2020年06月10日

新たに「オランダ・ネーデルラント問題」と名付けたい

・蝦夷の領域に築かれた最北端の古代城柵・秋田城を訪ねる(明晰夢工房)
→ 高校日本史で渟足柵・磐舟柵の次の日本海側のヤマト政権の拠点として習うものの,遺跡が残っている印象は無かった秋田城。所在地すら確定していない渟足柵・磐舟柵とは違い,長期的な拠点だったのだから当然遺跡があるのであった。思ってたよりしっかりしていて,これは行く価値があるかも。
→ かみのやま温泉に行ったときに触れたが,古代の東北だとこの瓦のようなレベルの陶器はおそらく相当に珍しく,さすが当時の出羽最大の拠点である。
→ ほとんどが復元されたものとはいえ,これだけの出土品があって百名城ではなく続・百名城らしい。やはり少しでも現存の建物が無いと厳しいか。
→ 能登客院・松原客院のイメージが強いので,渤海人が来ていたイメージは無かったのだが,使節ではなく商人ということか。渤海が滅ぶと来なくなったのだろうか。秋田城自体も11世紀頃には俘囚の襲撃が重なって放棄されたようだ。ツングース系の人々が日本に現れるのも,目立ったものでは刀伊の入寇まで下ってしまうが,出現したのが博多というのは秋田城で通商していたことからすると,どうも南すぎるように思われる。古代の日本海もよくわからないことだらけだ。


・オランダ、国名の通称「Holland」の使用を廃止(Forbes JAPAN)
→ 言いたいことはわかるが,もう定着しきっているし,「差別的だから絶対にやめましょう」みたいなものとは違うので難しそう。
→ これに対して当時に「これが日本に波及して定着した場合,漢字の「蘭」はそのまま残って,事情を知らない人になぜ蘭なのか説明する必要が生じる面倒くさいやつだ。」とブコメしていて,頭の中にあったのはオスマン帝国呼びが定着したのに略称はいまだにトルコを引きずった「土」というネタであるのだが,中国語のネーデルラントの表記が「荷蘭」で略称が「蘭」だから結局変わらないという説もあるらしく,めちゃくちゃ面白い。Hollandとlandだから,確かに音は同じだ。
→ それはそれとして,ホラントとオランダの時点で「原型は残っているけど」レベルに違い,説明されなければ知らない・気づかない人も多いだろう。しかも「北ホラント州」と「南ホラント州」は普通にホラントの音で呼ぶから,妙な形で州と国が区別できている。そうすると,これはいわゆる「ベトナムとヴェトナム問題」(※)とは形がかなり異なるものの,オランダのままの方がスムーズにいきそうという点で着地点は似ている。オランダ当局がこの説明で納得してくれるのならば日本には波及してこない可能性も。
(※ ヴェトナムという表記も厳密な現地語発音の再現としてはどうせ大間違いなので,日本語の表記として簡素なベトナムを押すべきという話。)


・Fランク大学が都市部で消滅へ〜激戦の大学受験事情とは(石渡嶺司)(個人 - Yahoo!ニュース)
→ 2016年からの私大の定員厳格化が玉突きで,2019年にはとうとうボーダーフリーまで到達したという様相。加えて,年々推薦入試やAO入試(2020年度以降は総合選抜型入試)の定員が増えているので,それでなくても一般入試は定員が減り,偏差値が上昇傾向にある。ただし,漏れた受験生を吸引したのが都市部の私大なので,厳格化が本来の目的を達成していないのかもしれない。
→ なお,各大学の入試問題の難易度が変わったわけではない。それで倍率が上がっているということは単純に高得点勝負になっているということであり,入試の戦い方にも影響が出ているということである。難問にひるまないけど,ケアレスミスが多いタイプの子には厳しい時代だ。
→ そうそう,2020年6月現在の後知恵で言うと,「センターから共通テストに切り替わるため,現役志向が高まって,安定志向から中堅以下の私大で競争が激しくなり,浪人生は減る」という事前の予測は,どうもそうでもなかったようだ。記述式が消滅したために心理的なハードルが下がったのではないかと言われている。この記事では「共通テストが実施される2021年以降もこの傾向は大きくは変わらない見込みです」とされているが,これは否定されよう。それよりも新型コロナウイルスがちょうど受験が終わった3月頃から本格化し始めた影響の方が出ているようだ。大学の定員が変わらない中で受験生が減少しているので,2021年度の入試は逆に,全体的に偏差値が下がりそう。こんなことになるとは,誰も予想していなかった。
→ まあ,そもそも高校の1学期開始が遅れたせいで,今年はまともな一般入試の入試日程が存在するのか,という議論もあるのが悲しいところ。