2019年05月19日

最近読んだもの・買ったもの『映画大好きポンポさん』2巻他)

・『映画大好きポンポさん』2巻。
→ まさか続編が出るとは。あとがきにある通り,作者自身続編を書くつもりは当初は無かったようだが。実際,1巻で綺麗に完結しているのでどうするのかと思ったら,2巻もちゃんと成り立っていた。
→ 「報われない努力をしてきた人たちが,その道の天才たちに導かれて才能が開花する」という1巻のあらすじに対し,開花した才能を持て余してしまう主人公の葛藤が2巻のあらすじとまとめることができよう。突出した好きや才能は振り回した瞬間に責任が伴うので,振り回す範囲は考えないといけない。ジーンくんが大きなミスも挟んでそのことを学びつつも,結局のところ好きと才能がゆえに周囲に認められ,甘やかされてそれらをのびのびと発揮するところは,『ポンポさん』の優しい世界観である。
→ ポンポさんが撮る映画の主役のフランちゃんにクローズアップした漫画がpixivコミックで連載されているので,こちらも読んでおくとよいかも。ちょうど最近に本編の2巻に話がつながった。

映画大好きポンポさん2 (MFC ジーンピクシブシリーズ)
杉谷 庄吾【人間プラモ】
KADOKAWA / メディアファクトリー
2018-09-27




・『火ノ丸相撲』22巻。巡業終わり,九月場所開幕。初日の大典太戦。
→ 今場所に死に場所を求める鬼丸と,来場所以降も見据えた大典太という対比。この鬼丸の応援してあげたくてもしてあげられない感,読者と礼奈でシンクロしている感じ。決まり手が首投げというのがまた。首投げは完全に捨身技なので……
→ 巻末付録の国宝間の相互コメントが面白い。懐が広すぎて博愛主義な童子切,誰からも好かれる数珠丸,それに近いが大典太とだけはソリがあわない三日月,趣味があって考え方も比較的近い鬼丸以外とは全く馴れ合わない大典太とここまではわかりやすい。鬼丸は意外と三日月や数珠丸のように交友範囲が広いが,大包平とだけは確かに作中で全く接点がない。その大包平は悪いやつではないが環境のせいで交友範囲が狭くて数珠丸以外と接触がない。最後に草薙は……悪い人じゃないんだけども君友達不要なタイプだもんね,そうなるよね。


・『乙女戦争』10巻。
→ 1425年から1430年までジャンプ。シャールカは記憶喪失となり,その間は旅芸人として流浪し,フランスではジャンヌ・ダルクと会う。彼女の裁判に沿って話が展開するが,ジャンヌ視点での展開は同著者の短編集『ダンス・マカブル』に詳しい。むしろ今回がその外側視点と言える。フス派においけるジャンプされた5年間は基本的に「華麗なる騎行」の繰り返しになるので,すぱっと省略したのだろう。
→ 巻末の解説はまず「華麗なる騎行」についてだが,これは11巻に実際の様子が描かれている。ここでは省略した5年分の穴埋めの意味合いで載せたのだろう。あとは「中世の旅芸人」と「ジャンヌ・ダルク」について。


・『U.Q.HOLDER』17巻。軌道ステーション爆発事件解決。刀太出生の謎を解く過去編の始まり。
・『U.Q.HOLDER』18巻。過去編の終わり。パクティオーシステムの導入と九郎丸のパクティオー,夏凜の過去編。
→ 『U.Q.HOLDER』世界でのヨルダとの一度目の決戦(2025年)は完敗に終わり,仲間たちを吸収され千雨は殺害されていた(やっとこちらの世界での千雨がわかった)。傷心のネギは撤退後,エヴァンジェリンに癒やされて再び立ち上がり,ヨルダと再戦(2065年頃)。そこでナギを殺して自分がヨルダの依代になる。その後,ネギの残した遺伝情報を使ってフェイトはネギの完全クローンを研究。その第一号にして失敗作が刀太であった。またフェイトはその過程で生まれた他のクローンを傭兵として売り飛ばして計画の資金としていた(その一人がカトラス)。これを見てエヴァは袂を分かち,刀太を引き取って一人の人間として養育するのであった……というところで1巻に戻る。この過去編はこれまでの疑問点がほとんど回収されていて,かなり満足度が高い。
→ 夏凜の正体はイスカリオテのユダであった。FGO並の性転換である。なるほど不老不死の原因は「神の恩寵」。イスカリオテから引いて中世に名乗っていた名前がイシュト・カリン・オーテ,そこから現代日本では夏凜と。それはさすがにわからん。
→ 非常にどうでもいいが,パクティオーから「仮契約」が変換できるGoogle日本語入力さん……毒されすぎやぞ……