2017年06月19日

最近読んだもの・買ったもの

怒涛の勢いで消化しているが,まだ発売日2月の物品である。

・『アルテ』6巻。ヴェネツィア編の続き。
→ ヴェネツィア貴族のお嬢様カタリーナさんは,男児を期待する父親に放置され,父親に物を強く言えない母親の様子もわからず,熱心に世話してくれた乳母は亡くなり,兄のように慕っていた乳母の息子とも生き別れたという情況だった。だから乳母親子のことが忘れられず,いっそのこと平民になりたいとして,問題児の振りをしていたのである。しかし,再会した乳母の長男に「生まれは変えられない。目の前の情況を受け入れて,前に進むしかない」と説得され,両親に向き合う決意を固める。そして母親と和解する。
→ これは4巻で,アルテが自らの出自(貴族)を受け入れるかどうかがヴェネツィア行きのテーマとして示されているから,この事件を体験させることで,テーマの消化も一歩前進する。逆境に立ち向かうにはなりふりかまってはいられない,使えるものは全部使う,それが自らの幸せになるのなら。本作では,情況を受け入れないことと受け入れること,受け入れた上で立ち向かうのは全部違うのである。この点,カタリーナは今回受け入れた上で立ち向かうことにした。さて,貴族である自らの出自にまだ答えの出せないアルテさんは……というところで,7巻はまだヴェネツィア編が続く模様。
→ ヴェネツィアングラスの島,ムラーノ島が登場。フィレンツェでは毛織物工場が登場したので,こちらも登場させたかったのだろう。毛織物工場は行程がいくつもあってマニュファクチュアの先駆けという雰囲気だったが,ガラス工場は職人の集まりのような雰囲気であった。


・『ダンジョン飯』4巻。地下5階,レッドドラゴン戦。ファリンの蘇生。
→ レッドドラゴン編はこの漫画らしからぬマジなバトルだったが,本当に勝てるのかという緊張感が強くておもしろかった。そして,終わったらやっぱり食すのであるが,ドラゴン肉は固いらしい。
→ 地下5階は中世ヨーロッパ風の城下町だが,部分的には古代ローマ都市になっている。公衆浴場も生きている。
→ ファリンはこの兄にしてこの妹という感じ。この人も絶対魔物食好きよね……
→ ファリンの蘇生は非常事態につき,マルシルがこっそり知ってた黒魔術を使ってしまったわけだが,どうやらこれが第2部とも言うべき5巻以降の展開にかかわってくる模様。ライオスは一度地上に戻ると言っているが,戻れない展開になるのだろう。第2部はやはりダンジョンの謎を解くべく,さらに深く潜っていく展開になるのだろうか。


・『プリニウス』5巻。プリニウス一行の船旅,ストロンボリ島の火山噴火。
→ 歴史物としての進行という点では休憩巻で,ほとんど話が進んでいないし,時間も経過していない。
→ プリニウスと出会った老人が「パルミラでセレス(中国)を見た」といい「平たい顔の人種」と呼称していたが,こんなところで『テルマエ・ロマエ』ネタが。しかし,現実的に言って当時はまだ甘英すらシリアに到達していない時代であるから,漢民族がシリアまで行商に来ていたという可能性は極めて薄い。完全にロマンネタである。まあ本作は『博物誌』に登場する架空の亜人種が多様に登場するので,それに比べると実在する漢民族が紛れ込んでいても不自然ではない。
→ 震災に遭ったポンペイで,復興工事のためテルマエを休業するべきという要請をつっぱねる経営者のオヤジがどう見てもトランプ大統領である。時事ネタというか,どこにでも登場するなトランプさん。確かに使いやすいキャラでわかりやすい顔立ちではあるが。なお,このオヤジはフスクスというが,巻末の対談によると実在とのこと。
→ プリニウス一行はネアポリスからレプキス(レプティス)・マグナへ向かう模様。レプキス・マグナといえば後にセプティミウス・セウェルスが登場することになるリビアの都市である。かなりの古代ローマ好きでなければ知らない地名であるにもかかわらず何の説明もなくさらっと出てきたが,確かに本作の読者層なら注釈なしに通じそう。
→ アフリカからネアポリスに来た船の積荷は象牙と奴隷。逆にネアポリスからアフリカに行く船の積荷はワインと羊毛,革のようである。
→ なお,全然知らなかったのだが,いくつかある噴火形態の分類の1つにストロンボリ式噴火,またプリニー式噴火があるらしい。プリニー式噴火はヴェスヴィオ火山が典型例であるから,その対比でストロンボリ島の火山を出しておきたかったらしい。

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