2021年03月08日

エロゲレビューまとめて(『Summer Pockets RB』他)

前回。約1年ぶりに。ネタバレは致命的なものは避けているが,無いわけではないので気にする人は慎重に読んでほしい。

扱っているのは『Summer Pockets Reflection Blue』,『消えた世界と月と少女』,『SaDistic BlooD』,『真愛の百合は赤く染まる』。


・『Summer Pockets Reflection Blue』
自分としては『リトバス』以来のKEYのゲームになる。「夏」ではなくて「夏休み」をテーマにしたゲームとよく言われていて,その通りだった。攻略の自由度が極めて高く,ミニゲーム等のやりこみ要素も多い一方で,コンプしないつもりなら別にやりこまなくてもシナリオ攻略には一切影響がない。『ぼくのなつやすみ』(の高校生版)を想定して作ったという話も納得である。KEYゲームらしいギャグの切れもまずまず。

肝心のシナリオであるが,正直に言って「これAIRで見た」「これCLANNADで見た」「これは"えいえん"ってやつじゃな」というのが要所要所で出てきてしまって純粋に楽しめなかったところがある。で,BGMの力が過去作ほど無いのでしっくり来ない。その中で比較的面白かったのは鴎シナリオと識シナリオで,この辺は前述のような焼き直し感が薄かった。そうそう,シナリオ攻略については情報解禁度のために攻略順が実質的に固定されているので,注意したい。攻略順を間違えると説明不足になったり意味不明な要素が出てきたりする。これは自由度が高すぎる弊害で,システムの側で最初から固定しておいてほしかった。今更プレイし始める人は少なかろうと思うが,
・蒼ルートは絶対に1人目。このシナリオを最初に読んでおかないと他のルートのシナリオがちんぷんかんぷんになる。
・7・8人目は識→つゆはの順を推奨。この2つはグランドエンドに直接かかわるため。
・うみシナリオは4人目までに読んでおく。でないとグランドエンド後の回収になる(ただし,それはそれで趣深いのでアリかもしれない)。
・紬と静久は連続して攻略した方がいい。
・美希ルートと鴎ルートは比較的独立しているので自由度が高い。鴎ルートは読後感が良いのとCGコンプがやや複雑なので後ろの方が良いかも。
……というのが条件になる。一例としては,蒼→紬→静久→うみ→美希→鴎→識→つゆは→グランドエンドとか。最後に無印『Summer Pockets』プレイヤーが『RB』をやる必要があるかという話をすると,識シナリオとうみシナリオを読んでほしい気はしつつ,とはいえグランドエンドほどのインパクトは無く,残りの増えた美希と静久のシナリオは別にまあ……という感じなので微妙なところ。


・『消えた世界と月と少女』
これはすごい作品ですよ。もっと話題になっていてもよいと思うので,埋没具合に驚いた。なにせ『ひぐらしのなく頃に』と『いつか、届く、あの空に』と『竹取物語』を足して3で割って不思議と綺麗に完成している怪作なのだから。『いつ空』っぽいという形容はそれ自体がネタバレなのではと思われるかしれないが,公式HPの作りからして全く隠す気が無く,むしろ隠してしまうとそういうのを求めていないプレイヤーには地雷になりうる作品だから思い切り公開していると思われるので,私もそこは自重せず説明することにした。

ゲームの前半部分は「このライターさんは『ひぐらし』が大好きなんだろうな」「『竹取物語』は単なるフレーバーなのかな……」くらいの感じでそこまで印象が良くないが,後半に『いつ空』要素が入ってきて超展開が続くと,振り切れたシリアスな笑いが襲ってきて評価が一気に上昇した(褒めてます)。とはいえ,あまりにぶっ飛んだ超展開なので人はめちゃくちゃ選ぶと思うし,ましてや『いつ空』っぽさをそこまで求めていないプレイヤーにとっては駄作でしかなかったと思うので,批評空間75点は理解できるところ。あと,project lightsが請け負ったBGMがかなり良く,特にED曲はシナリオとあいまってエロゲソング史に残る出来。

最後に一つだけ文句を言っておくと,羅刹様が攻略できないのは致命的な欠点右列の上から3人め)であるのですぐに修正パッチをですね……


・『真愛の百合は赤く染まる』
和泉万夜が全力で百合を書くとどうなるか,あるいは上田メタヲではなくるび様とコンビを組むとどうなるかという実験作。結論は方向性に歯止めをかける人が不在になるので,スプラッター要素がとんでもなく濃くなる。名コンビだとは思うのだけど,和泉万夜はやっぱり狂気と陵辱とその合間に見える人間の情の人だと思うので,ちょっとるび様に引きずられすぎたのかなと。でもそれがるび様の持ち味なので,あちらに罪はない。百合要素はあるけどパッケージの印象ほど大きくなく,また狂気というだけで終わるので「巨大感情」としてはさして面白くない。和泉万夜の百合が読みたいなら下記の『サドブラ』でいいと思う。また個人的な話として自分がそこまでスプラッターを求めていないということがわかったという点で良い経験だった。


・『SaDistic BlooD』
『MinDeaD BlooD』の(現行の)最終作の短編。和泉万夜と上田メタヲの黄金コンビ。短編なのでシナリオはそこまでひねってないけど,エンディングは18個あってコンプの難易度はけっこう高い。そこは『MinDeaD BlooD』シリーズというところ。エログロ関係もいつものこのシリーズという感じだが,触手多めでテイストが『EXTRAVAGANZA』シリーズ寄りに感じた。シナリオのタネは割とすぐにわかったけど,良い百合だった。こういうのでいいんだよこういうので。あと,上田メタヲの技量が以前よりも格段に上がっていて,このクオリティで『MinDeaD BlooD』本編を作り直してほしいレベル。『MinDeaD BlooD』が好きで百合に抵抗がないなら絶対にプレイした方が良い。



以下はメモとして。
・クリア済,レビュー未完成:『美少女万華鏡5』,『ネコぱらvol.4』。 
・現在プレイ中または一旦停止中:『うたわれるもの 偽りの仮面』,『サクラノ詩』,『MUSICUS!』,『アメイジング・グレイス』。
・(2021年中に)やる予定はある:『凍京ネクロ』,『うたわれるもの 二人の白皇』,『ルリのかさね』。
・予約はした:『DeadEndAegis』。これは多分すぐにやると思う。

次は1年周期じゃなくて半年後くらいに更新したい……