2015年10月19日
試験・レポートはクローズドで良いと思うのです
ようやく仕事が繁忙期を抜けてまともな更新頻度に戻れそう。
・小学生向けの教材に読書感想文のテンプレが存在する…賛否分かれるTL(Togetter)
→ 発端の人は「読書感想文にテンプレがあること」の是非ではなく,そのテンプレが大学のレポートまで変化しないまま生きてしまっていることに驚愕しているのだが,そんなことはどっか飛んでいって早々にテンプレの是非に話題が転化している。これ自体が本件への注目度の高さを示しているとは言える。ただまあ,この2つの話題は,後述するようにつながっていなくはない。
→ 私的な意見として。元々の議題の方が生産的であって,読書感想文にテンプレがあるにせよないにせよ,そのまま変化せず大学のレポートになっていること自体が日本の中等教育の失敗ではあろう。もっとも,こんな一例で決めつけられるような簡単なテーマではないことは重々前置いた上で。
→ 幾人かの意見にあったように「やり方も指示されないまま『やれ』と言われていた自分たちの教育よりは進歩しているのでは」というのには賛成で,そもそも作文系の課題は「小中学生は文章を書くこと自体に消極的である」という批判から出てきたものであったはずで,その目的はこうしたテンプレが出てきた段階である程度達成されたといえるのではないか。次は脱小学生的テンプレの過程を中高生の教育課程で置かねばならない。
→ また同様の理屈で,高校生的小論文のやり方が今ひとつ指導されぬまま(または予備校や進学校の国語教員個人に丸投げして),AO入試や一般入試で小論文が問われるのだから,読書感想文・作文の指導法問題は重い。結果として大学生のレポートの文章が未熟という現象に帰着しているのだろう。
→ ちなみに,この意味合いで社会科の論述試験ってすごく良い訓練だと思うのだけどなぁ。大学生のレポートも,直接的な課題を与えた方がまだしも出来が良い,とはしばしば聞く話で。大学入試で有効活用しましょうよ。
→ ……ここまで書いて思ったのだが,論述試験の場合,オープンな課題よりクローズドな課題の方が解きやすいってどの程度世間的な共通認識なんだろう。オープンクエッションの方が解きやすいと思われているのならまず教員側からの教育から必要になるので,道は極めて険しくなる。
・明治大はなぜここまで急に評価を上げたのか(東洋経済)
→ 記事中に書いてあることをもう少し噛み砕いて書けば,明治は早慶の滑り止めと,ボリューム層の「チャレンジ」圏がちょうど重なってておいしいポジションを確立したのが最大の勝因だと思う。
→ ところで,同じMARCHでも,中央は山奥すぎて法学部以外は敬遠される傾向があり,青山はチャラいイメージが染み付いていて校風で回避する人がいる。法政は元から5大学で最も偏差値が低く「チャレンジ」圏としてのイメージは良くない。結果的に立教と明治が生き残ったところ,明治がさらに一歩抜きん出て,受験者数でトップ,偏差値でも早慶上智に近づいた。
→ じゃあそこで,なぜ明治が立教に勝ったのかと言えば,記事中にある通り,バンカラなイメージを消しつつチャラくなりすぎなかったブランドイメージの確立というのはやはり大きかろうと思う。国際日本学部の創設何かを見ても,実際にアピールは上手い。しかし,どうせなら立教大学他MARCHそれぞれとちゃんと比較した記事を読みたかった気も。
→ 明治は今後,偏差値が高くなりすぎて早慶に近づいてしまったため,ボリューム層の「チャレンジ」圏から外れてしまって人気が下がるジレンマにさいなまれるのではないかと思う。それが原因で偏差値が下がることは無かろうが,受験者数が下がろう。同じような偏差値帯に同志社があるが,あそこは立地を活かして「関西ではNo.1私大」というポジションを確保しているので問題ない。明治はむしろ「早慶とは違って手頃な大学だよ」アピールか,また何かしら別の手段が必要になってくるが,期待して待ってみたい。
・パリ、革命以来のパン不足 販売店が一斉バカンス 市民は制度廃止に恨み節(SankeiBiz)
→ 状況は全く違うものの,コメ不足のときの日本(1993年)を彷彿とさせる光景である。スーパーのパンはまずいから食べたくないとかいう辺りとか。記事の最後にもある通り,「ケーキ食っとけ」と「ブリオッシュ食っとけ」は多分誰しもが思いついたネタだろうが,約225年前と違って食糧自体が足りないのではなくて選り好みという……「ワガママ言うな,(相対的に)まずいパン食っとけ」という話であった。そういう意味では,根本的に米の種類が違ったタイ米の時よりパリ市民の反応は酷いのでは(輸入しといて捨てたわけではない点ではマシだが)。
・高騰する米国の教科書価格(Willyの脳内日記)
→ この話なんかも関連して思い出すところ。アメリカの大学教育,こと教科書の出版に関してはダメダメすぎるのでは。
・小学生向けの教材に読書感想文のテンプレが存在する…賛否分かれるTL(Togetter)
→ 発端の人は「読書感想文にテンプレがあること」の是非ではなく,そのテンプレが大学のレポートまで変化しないまま生きてしまっていることに驚愕しているのだが,そんなことはどっか飛んでいって早々にテンプレの是非に話題が転化している。これ自体が本件への注目度の高さを示しているとは言える。ただまあ,この2つの話題は,後述するようにつながっていなくはない。
→ 私的な意見として。元々の議題の方が生産的であって,読書感想文にテンプレがあるにせよないにせよ,そのまま変化せず大学のレポートになっていること自体が日本の中等教育の失敗ではあろう。もっとも,こんな一例で決めつけられるような簡単なテーマではないことは重々前置いた上で。
→ 幾人かの意見にあったように「やり方も指示されないまま『やれ』と言われていた自分たちの教育よりは進歩しているのでは」というのには賛成で,そもそも作文系の課題は「小中学生は文章を書くこと自体に消極的である」という批判から出てきたものであったはずで,その目的はこうしたテンプレが出てきた段階である程度達成されたといえるのではないか。次は脱小学生的テンプレの過程を中高生の教育課程で置かねばならない。
→ また同様の理屈で,高校生的小論文のやり方が今ひとつ指導されぬまま(または予備校や進学校の国語教員個人に丸投げして),AO入試や一般入試で小論文が問われるのだから,読書感想文・作文の指導法問題は重い。結果として大学生のレポートの文章が未熟という現象に帰着しているのだろう。
→ ちなみに,この意味合いで社会科の論述試験ってすごく良い訓練だと思うのだけどなぁ。大学生のレポートも,直接的な課題を与えた方がまだしも出来が良い,とはしばしば聞く話で。大学入試で有効活用しましょうよ。
→ ……ここまで書いて思ったのだが,論述試験の場合,オープンな課題よりクローズドな課題の方が解きやすいってどの程度世間的な共通認識なんだろう。オープンクエッションの方が解きやすいと思われているのならまず教員側からの教育から必要になるので,道は極めて険しくなる。
・明治大はなぜここまで急に評価を上げたのか(東洋経済)
→ 記事中に書いてあることをもう少し噛み砕いて書けば,明治は早慶の滑り止めと,ボリューム層の「チャレンジ」圏がちょうど重なってておいしいポジションを確立したのが最大の勝因だと思う。
→ ところで,同じMARCHでも,中央は山奥すぎて法学部以外は敬遠される傾向があり,青山はチャラいイメージが染み付いていて校風で回避する人がいる。法政は元から5大学で最も偏差値が低く「チャレンジ」圏としてのイメージは良くない。結果的に立教と明治が生き残ったところ,明治がさらに一歩抜きん出て,受験者数でトップ,偏差値でも早慶上智に近づいた。
→ じゃあそこで,なぜ明治が立教に勝ったのかと言えば,記事中にある通り,バンカラなイメージを消しつつチャラくなりすぎなかったブランドイメージの確立というのはやはり大きかろうと思う。国際日本学部の創設何かを見ても,実際にアピールは上手い。しかし,どうせなら立教大学他MARCHそれぞれとちゃんと比較した記事を読みたかった気も。
→ 明治は今後,偏差値が高くなりすぎて早慶に近づいてしまったため,ボリューム層の「チャレンジ」圏から外れてしまって人気が下がるジレンマにさいなまれるのではないかと思う。それが原因で偏差値が下がることは無かろうが,受験者数が下がろう。同じような偏差値帯に同志社があるが,あそこは立地を活かして「関西ではNo.1私大」というポジションを確保しているので問題ない。明治はむしろ「早慶とは違って手頃な大学だよ」アピールか,また何かしら別の手段が必要になってくるが,期待して待ってみたい。
・パリ、革命以来のパン不足 販売店が一斉バカンス 市民は制度廃止に恨み節(SankeiBiz)
→ 状況は全く違うものの,コメ不足のときの日本(1993年)を彷彿とさせる光景である。スーパーのパンはまずいから食べたくないとかいう辺りとか。記事の最後にもある通り,「ケーキ食っとけ」と「ブリオッシュ食っとけ」は多分誰しもが思いついたネタだろうが,約225年前と違って食糧自体が足りないのではなくて選り好みという……「ワガママ言うな,(相対的に)まずいパン食っとけ」という話であった。そういう意味では,根本的に米の種類が違ったタイ米の時よりパリ市民の反応は酷いのでは(輸入しといて捨てたわけではない点ではマシだが)。
・高騰する米国の教科書価格(Willyの脳内日記)
→ この話なんかも関連して思い出すところ。アメリカの大学教育,こと教科書の出版に関してはダメダメすぎるのでは。
Posted by dg_law at 02:08│Comments(2)│
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この記事へのコメント
明治の人気が上がって、それに伴い偏差値も上がったといっても東大、東工、一橋の滑り止めでもあり私学の雄である早慶との壁は依然厚いと思いますがね…
むしろ個人的には上智が心配です。
むしろ個人的には上智が心配です。
Posted by 通りすがり at 2015年10月20日 01:18
むしろ壁が厚いからこそ問題で,早慶上智と同じステージに上がれる(MARCH圏から完全に離脱する)なら,それはそれで良いことでしょう。
現実的にそれは難しいので,「手頃な偏差値でもなく,早慶レベルでもない」というイメージがついちゃうと,受験生が離れそうだなと。
上智大は早慶と別枠なので,ある意味安泰かと。
上智大の敵はICUと東京外大,早稲田の国際教養学部でしょうね。
英語という特権的優位性を失ったら,確かに危ういと思います。
現実的にそれは難しいので,「手頃な偏差値でもなく,早慶レベルでもない」というイメージがついちゃうと,受験生が離れそうだなと。
上智大は早慶と別枠なので,ある意味安泰かと。
上智大の敵はICUと東京外大,早稲田の国際教養学部でしょうね。
英語という特権的優位性を失ったら,確かに危ういと思います。
Posted by DG-Law at 2015年10月20日 10:16