2020年01月22日
東北旅行記(仙台・山形,2019年8月)
昨年8月に旅行した東北旅行の記事を書いておく。
〈初日:移動のみ〉
夏コミ終了と同時に出発。コミケ不参加だったパレさんが合流して頬付カーに乗り込み北上。今回の旅行のコンセプトが「いつも旅程を詰め詰めにしてしまうので,今回は戦利品(同人誌)を車に積み込んで,旅館でだらだらしながら読む」とした。つまり,合計3人分の同人誌(200冊くらいある?)を車に積んでいたことになる。初日は移動のみで福島県某所のビジネスホテルに宿泊。同人誌を読む気力もなく爆睡。
〈二日目:仙台・かみのやま温泉〉
ビジホの朝飯を適当に食べて出発。昼飯は牛タンを食べたいということで,仙台駅前の某名店へ。美味なり。午後は青葉城へ。スタンプラリーのつもりで行ったのだが,観光に力がかなり入っていて意外と面白かった。特に仙台城VRゴーは傑作である。
ただでさえCV:種崎敦美なのに(代表作3つの妥当性が高い),映像のクオリティが非常に高い。青葉城址を歩き回って特定のスポットでゴーグルをかぶると,そのスポットでの伊達政宗当時の城内や城下町の映像が流れ,種崎敦美のキャラが説明してくれる。これは確かに現在と過去の往復が容易で,当時の風景を肌で感じるような感覚を味わった。特に城内の狩野派の襖絵のリアリティが(多分)高く,あれはちゃんとした史料に基づいて再現したのだろうと思う。ただし,青葉城を建てた伊達政宗の意図が徹底して「平和への願い」とされていたのには笑ってしまった。さらに,このゴーグルを貸し出している青葉城資料展示館の展示もなかなか良かった。こちらの館内でもムービー上映があったのだが,こちらのCVは若本規夫他。結果的に青葉城は適当に30分くらいで済ませるつもりが,ここでがっつり2時間ほど使ってしまった。
結局これ以外はあまり仙台観光せず,山形県に移動して旅館へ行き,当初のコンセプト通り早めにチェックイン。夏場で日が高いこともあり明るいうちに旅館の部屋に入るという,このメンバーの旅にしては珍しいことが起きた。この日に泊まったのは,かみのやま温泉の古窯。この旅館の開業6年目(1957年)に,敷地内で奈良時代の須恵器の窯跡が発見されたために改名したとのこと。須恵器というと当時の日本にあってはそこそこ高度な陶器であり,まだ蝦夷討伐事業も途中な辺境の出羽南部に,小規模とはいえ生産地があったというのはちょっとした驚きである。この地方の官人や郡司が使っていたのだろうか。この遺跡は旅館の地下1階に展示されているので,宿泊客は見ることができる。
また素焼き陶器の手作り体験コーナーがあり,宿泊した有名人の制作物が陳列されていた。一番上手かったのは原哲夫の絵付けした皿。あとは好角家として日馬富士の見事な山(多分蔵王山?)の絵付け皿を挙げておく。他に千代の富士・貴乃花・瀬戸内寂聴・上野千鶴子と挙げておけばかなりジャンルがバラバラなことが察せられるだろう。
この古窯はこうした遺跡や手作りコーナーに陳列コーナーが1階・地下1階にあるところからも想像がつく通り,建物自体がかなり巨大で,部屋もそれぞれがかなり広いようだった。少なくとも我々4人が泊まった部屋は,過去の我々の旅行では加賀屋に次いで豪華な部屋であった(持ち込んだ同人誌が悠々に置けるほどに)。だからこそ,
こんなことになって普通にけっこう焦ったのだが。その他,仲居さんのサービスも親切で良かった。部屋からの眺望も抜群だったが,温泉が建物の高い位置にあり,そこからの眺望は尚の事良かった。お夕飯は米沢牛のすき焼きで味は言うまでもなし。温泉の泉質は正直あまり記憶に残らなかったが(弱アルカリ性でちょっとぬるっとしていた),それ以外の要素のインパクトがあまりにも強烈で,この旅行の一番の思い出を一つだけ挙げろと言われたら,青葉城のVRかこの古窯の宿泊体験のいずれかを挙げると思う。そういうわけで夕飯を食べた後はゆったりとだらだらしながら同人誌を読むのに没頭。適当に眠くなったところで就寝。
〈三〜四日目:かみのやま温泉・立石寺・会津東山温泉〉
古窯の朝食を食べたらチェックアウトせずに一旦外出,旅館の目の前に「1日限定20食の生プリン」なる気になるものが売っていたため。しかし出遅れていて見事に完売していた。これを食べるなら旅館の朝食を食べていてはダメということなのだろう。旅館に戻ってチェックアウトし,出発。この日は立石寺へ。「山寺」の別名がある通り,山肌に張り付くように建っていて,境内は階段だらけであった。奥の院まで八百段ちょっと。しかし,登ってみると特に大したことはなく,登山慣れしていない同行者でも別に苦労せず(疲れてはいたが)最後まで登りきっていた。奥の院からの眺望はなかなか良い。
こうして見ると,眺望が良いというよりも境内が山水画的で良いと言った方がいいかもしれない。境内の雰囲気は確かに寺院というよりも「よく整備されていて,建物が多い登山道」という感じで,建物の無理やり気味な建て方といい,投入堂をちょっと思い出した。難度は段違いに投入堂の方が難しいが。なお,蝉はそんなに鳴いてなかったような。8月のど真ん中なのに。下山後は麓の食堂で昼食。ここで食べたずんだ餅が美味かった。
この日の観光も立石寺のみで,さっさと宿に移動してチェックイン。この日の宿は会津東山温泉のくつろぎ宿千代滝。かなりの山奥で,よくこんなところにこれだけ大きく典型的な温泉街ができたなと思う。竹久夢二と土方歳三が湯治に来ていたそうで,それを宣伝していた。特に土方を大きく押していたが,やはりそこは会津という土地柄が出ているのだろうか。お盆中なだけあって夜中はお祭りがやっていて,直接出向かなかったが,旅館から見えるぼんぼりの列がなかなか綺麗だった。こうして田舎の夏祭りを見ると,夏も終わっていくのだなという寂しさがある。この日も夕飯・温泉後はのんびりと同人誌を読んでだらだらと過ごし,読み終わったら就寝した。それにしても二晩かかるとはやはり膨大な量であった。
四日目は急き立てられるものがなかったのでゆっくり起きて,旅館の朝食を食べた後は会津東山温泉観光。その後は一路帰路についた。コンセプト通りののんびり温泉旅で,それほど語るべきトピックが無かったのだが,これはこれで面白かったし,実は買った後読む時間がまとまって取れずに困るコミケの戦利品を,他人のものも含めてまとめて読む時間がとれたのは大きく,夏コミの後にこういう旅行をするのは正解かもしれない。
実は私はこれで未踏県が1つ埋まり,あとは本当に秋田県と青森県だけになった(厳密に言えば秋田県は過去に八幡平に行ったときにちょっと入っているが)。ということで,2020年の旅行はなにかのタイミングで秋田県か青森県のどちらかには行くと思う。今回は山形だったからなんとか自動車で行けたが,秋田・青森だとさすがに電車かな……
〈初日:移動のみ〉
夏コミ終了と同時に出発。コミケ不参加だったパレさんが合流して頬付カーに乗り込み北上。今回の旅行のコンセプトが「いつも旅程を詰め詰めにしてしまうので,今回は戦利品(同人誌)を車に積み込んで,旅館でだらだらしながら読む」とした。つまり,合計3人分の同人誌(200冊くらいある?)を車に積んでいたことになる。初日は移動のみで福島県某所のビジネスホテルに宿泊。同人誌を読む気力もなく爆睡。
〈二日目:仙台・かみのやま温泉〉
ビジホの朝飯を適当に食べて出発。昼飯は牛タンを食べたいということで,仙台駅前の某名店へ。美味なり。午後は青葉城へ。スタンプラリーのつもりで行ったのだが,観光に力がかなり入っていて意外と面白かった。特に仙台城VRゴーは傑作である。
種崎敦美に勝てなかった。 pic.twitter.com/xGqRZynIcL
— DG-Law/稲田義智 (@nix_in_desertis) August 13, 2019
ただでさえCV:種崎敦美なのに(代表作3つの妥当性が高い),映像のクオリティが非常に高い。青葉城址を歩き回って特定のスポットでゴーグルをかぶると,そのスポットでの伊達政宗当時の城内や城下町の映像が流れ,種崎敦美のキャラが説明してくれる。これは確かに現在と過去の往復が容易で,当時の風景を肌で感じるような感覚を味わった。特に城内の狩野派の襖絵のリアリティが(多分)高く,あれはちゃんとした史料に基づいて再現したのだろうと思う。ただし,青葉城を建てた伊達政宗の意図が徹底して「平和への願い」とされていたのには笑ってしまった。さらに,このゴーグルを貸し出している青葉城資料展示館の展示もなかなか良かった。こちらの館内でもムービー上映があったのだが,こちらのCVは若本規夫他。結果的に青葉城は適当に30分くらいで済ませるつもりが,ここでがっつり2時間ほど使ってしまった。
結局これ以外はあまり仙台観光せず,山形県に移動して旅館へ行き,当初のコンセプト通り早めにチェックイン。夏場で日が高いこともあり明るいうちに旅館の部屋に入るという,このメンバーの旅にしては珍しいことが起きた。この日に泊まったのは,かみのやま温泉の古窯。この旅館の開業6年目(1957年)に,敷地内で奈良時代の須恵器の窯跡が発見されたために改名したとのこと。須恵器というと当時の日本にあってはそこそこ高度な陶器であり,まだ蝦夷討伐事業も途中な辺境の出羽南部に,小規模とはいえ生産地があったというのはちょっとした驚きである。この地方の官人や郡司が使っていたのだろうか。この遺跡は旅館の地下1階に展示されているので,宿泊客は見ることができる。
また素焼き陶器の手作り体験コーナーがあり,宿泊した有名人の制作物が陳列されていた。一番上手かったのは原哲夫の絵付けした皿。あとは好角家として日馬富士の見事な山(多分蔵王山?)の絵付け皿を挙げておく。他に千代の富士・貴乃花・瀬戸内寂聴・上野千鶴子と挙げておけばかなりジャンルがバラバラなことが察せられるだろう。
この古窯はこうした遺跡や手作りコーナーに陳列コーナーが1階・地下1階にあるところからも想像がつく通り,建物自体がかなり巨大で,部屋もそれぞれがかなり広いようだった。少なくとも我々4人が泊まった部屋は,過去の我々の旅行では加賀屋に次いで豪華な部屋であった(持ち込んだ同人誌が悠々に置けるほどに)。だからこそ,
綺麗な中居さん達「お客様、お荷物をお預かり致します」
— 頬付 (@hoozuki37) August 13, 2019
薄い本読書会をしに来た僕ら「ア、大丈夫デス持テマス(見ないでぇー!)」 pic.twitter.com/NlqDystMqy
こんなことになって普通にけっこう焦ったのだが。その他,仲居さんのサービスも親切で良かった。部屋からの眺望も抜群だったが,温泉が建物の高い位置にあり,そこからの眺望は尚の事良かった。お夕飯は米沢牛のすき焼きで味は言うまでもなし。温泉の泉質は正直あまり記憶に残らなかったが(弱アルカリ性でちょっとぬるっとしていた),それ以外の要素のインパクトがあまりにも強烈で,この旅行の一番の思い出を一つだけ挙げろと言われたら,青葉城のVRかこの古窯の宿泊体験のいずれかを挙げると思う。そういうわけで夕飯を食べた後はゆったりとだらだらしながら同人誌を読むのに没頭。適当に眠くなったところで就寝。
〈三〜四日目:かみのやま温泉・立石寺・会津東山温泉〉
古窯の朝食を食べたらチェックアウトせずに一旦外出,旅館の目の前に「1日限定20食の生プリン」なる気になるものが売っていたため。しかし出遅れていて見事に完売していた。これを食べるなら旅館の朝食を食べていてはダメということなのだろう。旅館に戻ってチェックアウトし,出発。この日は立石寺へ。「山寺」の別名がある通り,山肌に張り付くように建っていて,境内は階段だらけであった。奥の院まで八百段ちょっと。しかし,登ってみると特に大したことはなく,登山慣れしていない同行者でも別に苦労せず(疲れてはいたが)最後まで登りきっていた。奥の院からの眺望はなかなか良い。
本日の絶景スポット。 pic.twitter.com/VAE7vZlHjY
— 頬付 (@hoozuki37) August 14, 2019
こうして見ると,眺望が良いというよりも境内が山水画的で良いと言った方がいいかもしれない。境内の雰囲気は確かに寺院というよりも「よく整備されていて,建物が多い登山道」という感じで,建物の無理やり気味な建て方といい,投入堂をちょっと思い出した。難度は段違いに投入堂の方が難しいが。なお,蝉はそんなに鳴いてなかったような。8月のど真ん中なのに。下山後は麓の食堂で昼食。ここで食べたずんだ餅が美味かった。
この日の観光も立石寺のみで,さっさと宿に移動してチェックイン。この日の宿は会津東山温泉のくつろぎ宿千代滝。かなりの山奥で,よくこんなところにこれだけ大きく典型的な温泉街ができたなと思う。竹久夢二と土方歳三が湯治に来ていたそうで,それを宣伝していた。特に土方を大きく押していたが,やはりそこは会津という土地柄が出ているのだろうか。お盆中なだけあって夜中はお祭りがやっていて,直接出向かなかったが,旅館から見えるぼんぼりの列がなかなか綺麗だった。こうして田舎の夏祭りを見ると,夏も終わっていくのだなという寂しさがある。この日も夕飯・温泉後はのんびりと同人誌を読んでだらだらと過ごし,読み終わったら就寝した。それにしても二晩かかるとはやはり膨大な量であった。
四日目は急き立てられるものがなかったのでゆっくり起きて,旅館の朝食を食べた後は会津東山温泉観光。その後は一路帰路についた。コンセプト通りののんびり温泉旅で,それほど語るべきトピックが無かったのだが,これはこれで面白かったし,実は買った後読む時間がまとまって取れずに困るコミケの戦利品を,他人のものも含めてまとめて読む時間がとれたのは大きく,夏コミの後にこういう旅行をするのは正解かもしれない。
実は私はこれで未踏県が1つ埋まり,あとは本当に秋田県と青森県だけになった(厳密に言えば秋田県は過去に八幡平に行ったときにちょっと入っているが)。ということで,2020年の旅行はなにかのタイミングで秋田県か青森県のどちらかには行くと思う。今回は山形だったからなんとか自動車で行けたが,秋田・青森だとさすがに電車かな……
Posted by dg_law at 19:00│Comments(2)
この記事へのコメント
いつも楽しく拝見させていただいています。
個人的な感想ですが、青森は桜の季節がお勧めです。
弘前城がド定番ですが、あれは一見の価値ありです。
来年には天守が元の位置に戻るらしいので、レア感もあります。
オタクネタだと「ふらいんぐうぃっち」が有名ですが、
CLANNADの聖地もあったりするので、都合がつくならそちらもどうぞ、
という感じです。
秋田は、食べ物が美味しかったという印象が強く残っています。
新米が採れた秋以降、比内地鶏で出汁を取ったきりたんぽ鍋はお勧めの
逸品です。
…過去2回、私が行った時は両方とも夏真っ盛りでしたが^^;
どちらの県も夏に有名なお祭りがあるので、そちらに合わせるのもいいかもしれません。
生憎、「ねぶた」はまだ見たことがありませんが、「竿灯まつり」の方は迫力があって、見ごたえがありました。
現地へ向かう際に、ご参考になれば幸いです。
それでは。
個人的な感想ですが、青森は桜の季節がお勧めです。
弘前城がド定番ですが、あれは一見の価値ありです。
来年には天守が元の位置に戻るらしいので、レア感もあります。
オタクネタだと「ふらいんぐうぃっち」が有名ですが、
CLANNADの聖地もあったりするので、都合がつくならそちらもどうぞ、
という感じです。
秋田は、食べ物が美味しかったという印象が強く残っています。
新米が採れた秋以降、比内地鶏で出汁を取ったきりたんぽ鍋はお勧めの
逸品です。
…過去2回、私が行った時は両方とも夏真っ盛りでしたが^^;
どちらの県も夏に有名なお祭りがあるので、そちらに合わせるのもいいかもしれません。
生憎、「ねぶた」はまだ見たことがありませんが、「竿灯まつり」の方は迫力があって、見ごたえがありました。
現地へ向かう際に、ご参考になれば幸いです。
それでは。
Posted by 楓 at 2020年02月15日 12:13
おお,ありがとうございます。参考にいたします。
オタクネタだと,最近だと竜飛岬が『中二病でも恋がしたい!』の聖地になっていましたね。京アニは竜飛岬が好きなんですかね。
秋田だと,じゅんさい鍋を食べに行きたいなと思っています。時期的には夏ですかね。でも,きりたんぽ鍋も惹かれるし,そっちだと確かに秋ですね。迷いどころですね。
オタクネタだと,最近だと竜飛岬が『中二病でも恋がしたい!』の聖地になっていましたね。京アニは竜飛岬が好きなんですかね。
秋田だと,じゅんさい鍋を食べに行きたいなと思っています。時期的には夏ですかね。でも,きりたんぽ鍋も惹かれるし,そっちだと確かに秋ですね。迷いどころですね。
Posted by DG-Law at 2020年02月15日 22:16