2016年02月24日
最近読んだもの・買ったもの
・『乙女戦争』3巻。ターボル派のプラハ入城,フス派会議,フス派のミサとジシュカ暗殺未遂,ペスト流行,ユダヤ人街,解決,敵陣営の第二回十字軍旗揚げ。
→ 今巻はかなり創作要素が強く,史実から言えば全然動いていない。ただし,ターボル派のプラハ入城にかこつけたプラハ観光案内と,フス派会議によるフス派内の諸派の整理,中世のペストやユダヤ人の紹介といったフス戦争の本筋ではない部分の紹介が非常に優秀で,歴史の流れを追った1・2巻とは全く別の様相を呈している。プラハの天文時計は1410年頃の製作だそうで,本作での登場はできたてのようだ。また,今巻で紹介されているプラハのユダヤ人街に関するあれこれはおおよそ史実のようで,中世ヨーロッパの都市としては比較的ユダヤ人迫害が少なかったようである。1389年の虐殺までは。ラビのカロも彼が作った歌も実在する。作中で描写されているシナゴーグは現存し,写真と見比べると完全にそのままである。今巻の作者による巻末解説にある通り,ユダヤ人は必ずしもフス派と友好的な関係だったわけではなかったようで,作中の展開はかなり都合がいい。しかし,都合よくしてしまったからこそ,巻末解説でそう付け加えたのだろう。ペストの方も作中で1つ重大な嘘をついているが,これについても巻末解説で補われている。
→ 今巻の最後で,ジギスムントの娘エリーザベトがオーストリア大公アルブレヒト・フォン・ハプスブルクに嫁いでいる。作中のエリーザベトがかなり幼く描写されているが(実際にまだ11歳である),アルブレヒトの側は23歳であるから,現代の目からするとなかなかの年の差婚である。そしてジギスムントがエリーザベト以外の子を持たなかったため,神聖ローマ皇帝・ボヘミア王・ハンガリー王の座が転がり込んでくる。このうち後ろの2つはまだ二転三転するが,以後皇帝はハプスブルク家の世襲となっていく。さらっと流されたシーンだが,実は帝位がルクセンブルク家からハプスブルク家に渡る契機となった,歴史的には非常に重要なシーンだったりするのだ。もっとも,ジギスムントが死ぬのはフス戦争終結後の話なので,おそらく本作では描かれないか,薄い描写になるだろう。
→ そういえば,前回言及し忘れたヨハン・フニャディことフニャディ・ヤーノシュは,作中だとまだ利発な少年という様子だが,史実では後世とんでもなく活躍する傑物である。気になる方はググってください(漫画の超絶ネタバレになるけど)。
・『狼の口』7巻。シュヴァイツ砦の攻防戦。一度はスイス人反乱軍が攻め落とすも,オーストリア軍が奪還する。
→ 物語的にはほとんど動きがない。まあ山場を超えたので,そう大きくは動かせないか。モルガルテンの戦いは遠そう。
→ スイス人反乱軍は人的犠牲を払って砦を攻め落としたが,オーストリア軍は攻城兵器を使って一気に攻め落とした。財力の違いを見せつけてくれたわけだが,これがモルガルテンの戦いという野戦ではひっくり返されるわけで,今からカタルシスが楽しみである。
→ にしても,攻城兵器の威力が高すぎやしませんかね……ちょうどこの100年後の『乙女戦争』の頃の攻城兵器よりよほど強そうそうな描写が。中世西欧は城塞の守りやすさに対して攻城兵器が追いつかなかった(大砲が本格的に発展するまで)時代なので,実際よりも過激よりの本作の描写であっても,さすがに違和感が。
・『東方外來韋編』1巻。東方初の公式雑誌である。「紙媒体の雑誌の幻想入り」が進んでいるからこそ,紙媒体の雑誌を立ち上げてしまおうという何とも東方らしい企画。
→ 企画はまず東方の新作紹介(『東方紺珠伝』と『東方深秘録』)とZUN・海原海豚へのインタビュー。次に東方界隈で有名な同人サークルへのインタビュー。そして幻想郷人妖図鑑・用語辞典・東方香霖堂。最後に二次創作の漫画である。ZUNが書いている・しゃべっている部分はそう多くないので,神主の発言だけが目的で,「東方香霖堂はそのうち(数年後)単行本になる」と割り切るなら,無理して買うものではない。付録CDがついているが,全て二次創作のアレンジ曲である。
→ 幻想郷人妖図鑑と辞典はよくできている。人妖図鑑は神主執筆ではなく監修であるため,ファン目線の求聞史紀や口授とは少し違った紹介になり,データも最新作まで含めたものになっているので価値がある。まだ霊夢・魔理沙・咲夜・早苗の4人だけだが,継続して増えていくならこれも単行本にしてほしい。辞典の方も基本はよくできているのだが,一箇所ミスを見つけた。社会の項目で「電気が通ってない」「江戸末期の生活水準」と書かれているが,神主が「電気は通ってるんじゃないかな」と明言しているし,実際に各種公式漫画を読むに,江戸末期の生活水準ということはなかろう。現代並ではないにせよ,昭和前期くらいの生活水準は普通にあるように思う。
→ 香霖堂はめっちゃ笑った。そりゃ菫子と霖之助が接触したらそうなるよ。
→ 二次創作の漫画は,公式雑誌として納得しうる豪華な面々。水炊きさんの漫画が一番おもしろかった。
→ 今巻はかなり創作要素が強く,史実から言えば全然動いていない。ただし,ターボル派のプラハ入城にかこつけたプラハ観光案内と,フス派会議によるフス派内の諸派の整理,中世のペストやユダヤ人の紹介といったフス戦争の本筋ではない部分の紹介が非常に優秀で,歴史の流れを追った1・2巻とは全く別の様相を呈している。プラハの天文時計は1410年頃の製作だそうで,本作での登場はできたてのようだ。また,今巻で紹介されているプラハのユダヤ人街に関するあれこれはおおよそ史実のようで,中世ヨーロッパの都市としては比較的ユダヤ人迫害が少なかったようである。1389年の虐殺までは。ラビのカロも彼が作った歌も実在する。作中で描写されているシナゴーグは現存し,写真と見比べると完全にそのままである。今巻の作者による巻末解説にある通り,ユダヤ人は必ずしもフス派と友好的な関係だったわけではなかったようで,作中の展開はかなり都合がいい。しかし,都合よくしてしまったからこそ,巻末解説でそう付け加えたのだろう。ペストの方も作中で1つ重大な嘘をついているが,これについても巻末解説で補われている。
→ 今巻の最後で,ジギスムントの娘エリーザベトがオーストリア大公アルブレヒト・フォン・ハプスブルクに嫁いでいる。作中のエリーザベトがかなり幼く描写されているが(実際にまだ11歳である),アルブレヒトの側は23歳であるから,現代の目からするとなかなかの年の差婚である。そしてジギスムントがエリーザベト以外の子を持たなかったため,神聖ローマ皇帝・ボヘミア王・ハンガリー王の座が転がり込んでくる。このうち後ろの2つはまだ二転三転するが,以後皇帝はハプスブルク家の世襲となっていく。さらっと流されたシーンだが,実は帝位がルクセンブルク家からハプスブルク家に渡る契機となった,歴史的には非常に重要なシーンだったりするのだ。もっとも,ジギスムントが死ぬのはフス戦争終結後の話なので,おそらく本作では描かれないか,薄い描写になるだろう。
→ そういえば,前回言及し忘れたヨハン・フニャディことフニャディ・ヤーノシュは,作中だとまだ利発な少年という様子だが,史実では後世とんでもなく活躍する傑物である。気になる方はググってください(漫画の超絶ネタバレになるけど)。
・『狼の口』7巻。シュヴァイツ砦の攻防戦。一度はスイス人反乱軍が攻め落とすも,オーストリア軍が奪還する。
→ 物語的にはほとんど動きがない。まあ山場を超えたので,そう大きくは動かせないか。モルガルテンの戦いは遠そう。
→ スイス人反乱軍は人的犠牲を払って砦を攻め落としたが,オーストリア軍は攻城兵器を使って一気に攻め落とした。財力の違いを見せつけてくれたわけだが,これがモルガルテンの戦いという野戦ではひっくり返されるわけで,今からカタルシスが楽しみである。
→ にしても,攻城兵器の威力が高すぎやしませんかね……ちょうどこの100年後の『乙女戦争』の頃の攻城兵器よりよほど強そうそうな描写が。中世西欧は城塞の守りやすさに対して攻城兵器が追いつかなかった(大砲が本格的に発展するまで)時代なので,実際よりも過激よりの本作の描写であっても,さすがに違和感が。
・『東方外來韋編』1巻。東方初の公式雑誌である。「紙媒体の雑誌の幻想入り」が進んでいるからこそ,紙媒体の雑誌を立ち上げてしまおうという何とも東方らしい企画。
→ 企画はまず東方の新作紹介(『東方紺珠伝』と『東方深秘録』)とZUN・海原海豚へのインタビュー。次に東方界隈で有名な同人サークルへのインタビュー。そして幻想郷人妖図鑑・用語辞典・東方香霖堂。最後に二次創作の漫画である。ZUNが書いている・しゃべっている部分はそう多くないので,神主の発言だけが目的で,「東方香霖堂はそのうち(数年後)単行本になる」と割り切るなら,無理して買うものではない。付録CDがついているが,全て二次創作のアレンジ曲である。
→ 幻想郷人妖図鑑と辞典はよくできている。人妖図鑑は神主執筆ではなく監修であるため,ファン目線の求聞史紀や口授とは少し違った紹介になり,データも最新作まで含めたものになっているので価値がある。まだ霊夢・魔理沙・咲夜・早苗の4人だけだが,継続して増えていくならこれも単行本にしてほしい。辞典の方も基本はよくできているのだが,一箇所ミスを見つけた。社会の項目で「電気が通ってない」「江戸末期の生活水準」と書かれているが,神主が「電気は通ってるんじゃないかな」と明言しているし,実際に各種公式漫画を読むに,江戸末期の生活水準ということはなかろう。現代並ではないにせよ,昭和前期くらいの生活水準は普通にあるように思う。
→ 香霖堂はめっちゃ笑った。そりゃ菫子と霖之助が接触したらそうなるよ。
→ 二次創作の漫画は,公式雑誌として納得しうる豪華な面々。水炊きさんの漫画が一番おもしろかった。
Posted by dg_law at 07:30│Comments(0)