2016年10月06日

最近読んだもの・買ったもの

・『ゴールデンカムイ』8巻。夕張編(江渡貝)編,偽刺青人皮の誕生,谷垣の過去編。
→ 舞台は日高から夕張へ……ってアレ,戻ってない? アイヌにニシン漁,競馬に炭鉱まで出てきて,実は本作は明治の北海道紹介漫画というのが一番正しい表現なのでは。
→ 土方がのっぺらぼうの正体を「ロシア出身のアイヌ」で「反政府パルチザン」と推測していた。この推測が正しければ,作中でほのめかされている通りキロランケも同様の出自であり,あからさまな裏切りフラグである。
→ 『ゴールデンカムイ』の変態コレクション,江渡貝くんは人皮から作る剥製マニアであった。本当に気持ちの悪いド変態が出てきて,あまりの気持ち悪さに笑ってしまった。さらっと母君が「あなたを去勢した」とか言ってて,なんかこう小技が効いてる感が。
→ ところで,本作の特徴である淡々とした豆知識の補足,ファッションショーに関する記述は事実ですが(シャルル・フレデリック・ウォルトはオートクチュールの始祖でもある),キャットウォークについては嘘だと思います(そもそもキャットウォークは歩き方のことではない)。
→ 第7師団,二階堂もすっかり病んでいて,素面っぽく見えるけど平然と付き合っている月島さんも大概である。大丈夫なんですかねあの中隊。
→ アイヌの女占い師インカラマッも鶴見中尉の協力者であった。これは正体が露見した後,谷垣は困るだろう。すっごいフラグが立ってる。
→ 行者にんにくはちょっとしたツテがあって時々食べるのだけど,味噌つけて食うとマジで美味い。


・『火ノ丸相撲』11巻。童子切安綱VS鬼丸国綱。
→ 川田先生が作者コメントで本作のリアリティについて,貴花田(後の貴乃花)の幕内昇進17歳8ヶ月を出して言及していた。私も貴乃花の事例を出して言及したことがあるが,やっぱりそうなるよなと。稀勢の里も18歳3ヶ月で幕内に昇進しているし,むしろ漫画がなかなか現実を上回れない事例かも。
→ 天王寺獅童,高2にして昨年度のアマチュア横綱だった。高校生も確かに出場できるが大学生・社会人もいるのでそうそう勝ち上がれまい……と思いきや,実は現実に高校生でアマチュア横綱を取ってしまった事例がある。つまり,これもリアリティの無い設定では決して無かったりする。
→ ところで火ノ丸相撲連載開始当初には三段目付出の制度はなかったのだけれど,作中で言及していた。「日本出身力士は10年優勝していない」という設定もそうだが,本作はベースになる年度が固定されていない。作中での時間経過は半年も経ってないが,すでに現実世界の2014〜16年の様相が完全に混ざっているというおもしろい現象が生じている。
→ 鳥取白楼高校のモデルは明らかに鳥取城北高校だったが,本作の横綱刃皇関もその出身と判明した。とすると刃皇のモデルはやはり白鵬になるが,作中での描写はむしろ朝青龍に近く,あえて特定されないように混ぜてあるのかも。
→ 火ノ丸母が亡くなっているのが明示されたのは,ここが初めてか? 
→ この生き急いでいる漫画,さくさくとライバルキャラと主人公を当ててくる。それにしてもここで天王寺戦を消化してしまったのはもったいなかったような。久世戦以上に負けが見えてたし。しかし,連載を見ていると13巻か14巻あたりでリベンジマッチがあるようなので,期待しておこう。


・『ご注文はうさぎですか?』5巻。ココア帰省編,チマメ隊の高校見学編,文化祭編等。
→ 季節は2年目の夏から秋にかけて。ちょっとずつ時間が進んでいる。高校見学の様子からすると,チノはココア・千夜の高校,マヤとメグはリゼとシャロの高校に行く感じだろうか。というよりもその頃にはリゼは卒業しているが,そこまでやるのかな……と考えると,リゼの卒業で区切りなら,実は作品寿命がそんなに長くなく,作品内時間であと半年未満である。そう考えると寂しくなってきた。リゼ卒業後も続いて欲しいかな。
→ 文化祭編は登場人物全員が同じ学校だったら,という感じでとても良かった。本作は主要登場人物の学校が別というのが一つユニークなポイントではあるけど,だからこそこの話は貴重な一瞬というのがよく出ていて,ちょっと感動さえしてしまった。前述の作品寿命のこともあって,しんみりしていたせいもあるかもしれない。

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