2019年04月22日

GRIDMANとゾンビランドサガの話

・グリッドマン4話のアカネちゃんが如何に「自分なら彼女のことを誰よりもわかってあげられる」という、オタクの身勝手で柔らかい部分を刺激したか(根室記念館)
→ 『SSSS.GRIDMAN』が完結して新条アカネの正体が判明した今になってこの記事を読むと,これはこれで結構面白い。以下ネタバレ。
→ 現実のアカネは普通の容姿でおそらく性格ももっと引っ込み思案だったのであろう。そんな彼女が理想の自分を描いたら,見事なまでに地雷っぽいオタク女が完成したという……で,これはこれでやっぱり本当に理想の自分なのかという話で,六花や響くんや内海くんと触れ合ううちにズレが生じた。GRIDMANが来てなくてもあの世界は遅かれ早かれ新条アカネの自壊によって崩壊していそうだし,その場合はアレクシスの都合がさらによいので,やっぱりGRIDMANは新条アカネを救いに来たんじゃないかと思う。練られていて納得感の強いキャラ造形だ。
→ また,その後の内海くんと楽しそうに怪獣トークしているのを見るに,現実の彼女はけっこうオタトークに飢えていて,フラグが立つかどうかは別とすれば記事中やブコメにあるような男オタクを無碍に扱う子ではないように思う。そこは悲観しすぎではないかと思うし,オタクと非モテを安直に結びつけるのは,完全に個人の主観で言えばあまりおもしろくない。
(ネタバレ終わり)


・アニメ『ゾンビランドサガ』平成と昭和のアイドル観の演出について(Togetter)
→ 『ゾンビランドサガ』はいろいろと面白かったが,一番面白いなと思ってのはここ。ゾンビという道具を使って昭和のアイドルと平成初期のアイドルを共存させるとは。純子は死んでかなり経っているので現実そのものに疎外感があり,愛は自分が所属していたグループが現役で活動中で「伝説」という名の過去になってしまったことを認めたがらないというギャップも良かった。愛の「私はまだ終わってない,過去なんかじゃない」ってセリフが本当にすばらしい。前述の通りの純子,記憶がないさくら,死因が死因なので前世に後悔の無いサキ,むしろゾンビ生活を謳歌しているリリィとゆうぎりさんと比べると,あの時点では明らかに自分の死を認めていなかった。6・7話は愛の二度目の死と復活の物語だった。
→ 疑似タイムスリップによる価値観の相違を描く舞台装置として,ゾンビとしての復活は案外ありなのかもいれない。その意味でゆうぎりさん回にも期待していたのだけれども,特に何も無かった。たえの謎とともに二期にとっておかれたと信じたい。なお,他の人の回でもゾンビの使い方は上手かったと思う。サキ回では同じく疑似タイムスリップの装置だったが,親子の物語の介入者として(これはこれでサキ自身への挽歌でもあった)。リリィ回ではピーターパンを描く手段として,そしてさくら回は真に二度目の人生を送らせるための手段として。
→ なお,あまりにも強烈なインパクトを与えたせいで二次創作のかなりの割合が伝説のアイドルコンビになっている模様。もちろん,ゆうリリもさくサキもさく愛も愛総受けもかなり描かれているんだけども,pixivで観測している限り,純愛コンビがまず間違いなく一番多い。

この記事へのコメント
ゾンビランドサガは「アイドルの形が昭和とはまるで違ってしまっている」ことを描いているにも関わらず、ゾンビバレ隠す関係で結果的に「プライベートを一切表に出さない、SNSなにそれおいしいの」状態の昭和アイドルみたいな業態になっているのが面白かったです。
Posted by alt at 2019年04月23日 00:57
フランシュシュはホームページもめちゃくちゃレトロでしたしね。
水野愛が死亡した2008年頃だとまだSNSがそこまで発達してないですし,AKB48等がそれほどメジャーだったわけではないので,当人らもそこら辺の活動の意識は無いのだろうと思います。そういう意味では平成のアイドルの中でも,活動やイメージに差異はあるんですよね。
リリィが2011年死亡ではありますが,あの子は子役で別ジャンルでしたしね。

Posted by DG-Law at 2019年04月24日 20:41