2021年09月12日

『だもんで豊橋が好きって言っとるじゃん!』2巻の細かい感想

2巻の感想を書きあぐねているうちに3巻が出てしまったのでまとめて書こう……と思ったらネタが豊富すぎて分けた。1巻の感想はこちら。なお,1巻は2冊買って1冊は実家に送ったところ母親にバカウケしていて,2・3巻は自主的に買っていたので宣伝に成功した。うずら卵カッターで爆笑していたらしいので,親子だなと思った。




以下,本文からの引用は青字。

〔12話〕
市電回。
>(駅前に)人が少ない
マジでそれ。けっこういろいろな店・施設があるのに,なぜか人通りが少ない。35万人くらい住んでてこれはなぜか。旅行で見かける他の同規模の人口の都市はもうちょっと人通りがある気がするのだが……過度な車社会なので駅前に行かないし,駐車場に停めて目的の施設に一直線だから表に現れない説を提唱しておきたい。

>(市電の)日本一の急カーブ
井原の電停を通りがかるとたまに撮り鉄らしき人を見かけるのでマジでレアなんだなとそれで実感する。極個人的な話をすると,そのすぐ目の前にあるサイゼで高校生なら誰でも一度はやる,友人たちとドリンクバーで無茶苦茶に混ぜる遊びをした記憶。ちゃんと全部飲んだ……というよりもあれはまずくするのが意外と難しいのだよな。


〔13話〕
はい来たのんほいパーク回。私が最後に行ったのは10年くらい前だろうか。動物園・植物園・遊園地・自然史博物館が融合していてかなり広大なので,普通に1日遊べるのだよな。この13話はほぼ動物園と展望台だけで終わってしまったので,再訪して他の施設も紹介してほしい。


〔14話〕
>「さばくる」
三河弁だと思われていないけど実は三河弁シリーズ。前に聞かれて「鞄や袋の中に腕を突っ込んで物を探す」と答えたことがあり,マジで三河弁なのだなと実感したことがある。冷蔵庫はさばくるもの。うちの母親もよくさばくっていた。

>東海漬物の本社は豊橋
そもそもきゅうりのキューちゃんの知名度は全国区なのだろうかという一抹の不安が。

>「スガキヤラーメン」
尾張民と共有するソウルフード。実家にいた時は向山のアピタの2階でたまに食ってた記憶があるが,東京に移住してからは全然食べていない。帰省した時に,限られた食事回数の中の1回にこれを入れるかというと微妙ではあるのよな。

>ポンポコラーメン
これは知らなかった。実家にあまりインスタントラーメンの文化が無かったのがその理由だと思う。


〔15話〕
>「校区」「校区破り」「出校日」
「校区」は使っていた。「校区破り」は無い。そんなルールうちの校区にもあったんじゃろか……「出校日」も「登校日」と言っていた気がするので,豊橋市内でも校区によって違う説ある。

>ポテトフライは東豊製菓の人気商品
『だがしかし』のほたるさんも大好きなポテトフライをよろしくお願いします。重ねてまとめて食べる禁忌。
  ※ 重ね食いは東豊製菓から「口の中を傷つける可能性がある」等の理由により推奨されていない。


〔16話〕
>吉田城
吉田城は確かに「続・日本百名城」だが,現存する城郭(鉄櫓)に行くとあまりのしょぼさに逆に驚く。吉田城が入っている辺りに「続」の微妙さがわかってしまう。なお,「続」の中でも史跡未指定なものは7個しかなく,吉田城はそのうちの1つ。現存のものは1954年築城,石垣だけは16世紀末の池田輝政が城主だった頃に積まれたものが残っているそうで。ついでに調べていて知ったのだが,吉田藩最後の藩主は大河内松平家で,明治に入って子爵としては3代目に当たる大河内正敏は大戦中の理研所長・理研コンツェルンの創業者としてA級戦犯に指名されていた(不起訴)。意外なところに有名人の子孫がいる。

>長篠城
長篠城も確かに「日本百名城」だが,他の百名城に比してあまりにも何もないので,合戦場跡としては面白いけど日本百名城かと言われるとちょっと外してほしさがある。鳥居強右衛門のエピソードのために入れられている感じも。ちぎりの母が触れている火縄銃演武は,私も見に行ったことがある。あれは地元民なら一度は見に行く価値があろう。
>鳥居強右衛門……の看板
幼少期にはトラウマになるところまで含めて東三河民の鉄板ネタ。

道端でいきなりこの看板は怖すぎるでしょ。これ国道151号上だよ? 案内されている長篠城址史跡保存館はなかなか見応えがあるので,上述の火縄銃演武のタイミングで行くとよい。

>戦国三大合戦の一つ
「三大◯◯」あるあるで,関ヶ原だけが概ね確定しており,残りは(第四次)川中島・桶狭間・長篠・筑後川・大坂の陣・厳島・川越夜戦あたりで割れに割れている模様。三大を作るのは土台無理なテーマかなと思う。

>中央構造線長篠露頭
これは知らなかった。理系の友人なら知っていただろうか?


〔17話〕
>豊橋カレーうどん
作中で「豊橋カレーうどんは誕生10周年」と触れられている通りであり,15年以上前に豊橋を離れた身としては(カレーが好きではないことを差し引いても)思い入れが無い。すでに愛知県内では若鯱家のカレーうどんが強い中でよく新規にカレーうどんで対抗しようと考えたなとは思った。今度実家に帰った時にでも食ってみるかな……

>にかけうどん
こっちは全然知らなかったのだが,言われてみると実家の近所のうどん屋,やたらと鰹節が散らしてあったなとは読んでて気づいた。あれだったのか……

>(ほのかのアホ毛)について「この一本がどうしても縛れんのだけど!」
全然豊橋ネタではないのだが,アホ毛が硬すぎることに作中のキャラがツッコむのはけっこう珍しい気がする。その意味で笑ってしまった。


〔18話〕
>「名古屋には三英傑が揃ってますからね」
>「徳川家康は岡崎生まれだって何回言えばわかるのーっ」
>「有名な武将が一人もいない豊橋市は黙ってなさいっ」

この愛知県なのに三英傑と全くかかわりが無い疎外感,豊橋市民には共感されると思う。というか尾張・西三河・東三河で見ても東三河は三英傑とかかわりが無く,有名な武将がいない。まあ徳川家康は浜松の人ってことでいいのでは(三遠南信統一主義者による危険発言)

>近代図書館の先駆け的存在の羽田八幡宮文庫
これも知らなかった。羽田の出身者だったりすると知っているのだろうか。「近代図書館の先駆け」ってどういう意味なのかと思って調べると,創設が幕末で,公開閲覧室があり,貸し出し制度もあったらしい。創設者は羽田八幡宮の神主・平田篤胤の門人だったそうで,国学の書籍が多かったようだが,その他に『解体新書』『蘭学階梯』『和漢三才図会』『大日本史』『十三経注疏』『四書大全』『類聚国史』等も含む約2,500部・約1万巻が所蔵されてそうなので,かなり充実していたのではないか。残念なことに後継者が現れず1907年に閉鎖し所蔵品が散逸したそうなので,継続性に乏しかったのが有名ではない理由なのだろう。非常に惜しい。

>「ええじゃないか」の発祥の地
東三河でなく豊橋に限れば,教科書に必ず載っているレベルの歴史ネタというとこれしかない。

>「家康が腰掛けて祭りを見た松もあったんだよ」
>「徳川家康公腰掛松旧阯が豊橋公園にあるよ」

そんなしょぼい史跡本当にあるんかと思われるかもしれないがマジである。私も数年前に公園を散歩していて偶然発見して驚いた。市民プールと野球場の間の通路というか駐車場というかにぽつんとある。存在を知らない豊橋市民がめちゃくちゃ多そう。
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〔19話〕
>「「三河」の発音が違っとるでやり直し」
大丈夫だ,豊橋に長年住んでいた私でも「み」に強勢を置いてしまうから。

>まけんグミ
見覚えはあるけど,ほとんど食べたことがない。このグミも豊橋のメーカーなのね。


〔20話〕
>「ほんとえらかったわ」
>「ああそれはねぇ こんきいって意味じゃんね」

三河弁の鉄板ネタその3。どちらも「疲れた」の意味。状況は覚えていないが,これは素で「何が偉いんだ」と素でツッコまれたことがある。

>「コロコロって超便利だら? 実はそれ豊橋生まれ豊橋育ちなんじゃんねっ」(ドヤッ
これはうちの母親も言っていた記憶がある。実はブラックサンダーよりもこちらが豊橋が生んだ最大のヒット商品なのでは。


〔21話〕
>ヤマサのちくわ
>「昔も今も変わらぬ旨さ…」

ノ  ル  マ  達  成


〔EX〕
>大正軒の全自動団子焼き機
全く知らない人からするとなんだそれってなると思うのだが,これもマジで存在する。『だもとよ』作者ご本人のツイートを貼っておこう。

かく言う私も幼少期に連れて行かれてずっと眺めていたことがある。実際に動いているところを見るとけっこう面白いのでお勧め。大正軒,実は豊橋最大の観光名所なのでは。