2017年10月15日

「島ケルト」問題とか

・けものフレンズ特集(dアニメストア)
>かばんの中には何が入ってるの?
>かばん:ええっ!? えっと、色々入ってますけど、名前が分からないものってどういう風に説明したらいいんでしょう…? うーん、ううーん……
→ かばんちゃん,自分のかばんの中に入っているものが何かわかっていないことが発覚。てっきり,かばんは中身が空っぽと思っていたので衝撃を受けた。たつき監督の頭のなかでは設定が固まっているのだろうか。


・「睡眠負債に気をつけよう」(視点・論点)(NHK 解説委員室)
→ これは衝撃的なデータだった。まず,6時間以上はとってもあまり意味がないと聞いていたので,睡眠6時間と8時間の間に有意な差が見られ,しかも8時間睡眠の方が注意力散漫になりにくいということ。次に「寝だめは意味がない」というのは前から知っていたが,負債も解消はきかないと思っていた。負債が解消できるのであれば,尚更8時間以上寝る意味は出てくる。実のところ,寝すぎると時間を無駄にした感じがして謎の罪悪感があったのだが,これからは眠いものは眠いと割り切って,休日はよく寝るようにしたい。


・台湾の東方文化は“オタクのタイムカプセル”だった!? 国外で発展中の東方最前線に迫ってきた【第二回博麗神社例大祭 in 台湾・レポート】(電ファミニコゲーマー)
→ この記事の要点は「比較的短い期間に浸透せざるをえない“輸入文化”ならではのダイナミズム」という一点に尽きると思う。各時期の流行はそれぞれおもしろかった面がある一方で,流行は流行でしかなく,後追いでは厳しいものがある。この点を気にせず追える分,後追いは海外の方が有利なのかもしれない。
→ なお,東方では同じような現象がニコニコ動画で東方ファンが広がった07〜08年にも起きていて,永新参から07年までの流行がミックスされた状態で再度展開されたものだから,それこそ既存のコミュニティとの衝突がすごかったのを覚えている。古参からすると若気の至りを発掘されているようなものだから,その意味でも気持ちはわからんでもない。


・「島のケルト」は「大陸のケルト」とは別モノだった。というかケルトじゃなかったという話(現在位置を確認します。)
→ これもすごく驚いた話。記事中にもあるが,改めて調べてみると,20世紀末頃にはすでに研究者の間で指摘されていたようだ。近年進んでいるのは遺伝子研究の分野であり,それ以外の分野での研究は特に近年というわけではないようである。いかに専門領域から一般の好事家に下りてくるのに時間がかかるかという話かもしれない。
→ 高校世界史的に言うと,やっぱり「ローマ征服前には,大陸・ブリテン島ともにケルト系の民族が広がっていて」という教え方になっているのをどう修正するか。また,アイルランド・スコットランド・ウェールズは“そこから血統的につながった”ケルト系と教えてしまっているので,この辺をどうするのか。という大問題に直面する。当然,この辺りは入試にも出しづらくなり,旧説に基いて出題すれば悪問の温床になってしまう。もっとも,ラ=テーヌ文化が各教科書から消えて範囲外になったくらいなので,そもそも近年の入試でケルト人に関連する問題を見たことがないから,入試問題としてはそれほど問題にならないかもしれない。
→ ちなみに,そういえばと思って引いてみたら
◯2014年までの旧用語集のケルト人「……その後大部分はローマ人・ゲルマン人に征服され,同化されたが,今日でもイギリス・フランス・スペインの一部にこの文化を引き継ぐ人々が居住している。」
◯2014年以降の新用語集のケルト人「……(同化されたまでほぼ同じ説明)妖精や森を題材とした彼らの神話や文学作品は,ヨーロッパ世界の文化形成に大きな影響を与えている。」(イギリス〜の説明はカット)
→ これ,新課程の説明を書いた人は学説の変化に気づいているのでは? こんなミクロな記述の変化気づかんよ……もっとアピールしてくれよ……用語集は教科書よりフットワークが軽いからできたのかも。そうすると,教科書の側も書き換わっていってほしいところだけども,時間がかかりそう。
(追記)
→ 大陸ケルトの神話には妖精とか出てこないから,やっぱり駄目なのでは? という指摘があった。言われてみるとその通りで,これは気づかなかった。しいて言えば,用語集の表現は旧課程から新課程に変わる際にもほぼ引き継がれているところ,書き換えたということは何かしらの理由があると推察され,具体的な地名を避けたところは一応評価してもよいのかもしれない。