2021年06月17日
土師器と須恵器の違いを初めてちゃんと調べたかも
・土師器と須恵器、原料の違いは? 決め手はある物質(朝日新聞)
→ 高校日本史の古墳時代で必ず登場しつつ,「土師器は弥生土器の後継,須恵器は渡来人由来」というふんわりした説明だけであっさり終わる土師器と須恵器だが,要するに土師器は野焼き,対して須恵器は窯焼きである。土師器は純然たる土器だが,須恵器は釉薬をかけていない素焼きではあるが,「すえ」の名前の通り土器と陶器の中間になる。この研究によれば,さらに土質も違うということのようだ。窯で焼くから斜面の場所をとるために須恵器は山の土,野焼きでさっと焼く土師器は田の粘土という違いが出てくるのは面白いし,それで生産過程の証明の追試になるのも面白い。
・標高2000メートルの盲腸県境と危険すぎる県境(デイリーポータルZ)
→ 一応この県境は知っていた。この経緯で設置されて,その奥の院が無くなっているのは諸行無常を感じるところ。行ってみたい登山の一つ。
→ 鎖場も岩場もあり,けっこう危険でしかも一泊二日が前提となると,グレーディングは6Cか7Cかなと推測していたのだが,山形県がグレーディングを発表していて(前は中部・北関東の内陸県しか無かったがどんどん広まっていて良いことである),そこで見るとDPZのルートと近いルートで7Cになっていたから,推測は正しかった。登山が初めてに近い人だったらグレーディングA,運動神経に自信があってもBにとどめておくのが正しくて,完全に初心者が一人で行っていい山ではない。6年前の記事に言うのもなんだが,この人がガイドを雇ったのは正解。なお,やまクエではレベル68だった。
・「ドット絵だけのキャラが見る人によって解釈が分かれる現象」が好きすぎる (Togetter)
→ わかる。ドット絵だと思わぬところが目に見えるので,ドット絵以外の絵で正しい造形が判明した時に顔の形が想像と全然違うことがけっこうあった。ガストラ皇帝の事例が出ているが,まさにFF6やクロノトリガー辺りの,表現力の限界に挑んでいる辺りの一番空目する。あと『サガフロンティア』でもけっこう空目していたことが,Remasterで綺麗になって判明したのが最近の驚きだった。グリランドリー,そこに目がついてたんか……
・第3回 学費無償化のコスパを担保するためには(Humony International)
→ 記事全体の論調にはさして反対するところがないが,
>出題にミスがあると大学はお詫びをし、社会的制裁を受け、結果、大学はさらに出題内容のチェックに人と時間を使うことになります。
と言われると,出題ミスで社会的制裁とかあったっけとは思ってしまう。近年だと京大の物理の出題ミスは大きく騒がれたし,あれだけピンポイントで騒がれたのはちょっと異常であったが,逆に言って社会的制裁と言っていいほど多数から批判を受けたのはあれくらいで,他の大多数の出題ミスは見過ごされているか,そもそも指摘を受けても無視して無かったことにされていることの方が多い。「大学はさらに出題内容のチェックに人と時間を使うことにな」っているとは言いがたい。
>設問を易しすぎず難しすぎず作成し、過去問との重複がないか、出題ミスがないかチェックすることなど、大学教育の本質とは大きく外れており、高校や予備校に勝てるはずはありません。
→ というのはおっしゃる通りではあるものの本質は外していて,本ブログの読者はよく知っているように,出題ミスや不適切な難易度の出題の少なくない割合は出題者の趣味や(専門外の領域の)知識不足に由来するものであって,必ずしもチェック不足によるものではない。正直に言って研究者の良心的な意味での資格を疑うものもあり,匿名であることをいいことに無責任な行為をしているところもある。出題ミスの構造的な問題に切り込みたいなら,もっとちゃんとミスの実態を調べてから記事を書いてほしかった。
→ 高校日本史の古墳時代で必ず登場しつつ,「土師器は弥生土器の後継,須恵器は渡来人由来」というふんわりした説明だけであっさり終わる土師器と須恵器だが,要するに土師器は野焼き,対して須恵器は窯焼きである。土師器は純然たる土器だが,須恵器は釉薬をかけていない素焼きではあるが,「すえ」の名前の通り土器と陶器の中間になる。この研究によれば,さらに土質も違うということのようだ。窯で焼くから斜面の場所をとるために須恵器は山の土,野焼きでさっと焼く土師器は田の粘土という違いが出てくるのは面白いし,それで生産過程の証明の追試になるのも面白い。
・標高2000メートルの盲腸県境と危険すぎる県境(デイリーポータルZ)
→ 一応この県境は知っていた。この経緯で設置されて,その奥の院が無くなっているのは諸行無常を感じるところ。行ってみたい登山の一つ。
→ 鎖場も岩場もあり,けっこう危険でしかも一泊二日が前提となると,グレーディングは6Cか7Cかなと推測していたのだが,山形県がグレーディングを発表していて(前は中部・北関東の内陸県しか無かったがどんどん広まっていて良いことである),そこで見るとDPZのルートと近いルートで7Cになっていたから,推測は正しかった。登山が初めてに近い人だったらグレーディングA,運動神経に自信があってもBにとどめておくのが正しくて,完全に初心者が一人で行っていい山ではない。6年前の記事に言うのもなんだが,この人がガイドを雇ったのは正解。なお,やまクエではレベル68だった。
・「ドット絵だけのキャラが見る人によって解釈が分かれる現象」が好きすぎる (Togetter)
→ わかる。ドット絵だと思わぬところが目に見えるので,ドット絵以外の絵で正しい造形が判明した時に顔の形が想像と全然違うことがけっこうあった。ガストラ皇帝の事例が出ているが,まさにFF6やクロノトリガー辺りの,表現力の限界に挑んでいる辺りの一番空目する。あと『サガフロンティア』でもけっこう空目していたことが,Remasterで綺麗になって判明したのが最近の驚きだった。グリランドリー,そこに目がついてたんか……
・第3回 学費無償化のコスパを担保するためには(Humony International)
→ 記事全体の論調にはさして反対するところがないが,
>出題にミスがあると大学はお詫びをし、社会的制裁を受け、結果、大学はさらに出題内容のチェックに人と時間を使うことになります。
と言われると,出題ミスで社会的制裁とかあったっけとは思ってしまう。近年だと京大の物理の出題ミスは大きく騒がれたし,あれだけピンポイントで騒がれたのはちょっと異常であったが,逆に言って社会的制裁と言っていいほど多数から批判を受けたのはあれくらいで,他の大多数の出題ミスは見過ごされているか,そもそも指摘を受けても無視して無かったことにされていることの方が多い。「大学はさらに出題内容のチェックに人と時間を使うことにな」っているとは言いがたい。
>設問を易しすぎず難しすぎず作成し、過去問との重複がないか、出題ミスがないかチェックすることなど、大学教育の本質とは大きく外れており、高校や予備校に勝てるはずはありません。
→ というのはおっしゃる通りではあるものの本質は外していて,本ブログの読者はよく知っているように,出題ミスや不適切な難易度の出題の少なくない割合は出題者の趣味や(専門外の領域の)知識不足に由来するものであって,必ずしもチェック不足によるものではない。正直に言って研究者の良心的な意味での資格を疑うものもあり,匿名であることをいいことに無責任な行為をしているところもある。出題ミスの構造的な問題に切り込みたいなら,もっとちゃんとミスの実態を調べてから記事を書いてほしかった。
Posted by dg_law at 22:59│Comments(0)