2020年03月25日

漫画日本の歴史より信長の野望の攻略本の方が先だったかも

・子どもが読書習慣を身に付けられるよう、ゲームの攻略本を必ず買う(斗比主閲子の姑日記)
→ 我が身を振り返るに,確かに子供の時は攻略本読むの好きだった。原初の読書体験かもしれない。サブストーリーの小説は作品世界を深めてくれたので,『サガフロ1』の裏・解体新書のヒューズ主人公の小説や『サガフロ2』のあの小説等は大好きだった。用語の出典は神話や歴史のとっかかりだったから,簡素なものよりそういう豆知識も入れてるやつの方が良かった。データ集として読むのも面白くて,RPGの場合は子供心に「あー,ここでゲームバランスとってるんだ」とか考えながら武器リストやダンジョンのマップを眺めていた記憶がある。今考えると,他の攻略本はともかく解体新書やアルティマニアの詳しすぎるデータ集は小中学生が読むにはけっこう難物で,苦戦しながら読んでいたと思うし,良い背伸びだった。子供は好きなゲームのためなら背伸びをするのだ。
→ 良い背伸びと言えば,分厚いコーエーのSLGの攻略本も小学生ながらがんばって読んでいて,あれで三国志・戦国時代の登場人物をかなり覚えたという人は私以外にも多かろうと思う。元記事の子たちもマイクラの攻略となるとかなり深いはずだけど,読んでミスを指摘さえしているというのはかなり良い背伸びだと思う。


・都市在住の裕福な家庭が有利な「大学入学共通テスト」に批判、萩生田文科相は「身の丈にあった勝負をすればいい」と切り捨て(BUZZAP!)
→ この発言は問題発言だと思うけど,本件がこの発言を契機に大きく動き始めたのは完全に予想外だった。実は,皆本当はまずいと内心思っていたので舵を切る契機がほしかったところにちょうどよく問題発言が来たというだけのことだったのではないかと思っている。萩生田さんなら安倍さんの側近なので多少の問題発言でクビが飛ぶことはないので,安心して問題発言していただけたのも好材料で,舵を切るにはぎりぎりのタイミングだったというのも良かったのだと思う。
→ 私も今回の入試改革は問題点が多いので,英語4技能民間試験活用と,共通テスト筆記試験導入は中止になってよかったと思う。しかし,実際には諸国公立大学は上手くこれらを回避する方法を用意しているし(東大の「出身高校の発行する適当な証明書があれば民間試験受験は不要」が一番笑った),私大はこんな改革が無くても英語4技能民間試験を大きく活用する方向に動いていたので,そもそもが言うほどの大改革では無かったよな……という感覚のギャップがある。どちらかというと政商ベネッセが一方的に儲かる構図で利益誘導政治という安倍政権の特徴が大学受験産業でもおおっぴらになされるのだな,くらいに思っていた。ベネッセでなくとも塾・予備校産業にとっては書き入れ時であるので受験生を煽りに煽っていたから,実態に乖離して大改革ということになってしまった,というのが真相ではないか。
→ ところで,今回の入試改革とは約6・7年に始まった当初はもっと大規模な改革の予定だったのだが,いろいろあって様々な要素が脱落し,結局そこそこの規模に落ち着いたという経緯がある。最初はベネッセのベの字くらいしか無くて利益誘導の気配は薄く,結果的にそうなった感じが強い。この経緯がけっこう面白いので,もっと情勢が落ち着いたら書きたい(今は状況が悪い)。


・「座席は空いているのに店員が足りないからお客を入れられない…」なぜ豊洲やお台場の商業施設が人手不足に陥るのか?(Togetter)
→ 言われてみるとその通りで,近隣に若者の居住区域や学校が無いので通勤させるしかなく,通勤時間を上乗せで時給を設定する(+交通費を保証する)と相場よりかなり高い人件費になる。それなら観光地価格,または住民の所得水準に合わせた高価格にすればペイできるかもしれないとして,そうもいかないチェーン店は厳しい。だったら雇える人員で回転させるだけさせて長蛇の列を解消しないというのは合理的帰結である。あそこらへんは値段に人件費を転嫁しきれないような飲食店には厳しい立地なのだな。理由がわかってもなお意外だ。