2018年03月23日

クルトン・ミルトン・ブルトン・ダルトン……

・「野外で排泄」5億人 インド、トイレ設置が進まぬ理由(朝日新聞)
→ 「近代なるもの」と現地の伝統社会・文化が衝突したときの判断は難しいものがあるが,これは明確に近代が優先されるべきものであろう。とはいえ,現実的に言えば下水道の普及が伴わないと限界があるというのも一理あり,人口大国のインフラは大変だ。


・太陽光発電で麻薬原料の収穫率向上 アフガン過去最大に(朝日新聞)
→ タイトルのなにか良いことが起きた感からの内容のギャップ。ケシ自体に罪はないし,地球温暖化への抵抗という一点だけ取れば良いことなのかもしれないが。もっとまともで換金性も低くない農作物があればいいのだろうが,アフガニスタンの地理的環境が良くないので難しい。逆にアフガニスタンの気候は太陽光発電との相性は良さそうだし,灌漑施設のエネルギーにしようという発想も良いのだが,ケシ栽培に結びついてしまったことだけが残念である。


・◯ルトンのすべて(増田)
→ 企画の発想の勝利で,けっこうおもしろかった。こういう風にそろうカタカナ4文字は他にもありそう。こうして見ると,地名と韓国語に助けられているところが強い。確かに韓国語は「トン」で終わるイメージがある。
→  けっこうわからないものが多かったが,クルトンとミルトンとブルトンが読む前からわかったので満足した。フルトンは蒸気船の発明者もある……と書いたら拾ってくれていた。ただし「クラーモント(Clermont)号」が正しい。その他複数あるものではミルトンは『失楽園』の作者,メルトンはFFの魔法,ダルトンはクロノトリガーの登場人物,ブルトンはシュールレアリスム宣言のイメージが強い。


・アイマスが好きすぎて、気付けば世界一周 “舞台探訪”にハマったPのリアル課金ストーリー(マネ会)
→ アイマスのためによく行くなぁと思うけど,この人は艦これの聖地巡礼もすごくて,ソロモン諸島・ガダルカナル島・鉄底海峡に行ったり,トラック諸島・パラオに行ったり,樺太に行ったりウラジヴォストークに行ったりしている。アイマスの舞台探訪はまだ有名な観光地や都会が多いが,ソロモン諸島になると追加で根性と勇気が必要になる。でもやっぱり楽しそうなんだよな。


・パーム油燃やすバイオマス発電の異常(Yahoo!ニュース)
→ バイオエタノールが普及したときも「それでサトウキビやとうもろこしのプランテーションが拡大するなら無意味では」と散々批判されていたが,同じことが本邦がかかわる形でバイオマス発電で広がっているらしい。アブラヤシから作られるパーム油は食用・工業用・燃料用のどれにも利用できるスーパー農作物で,存在自体は以前から知られていたにもかかわらず,不思議とその有用性・生産性の高さに着目されて生産が急拡大したのは20世紀末以降という珍しい植物である。特にマレーシアは天然ゴムの生産地を一気にアブラヤシに変えている。ここテストに出ます。
→ ちなみに,世界の天然ゴム生産はタイ・インドネシア・マレーシアと習った方は要注意で,その情報は00年頃までしか通用しない。タイとインドネシアは変わっていないが,残りの生産地は多様化している。一方,パーム油は以前ならそもそも習わなかったはずで,何それおいしいの?(注:おいしいです)という社会人の方も多かろう。1990年代に入ってから生産量が急増していて,その主要国はマレーシアとインドネシアである。マレーシアの方は天然ゴムからの作物転換が多いが,両国とも熱帯雨林の破壊が問題になっている。
→ 話を戻すに,記事中で指摘されている通り,他の用途ならともかく日本のバイオマス発電のためにインドネシアの熱帯雨林を破壊するのは完全な本末転倒で,地球トータルだと完全にマイナスである。このような環境問題を海外に輸出するような政策は即座に止めるべきだろう。