2016年12月07日

最近読んだもの・買ったもの(『NEW GAME』3・4・5巻)

・『NEW GAME!』3・4・5巻。
→ 「実は3巻からが本番」とは言われていたが本当にそうだった。断言するが,本作は3巻で化けます。アニメから入った人は5巻までまとめて買って損はない。これは「二期はよ」って言われちゃうわ。

・以下ネタバレ注意。3巻のハイライトはビジュアルコンペで青葉が勝ってしまった後の展開で,言うまでもなく昔のコウの経験があり,2巻ラストの青葉の「理想の上司です!」があっての,この展開。まだまだ“クリエイター精神”なるものがつかめておらず不用意な発言をしてしまう青葉に,自分が大人にならなくちゃいけないのに咄嗟にそうはできないコウ。仕事なので,クリエイター同士なので,人間そうそうなかなか上手くはいかない。その上で作品の質を上げていくにはどうしたらよいかというのは実体験を踏まえても身につまされる話

・4巻はキービジュアルコンペの話が最高であった。ここでもクリエイターの精神を尊重したい(そして青葉にも尊重するようになって欲しいと願う)八神コウと,尊敬する気持ちが上回って一歩引いちゃう青葉の関係性が,もう何とも言えず尊い。青葉がコウにけしかけられてクリエイターの挟持を身につけるシーンでもあるし,尊敬する人の凄さを再認識するシーンでもある。50話の青葉の「あぁ…凄いなぁ…」は思わず青葉にもらい泣きさせられた

・話の本筋以外でも本作は3巻以降でずいぶんと深まっていて,これについてはtoppoiさんが大いに語っているところなのでリンクを張っておこう。本当に1・2巻では単調でテンプレなキャラ造形に近かったものが,少しずつずれつつ重なっていくことでテンプレを脱し,飛躍的に引き出しが増えていっておもしろさも増していく。toppoiさんも挙げているが,ギャグ回でのハイライトは4巻の46話の肉じゃがメッセ回で,ひふみのコミュ障とコウの天然さ,りんの嫉妬心が見事にクロスした瞬間であった。ひふみが青葉やはじめ・ゆんほど年齢が離れておらず,ある程度昔のコウ・りんを知っているからこその関係性でもあるかなと。ひふみが本気でコウの鈍さに苛立っているところで一番大爆笑した。あのコウちゃんはいくらなんでもひどいw。

・5巻は本編から離れての全編書き下ろし,青葉の高校時代編。ねねっちはきらら女子大に進学するわけですが,アニメでモデルになっていた大学そのままとすると「私は入れそうなところに入る」「(選んだ理由は)近いから」という人によっては殺意の波動が生じそうなセリフを吐いているので,ある意味必見。多分,作者自身は全く考えていなかったと思われるが,「教科多い」「滑り止めの方は遠方」あたりは国立のあの大学とするとリアリティが微妙にあって怖い。





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