2017年09月21日

最近読んだもの・買ったもの(『東方文果真報』他)

ようやく6月発売のものにたどり着いた。

・『東方文果真報』。
→ 東方のひねくれた書籍その第……何弾だっけ。週刊誌風の体裁でフェイクニュースブーム(?)に乗っかったもの。フェイクニュースの話題はすぐに過ぎ去るだろうと読み,数年後には幻想郷入りしていそうなことを予測しての本誌となった。そういう事情もあって時事ネタが乱発されている。まさかのトランプ大統領ネタまで。「どうせいつか全部幻想入りするんだから」という開き直りが使えるのは強い。
→ フェイクニュースの内容は,東方の雰囲気を知っている読者には大体真相がすぐにわかる仕様で,射命丸さんがどういう風に事実を捻じ曲げて報道しているのか推測しながら読むとおもしろい書籍。
→ 「水素水」ネタと「白砂糖の恐怖」ネタがぶっこんであったのはちょっと驚いた。水素水はともかく砂糖で来るとは,科学の子である神主もニセ科学ネタは気になるところなのだろうか。お子さんもいるし。
→ 週刊誌なので,ちょっとエロスな袋とじグラビア(という名のフルカラーイラスト)もあり。東方公式でここまで露骨なエロスを投げてきたの,さりげなく初めてでは。神主の冒険が見られる。





・『へうげもの』24巻。大坂夏の陣開戦から終戦まで。秀頼は気絶させられて大坂城を脱出,淀君・大野治長らは自害。真田信繁らは戦死。織部は監禁状態,重嗣は秀頼の子を匿って金森宗和とともに逃避行の旅へ。
→ 何が何でも織部を殺したい猜疑心の塊になっている家康と,なんとか織部を助命したい秀忠,豊臣を完全に滅亡させる気はない諸将と,徳川軍が全く団結できていない。しかしながら圧倒的な物量で豊臣軍を押しつぶしてしまう。無粋を尽くして真田信繁を討ち取った家康と,織部の「ひょうげ」を用いて危機を脱出した秀忠・柳生宗矩という差も,今後の展開を考えると趣深い。
→ 本巻最後に出てくる粟田(口)焼について。金森宗和が後押しをしていたのは事実。ここで登場する野々村清右衛門は,後に野々村仁清を名乗り,粟田焼から自立して御室焼を開くことになる。しかし,野々村仁清というと活躍したのは本作から約30年後の1640〜50年代であるから,この頃は相当に若いはずである。作中の容貌はそこから考えると少々老すぎにも見えなくもない。


・『NEW GAME!』6巻。新人の入社と,『PECO』の完成・発売,八神コウのフランスのゲーム会社への出向。
→ 新人二人がそれぞれ別方向に向上心がありすぎて何かずれているという。ラフな格好が許される社風とはいえ,パジャマのまま出社する紅葉さんは確実にヤバイ子。ただ,周りを全く気にしていないとか,コミュニケーションの必要性を感じていないとかいうほど振り切れてはおらず,完全に空気が読めないわけでもなく,気を使われたらそれに気づけるし,単純に「真面目すぎて何かがずれている」子。振り切れていない分,かえって珍しいキャラ造形かもしれない。上手く話せないせいで引っ込み思案になっているけど空気はめちゃくちゃ読めるひふみんとは上手くいってるけど,基本的に天然で空気は読まなくても多くの人と自然にコミュニケーションができてしまうタイプの青葉とは噛み合ってないというのが絶妙にリアル。そんな紅葉が八神やひふみんを介して青葉を理解して,次第に職場に溶け込んでいくのは読んでいてい安心した。でも根本的に治ったわけではないから,この子はほっとくとまたパジャマで出社するんだろうなw
→ そして八神コウはフランスへ。フランスに関係者が集まっているし,明らかにフランス編が本編に挟み込まされて進んでいく雰囲気。遠山さんはもっと引き止めるかと思ってたけど,案外すんなりと。まあ,付き合いが長い分,八神本人にああ言われたら納得するしか。一方で青葉は濃密な1年間だっただけに,あの別れの挨拶の後もしばらくは放心状態だろうなぁ。気持ちは非常によくわかる。