2017年08月27日
最近読んだもの・買ったもの
・『ゴールデンカムイ』10巻。旭川の白石奪還作戦。鯉登少尉の登場。
→ 作中登場する有坂成蔵は実在しない……が,明らかなモデルがいる。有坂成章というらしい。Wikipediaにある通り,三十年式歩兵銃を発明した人物。この人が中将(最終階級でもある)に昇進したのは1906年とのことなので,有坂成蔵=有坂成章とするなら,本作はやはり1906年以降であり,以前考察した1907〜08年頃という推論と矛盾しない。さらに,有坂中将が「これからは飛行機の時代」と言っているが,ご存じの通りライト兄弟の飛行実験成功が1903年。有坂中将が最新の国産武器として三八式歩兵銃・機関銃を鶴見に紹介しているが,これも開発は1905年,「三八式歩兵銃を開発した部下の南部」は実在の南部麒次郎のことだろう。ここに来て年代を特定できる情報や,この時代特有の物体が一気に増えた。そしてこの連中のどうしようもない会話を真顔で受け流しつつもちゃっかりコマの端には居続ける月島軍曹好き。
→ 三船千鶴子も実在しない……が,御船千鶴子なら実在した。彼女らによる千里眼ブームが起きるのは1909年頃であるから,その直前の時期と言える。作中の義兄が三船千鶴子を「出戻り」と言っているが,実際の御船千鶴子も離婚歴がある。また,この義兄は御船千鶴子と同じなら姉の夫であり,確かに御船千鶴子を超能力者として売り出そうとした張本人という点も同じ。なお,その後の御船千鶴子は1910年に公開実験,世間に信用されないことを苦に1911年に自殺している。
→ パウチカムイが住むパウチチャシを通過。珍しく作中に補足がないが,現在は層雲峡と呼ばれる峡谷観光地・温泉郷となっている。また一つ行きたい聖地巡礼地が増えてしまった。そして変なところで元ネタかぶりが。まさか『咲-Saki-』と『ゴールデンカムイ』でねぇ……w。
→ 戦争から心が戻ってこない大人たちの物語である『ゴールデンカムイ』。アシㇼパさんはアイヌにとっても新しい女だが,本作の主要人物たちにとっても唯一の子供,新しい世代の代表者なのだ。杉元を気遣うアシㇼパさん。99話のラストは,さりげなく本作の核心の一つを突いている名シーンだった。
・『ヒストリエ』10巻。カイロネイアの戦いの決着,エウメネスが「王の左腕」候補に選ばれる。
→ カイロネイアの戦いは王子アレクサンドロスの異常性がいかんなく発揮されたが,発揮されただけで戦いの大勢には全く影響しなかったところが,創作としてはちょうどいい塩梅だったのかもしれない。
→ 時系列は前337年まで進んだ。翌年とうとうフィリッポス2世が死ぬ。ここまで来たなら,そこまではさくさく進んでほしいところ。
・『がっこうぐらし』9巻。大学編,一時完結? 武闘派が壊滅。くるみ復帰。りーさんはちょっと回復。
→ 基本的に大学編のごたごたを片付けただけの解決編で,大学編自体,話の本筋が大きく進んだ章ではなかった。ゾンビについて言えば,「空気感染という経路もある」「今無事な人間の多くは空気感染に免疫があると考えられる」という情報が新しいくらいか。次はいよいよ本丸,ランダルコーポレーションかな。
→ 「最終的にどちらもゾンビに食われそう」と8巻の感想に書いたら,男のリーダーの方はすでに感染していた。女の方は生き残りそうな,そうでないような描写で終わったが,いずれにせよ再登場しそう。
・『ひとはけの虹』3巻(完結)。ルーベンスの続き,グイド・レーニ,そして最後にカレル・ファブリティウスとフェルメール。
→ カレル・ファブリティウスは本作に出てくる画家では知名度が低い部類に入るが,レンブラントとフェルメールをつなぐミッシングリンクとして近年注目が高い。それをこう使ってきて,本作の最後に登場する画家をフェルメールにしたのは上手い。
→ 案外早く終わってしまった。題材が特殊すぎてあまり売れなかったのだろうか。まずまずおもしろかったのだが。次回作はシシーことエリザベート皇妃とその侍女が主役っぽい『エルジェーベト』だそうで。
→ Cuvie絵を見る機会が減って寂しくなったので,今からでも『絢爛たるグランドセーヌ』でも追おうかしら。
→ 作中登場する有坂成蔵は実在しない……が,明らかなモデルがいる。有坂成章というらしい。Wikipediaにある通り,三十年式歩兵銃を発明した人物。この人が中将(最終階級でもある)に昇進したのは1906年とのことなので,有坂成蔵=有坂成章とするなら,本作はやはり1906年以降であり,以前考察した1907〜08年頃という推論と矛盾しない。さらに,有坂中将が「これからは飛行機の時代」と言っているが,ご存じの通りライト兄弟の飛行実験成功が1903年。有坂中将が最新の国産武器として三八式歩兵銃・機関銃を鶴見に紹介しているが,これも開発は1905年,「三八式歩兵銃を開発した部下の南部」は実在の南部麒次郎のことだろう。ここに来て年代を特定できる情報や,この時代特有の物体が一気に増えた。そしてこの連中のどうしようもない会話を真顔で受け流しつつもちゃっかりコマの端には居続ける月島軍曹好き。
→ 三船千鶴子も実在しない……が,御船千鶴子なら実在した。彼女らによる千里眼ブームが起きるのは1909年頃であるから,その直前の時期と言える。作中の義兄が三船千鶴子を「出戻り」と言っているが,実際の御船千鶴子も離婚歴がある。また,この義兄は御船千鶴子と同じなら姉の夫であり,確かに御船千鶴子を超能力者として売り出そうとした張本人という点も同じ。なお,その後の御船千鶴子は1910年に公開実験,世間に信用されないことを苦に1911年に自殺している。
→ パウチカムイが住むパウチチャシを通過。珍しく作中に補足がないが,現在は層雲峡と呼ばれる峡谷観光地・温泉郷となっている。また一つ行きたい聖地巡礼地が増えてしまった。そして変なところで元ネタかぶりが。まさか『咲-Saki-』と『ゴールデンカムイ』でねぇ……w。
→ 戦争から心が戻ってこない大人たちの物語である『ゴールデンカムイ』。アシㇼパさんはアイヌにとっても新しい女だが,本作の主要人物たちにとっても唯一の子供,新しい世代の代表者なのだ。杉元を気遣うアシㇼパさん。99話のラストは,さりげなく本作の核心の一つを突いている名シーンだった。
・『ヒストリエ』10巻。カイロネイアの戦いの決着,エウメネスが「王の左腕」候補に選ばれる。
→ カイロネイアの戦いは王子アレクサンドロスの異常性がいかんなく発揮されたが,発揮されただけで戦いの大勢には全く影響しなかったところが,創作としてはちょうどいい塩梅だったのかもしれない。
→ 時系列は前337年まで進んだ。翌年とうとうフィリッポス2世が死ぬ。ここまで来たなら,そこまではさくさく進んでほしいところ。
・『がっこうぐらし』9巻。大学編,一時完結? 武闘派が壊滅。くるみ復帰。りーさんはちょっと回復。
→ 基本的に大学編のごたごたを片付けただけの解決編で,大学編自体,話の本筋が大きく進んだ章ではなかった。ゾンビについて言えば,「空気感染という経路もある」「今無事な人間の多くは空気感染に免疫があると考えられる」という情報が新しいくらいか。次はいよいよ本丸,ランダルコーポレーションかな。
→ 「最終的にどちらもゾンビに食われそう」と8巻の感想に書いたら,男のリーダーの方はすでに感染していた。女の方は生き残りそうな,そうでないような描写で終わったが,いずれにせよ再登場しそう。
・『ひとはけの虹』3巻(完結)。ルーベンスの続き,グイド・レーニ,そして最後にカレル・ファブリティウスとフェルメール。
→ カレル・ファブリティウスは本作に出てくる画家では知名度が低い部類に入るが,レンブラントとフェルメールをつなぐミッシングリンクとして近年注目が高い。それをこう使ってきて,本作の最後に登場する画家をフェルメールにしたのは上手い。
→ 案外早く終わってしまった。題材が特殊すぎてあまり売れなかったのだろうか。まずまずおもしろかったのだが。次回作はシシーことエリザベート皇妃とその侍女が主役っぽい『エルジェーベト』だそうで。
→ Cuvie絵を見る機会が減って寂しくなったので,今からでも『絢爛たるグランドセーヌ』でも追おうかしら。
Posted by dg_law at 01:49│Comments(0)