2016年06月03日
中国麻雀を打ってみた感想
友達と中国麻雀(麻将,国際麻将)を打ってみたので,その感想。
中国麻雀のルールはWikipediaなりニコニコ大百科なりを参照にしてほしいが,日本の麻雀との違いを端的に言えば
・リーチがない。
・ドラがない,というか王牌がない。(ただしドラに相当する物はある。日本の麻雀に比べて効力は弱いけど)
・フリテンがない。
・食い下がりという概念がなく,門前役も少ない(平和でさえ門前役ではない)。当然喰い替えも禁止にならないし,むしろ非常に重要な戦術になる。
・ツモ上がりが非常に強い。簡単に言えばロン上がりの3倍近い点数がもらえる。
・符がない代わりに,符も役扱いになる。カンチャンやペンチャンも役(一番安い1点役だけど)。なんと絶一門も1点役である。
・符が役扱いになるように役の数が多い(日本が約30種に対して約80種)。逆に言って,役が80種もあるからいって怯むことはない。
・1翻縛りに代わって,8点縛りがある。日本麻雀の2〜3翻縛りくらいの感覚だろうか,やや上がりへのハードルが高い。
(ただし,日本麻雀と役の点数が大きく異なるので,得意な打ち筋によってハードルの上がり方は異なると思う。たとえば同じ3役で比較して,メンタンピンは,リーチが存在しないので0点・タンヤオは2点で平和も2点なのでたったの4点で8点未達だが,トイトイ+三元牌は6点+2点で8点に到達する。ちなみに,七対子は24点,一気通貫が16点なのでこの2つは日本に比べて異様に点が高い。)
・親子がない。というよりも親はただのサイコロ振る係です。
・途中流局がない。ついでに言うと流局時のノーテン罰符もない。
以上のルールを踏まえた感想。同じ道具を使っていて4面子1雀頭は同じ,役も大部分重なるはずなのに全くゲーム性が違って,これはこれで非常に面白い。フリテンがなくリーチもないので,相手がテンパイしたタイミングや上がり牌が非常に読みづらく,捨て牌の読み合いはほとんど意味をなさない。せいぜい染め手か否かがわかる程度である。一方で,自分の欲しい牌の残り枚数が比較的重要で,より上がりやすく・より高い手を作るためには臨機応変に鳴いていく必要があるので,仮に全部食ってそろえるとするとという前提で相手の捨て牌を見ていくとけっこう効果がある。
上記にちらっと書いたが一気通貫がかなり強い手で,しかも一気通貫と三色同順(8点)の亜種が豊富に存在する。そのため,よほど配牌で染め手や対子が多くないかぎり,とりあえず平和(2点)の形に整えつつ,残り6点増やすには何の役が近いか,を考えていくのが基本戦略になる。中国麻雀の基本は三色三歩高と一色三歩高とよく言われるがこれは本当で,中国麻雀に多少なりとも興味がある人は,今日これだけは覚えて帰ってもらいたい。誤解を恐れずに言えば中国麻雀とは三色(一色)三歩高を作る派生でより高い役になることもあるゲームと言えるかもしれない。一色三歩高(16点)とは一気通貫の亜種で,123・345・567や123・234・345等の順子で成立する。三色三歩高(6点)は形が同じで,3つの順子の種類がバラバラ(筒子・索子・萬子)であれば成立する。三色三歩高は三色同順にも近い。ちなみに三色一気通貫もある(花龍と呼ぶ。123p・456s・789m等,8点)。
勘の良い人なら,この辺で喰い替えが非常に重要という意味に気づくだろう。たとえば123p・123s・345mの状況で4sが上家から流れてきたら鉄鳴きの極みとしか言いようがない。こんなのはあまり良い例ではないのだけれど,中国麻雀はこうした食うか食わないか,三色同順と三色三歩高と花龍(あるいは一気通貫と一色三歩高)のいずれを狙うかといった判断を迫られる回数が非常に多く,選択肢が多い分だけ戦略性の高いゲームに仕上がっていると言える。配牌から目指せるかどうかの可否を判断し,適切な箇所で鳴きあるいは流し,きっちり一色(三色)三歩高を仕上げて和了した時にはすごい快感であった。
となると,必要牌の場に出うる残り枚数も非常に重要になることにもお気づきになられただろうか。上記の例なら4sが切れたら死しかないわけで,さりとてベタオリもあまり意味が無いから(フリテンが無いので),切れたら切れたなりに“8点”を目指していくしかないのである。ゆえにフリテンはなくとも捨て牌を見るのは大事で,「三色同順を目指すなら◯と△と☓がいるが,△と☓があと1枚しかない。三色三歩高なら◯と□と◆がいるが,今のところ全部2枚以上生きてるな……じゃあ三歩高か……?」というのを瞬時に考えて手を作っていく必要がある。
順子系の話ばかりしているが,実のところ刻子系は順子系ほど役が充実しておらず,ちょっと自由度が低い。もっとも,これはトイトイ(碰碰和)自体が6点とそれなりに高く,三元牌(2点)か自風・場風牌(2点)があれば簡単に8点に到達する,七対子(24点)がチート級に強いという事情はあるだろう。そして驚くべきことに日本でいう十三不塔の系統が実に充実しており,しかも日本麻雀のように1巡目しか上がれないということがないので,どうにもなゴミ手だったらこれを目指すという手段もある。
この辺りが中国麻雀の真髄なのだろう。役が豊富なだけあって,相当なゴミ配牌でも,目を皿のようにして役一覧を探せば,何かしら8点にたどり着く救済措置が用意されている。しかし役が豊富であるがゆえに,配牌から見える無数にある選択肢から8点への最短距離を割り出すのも困難なら,刻々と変わる情勢を見て臨機応変に目指す役を変えていくのは相当に頭を使う。そしてこれが楽しいのである。機会があればまた打ちたい。
どうでもいいことその1。中国麻雀の特徴として,槓子が非常に強いというのがあり,明槓は存在しているだけで1点,同じように暗槓は2点,槓子が2つで4点,それが暗槓なら8点になり,三槓子は32点で清一色(24点)超えの評価である。三槓子は出にくさからいえば適正評価だと思うけど。嶺上開花も単体で8点であり,これだけで上がれるし,ツモ扱いになるので前述の通り実質点数が3倍になる。つまり,咲さんがとんでもなく強いのでは……ちなみに,地獄待ちも4点役扱いである(条件として副露と捨て牌で3枚見えている必要あり)。のどっちのスーパーコンピューターも細かい計算が多い中国麻雀でこそ生きる気がするし,清澄のためにあるルールなのでは(先鋒さんと次鋒さんは苦しいけど)。逆に衣ちゃんや淡ちゃんは涙目なのでは。「配牌と捨て牌どう組み合わせても国士無双(と七対子)以外で上がれない」とか「配牌で必ず5・6シャンテン」とか相当に難しい気が。
どうでもいいことその2。中国麻雀は役の名前がやたらとかっこいいので,中二心がうずくこと請け合い。一気通貫が「清龍」,三色一気通貫が「花龍」の時点でなんかもうかっこいいが,自分の中でも最大のヒット作「一色双龍会」は完全にチャイニーズマフィアの名前だと思う。三合会かな? ちなみに役満(64点)です。
中国麻雀のルールはWikipediaなりニコニコ大百科なりを参照にしてほしいが,日本の麻雀との違いを端的に言えば
・リーチがない。
・ドラがない,というか王牌がない。(ただしドラに相当する物はある。日本の麻雀に比べて効力は弱いけど)
・フリテンがない。
・食い下がりという概念がなく,門前役も少ない(平和でさえ門前役ではない)。当然喰い替えも禁止にならないし,むしろ非常に重要な戦術になる。
・ツモ上がりが非常に強い。簡単に言えばロン上がりの3倍近い点数がもらえる。
・符がない代わりに,符も役扱いになる。カンチャンやペンチャンも役(一番安い1点役だけど)。なんと絶一門も1点役である。
・符が役扱いになるように役の数が多い(日本が約30種に対して約80種)。逆に言って,役が80種もあるからいって怯むことはない。
・1翻縛りに代わって,8点縛りがある。日本麻雀の2〜3翻縛りくらいの感覚だろうか,やや上がりへのハードルが高い。
(ただし,日本麻雀と役の点数が大きく異なるので,得意な打ち筋によってハードルの上がり方は異なると思う。たとえば同じ3役で比較して,メンタンピンは,リーチが存在しないので0点・タンヤオは2点で平和も2点なのでたったの4点で8点未達だが,トイトイ+三元牌は6点+2点で8点に到達する。ちなみに,七対子は24点,一気通貫が16点なのでこの2つは日本に比べて異様に点が高い。)
・親子がない。というよりも親はただのサイコロ振る係です。
・途中流局がない。ついでに言うと流局時のノーテン罰符もない。
以上のルールを踏まえた感想。同じ道具を使っていて4面子1雀頭は同じ,役も大部分重なるはずなのに全くゲーム性が違って,これはこれで非常に面白い。フリテンがなくリーチもないので,相手がテンパイしたタイミングや上がり牌が非常に読みづらく,捨て牌の読み合いはほとんど意味をなさない。せいぜい染め手か否かがわかる程度である。一方で,自分の欲しい牌の残り枚数が比較的重要で,より上がりやすく・より高い手を作るためには臨機応変に鳴いていく必要があるので,仮に全部食ってそろえるとするとという前提で相手の捨て牌を見ていくとけっこう効果がある。
上記にちらっと書いたが一気通貫がかなり強い手で,しかも一気通貫と三色同順(8点)の亜種が豊富に存在する。そのため,よほど配牌で染め手や対子が多くないかぎり,とりあえず平和(2点)の形に整えつつ,残り6点増やすには何の役が近いか,を考えていくのが基本戦略になる。中国麻雀の基本は三色三歩高と一色三歩高とよく言われるがこれは本当で,中国麻雀に多少なりとも興味がある人は,今日これだけは覚えて帰ってもらいたい。誤解を恐れずに言えば中国麻雀とは三色(一色)三歩高を作る派生でより高い役になることもあるゲームと言えるかもしれない。一色三歩高(16点)とは一気通貫の亜種で,123・345・567や123・234・345等の順子で成立する。三色三歩高(6点)は形が同じで,3つの順子の種類がバラバラ(筒子・索子・萬子)であれば成立する。三色三歩高は三色同順にも近い。ちなみに三色一気通貫もある(花龍と呼ぶ。123p・456s・789m等,8点)。
勘の良い人なら,この辺で喰い替えが非常に重要という意味に気づくだろう。たとえば123p・123s・345mの状況で4sが上家から流れてきたら鉄鳴きの極みとしか言いようがない。こんなのはあまり良い例ではないのだけれど,中国麻雀はこうした食うか食わないか,三色同順と三色三歩高と花龍(あるいは一気通貫と一色三歩高)のいずれを狙うかといった判断を迫られる回数が非常に多く,選択肢が多い分だけ戦略性の高いゲームに仕上がっていると言える。配牌から目指せるかどうかの可否を判断し,適切な箇所で鳴きあるいは流し,きっちり一色(三色)三歩高を仕上げて和了した時にはすごい快感であった。
となると,必要牌の場に出うる残り枚数も非常に重要になることにもお気づきになられただろうか。上記の例なら4sが切れたら死しかないわけで,さりとてベタオリもあまり意味が無いから(フリテンが無いので),切れたら切れたなりに“8点”を目指していくしかないのである。ゆえにフリテンはなくとも捨て牌を見るのは大事で,「三色同順を目指すなら◯と△と☓がいるが,△と☓があと1枚しかない。三色三歩高なら◯と□と◆がいるが,今のところ全部2枚以上生きてるな……じゃあ三歩高か……?」というのを瞬時に考えて手を作っていく必要がある。
順子系の話ばかりしているが,実のところ刻子系は順子系ほど役が充実しておらず,ちょっと自由度が低い。もっとも,これはトイトイ(碰碰和)自体が6点とそれなりに高く,三元牌(2点)か自風・場風牌(2点)があれば簡単に8点に到達する,七対子(24点)がチート級に強いという事情はあるだろう。そして驚くべきことに日本でいう十三不塔の系統が実に充実しており,しかも日本麻雀のように1巡目しか上がれないということがないので,どうにもなゴミ手だったらこれを目指すという手段もある。
この辺りが中国麻雀の真髄なのだろう。役が豊富なだけあって,相当なゴミ配牌でも,目を皿のようにして役一覧を探せば,何かしら8点にたどり着く救済措置が用意されている。しかし役が豊富であるがゆえに,配牌から見える無数にある選択肢から8点への最短距離を割り出すのも困難なら,刻々と変わる情勢を見て臨機応変に目指す役を変えていくのは相当に頭を使う。そしてこれが楽しいのである。機会があればまた打ちたい。
どうでもいいことその1。中国麻雀の特徴として,槓子が非常に強いというのがあり,明槓は存在しているだけで1点,同じように暗槓は2点,槓子が2つで4点,それが暗槓なら8点になり,三槓子は32点で清一色(24点)超えの評価である。三槓子は出にくさからいえば適正評価だと思うけど。嶺上開花も単体で8点であり,これだけで上がれるし,ツモ扱いになるので前述の通り実質点数が3倍になる。つまり,咲さんがとんでもなく強いのでは……ちなみに,地獄待ちも4点役扱いである(条件として副露と捨て牌で3枚見えている必要あり)。のどっちのスーパーコンピューターも細かい計算が多い中国麻雀でこそ生きる気がするし,清澄のためにあるルールなのでは(先鋒さんと次鋒さんは苦しいけど)。逆に衣ちゃんや淡ちゃんは涙目なのでは。「配牌と捨て牌どう組み合わせても国士無双(と七対子)以外で上がれない」とか「配牌で必ず5・6シャンテン」とか相当に難しい気が。
どうでもいいことその2。中国麻雀は役の名前がやたらとかっこいいので,中二心がうずくこと請け合い。一気通貫が「清龍」,三色一気通貫が「花龍」の時点でなんかもうかっこいいが,自分の中でも最大のヒット作「一色双龍会」は完全にチャイニーズマフィアの名前だと思う。三合会かな? ちなみに役満(64点)です。
Posted by dg_law at 12:00│Comments(0)│