2018年07月20日
ホレス・ウォルポールもいい言葉を残してくれた
・官僚の忖度、背景に内閣人事局 異を唱えれば「クビ…」(朝日新聞)
→ 官僚主導から政治主導へという意義は理解できるが,その結果がモリカケ問題を始めとする忖度の嵐だとするなら,さすがに弊害の方が大きいというのがこの短期間で証明された形である。官邸主導の体制は揺り戻しが必要であろうが,安倍政権である限り手を付けられなそう。上手くバランスが取れないものか。
・あれ?修復したら地味に? 鎌倉時代の十二神将像公開へ(朝日新聞)
→ 修復としてはかなり珍しい事例。原色で派手に塗ったのはいつ頃のことなのかが気になる。かなりよく残っているので,江戸・明治時代の修復ならこれはこれで貴重だったようにも。昭和の修復ならはがしちゃっていいだろうが。
→ 気になってお寺のHPを見てみたが,まだ写真が差し替わっていなかった。栃木県鹿沼市の真言宗の寺で,今回修復されたもの以外にもいろいろと持っている。金堂が茅葺なのは非常に珍しい。医王寺の建物は日光東照宮の写しだそうで,よく似ている。建物も綺麗な朱塗りで,おそらく近年に塗り直したものと思われるが,これならなおさら修復前の十二神将像の方があっていたような気も。
・山梨県の威信かけ高校教科書の用語削減案に「信玄の名消すな」の大合唱(産経新聞)
→ あの動きは高校の世界史・日本史に限ったものであり,小中学校の歴史から武田信玄が消えるわけではないので,日本人の常識や観光への打撃はほとんど考えられない。用語削減案への反対者がそれに気づいていないわけはなく,対話する気が無いのか何なのか。気づいていないなら議論以前の問題で頭が悪すぎる。なお,実際には「武田氏」ならば日本史用語に残留している(ちゃんと戦国時代に)のだが,それではダメなのだろうか。
→ それはそれとして言うなら,実は武田信玄は上杉謙信や伊達政宗と比べると多少なりとも擁護しうる。分国法の制定である。分国法は例のリストでも重要語として掲載があり,日本の戦国大名の内政の特徴を説明するために必要である。各勢力の分国法に共通する喧嘩両成敗や分割相続の禁止は後世の日本社会に影響を与えている。武田信玄の制定した「甲州法度」は,今川氏親の「今川仮名目録」や朝倉孝景の「朝倉孝景条々」と並ぶその代表例だが,武将本人の知名度の点でで武田信玄は優位であろう。現在のリストでは分国法の代表例や制定者が1つも入っていない。分国法の代表例というところから攻めていったほうが幾分有意義な議論になると思われる。
・美術史の1ページに『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』を加えよう。「ウツシエ」に似た遊びが18世紀に存在した!? ゲーム画面からあふれでるロマン主義の“崇高”(電ファミニコゲーマー)
→ ゲームの紹介記事なのに,あまりにも完璧なロマン主義美術の説明がなされているのでびっくりした。なるほど執筆・監修者が専門。「読者の中にも近代美術史を勉強している学生がいるかもしれません。その学生は、絶対に『ゼルダの伝説 BotW』をプレイすべきです」とは言うが,むしろ近代美術史を勉強している学生は絶対にこの記事を読むべき。わかりやすい上に,自分の勉強しているものがどういう形で現代につながっているかという点でも良い説明となっている。
→ ロマン主義美術の説明,とりあえず「断崖、山岳(中略)サルヴァトール・ローザ!」を引用しとけば何とかなる感ある。大体最後のサルヴァトール・ローザしか覚えてなくて「なんとかかんとかからのサルヴァトール・ローザ!」になりがちなのは近代西洋美術史学徒の鉄板ネタだったりする。
→ 官僚主導から政治主導へという意義は理解できるが,その結果がモリカケ問題を始めとする忖度の嵐だとするなら,さすがに弊害の方が大きいというのがこの短期間で証明された形である。官邸主導の体制は揺り戻しが必要であろうが,安倍政権である限り手を付けられなそう。上手くバランスが取れないものか。
・あれ?修復したら地味に? 鎌倉時代の十二神将像公開へ(朝日新聞)
→ 修復としてはかなり珍しい事例。原色で派手に塗ったのはいつ頃のことなのかが気になる。かなりよく残っているので,江戸・明治時代の修復ならこれはこれで貴重だったようにも。昭和の修復ならはがしちゃっていいだろうが。
→ 気になってお寺のHPを見てみたが,まだ写真が差し替わっていなかった。栃木県鹿沼市の真言宗の寺で,今回修復されたもの以外にもいろいろと持っている。金堂が茅葺なのは非常に珍しい。医王寺の建物は日光東照宮の写しだそうで,よく似ている。建物も綺麗な朱塗りで,おそらく近年に塗り直したものと思われるが,これならなおさら修復前の十二神将像の方があっていたような気も。
・山梨県の威信かけ高校教科書の用語削減案に「信玄の名消すな」の大合唱(産経新聞)
→ あの動きは高校の世界史・日本史に限ったものであり,小中学校の歴史から武田信玄が消えるわけではないので,日本人の常識や観光への打撃はほとんど考えられない。用語削減案への反対者がそれに気づいていないわけはなく,対話する気が無いのか何なのか。気づいていないなら議論以前の問題で頭が悪すぎる。なお,実際には「武田氏」ならば日本史用語に残留している(ちゃんと戦国時代に)のだが,それではダメなのだろうか。
→ それはそれとして言うなら,実は武田信玄は上杉謙信や伊達政宗と比べると多少なりとも擁護しうる。分国法の制定である。分国法は例のリストでも重要語として掲載があり,日本の戦国大名の内政の特徴を説明するために必要である。各勢力の分国法に共通する喧嘩両成敗や分割相続の禁止は後世の日本社会に影響を与えている。武田信玄の制定した「甲州法度」は,今川氏親の「今川仮名目録」や朝倉孝景の「朝倉孝景条々」と並ぶその代表例だが,武将本人の知名度の点でで武田信玄は優位であろう。現在のリストでは分国法の代表例や制定者が1つも入っていない。分国法の代表例というところから攻めていったほうが幾分有意義な議論になると思われる。
・美術史の1ページに『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』を加えよう。「ウツシエ」に似た遊びが18世紀に存在した!? ゲーム画面からあふれでるロマン主義の“崇高”(電ファミニコゲーマー)
→ ゲームの紹介記事なのに,あまりにも完璧なロマン主義美術の説明がなされているのでびっくりした。なるほど執筆・監修者が専門。「読者の中にも近代美術史を勉強している学生がいるかもしれません。その学生は、絶対に『ゼルダの伝説 BotW』をプレイすべきです」とは言うが,むしろ近代美術史を勉強している学生は絶対にこの記事を読むべき。わかりやすい上に,自分の勉強しているものがどういう形で現代につながっているかという点でも良い説明となっている。
→ ロマン主義美術の説明,とりあえず「断崖、山岳(中略)サルヴァトール・ローザ!」を引用しとけば何とかなる感ある。大体最後のサルヴァトール・ローザしか覚えてなくて「なんとかかんとかからのサルヴァトール・ローザ!」になりがちなのは近代西洋美術史学徒の鉄板ネタだったりする。
Posted by dg_law at 19:38│Comments(0)