2019年05月04日
ダムカード・百名山・百名城……
・インドで「世界最大の像」完成 182メートル、巨額費用批判も(共同通信)
・世界最大の立像も登場、インドで巨大像の建造がブームに(CNN)
→ サルダール・パテールという人物を知らなかったが,独立の立役者の一人ながらヒンドゥー至上主義者だったということでいろいろと納得した。さらにインドでは2021年完成予定で約212mのシヴァージー像を建設中だそうだ。シヴァージーもムガル帝国のアウラングゼーブに抵抗してマラーター王国というヒンドゥー教国を建てた人物である。共通点として,イギリスは言うまでもないとして,アウラングゼーブもシャリーア的な統治を強化して宗教分断を強めた人物であるから,どちらもインドの分断を強めた側である。それへの抵抗だからインド統合の象徴としての像であると表向きには言いやすく,実際にはどちらもヒンドゥー教徒の英雄という意味合いの方が強い。うまいチョイスではある。
→ CNNの記事の末尾にある美術評論家シンハ氏の「インドには巨大像を建造する伝統はなく、明らかに植民地時代の名残だと指摘。」というコメントが面白い。インド美術史は詳しくないので知らないのだが,他地域にはあれだけ大仏があるのに,インドには歴史的な大仏も大シヴァ神像も無いのか。建築物は大きいが……意外である。
・ダムカード配布情報! - 全国のダムカードを網羅!
→ 存在自体を知らない人もいそうなので簡潔に説明すると,ダムの管理事務所に行くと(大体堤防のどちらか片側にある)配布されている名刺サイズのカードで,表面がダムの全貌が写った写真で裏面に簡単な説明が入っている。
→ いかにもオタクのコンプリート精神を刺激するアイテムで,登山に行くと麓にダムがあるので自然とダムカードにも興味がわいたのだけれど,上記のサイトの通りである。アクセス難度・明らかに600箇所以上あるという点を考慮に入れると日本百名城や日本百名山よりもコンプリートが難しいのでは。続百名城,三百名山に拡張してもまだ難易度で勝てそう。さすがにコンプする気は起きなくなったので,気長にちまちま集めていこうと思います(と言っても百名山や百名城もコンプする気無いけど)。
・皇陛下御在位三十年 記念ダムカードを発行します(国土交通省)
→ ダムカードといえばこういう話もあって,1種類くらいは取りに行こうと思う。
・なぜ《泉》ばかりが注目されるのか? 平芳幸浩評「マルセル・デュシャンと日本美術」展(美術手帖)
→ 先に提示しておくが,本展の自分の展評はこちら。
→ さて,確かにレディメイドだけがデュシャンではないということが門外漢の自分にも伝わってきた展示ではあった。「ネット上での感想を見ると、デュシャンは便器だけの人ではないという主旨を理解した鑑賞者も多かったようである」とある通りだろう。《泉》の”位置”についてはなるほど,初めて知った。「デュシャン=《泉》=「何でもありの現代美術の起源」という、現今の美術の理解にもまったく役に立たないクリシェ」とは耳が痛い。ただまあ,気にするほど《泉》に鑑賞者の視線が収斂する配置でもなかったように記憶している。
→ 第二部へのツッコミは首肯しかない。 プロの批評家がこうやってちゃんと批判してくれたのはありがたい。あとは真相を究明してほしいところだが,誰がやっても難しかろう。言われてみると最悪にまずいと思ったのは「第1部のレディメイドの展示場所に戻り、便器を《男性用小便器 銘泉》としてしみじみと鑑賞せよ、と告げてさえいるのだ。」という点で,なるほどデュシャンの意図をぶち壊している。意味不明とか比較になってないとか,そういうレベルではなくて,反動的解釈になっていたのだ。改めてひどかったのだなと。
・2025年 大阪万博が決定、55年ぶり(日経新聞)
→ 2005年の愛知万博の時点ですでに「もう万博の時代じゃないだろ」と言われていた記憶があるのだが,重ねてもう1回やろうと考えるのがすごい。愛知万博がなんだかんだあっても成功に終わったというのは大きそうだ。
→ 「なんだかんだあった」とは書いたが,実は当初の予算を少しはみ出ただけだった上に最終的に黒字,当初の予定地でオオタカの巣が発見されたら強行せずに会場を変更,セントレア開港も当初はいろいろ言われていたが開港してみると愛知県民は便利に使っていると,今の東京五輪のめちゃくちゃと比較するとびっくりするほどまともな計画・運営だったという。
・世界最大の立像も登場、インドで巨大像の建造がブームに(CNN)
→ サルダール・パテールという人物を知らなかったが,独立の立役者の一人ながらヒンドゥー至上主義者だったということでいろいろと納得した。さらにインドでは2021年完成予定で約212mのシヴァージー像を建設中だそうだ。シヴァージーもムガル帝国のアウラングゼーブに抵抗してマラーター王国というヒンドゥー教国を建てた人物である。共通点として,イギリスは言うまでもないとして,アウラングゼーブもシャリーア的な統治を強化して宗教分断を強めた人物であるから,どちらもインドの分断を強めた側である。それへの抵抗だからインド統合の象徴としての像であると表向きには言いやすく,実際にはどちらもヒンドゥー教徒の英雄という意味合いの方が強い。うまいチョイスではある。
→ CNNの記事の末尾にある美術評論家シンハ氏の「インドには巨大像を建造する伝統はなく、明らかに植民地時代の名残だと指摘。」というコメントが面白い。インド美術史は詳しくないので知らないのだが,他地域にはあれだけ大仏があるのに,インドには歴史的な大仏も大シヴァ神像も無いのか。建築物は大きいが……意外である。
・ダムカード配布情報! - 全国のダムカードを網羅!
→ 存在自体を知らない人もいそうなので簡潔に説明すると,ダムの管理事務所に行くと(大体堤防のどちらか片側にある)配布されている名刺サイズのカードで,表面がダムの全貌が写った写真で裏面に簡単な説明が入っている。
→ いかにもオタクのコンプリート精神を刺激するアイテムで,登山に行くと麓にダムがあるので自然とダムカードにも興味がわいたのだけれど,上記のサイトの通りである。アクセス難度・明らかに600箇所以上あるという点を考慮に入れると日本百名城や日本百名山よりもコンプリートが難しいのでは。続百名城,三百名山に拡張してもまだ難易度で勝てそう。さすがにコンプする気は起きなくなったので,気長にちまちま集めていこうと思います(と言っても百名山や百名城もコンプする気無いけど)。
・皇陛下御在位三十年 記念ダムカードを発行します(国土交通省)
→ ダムカードといえばこういう話もあって,1種類くらいは取りに行こうと思う。
・なぜ《泉》ばかりが注目されるのか? 平芳幸浩評「マルセル・デュシャンと日本美術」展(美術手帖)
→ 先に提示しておくが,本展の自分の展評はこちら。
→ さて,確かにレディメイドだけがデュシャンではないということが門外漢の自分にも伝わってきた展示ではあった。「ネット上での感想を見ると、デュシャンは便器だけの人ではないという主旨を理解した鑑賞者も多かったようである」とある通りだろう。《泉》の”位置”についてはなるほど,初めて知った。「デュシャン=《泉》=「何でもありの現代美術の起源」という、現今の美術の理解にもまったく役に立たないクリシェ」とは耳が痛い。ただまあ,気にするほど《泉》に鑑賞者の視線が収斂する配置でもなかったように記憶している。
→ 第二部へのツッコミは首肯しかない。 プロの批評家がこうやってちゃんと批判してくれたのはありがたい。あとは真相を究明してほしいところだが,誰がやっても難しかろう。言われてみると最悪にまずいと思ったのは「第1部のレディメイドの展示場所に戻り、便器を《男性用小便器 銘泉》としてしみじみと鑑賞せよ、と告げてさえいるのだ。」という点で,なるほどデュシャンの意図をぶち壊している。意味不明とか比較になってないとか,そういうレベルではなくて,反動的解釈になっていたのだ。改めてひどかったのだなと。
・2025年 大阪万博が決定、55年ぶり(日経新聞)
→ 2005年の愛知万博の時点ですでに「もう万博の時代じゃないだろ」と言われていた記憶があるのだが,重ねてもう1回やろうと考えるのがすごい。愛知万博がなんだかんだあっても成功に終わったというのは大きそうだ。
→ 「なんだかんだあった」とは書いたが,実は当初の予算を少しはみ出ただけだった上に最終的に黒字,当初の予定地でオオタカの巣が発見されたら強行せずに会場を変更,セントレア開港も当初はいろいろ言われていたが開港してみると愛知県民は便利に使っていると,今の東京五輪のめちゃくちゃと比較するとびっくりするほどまともな計画・運営だったという。
Posted by dg_law at 12:00│Comments(0)