからであり,この立ち合いの遅さも以前から指摘されていた弱点である。いずれにせよ,自分の弱点を見つめなおす良い機会かもしれない。妙に好調だったのは琴奨菊で,序盤で早々に2敗して優勝争いとは無縁に近かったものの,突進力があり,終わってみれば11勝である。これは白鵬と日馬富士がいても10勝には乗っていたのではないか。一方,稀勢の里の11勝はいつも通りという。14日目勝ってたらおもしろかったのにねぇ。豪栄道は白鵬・日馬富士がいないのに負け越しという結果はちょっと。来場所なんだかんだで8勝7敗しそうではあるが。
関脇。栃煌山は某人が言っていた「ハートの弱さが稀勢の里並」という寸評以外コメントのしようがない。妙義龍は可も不可もない出来。小結の栃ノ心は,何より「幕下55枚目まで陥落した後の三役復帰」の上での10勝という偉業であり,これを賞賛するべきであろう。大ケガ以前よりも少し柔らかくなり,得意の右四つになりやすくなっていると思う。敢闘賞は妥当で,「千秋楽勝って」という条件も不要だったと思う。もう一人の小結隠岐の海は,悪くない出来だったが,それ以上に周りが良すぎたという印象。
前頭上位陣。嘉風は神がかった出来。今場所は嘉風のためにあった場所と言っても過言ではない。元々機敏な動きで撹乱し,さっと中に入るか押し込んで倒すかという取り口であったが,今場所はこの長所が本当によく出ていた。足腰はあまり重くなく,また捕まると弱く,パワープレーにも弱いという弱点が多々ある力士ではあるが,今場所はその弱点を長所がよくカバーしていて,捕まること自体がほとんど見られなかった。弱点が露呈したのは中日の大砂嵐戦(パワープレーにやられた)くらいであろう。技能賞と殊勲賞受賞だが,敢闘賞もあげて全部でも良かったと思う。そのパワープレーの権化大砂嵐は,やっと膝が治ってきてフルパワーという様子だった。自己最高位での勝ち越しはめでたいが,千秋楽にその左膝(本人申告は左足首)を痛めたらしいのが大変に気がかりである。
逸ノ城はやや身体が軽くなったか,動けていた。しかし目立った活躍はない。宝富士は五月場所までの好調が嘘のような弱体化で,先場所・今場所とひどい出来。左四つになれば上位でも通用する状態が半年ほど続き,照ノ富士とともに上ってきたのでこれは上位定着しようと思われたが,ここに来て崩れてきた。ケガはないようだが,心配。佐田の富士と玉鷲は家賃が重かったか。玉鷲は照ノ富士戦など,非常に動きの良い取組があったので,4勝しかしていないのはやや意外。
前頭中盤。遠藤は膝が治ったように見えてたまにぐらぐらしているようで,膝がガクガクしている日はまるで粘りがない。膝の調子が良ければ上位でも十分取れる実力があるのはおそらく皆目一致しているところで,それだけに膝の状態が日毎に違うまま上位戦になるのは不安である。膝が壊れる前の遠藤が戻ってきたという世の論調にはやや賛同しかねるところがある。阿夢露の勝ち越しはこう言ってはなんだが意外で,前は左四つにならなければてんでダメだったが,今場所は多様な勝ち方が見られた。これが単に好調だったからなのか稽古の成果なのかは来場所に期待。安美錦はとうとう幕内最年長になったが,よく勝ち越すもんだ。北の富士だったかが「安美錦が変化しても誰も文句をつけない」と言っていたが,これは最年長という点もあり,そういう取り口と皆納得しているというのもあり,両方あるだろう。
前頭下位。誉富士は今場所突き押しが良かった。勢の11勝は単なる上昇エレベーター感ある。他の面々も悪くなかったのだが,結果的に実力が拮抗したようで,千秋楽7勝7敗が非常に多かった。さらにその結果7勝8敗が多く(7勝7敗同士当てられたわけでもないのにこうなった辺り皆ガチだろう),来場所の番付編成が大惨事になっている。力士ごとの運不運が出そう。
最後にその予想番付。
その上で本題に触れるが,基本的にはこれと同意見である。もはや綺麗に是非をつけられる話ではない。
昨夜は鶴竜の立ち合い変化で相撲部が荒れた。
「興ざめ」「横綱相撲じゃない」「変化もルールのうち」「勝利への執念」「過去の横綱も変化している」「負けた稀勢の里が悪い」等、様々な意見があり、いずれにも一理あると思う。
しかし「モンゴル人ガー」…テメーらだけはダメだ。 #sumo
— 偽ケ濱親方【秋場所】 (@nISEGAHAMA) 2015, 9月 27
付け加えて言うなら,普段相撲を見ていない(にわかファンですらない)のに,こういう時だけ出てきて「相撲はよく知らないけどルール上問題ないものを騒ぐなんて“守旧的”」と発言して進歩派を気取りたいだけの人たちはほんと害悪でしかないので,ちゃんと相撲を知って簡単に白黒つかない話であることを前提に,自らの白黒を開陳してもらえませんか。
ただ,私の立場をあえて言うなら,擁護する気はないが「“個人的に”面白かったからよし」という立場になる。鶴竜の変化が批判される理由は大きく「横綱相撲ではない」点と「興ざめ」という点に絞られると思うが,つまりは興行としてアウトという話である。しかし,ちょっと考えてみてもらいたい。最初の一番で変化が決まっていたor失敗していたなら鶴竜に失望していたのだが,最初の一番が取り直しになったのが結果的に良かったと思う。二度も変化したという珍妙さに,二度で左右が違うという珍妙さの重ねがけ。しかもそれが決まりそうな相手である稀勢の里に仕掛けることになったという,優勝争いの展開の妙。変化自体にはついていったのに,動揺から二歩目が出なかった稀勢の里の心理面の弱さ。苦手の稀勢の里を変化で退け,あとは手負いの照ノ富士で優勝は盤石という状態からの,本割での敗北。鶴竜は変化に負い目があり,変化した翌日はしばしば負けるのだ。その意味で鶴竜の心理も盤石でない(※)。ここまでの経緯を踏まえた上での決定戦での鶴竜優勝となると,もはやすべてが滑稽であり,何か相撲の神様ではなく,運命の女神様がいたずらで鶴竜に変化を決心させたのではないかと思う程度にはドラマチックであった。「相撲は興行だから横綱は変化してはいけない」とするなら,あの変化は興行的に面白い展開を導いたという点でなら,擁護できる。
しかし,無論のことながら,鶴竜はその「すべてが滑稽」の上で優勝してしまったということは,本人が重々噛みしめるべきであろう。
※ その意味で言えば,11日目の栃煌山戦で変化した翌日,12日目の琴奨菊戦で鶴竜は負けると私は踏んでいたのだが,この12日目はあっさり勝ってしまった。だから鶴竜の心臓にも朝青竜ばりに毛が生えてきたのかなと思った矢先の14日目・千秋楽である。これも踏まえるとなお面白い。
以下,個別評。熱戦が多かったので書くことが多い。まず途中休場した白鵬だが,これにより途切れた記録の数々がすさまじいので掲載しておく。
・横綱連続出場722回(2位北の湖653回)
・幕内連続二桁勝利51場所(2位北の湖37場所)
・通算連続勝ち越し(2位)51場所(1位武蔵丸55場所)
※ 通算連続幕内勝ち越しとすると1位になる。白鵬は51場所すべて大関・横綱だが,武蔵丸は十両・幕下を6場所含むため,49場所に減る。
まあ継続記録とはいつかは途切れるものである。心機一転して来場所がんばってほしい。
鶴竜の相撲は意外と普段通りで,特に調子が良かったわけではない。白鵬と日馬富士がいなければ,12勝3敗くらいはできるくらいの実力はあるという確認にしかならなかった。そういう意味では,白鵬と日馬富士がいなくても12勝しかできなかった,その上照ノ富士がケガをしなければ優勝できなかったというのは若干残念な話ではある。ただまあ10日目の妙義龍戦は取り直しが妥当で,不運な星の落とし方ではあったと思うし,3日目の嘉風は万全の白鵬でも苦戦したであろうくらい動きが機敏だったので,情状酌量の余地はあるか。
大関陣。照ノ富士は豪快な相撲が売りだが,豪快過ぎて膝への負担が不安とは指摘されていた。ここに来てそれが爆発した形である。ただ,照ノ富士が豪快な相撲にならざるをえないのは立ち合いが遅いゆえに不利な体勢で取らざるをえないからであり,この立ち合いの遅さも以前から指摘されていた弱点である。いずれにせよ,自分の弱点を見つめなおす良い機会かもしれない。妙に好調だったのは琴奨菊で,序盤で早々に2敗して優勝争いとは無縁に近かったものの,突進力があり,終わってみれば11勝である。これは白鵬と日馬富士がいても10勝には乗っていたのではないか。一方,稀勢の里の11勝はいつも通りという。14日目勝ってたらおもしろかったのにねぇ。豪栄道は白鵬・日馬富士がいないのに負け越しという結果はちょっと。来場所なんだかんだで8勝7敗しそうではあるが。
関脇。栃煌山は某人が言っていた「ハートの弱さが稀勢の里並」という寸評以外コメントのしようがない。妙義龍は可も不可もない出来。小結の栃ノ心は,何より「幕下55枚目まで陥落した後の三役復帰」の上での10勝という偉業であり,これを賞賛するべきであろう。大ケガ以前よりも少し柔らかくなり,得意の右四つになりやすくなっていると思う。敢闘賞は妥当で,「千秋楽勝って」という条件も不要だったと思う。もう一人の小結隠岐の海は,悪くない出来だったが,それ以上に周りが良すぎたという印象。
前頭上位陣。嘉風は神がかった出来。今場所は嘉風のためにあった場所と言っても過言ではない。元々機敏な動きで撹乱し,さっと中に入るか押し込んで倒すかという取り口であったが,今場所はこの長所が本当によく出ていた。足腰はあまり重くなく,また捕まると弱く,パワープレーにも弱いという弱点が多々ある力士ではあるが,今場所はその弱点を長所がよくカバーしていて,捕まること自体がほとんど見られなかった。弱点が露呈したのは中日の大砂嵐戦(パワープレーにやられた)くらいであろう。技能賞と殊勲賞受賞だが,敢闘賞もあげて全部でも良かったと思う。そのパワープレーの権化大砂嵐は,やっと膝が治ってきてフルパワーという様子だった。自己最高位での勝ち越しはめでたいが,千秋楽にその左膝(本人申告は左足首)を痛めたらしいのが大変に気がかりである。
逸ノ城はやや身体が軽くなったか,動けていた。しかし目立った活躍はない。宝富士は五月場所までの好調が嘘のような弱体化で,先場所・今場所とひどい出来。左四つになれば上位でも通用する状態が半年ほど続き,照ノ富士とともに上ってきたのでこれは上位定着しようと思われたが,ここに来て崩れてきた。ケガはないようだが,心配。佐田の富士と玉鷲は家賃が重かったか。玉鷲は照ノ富士戦など,非常に動きの良い取組があったので,4勝しかしていないのはやや意外。
前頭中盤。遠藤は膝が治ったように見えてたまにぐらぐらしているようで,膝がガクガクしている日はまるで粘りがない。膝の調子が良ければ上位でも十分取れる実力があるのはおそらく皆目一致しているところで,それだけに膝の状態が日毎に違うまま上位戦になるのは不安である。膝が壊れる前の遠藤が戻ってきたという世の論調にはやや賛同しかねるところがある。阿夢露の勝ち越しはこう言ってはなんだが意外で,前は左四つにならなければてんでダメだったが,今場所は多様な勝ち方が見られた。これが単に好調だったからなのか稽古の成果なのかは来場所に期待。安美錦はとうとう幕内最年長になったが,よく勝ち越すもんだ。北の富士だったかが「安美錦が変化しても誰も文句をつけない」と言っていたが,これは最年長という点もあり,そういう取り口と皆納得しているというのもあり,両方あるだろう。
前頭下位。誉富士は今場所突き押しが良かった。勢の11勝は単なる上昇エレベーター感ある。他の面々も悪くなかったのだが,結果的に実力が拮抗したようで,千秋楽7勝7敗が非常に多かった。さらにその結果7勝8敗が多く(7勝7敗同士当てられたわけでもないのにこうなった辺り皆ガチだろう),来場所の番付編成が大惨事になっている。力士ごとの運不運が出そう。
最後にその予想番付。
前述の事情により,幕尻付近は全く自信がない。貴ノ岩を上げ,実績のある北太樹とケガで情状酌量の余地がある高安を残し,鏡桜・朝赤龍を落とした。輝は幕内で見たいところではあるが,おそらく星が1つ足りない。御嶽海の新入幕は確実で,しかもそこそこ勝ちそうである。期待したい。
Posted by dg_law at 03:04│Comments(7)
この記事へのコメント
怪我が不可能を可能にしたような場所でした。
鶴竜は横綱の強さがあったようには見えませんでしたが、とにもかくにも優勝。照ノ富士は怪我をする負け方が最後に尾を引きました。高安、千代丸、鶴竜、大砂嵐、白鵬、来場所は大丈夫でしょうか。舛ノ山は今場所も全休でした。
嘉風は、今場所の活躍で三賞がもらえないなら、もう三賞同時受賞者は出ないのではと思われるほどの活躍でした。もしかしたら近いうちに大関の座が。栃煌山は要所々々で勝った割には負け越しという振るわない成績でした。
十両では、松鳳山や豊響が優勝争いをする光景が妙な感じで、連続優勝こそ逃したものの今場所続けて大勝ちした御嶽海の来場所昇進が楽しみです。正代もまずまず。
三段目では、宇良の話題性に隠れがちですが、大輝が順調に昇進してきて、こちらも楽しみです。武蔵丸の親戚筋の武蔵国は3-4負け越しで残念。序二段ではカナダ出身の誉錦が優勝争いをする活躍で、こちらも楽しみです。
鶴竜は横綱の強さがあったようには見えませんでしたが、とにもかくにも優勝。照ノ富士は怪我をする負け方が最後に尾を引きました。高安、千代丸、鶴竜、大砂嵐、白鵬、来場所は大丈夫でしょうか。舛ノ山は今場所も全休でした。
嘉風は、今場所の活躍で三賞がもらえないなら、もう三賞同時受賞者は出ないのではと思われるほどの活躍でした。もしかしたら近いうちに大関の座が。栃煌山は要所々々で勝った割には負け越しという振るわない成績でした。
十両では、松鳳山や豊響が優勝争いをする光景が妙な感じで、連続優勝こそ逃したものの今場所続けて大勝ちした御嶽海の来場所昇進が楽しみです。正代もまずまず。
三段目では、宇良の話題性に隠れがちですが、大輝が順調に昇進してきて、こちらも楽しみです。武蔵丸の親戚筋の武蔵国は3-4負け越しで残念。序二段ではカナダ出身の誉錦が優勝争いをする活躍で、こちらも楽しみです。
Posted by EN at 2015年09月29日 11:16
『今場所鶴竜が優勝したことを今初めて知ったレベルの「特に相撲好きでも何でもない人間」(=私)を引き込ませる文章を書ける、というのはDGさんの文章の巧みさを物語っているな』
と全く内容に関係ありませんが思いましたので、筆を取らせていただきます。
初めましてでこんなコメントを残しまして申し訳ありませんが
何時も更新楽しみにしております。
と全く内容に関係ありませんが思いましたので、筆を取らせていただきます。
初めましてでこんなコメントを残しまして申し訳ありませんが
何時も更新楽しみにしております。
Posted by iron at 2015年09月29日 18:52
>ENさん
>怪我が不可能を可能にしたような場所でした。
まさに。自分も「優勝争いが白熱したのは様々な嬉しくない事情によるものなので素直には喜べない」と書きましたが,そうなんですよねぇ……
>高安、千代丸、鶴竜、大砂嵐、白鵬、来場所は大丈夫でしょうか。
なんだかんだ言っても最終日までもった鶴竜と照ノ富士,比較的早い方の日程で倒れた高安と白鵬はカムバックできそうですが,大砂嵐と千代丸はかなり心配ですね。
>舛ノ山は今場所も全休でした。
栃ノ心という前例が出来たのは,今後の角界にとっては良かったのかもしれません。
嘉風は大関取りには年齢がまずいかも。33歳なんですよね。
栃煌山は本文中で述べたような弱点がカバーできないと永久に無理でしょう。稀勢の里はその弱点をカバーしないまま,実力を向上させて大関になりましたが。
武蔵国と誉錦は注目してみています。武蔵国は三段目の上位が壁みたいですね。誉錦もその辺りまではスイスイ来るんじゃないかと思っています。
楽しみですね。
>ironさん
いえいえ。そう言っていただけると素直に嬉しいです。
毎回話題が違う記事のこのブログですが,楽しめる記事を読んでもらえばと思います。
>怪我が不可能を可能にしたような場所でした。
まさに。自分も「優勝争いが白熱したのは様々な嬉しくない事情によるものなので素直には喜べない」と書きましたが,そうなんですよねぇ……
>高安、千代丸、鶴竜、大砂嵐、白鵬、来場所は大丈夫でしょうか。
なんだかんだ言っても最終日までもった鶴竜と照ノ富士,比較的早い方の日程で倒れた高安と白鵬はカムバックできそうですが,大砂嵐と千代丸はかなり心配ですね。
>舛ノ山は今場所も全休でした。
栃ノ心という前例が出来たのは,今後の角界にとっては良かったのかもしれません。
嘉風は大関取りには年齢がまずいかも。33歳なんですよね。
栃煌山は本文中で述べたような弱点がカバーできないと永久に無理でしょう。稀勢の里はその弱点をカバーしないまま,実力を向上させて大関になりましたが。
武蔵国と誉錦は注目してみています。武蔵国は三段目の上位が壁みたいですね。誉錦もその辺りまではスイスイ来るんじゃないかと思っています。
楽しみですね。
>ironさん
いえいえ。そう言っていただけると素直に嬉しいです。
毎回話題が違う記事のこのブログですが,楽しめる記事を読んでもらえばと思います。
Posted by DG-Law at 2015年10月01日 02:04
今b(ry
勝昭氏も「面白いようで面白くない場所」と評している通り、まさに不幸が重なっての混戦。優勝争いの正体は言ってしまえばその通りなんですが、相撲内容だけ見ればなかなか白熱した場所ではありました。
>>変化自体にはついていったのに,動揺から二歩目が出なかった稀勢の里の心理面の弱さ
鶴竜変化批判はおそらく相手が「優勝の可能性を残した稀勢の里」だったからという事もあるような気がしますねぇ。
栃東最後の優勝の時も盛り上がりは前場所の倍くらいあったし(朝青龍がMAXだった時)日本出身力士優勝待望論も併せてここぞとばかりに事が大きくなったんじゃないかと思います。多少ゴチャゴチャ言われることになっても、ぶっちゃけこれだけ批判食らうとは鶴竜自身、思いもしなかったのでは(笑)
まぁせっかく形を作りかけてたのに勝負を急いで負けちゃう稀勢の里も実に滑稽と言えます。稀勢の里ファンは精神が鍛えられそうですね。
あと終わってみれば琴奨菊。
何気に11勝もしてるとか放っといたら案外強いんですかね。ただ間違って優勝とかしても綱取りにめっちゃ高いハードル架けられそう。
照富は自分の取り口を見直す良い機会とも言えます。取り口を変えず把瑠都コースに行くか、取り口を変えて安美錦コースに行くか分岐点と言っても良いでしょう。
勝昭氏も「面白いようで面白くない場所」と評している通り、まさに不幸が重なっての混戦。優勝争いの正体は言ってしまえばその通りなんですが、相撲内容だけ見ればなかなか白熱した場所ではありました。
>>変化自体にはついていったのに,動揺から二歩目が出なかった稀勢の里の心理面の弱さ
鶴竜変化批判はおそらく相手が「優勝の可能性を残した稀勢の里」だったからという事もあるような気がしますねぇ。
栃東最後の優勝の時も盛り上がりは前場所の倍くらいあったし(朝青龍がMAXだった時)日本出身力士優勝待望論も併せてここぞとばかりに事が大きくなったんじゃないかと思います。多少ゴチャゴチャ言われることになっても、ぶっちゃけこれだけ批判食らうとは鶴竜自身、思いもしなかったのでは(笑)
まぁせっかく形を作りかけてたのに勝負を急いで負けちゃう稀勢の里も実に滑稽と言えます。稀勢の里ファンは精神が鍛えられそうですね。
あと終わってみれば琴奨菊。
何気に11勝もしてるとか放っといたら案外強いんですかね。ただ間違って優勝とかしても綱取りにめっちゃ高いハードル架けられそう。
照富は自分の取り口を見直す良い機会とも言えます。取り口を変えず把瑠都コースに行くか、取り口を変えて安美錦コースに行くか分岐点と言っても良いでしょう。
Posted by ( д)゜゜ at 2015年10月02日 23:26
と言うわけでちょっと個別に。
【嘉風】
今場所、一番頑張ってました。ちなみに最年長大関昇進は琴○喜さんの31歳3ヶ月。次に増位山31歳2ヶ月。3位が霧島30歳11ヶ月。30歳を越えてからの大関昇進はこの3例だけ。それらを大幅に更新しての大関昇進なるか!?
【宝富士】
小結昇進で力尽きた感。それとも来場所優勝狙ってるのか。幕内下位なら何か出来そうっちゃ出来そう。
【阿夢露】
>>前は左四つにならなければてんでダメだったが
これが全く仰る通り。この力士、取り口に真面目な人柄が出てて好きだなぁ。前も言ったかもしれませんが、今までのロシア出身力士とは一味違う。
【○豪風−豊ノ島●】
初日、勝昭氏が「豪風は締まっている。豊ノ島はたるんでいる」と解説してましたが、まさか千秋楽褒められた豪風が5勝に終わり、けなされた豊ノ島が10勝しとるとはw
余談ですが千秋楽、国技館逝ってきました。
当日家を出ると間に合わないので前日の夜に来て、ちょっと両国周辺を歩いたんですが、夜中は割とひっそりしてるんですねぇ。0時ごろでしたが国技館前には5、6人ほどチケット待ちの方が仮眠中。力士幟(夜中もライトに照らされてぼんやりと佇んでいる)だけがギシギシとはためいている昼間とは全く違う異様な光景でありました。
私もホテルで仮眠し5:50に改めて並んだんですが、その時間でも整理番号160番。ちなみにチケット販売開始は8:00。お前ら、そんなに相撲見てーのかよwwwと言おうかと思いましたが、私もそうなので止めました。
というわけで相撲観戦の際はやはりあらかじめチケットを取ってからがオススメ、という事で失礼いたします。
【嘉風】
今場所、一番頑張ってました。ちなみに最年長大関昇進は琴○喜さんの31歳3ヶ月。次に増位山31歳2ヶ月。3位が霧島30歳11ヶ月。30歳を越えてからの大関昇進はこの3例だけ。それらを大幅に更新しての大関昇進なるか!?
【宝富士】
小結昇進で力尽きた感。それとも来場所優勝狙ってるのか。幕内下位なら何か出来そうっちゃ出来そう。
【阿夢露】
>>前は左四つにならなければてんでダメだったが
これが全く仰る通り。この力士、取り口に真面目な人柄が出てて好きだなぁ。前も言ったかもしれませんが、今までのロシア出身力士とは一味違う。
【○豪風−豊ノ島●】
初日、勝昭氏が「豪風は締まっている。豊ノ島はたるんでいる」と解説してましたが、まさか千秋楽褒められた豪風が5勝に終わり、けなされた豊ノ島が10勝しとるとはw
余談ですが千秋楽、国技館逝ってきました。
当日家を出ると間に合わないので前日の夜に来て、ちょっと両国周辺を歩いたんですが、夜中は割とひっそりしてるんですねぇ。0時ごろでしたが国技館前には5、6人ほどチケット待ちの方が仮眠中。力士幟(夜中もライトに照らされてぼんやりと佇んでいる)だけがギシギシとはためいている昼間とは全く違う異様な光景でありました。
私もホテルで仮眠し5:50に改めて並んだんですが、その時間でも整理番号160番。ちなみにチケット販売開始は8:00。お前ら、そんなに相撲見てーのかよwwwと言おうかと思いましたが、私もそうなので止めました。
というわけで相撲観戦の際はやはりあらかじめチケットを取ってからがオススメ、という事で失礼いたします。
Posted by ( д)゜゜ at 2015年10月02日 23:27
今場所もお疲れ様です。
>鶴竜変化批判はおそらく相手が「優勝の可能性を残した稀勢の里」だったからという事もあるような気がしますねぇ。
重度の稀勢の里ファンのある方は「優勝の可能性を残していたからこそ,変化には残ったがその後に負けた」「優勝がかかってなかったら稀勢の里が勝っていたし,同時に鶴竜の優勝が潰えて照ノ富士優勝だった」と評していましたね。私もそう思います。今回は完全に組み合わせの妙・運命的展開ですね。
ちなみに,その方は「いつの間にか稀勢の里が変化で直接的に負けたことになっている。世間の言論による事実の捏造は怖い」と憤っていました。
>稀勢の里ファンは精神が鍛えられそうですね。
同上,その方曰く「今場所は『白鵬がいない場所なら稀勢の里が優勝できる』という命題の真偽が問われた場所であったが,結果は偽だった。優勝は一生できないと結論付ける」だそうでw
鍛えられるとかそういう問題ではない領域に突入したようです。
テルルは相撲を変えないとですねぇ。本文中に書きましたけど,結局立ち会いを何とかしないとどうしようもないのかもとは思いますが,立ち会いって急に改善できるものでもないですし。豪栄道も随分かかりました。
綱取りは早そうだと思ってましたが,ケガと立ち会いを考えるとそうでもない可能性もここに来て浮上してきました。
>鶴竜変化批判はおそらく相手が「優勝の可能性を残した稀勢の里」だったからという事もあるような気がしますねぇ。
重度の稀勢の里ファンのある方は「優勝の可能性を残していたからこそ,変化には残ったがその後に負けた」「優勝がかかってなかったら稀勢の里が勝っていたし,同時に鶴竜の優勝が潰えて照ノ富士優勝だった」と評していましたね。私もそう思います。今回は完全に組み合わせの妙・運命的展開ですね。
ちなみに,その方は「いつの間にか稀勢の里が変化で直接的に負けたことになっている。世間の言論による事実の捏造は怖い」と憤っていました。
>稀勢の里ファンは精神が鍛えられそうですね。
同上,その方曰く「今場所は『白鵬がいない場所なら稀勢の里が優勝できる』という命題の真偽が問われた場所であったが,結果は偽だった。優勝は一生できないと結論付ける」だそうでw
鍛えられるとかそういう問題ではない領域に突入したようです。
テルルは相撲を変えないとですねぇ。本文中に書きましたけど,結局立ち会いを何とかしないとどうしようもないのかもとは思いますが,立ち会いって急に改善できるものでもないですし。豪栄道も随分かかりました。
綱取りは早そうだと思ってましたが,ケガと立ち会いを考えるとそうでもない可能性もここに来て浮上してきました。
Posted by DG-Law at 2015年10月04日 21:51
>嘉風
大関取りはないと思いますがw,好調が長く続いて欲しいですね。
動きまわる相撲は見てて楽しいです。
>宝富士
考えてみると,今場所の安美錦以外の伊勢ヶ濱部屋の関取はひどい結末ではあったなぁと。
>阿夢露
前にも言ってましたねw。でも本当にそうだと思います。
>余談ですが千秋楽、国技館逝ってきました。
まあ,そうなりますよねw。
私は今場所は仕事も忙しく,最初からあきらめてましたが(予約含め),最近の東京場所はめっきりチケット取りづらくなりましたね。
一応,両国まで自転車圏内に住んでいるので,早朝6時はむしろ手かなーと読んで思いました。
大関取りはないと思いますがw,好調が長く続いて欲しいですね。
動きまわる相撲は見てて楽しいです。
>宝富士
考えてみると,今場所の安美錦以外の伊勢ヶ濱部屋の関取はひどい結末ではあったなぁと。
>阿夢露
前にも言ってましたねw。でも本当にそうだと思います。
>余談ですが千秋楽、国技館逝ってきました。
まあ,そうなりますよねw。
私は今場所は仕事も忙しく,最初からあきらめてましたが(予約含め),最近の東京場所はめっきりチケット取りづらくなりましたね。
一応,両国まで自転車圏内に住んでいるので,早朝6時はむしろ手かなーと読んで思いました。
Posted by DG-Law at 2015年10月04日 21:54