2016年08月19日
最近読んだもの・買ったもの
・『乙女戦争』6巻。クトナー・ホラの戦い前編。本編はあまり進んでいない。
→ クトナー・ホラの戦いは,フス派が皇帝軍によって包囲されたが,フス派がワゴンを縦列に変えて包囲を突破した戦いで,この点は史実と漫画で同じであるが,それ以外の点は大きく創作されており,全く展開が異なる。史実ではジシュカが遭難したりしておらず,包囲を破ったところで戦闘が終了したようだ。というよりも,皇帝の本陣が急襲された点も史実と同様ながら,当然バルバラは捕虜にされていない。史実では,本当は大して敗北していないのに,皇帝本陣が急襲されたことで全面的に敗勢濃厚であるとジギスムントが勘違いし,包囲を解いて撤退した,という流れのようである。6巻はジシュカが敗走して放浪し,ジシュカのいないフス派はヴラスタとシャールカの下で再建中,皇帝側は緒戦勝ったはいいものの皇后バルバラを奪われ兵糧も尽きかけで,双方手詰まりの状態で終わった。7巻でいかに展開するか。
→ ワゴンブルク戦術,そういえば確かに遊牧民の弓騎兵には弱いかも。機動力では勝てないし攻撃が山なりとあってはワゴンブルクの良さが消される。遊牧民の弓騎兵に勝つには銃火器の改善が必要だが,それはこの時代ではない。まだ銃火器はやっと戦場に立てるようになった原始的な段階にすぎない。
→ やっとアダム派との内部抗争が終わったところ,ジェリフスキーら強硬派と現実的なジシュカとの間で意見の対立が見られるようになってくる。ぶっちゃけて言うとここからまもなくジェリフスキーが死ぬのだけれど,ここも本作では史実から一捻り入りそう。
・『へうげもの』22巻。引き続き大坂冬の陣とその終戦。大坂城の堀埋め,桂離宮の本格的な造営開始,
→ 桂離宮の造営は確かに1615年頃に進んだようだが,織部がかかわったという記録はない。が,桂離宮には織部灯籠と呼ばれる灯籠が,造営を行った小堀遠州によって設置されている。上手い創作ではあるだろう。また,「笑意軒」なる建物は現存しており,これも上手い結びつけ。
→ 岩佐又兵衛・俵屋宗達に墨絵の依頼があったという話も自分の知る限りでは無いが,両名ともこの時期に画風を確立し,ぼちぼち美術史の表舞台に出てくるので,これも上手い結びつけと言えるかもしれない。又兵衛は「洛中洛外図屏風(舟木本)」の制作がこの時期で,宗達もまた「蓮池水禽図」の制作がこの時期である。というよりも第二百四十一席に出てくる襖絵が,もろに「蓮池水禽図」。織部は褒めているが手放しではないものの,烏丸光広や本阿弥光悦は衝撃を受けており,後世の評価を考えれば後者二人の反応の方が正しい。小堀遠州の美への評価でもそうだったが,本作の織部は一線ではなくすでに「理解ある老人」にすぎない。またこの時に烏丸光広が宗達を法橋に推薦しようという話をしているが,実際に宗達が法橋となったのはこの1630年頃と見られる。烏丸光広と俵屋宗達に交流があったのは事実。
→ さて,岩佐又兵衛は宗達から受けた衝撃の余り出奔してしまったが,『へうげもの』では洛中洛外図屏風が登場するのだろうか。期待して待とう。
・『東方外來韋編』2巻。内容はおおよそ1巻と同じ。
→ 巻頭は黄昏フロンティア特集。まず,ZUNと海原海豚の対談。1巻ではバラバラにインタビューだったが,今回は対談である。ひょっとして同時収録では……。「ありそうでなかった対談」と言われているが,確かにそういえば読んだことなかったかも。ただ,内容は1巻の海原海豚へのインタビューとかなりかぶっていて,あまり目新しいところは無かった。
→ もうひとつがZUNとあきやまうにの対談。ZUNが「石鹸屋さんが言ってたけど,最初の頃のアレンジしてたときは比較的アレンジしやすかったんだけど,今東方の曲が出てくると,音を変えちゃうみたいになっちゃうって。」と言っていて,あきやまうにが「みんな言いますねそれ」と返事していたのはおもしろかった。ZUNとしては強いメロディーに頼っていない証拠で,「曲が完成に近づいてきている」とのこと。これはあるかも。聞き専の素人意見だが,最近の東方曲はキャッチーさが無くメロディアスさもあまりない気が。それが良いか悪いかは別として。
→ 続いて過去作品紹介として,紅魔郷から永夜抄までの3作が紹介されている。もっとも,雑誌読者のほとんどは当然知っている作品であるので,基本的な情報はさらっと流されている。注目すべきは神主がステージごとにコメントをつけているところで,永夜抄の1面は「なんで虫になったか覚えてない」とか,4面は「本当は4人ボスにしたかったが,時間がなくて2人になった」とか,裏話がいろいろ書いてある。また「いきなり永夜抄が発表されたら,『ちょっと設定の内容が難しくて,かぐや姫が出てくるシューティングゲーム』って紹介されて終わってしまう」から,紅魔郷で東方の世界を作り,妖々夢で弾幕にストーリーを与えて,やっと"東方世界に生きるかぐや姫”としての永夜抄を出せた,なんて話しも意外と初出では。
→ 幻想郷人妖図鑑はレミリア・フラン・紅美鈴・パチュリー・妖夢・幽々子・八雲一家・輝夜・永琳・てゐ・優曇華・妹紅・アリス。一気に消化した感が。引き続きよくできていて,往年の東方ファンでも読み応えがある。ただ,アリスを元人間と断定してしまったのはどうかと。
→ クトナー・ホラの戦いは,フス派が皇帝軍によって包囲されたが,フス派がワゴンを縦列に変えて包囲を突破した戦いで,この点は史実と漫画で同じであるが,それ以外の点は大きく創作されており,全く展開が異なる。史実ではジシュカが遭難したりしておらず,包囲を破ったところで戦闘が終了したようだ。というよりも,皇帝の本陣が急襲された点も史実と同様ながら,当然バルバラは捕虜にされていない。史実では,本当は大して敗北していないのに,皇帝本陣が急襲されたことで全面的に敗勢濃厚であるとジギスムントが勘違いし,包囲を解いて撤退した,という流れのようである。6巻はジシュカが敗走して放浪し,ジシュカのいないフス派はヴラスタとシャールカの下で再建中,皇帝側は緒戦勝ったはいいものの皇后バルバラを奪われ兵糧も尽きかけで,双方手詰まりの状態で終わった。7巻でいかに展開するか。
→ ワゴンブルク戦術,そういえば確かに遊牧民の弓騎兵には弱いかも。機動力では勝てないし攻撃が山なりとあってはワゴンブルクの良さが消される。遊牧民の弓騎兵に勝つには銃火器の改善が必要だが,それはこの時代ではない。まだ銃火器はやっと戦場に立てるようになった原始的な段階にすぎない。
→ やっとアダム派との内部抗争が終わったところ,ジェリフスキーら強硬派と現実的なジシュカとの間で意見の対立が見られるようになってくる。ぶっちゃけて言うとここからまもなくジェリフスキーが死ぬのだけれど,ここも本作では史実から一捻り入りそう。
・『へうげもの』22巻。引き続き大坂冬の陣とその終戦。大坂城の堀埋め,桂離宮の本格的な造営開始,
→ 桂離宮の造営は確かに1615年頃に進んだようだが,織部がかかわったという記録はない。が,桂離宮には織部灯籠と呼ばれる灯籠が,造営を行った小堀遠州によって設置されている。上手い創作ではあるだろう。また,「笑意軒」なる建物は現存しており,これも上手い結びつけ。
→ 岩佐又兵衛・俵屋宗達に墨絵の依頼があったという話も自分の知る限りでは無いが,両名ともこの時期に画風を確立し,ぼちぼち美術史の表舞台に出てくるので,これも上手い結びつけと言えるかもしれない。又兵衛は「洛中洛外図屏風(舟木本)」の制作がこの時期で,宗達もまた「蓮池水禽図」の制作がこの時期である。というよりも第二百四十一席に出てくる襖絵が,もろに「蓮池水禽図」。織部は褒めているが手放しではないものの,烏丸光広や本阿弥光悦は衝撃を受けており,後世の評価を考えれば後者二人の反応の方が正しい。小堀遠州の美への評価でもそうだったが,本作の織部は一線ではなくすでに「理解ある老人」にすぎない。またこの時に烏丸光広が宗達を法橋に推薦しようという話をしているが,実際に宗達が法橋となったのはこの1630年頃と見られる。烏丸光広と俵屋宗達に交流があったのは事実。
→ さて,岩佐又兵衛は宗達から受けた衝撃の余り出奔してしまったが,『へうげもの』では洛中洛外図屏風が登場するのだろうか。期待して待とう。
・『東方外來韋編』2巻。内容はおおよそ1巻と同じ。
→ 巻頭は黄昏フロンティア特集。まず,ZUNと海原海豚の対談。1巻ではバラバラにインタビューだったが,今回は対談である。ひょっとして同時収録では……。「ありそうでなかった対談」と言われているが,確かにそういえば読んだことなかったかも。ただ,内容は1巻の海原海豚へのインタビューとかなりかぶっていて,あまり目新しいところは無かった。
→ もうひとつがZUNとあきやまうにの対談。ZUNが「石鹸屋さんが言ってたけど,最初の頃のアレンジしてたときは比較的アレンジしやすかったんだけど,今東方の曲が出てくると,音を変えちゃうみたいになっちゃうって。」と言っていて,あきやまうにが「みんな言いますねそれ」と返事していたのはおもしろかった。ZUNとしては強いメロディーに頼っていない証拠で,「曲が完成に近づいてきている」とのこと。これはあるかも。聞き専の素人意見だが,最近の東方曲はキャッチーさが無くメロディアスさもあまりない気が。それが良いか悪いかは別として。
→ 続いて過去作品紹介として,紅魔郷から永夜抄までの3作が紹介されている。もっとも,雑誌読者のほとんどは当然知っている作品であるので,基本的な情報はさらっと流されている。注目すべきは神主がステージごとにコメントをつけているところで,永夜抄の1面は「なんで虫になったか覚えてない」とか,4面は「本当は4人ボスにしたかったが,時間がなくて2人になった」とか,裏話がいろいろ書いてある。また「いきなり永夜抄が発表されたら,『ちょっと設定の内容が難しくて,かぐや姫が出てくるシューティングゲーム』って紹介されて終わってしまう」から,紅魔郷で東方の世界を作り,妖々夢で弾幕にストーリーを与えて,やっと"東方世界に生きるかぐや姫”としての永夜抄を出せた,なんて話しも意外と初出では。
→ 幻想郷人妖図鑑はレミリア・フラン・紅美鈴・パチュリー・妖夢・幽々子・八雲一家・輝夜・永琳・てゐ・優曇華・妹紅・アリス。一気に消化した感が。引き続きよくできていて,往年の東方ファンでも読み応えがある。ただ,アリスを元人間と断定してしまったのはどうかと。
Posted by dg_law at 19:00│Comments(0)