2021年09月27日
2021年秋場所:史上9人目の新横綱の優勝
前半はつまらなかったが,後半は熱戦が多くて見応えがある場所であった。宮城野部屋が新型コロナウイルス感染症により全員休場となった時点で,予想されていた通りの優勝争いで,予想されていた通りの人が優勝した。人によってはもう少し簡単に照ノ富士が優勝すると考えていたかもしれないが,私は2敗くらいはするだろうと思っていた。照ノ富士があまりにも強いので皆忘れがちなのであるが,彼は膝が極度に悪く,押し相撲に対して下がる展開になると,引き技を全く打てずに土俵を割るしか無いという致命的な弱点がある。それも序盤ならまだ耐えられるが,疲労が蓄積する後半は危ない。今場所はまさにその通りという展開で,大栄翔には押し込まれて負けた。明生は押し相撲ではないが,立ち合いの圧力で一気に持っていったという点で照ノ富士の弱点を見事に突いたと言える。
膝へのダメージの蓄積という点では,照ノ富士自身の取り口の変化も挙げなければなるまい。今場所は先場所までと比べて明らかに勝った相撲の取組時間が長く,負けた二番に限ると短かった。データで見ると,幕内復帰(2020年名古屋場所)以降の場所ごとの平均取組時間は全て15秒未満であり,皆勤で最も短いのは今年の五月で約8.7秒。それに対して今場所は約27.7秒だったとのことなので,これまでより2〜3倍の時間をかけているということになる。先場所に比べると自分から攻めていくというよりはどっしりと構えて,一度受けてから押し返したり上手をとったりという展開になることが多く,あえて攻撃を一呼吸分遅らせているように見えた。それが横綱たるもの受けて立つべきという意識によるものなのか,あるいは体調による仕方のないものなのかは今ひとつ判別がつかなかったが,元兄弟子の安治川親方が前者であると推測していた報道があったので,まず間違いなく意図的な取り口の変更ということになる。照ノ富士が自らの膝へのダメージを考慮してもなお,伝統的な横綱相撲を意識していたというのは意外な話であり,極私的な思いで言えば可能な限り長く横綱を張ってほしいので,先に攻めるスタイルに戻して膝への負担を軽減してほしいのだが,照ノ富士がそれを貫くのなら素直にかっこいいと思う。綱取りの頃から照ノ富士は常々「土俵はいつ何が起きるか分からない」「自分の力士生命は長くない」と公言していることも考えると,太く短いからこそ理想を貫こうと考えているのかもしれない。
その上で言えば,上手でも下手でも左でまわしが取れれば盤石で,よほどの土俵際で無い限り負ける要素が無かった。特に外四つになってもほとんど問題がない懐の深さは,これまでの横綱と比べても照ノ富士に特有と言っていい強みである。他の力士からすると照ノ富士対策は立ち合いの出足で一気に持っていくか,最低でも深くもろ差しになる展開以外だとほぼ勝つ見込みが無い(白鵬を除く)。今場所,照ノ富士が自分から右四つを早く作って即座に取組を終わらせた例外が二日目の豊昇龍戦だったが,あれは足技で刈り取られるのを警戒していたのかもしれない。とすると,これも有効な手段かもしれないが,できる人がそれこそ豊昇龍くらいに限られるだろう。今後も照ノ富士は会心の立ち合いを食らって場所中に1・2敗するのは避けられず,好角家を心配させながらも優勝はするという展開になりそう。
その他の力士の個別評。大関。貴景勝は「首のケガは治っていても,恐怖心が残っているのではないか」と指摘されていて,3連敗を含めて序盤は怖々取っていたように見えた。それを払拭して立て直したことを考えると,勝ち越し・カド番脱出ぎりぎりの8勝でも今場所は仕方がなかったように思う。14日目の照ノ富士戦も現状の貴景勝では善戦した部類だろう。来場所の全力の取組に期待したい。正代は,今場所は御嶽海並に強い日と弱い日の差が激しく,何だったのかよくわからない。終盤に多く弱い方が出てきたので印象が過剰に悪い……とは擁護する気もなく書いておく。
三役。御嶽海は本当に強い日と弱い日の違いが何なのか。立ち合いの当たりの強さで調子がわかるのはわかりやすい。照ノ富士戦前に「作戦を考えている」と発言してネット上の好角家を沸かせ,当日に特に工夫もない立ち合いであっさりと負けてネット上の好角家をしらけさせた。「作戦」とは何だったのか,マスコミの方は取材に行ってほしい。確実にPVを稼げるので。明生は12日目の照ノ富士戦で彼の弱点を見事に突いた強烈な立ち合いを披露し,14日目の勝ち越しがかかった相撲で変化して勝利し,千秋楽には優勝のかかった妙義龍が固くなっているの見るや冷静にいなして秒殺した。14日目のAbemaで花田虎上氏が「こういう変化は翌日の相撲が崩れる」と心配していたが,そんなことは全くなかった。明生の強心臓っぷりは今場所の影の立役者だったと思われる。明生は前からこんなにメンタル強者でしたっけ……それが発揮される場面が今まで無かっただけか。高安は途中休場だが,そうでなくても絶不調だった。逸ノ城は三役での勝ち越しが丸3年ぶりとのこと。令和3年に入ってから,特に5月以降の3場所はやる気が以前と違うが,なにか心境の変化があったのか。これもどなたかマスコミが聞いてきてほしい。
前頭上位。取り上げるべき人物が多い。豊昇龍は急性扁桃炎で体調悪く負けが込んで休場したが,中日に復帰後は4−4でまとめてトータル5−8−2となった。皆勤していれば勝ち越し,来場所新小結だった可能性は高く,非常にもったいない。今場所の豊昇龍のハイライトはなんと言っても9日目,若隆景との期待の若手対決を制した一本背負いにほかならず,14日目の千代大龍戦の懸命の粘りからのとったり等,足腰の強さと技巧が光った。来場所は番付が下がることを活かして大勝してほしい。霧馬山は上位挑戦の地位では初めての勝ち越し。膝のケガが治ってきたか。今場所も投げ技の切れが存分に発揮されていた。来場所は新小結だろう。豊昇龍・霧馬山と並ぶ期待の新星,若隆景も見事に9勝。これまでの上位挑戦はおっつけの技術に馬力が追いついていない場面が多くて跳ね返されていたが,今場所はかなり通用していた。豊昇龍ともども身体を作っていってほしい。上が詰まっていて再小結とはならなさそうなのが不運である。
琴ノ若は休場で残念。休場前でも3−6だったが,上位挑戦だっただけで星数ほど内容は悪くなかった。前に取り上げた3人と比べると身体に恵まれ大きな相撲が取れる上に,技術が無いわけでもないというアドバンテージがあるのを活かして渡り合ってほしい。大栄翔は優勝した場所に次いで調子が良かったのではないか。照ノ富士戦はこれが殊勲賞の取組でなければ他に何が該当するのだというべき会心の相撲で非常に良いものだった。千代翔馬は5−10だったが,前半が7連敗,後半が5−3で後半は悪くなかった。前出の若者たちと比べると張り差しを多用していて,良くも悪くも朝青龍・白鵬が作った流行にまだ乗っかっている感じがあり,この点がかえって特徴になっているように思われる。こうして見比べると大相撲にも流行ってあるのだなと。
前頭中盤。宇良は7−8で惜しい負け越し。先場所に比べると以前の小兵らしい相撲が復活していて,先場所のとにかく低く押す相撲とのハイブリット化が図られているように思われたし,相手がどちらで来るのかわからず戸惑っていたからある程度成功していたように思われる。ただし,照ノ富士戦の異様な粘りは意見が分かれるところだろう。私もあそこまで粘るのは勝負根性を超えてケガを誘発する素人相撲と批判されても仕方がないと思う。阿武咲は10勝で,地力を考えると上りエレベーターなのだが,来場所に照ノ富士と当たるのが楽しみだ。碧山はせっかく良い突きを持っているのに引き癖がひどすぎ,あの内容だと7勝で負け越す。でももう実は35歳で,玉鷲同様に年齢の割には強すぎると評価すべきなのかもしれない。優勝次点となった妙義龍も同様に34歳で,場所を盛り上げてくれて感謝である。差し身・前さばきの良さが健在で,立ち合いからすぱっと寄れる体勢になる相撲は見ていて気持ちが良い。
前頭下位。剣翔は蜂窩織炎にかかり途中休場かと思われたが,耐えて最後まで出場した。ケガではないので悪化するわけではないから,これも一つの選択だろう。あれだけ見るからに右足の色が変わるものなのだな。十一日目からは「腫れは引いてきたが膿が出てきた」ということで包帯とテーピングでぐるぐる巻きの状態で出場していたが,右足がきかないことに変わりはなく,全体を通して相撲になっていない取組も何番かあった。休場よりは一つでも白星を拾った方が番付は下がらないと想定される以上,判断が難しいという苦悩を見たような気がした。一山本は失言しない阿炎という感じで喋りがとにかく面白すぎるので幕内に残留してほしかったところだが,馬力が足りず4−11に終わった。十両で鍛え直しである。千代丸は「20kg痩せた」という触れ込みに対し,あらゆる解説者から「本当に?」と突っ込まれていたのが面白かった。8−7のぎりぎり勝ち越しで,その効果が出ていたかどうかはなんとも言えない。
膝へのダメージの蓄積という点では,照ノ富士自身の取り口の変化も挙げなければなるまい。今場所は先場所までと比べて明らかに勝った相撲の取組時間が長く,負けた二番に限ると短かった。データで見ると,幕内復帰(2020年名古屋場所)以降の場所ごとの平均取組時間は全て15秒未満であり,皆勤で最も短いのは今年の五月で約8.7秒。それに対して今場所は約27.7秒だったとのことなので,これまでより2〜3倍の時間をかけているということになる。先場所に比べると自分から攻めていくというよりはどっしりと構えて,一度受けてから押し返したり上手をとったりという展開になることが多く,あえて攻撃を一呼吸分遅らせているように見えた。それが横綱たるもの受けて立つべきという意識によるものなのか,あるいは体調による仕方のないものなのかは今ひとつ判別がつかなかったが,元兄弟子の安治川親方が前者であると推測していた報道があったので,まず間違いなく意図的な取り口の変更ということになる。照ノ富士が自らの膝へのダメージを考慮してもなお,伝統的な横綱相撲を意識していたというのは意外な話であり,極私的な思いで言えば可能な限り長く横綱を張ってほしいので,先に攻めるスタイルに戻して膝への負担を軽減してほしいのだが,照ノ富士がそれを貫くのなら素直にかっこいいと思う。綱取りの頃から照ノ富士は常々「土俵はいつ何が起きるか分からない」「自分の力士生命は長くない」と公言していることも考えると,太く短いからこそ理想を貫こうと考えているのかもしれない。
その上で言えば,上手でも下手でも左でまわしが取れれば盤石で,よほどの土俵際で無い限り負ける要素が無かった。特に外四つになってもほとんど問題がない懐の深さは,これまでの横綱と比べても照ノ富士に特有と言っていい強みである。他の力士からすると照ノ富士対策は立ち合いの出足で一気に持っていくか,最低でも深くもろ差しになる展開以外だとほぼ勝つ見込みが無い(白鵬を除く)。今場所,照ノ富士が自分から右四つを早く作って即座に取組を終わらせた例外が二日目の豊昇龍戦だったが,あれは足技で刈り取られるのを警戒していたのかもしれない。とすると,これも有効な手段かもしれないが,できる人がそれこそ豊昇龍くらいに限られるだろう。今後も照ノ富士は会心の立ち合いを食らって場所中に1・2敗するのは避けられず,好角家を心配させながらも優勝はするという展開になりそう。
その他の力士の個別評。大関。貴景勝は「首のケガは治っていても,恐怖心が残っているのではないか」と指摘されていて,3連敗を含めて序盤は怖々取っていたように見えた。それを払拭して立て直したことを考えると,勝ち越し・カド番脱出ぎりぎりの8勝でも今場所は仕方がなかったように思う。14日目の照ノ富士戦も現状の貴景勝では善戦した部類だろう。来場所の全力の取組に期待したい。正代は,今場所は御嶽海並に強い日と弱い日の差が激しく,何だったのかよくわからない。終盤に多く弱い方が出てきたので印象が過剰に悪い……とは擁護する気もなく書いておく。
三役。御嶽海は本当に強い日と弱い日の違いが何なのか。立ち合いの当たりの強さで調子がわかるのはわかりやすい。照ノ富士戦前に「作戦を考えている」と発言してネット上の好角家を沸かせ,当日に特に工夫もない立ち合いであっさりと負けてネット上の好角家をしらけさせた。「作戦」とは何だったのか,マスコミの方は取材に行ってほしい。確実にPVを稼げるので。明生は12日目の照ノ富士戦で彼の弱点を見事に突いた強烈な立ち合いを披露し,14日目の勝ち越しがかかった相撲で変化して勝利し,千秋楽には優勝のかかった妙義龍が固くなっているの見るや冷静にいなして秒殺した。14日目のAbemaで花田虎上氏が「こういう変化は翌日の相撲が崩れる」と心配していたが,そんなことは全くなかった。明生の強心臓っぷりは今場所の影の立役者だったと思われる。明生は前からこんなにメンタル強者でしたっけ……それが発揮される場面が今まで無かっただけか。高安は途中休場だが,そうでなくても絶不調だった。逸ノ城は三役での勝ち越しが丸3年ぶりとのこと。令和3年に入ってから,特に5月以降の3場所はやる気が以前と違うが,なにか心境の変化があったのか。これもどなたかマスコミが聞いてきてほしい。
前頭上位。取り上げるべき人物が多い。豊昇龍は急性扁桃炎で体調悪く負けが込んで休場したが,中日に復帰後は4−4でまとめてトータル5−8−2となった。皆勤していれば勝ち越し,来場所新小結だった可能性は高く,非常にもったいない。今場所の豊昇龍のハイライトはなんと言っても9日目,若隆景との期待の若手対決を制した一本背負いにほかならず,14日目の千代大龍戦の懸命の粘りからのとったり等,足腰の強さと技巧が光った。来場所は番付が下がることを活かして大勝してほしい。霧馬山は上位挑戦の地位では初めての勝ち越し。膝のケガが治ってきたか。今場所も投げ技の切れが存分に発揮されていた。来場所は新小結だろう。豊昇龍・霧馬山と並ぶ期待の新星,若隆景も見事に9勝。これまでの上位挑戦はおっつけの技術に馬力が追いついていない場面が多くて跳ね返されていたが,今場所はかなり通用していた。豊昇龍ともども身体を作っていってほしい。上が詰まっていて再小結とはならなさそうなのが不運である。
琴ノ若は休場で残念。休場前でも3−6だったが,上位挑戦だっただけで星数ほど内容は悪くなかった。前に取り上げた3人と比べると身体に恵まれ大きな相撲が取れる上に,技術が無いわけでもないというアドバンテージがあるのを活かして渡り合ってほしい。大栄翔は優勝した場所に次いで調子が良かったのではないか。照ノ富士戦はこれが殊勲賞の取組でなければ他に何が該当するのだというべき会心の相撲で非常に良いものだった。千代翔馬は5−10だったが,前半が7連敗,後半が5−3で後半は悪くなかった。前出の若者たちと比べると張り差しを多用していて,良くも悪くも朝青龍・白鵬が作った流行にまだ乗っかっている感じがあり,この点がかえって特徴になっているように思われる。こうして見比べると大相撲にも流行ってあるのだなと。
前頭中盤。宇良は7−8で惜しい負け越し。先場所に比べると以前の小兵らしい相撲が復活していて,先場所のとにかく低く押す相撲とのハイブリット化が図られているように思われたし,相手がどちらで来るのかわからず戸惑っていたからある程度成功していたように思われる。ただし,照ノ富士戦の異様な粘りは意見が分かれるところだろう。私もあそこまで粘るのは勝負根性を超えてケガを誘発する素人相撲と批判されても仕方がないと思う。阿武咲は10勝で,地力を考えると上りエレベーターなのだが,来場所に照ノ富士と当たるのが楽しみだ。碧山はせっかく良い突きを持っているのに引き癖がひどすぎ,あの内容だと7勝で負け越す。でももう実は35歳で,玉鷲同様に年齢の割には強すぎると評価すべきなのかもしれない。優勝次点となった妙義龍も同様に34歳で,場所を盛り上げてくれて感謝である。差し身・前さばきの良さが健在で,立ち合いからすぱっと寄れる体勢になる相撲は見ていて気持ちが良い。
前頭下位。剣翔は蜂窩織炎にかかり途中休場かと思われたが,耐えて最後まで出場した。ケガではないので悪化するわけではないから,これも一つの選択だろう。あれだけ見るからに右足の色が変わるものなのだな。十一日目からは「腫れは引いてきたが膿が出てきた」ということで包帯とテーピングでぐるぐる巻きの状態で出場していたが,右足がきかないことに変わりはなく,全体を通して相撲になっていない取組も何番かあった。休場よりは一つでも白星を拾った方が番付は下がらないと想定される以上,判断が難しいという苦悩を見たような気がした。一山本は失言しない阿炎という感じで喋りがとにかく面白すぎるので幕内に残留してほしかったところだが,馬力が足りず4−11に終わった。十両で鍛え直しである。千代丸は「20kg痩せた」という触れ込みに対し,あらゆる解説者から「本当に?」と突っ込まれていたのが面白かった。8−7のぎりぎり勝ち越しで,その効果が出ていたかどうかはなんとも言えない。
今回はそれほど悩まずに予想番付が埋まった。少し困ったのは,前回は朝乃山が張り出し関脇で影響が出なかったが,今回は前頭の中盤・下位に置かざるを得ないので,その付近が少し窮屈になる。あとは石浦が据え置きなのも少し影響があるだろう。十両と幕下の交代は,十両で貴源治の引退(懲戒解雇)があり,朝士雄・貴健斗が陥落確実,旭秀鵬が微妙なラインで枠が空くのは3〜4だろう。上がってくるのは,前回惜しくも上がれなかった寺沢と,平戸海までは確実。残りの1〜2枠は西2枚目で4−3の荒篤山,東6枚目で5−2の芝,西9枚目で6−1の對馬洋で争う形。これはかなり難しいが,唯一入れ替え戦が組まれた(負けたが)荒篤山が優先されるか。
Posted by dg_law at 01:43│Comments(6)
この記事へのコメント
ブログ更新おつかれさまです。
相撲内容は中盤が面白かった印象です。終盤も元気な平幕勢に助けられた印象ですね。
新横綱・照ノ富士の優勝は予想通りでした。彼の相撲スタイルの結果、彼自身が名勝負製造機となっていました。膝の影響を考えると、速攻相撲で仕留めたいのは確かなのですが、後半に疲労が蓄積するということ・強敵との対戦が予想されることを考えると、序盤を落とさないことが重要なので、時間をかけても序盤を乗り切ることに徹しているのかなと思います。明生戦で敗れたときは場所の行方が気になりましたが、貴景勝と正代の不振に助けられた印象もあります。
役力士で印象に残ったのは、明生。考えてみると彼が照ノ富士を破ったことで、優勝争いが混迷しましたが、追っていた阿武咲と妙義龍を破ったのも彼なので、明生に振り回された優勝争いだった気が。阿武咲戦の相撲内容のせいか、三賞から零れてしまいましたが、彼にも何かしら与えてよかった気がします。7敗目喫した時は無理かと思いましたが、何気に今年全場所勝ち越し継続中。ここまで来たら九州場所も勝ち越してほしいですね、贅沢言うと2ケタを。
案外技能派なので、お気に入りの力士なのですが、彼を見てると、なぜか豪栄道を思い浮かべます。
大関陣は貴景勝には今場所高望みは無理で、8勝でも御の字なのですが、正代には2桁上げてほしかったなと(御嶽海と逸ノ城にも)
序盤、好調であった霧馬山は若隆景戦で怪我をした影響で失速したのは惜しかったです。ただ、それでも9勝6敗でまとめたのはむしろ吉報なのかなと。復調した大栄翔や明生と共に、次の大関候補にあげてもいいのかなと思います。
豊昇龍は休場が響きましたが、一本背負いを魅せられると、さすがに評価は高くなりますね。十両の天空海の掛け投げといい、立浪部屋では果たしてどのような稽古をしているのか・・・
相撲内容は中盤が面白かった印象です。終盤も元気な平幕勢に助けられた印象ですね。
新横綱・照ノ富士の優勝は予想通りでした。彼の相撲スタイルの結果、彼自身が名勝負製造機となっていました。膝の影響を考えると、速攻相撲で仕留めたいのは確かなのですが、後半に疲労が蓄積するということ・強敵との対戦が予想されることを考えると、序盤を落とさないことが重要なので、時間をかけても序盤を乗り切ることに徹しているのかなと思います。明生戦で敗れたときは場所の行方が気になりましたが、貴景勝と正代の不振に助けられた印象もあります。
役力士で印象に残ったのは、明生。考えてみると彼が照ノ富士を破ったことで、優勝争いが混迷しましたが、追っていた阿武咲と妙義龍を破ったのも彼なので、明生に振り回された優勝争いだった気が。阿武咲戦の相撲内容のせいか、三賞から零れてしまいましたが、彼にも何かしら与えてよかった気がします。7敗目喫した時は無理かと思いましたが、何気に今年全場所勝ち越し継続中。ここまで来たら九州場所も勝ち越してほしいですね、贅沢言うと2ケタを。
案外技能派なので、お気に入りの力士なのですが、彼を見てると、なぜか豪栄道を思い浮かべます。
大関陣は貴景勝には今場所高望みは無理で、8勝でも御の字なのですが、正代には2桁上げてほしかったなと(御嶽海と逸ノ城にも)
序盤、好調であった霧馬山は若隆景戦で怪我をした影響で失速したのは惜しかったです。ただ、それでも9勝6敗でまとめたのはむしろ吉報なのかなと。復調した大栄翔や明生と共に、次の大関候補にあげてもいいのかなと思います。
豊昇龍は休場が響きましたが、一本背負いを魅せられると、さすがに評価は高くなりますね。十両の天空海の掛け投げといい、立浪部屋では果たしてどのような稽古をしているのか・・・
Posted by gallery at 2021年09月27日 09:18
ついに白鵬が引退との報道が
となりますと、来場所は理論上最大値の18枚目まで平幕があることになりそうですね
剣翔、頑張った甲斐あって残れるかも?
しかし、本当に後続が出てこない…照が壊れたら一体どうなってしまうんでしょうかね
あ、それと、照ノ富士を最初に破ったのは阿武咲ではなく大栄翔では?
となりますと、来場所は理論上最大値の18枚目まで平幕があることになりそうですね
剣翔、頑張った甲斐あって残れるかも?
しかし、本当に後続が出てこない…照が壊れたら一体どうなってしまうんでしょうかね
あ、それと、照ノ富士を最初に破ったのは阿武咲ではなく大栄翔では?
Posted by killrin at 2021年09月27日 15:52
宮城野部屋全員などは別として、また休場力士の多い場所となりました。剣翔と一山本はいつ休んでもおかしくなかったですし、隆の勝も膝が音を立てたという取り組み以降は冴えが今ひとつ。明瀬山も顎の骨折が長引いたようです。
白鵬以外には無敵に思えた照ノ富士がぼちぼち負けたおかげで、優勝争いが起こってくれました。遠藤と阿武咲には14日目に白星を上げて追走してほしかった。下がらなければ強い照ノ富士が新横綱優勝を飾りましたけど、千秋楽の取り組みは割を崩して妙義龍戦の方が盛り上がりましたかねえ。
阿炎が十両優勝で、幕内復帰しそうですが、落ちた経緯が経緯なので、幕下優勝や十両優勝を横からさらわれた力士たちはお気の毒。幕内や十両から陥落する人数がいつもより多めのようで、上がってくる力士たちが楽しみです。常幸龍がギリギリ最十両かもしれません。新十両だった朝志雄は足の怪我で1勝どまり、治して挽回できると良いのですが。
白鵬以外には無敵に思えた照ノ富士がぼちぼち負けたおかげで、優勝争いが起こってくれました。遠藤と阿武咲には14日目に白星を上げて追走してほしかった。下がらなければ強い照ノ富士が新横綱優勝を飾りましたけど、千秋楽の取り組みは割を崩して妙義龍戦の方が盛り上がりましたかねえ。
阿炎が十両優勝で、幕内復帰しそうですが、落ちた経緯が経緯なので、幕下優勝や十両優勝を横からさらわれた力士たちはお気の毒。幕内や十両から陥落する人数がいつもより多めのようで、上がってくる力士たちが楽しみです。常幸龍がギリギリ最十両かもしれません。新十両だった朝志雄は足の怪我で1勝どまり、治して挽回できると良いのですが。
Posted by EN at 2021年09月28日 16:50
皆様コメントありがとうございます&遅れてすみません。
>gallery さん
>彼の相撲スタイルの結果、彼自身が名勝負製造機となっていました。
ああ,言われてみるとそういうところはありますね。
向かっていく方も白鵬に比べると隙があるというべきか,時間をかければなんとかなると思って突っ込んでいくので,余計にそうなっているところがあるかもしれません。
>明生
その場所振り回しっぷりも含めて強メンタルと言うべきなのかもしれませんね。プレッシャーがすごかったでしょうに。
三賞候補にならなかった理由が阿武咲戦の相撲内容だとすると,ちょっと納得行かないですね。
>彼を見てると、なぜか豪栄道を思い浮かべます。
実は明生の相撲を掴みそこねているのですが,それは良いヒントかも。共通点があるかもしれません。
>霧馬山は若隆景戦で怪我をした影響で失速した
あらま。そうだったんですね。霧馬山もケガしやすいですね。技巧派なので好きなんですが,それが今後の課題かな。
>立浪部屋では果たしてどのような稽古をしているのか・・・
記事中に書きそびれたのですが,天空海も今場所随分話題になっていましたね。天空海が「部屋では(豊昇龍は背負投げを)やらないですよ。僕も投げはやらないし。」と言っていたので,部屋を挙げてああいう投げの稽古をしているわけではなさそうですが,面白いところですね。
>gallery さん
>彼の相撲スタイルの結果、彼自身が名勝負製造機となっていました。
ああ,言われてみるとそういうところはありますね。
向かっていく方も白鵬に比べると隙があるというべきか,時間をかければなんとかなると思って突っ込んでいくので,余計にそうなっているところがあるかもしれません。
>明生
その場所振り回しっぷりも含めて強メンタルと言うべきなのかもしれませんね。プレッシャーがすごかったでしょうに。
三賞候補にならなかった理由が阿武咲戦の相撲内容だとすると,ちょっと納得行かないですね。
>彼を見てると、なぜか豪栄道を思い浮かべます。
実は明生の相撲を掴みそこねているのですが,それは良いヒントかも。共通点があるかもしれません。
>霧馬山は若隆景戦で怪我をした影響で失速した
あらま。そうだったんですね。霧馬山もケガしやすいですね。技巧派なので好きなんですが,それが今後の課題かな。
>立浪部屋では果たしてどのような稽古をしているのか・・・
記事中に書きそびれたのですが,天空海も今場所随分話題になっていましたね。天空海が「部屋では(豊昇龍は背負投げを)やらないですよ。僕も投げはやらないし。」と言っていたので,部屋を挙げてああいう投げの稽古をしているわけではなさそうですが,面白いところですね。
Posted by DG-Law at 2021年10月01日 01:04
> killrin さん
白鵬引退は近かろうなと思っていたのですが,場所が終わった直後というタイミングには驚きました。照ノ富士の優勝を見届けたかったということなのでしょうか。
もうちょっと報道(と私の生活)が落ち着いたら,振り返り記事を書こうかなと思っています。
>となりますと、来場所は理論上最大値の18枚目まで平幕があることになりそうですね
>剣翔、頑張った甲斐あって残れるかも?
そうなりますね。予想番付としては一応崩壊せずに剣翔を東の18枚目に足すだけで済みそうです。
>あ、それと、照ノ富士を最初に破ったのは阿武咲ではなく大栄翔では?
手は大栄翔と打ったつもりが阿武咲になっていたようです……直しときます。ご指摘ありがとうございます。
白鵬引退は近かろうなと思っていたのですが,場所が終わった直後というタイミングには驚きました。照ノ富士の優勝を見届けたかったということなのでしょうか。
もうちょっと報道(と私の生活)が落ち着いたら,振り返り記事を書こうかなと思っています。
>となりますと、来場所は理論上最大値の18枚目まで平幕があることになりそうですね
>剣翔、頑張った甲斐あって残れるかも?
そうなりますね。予想番付としては一応崩壊せずに剣翔を東の18枚目に足すだけで済みそうです。
>あ、それと、照ノ富士を最初に破ったのは阿武咲ではなく大栄翔では?
手は大栄翔と打ったつもりが阿武咲になっていたようです……直しときます。ご指摘ありがとうございます。
Posted by DG-Law at 2021年10月01日 01:20
>ENさん
>剣翔と一山本はいつ休んでもおかしくなかったですし
>隆の勝も膝が音を立てたという取り組み以降は冴えが今ひとつ。
剣翔は休んだ方が良いと思ってたのですが,結果的にがんばったおかげで幕内残留できそうな様子になったので,わからないものですね……
隆の勝はそう言ってましたね。それで休まないんだ……と思いました。
>遠藤と阿武咲には14日目に白星を上げて追走してほしかった。
惜しかったですね。遠藤は見るからに動きが硬かったのと,阿武咲は明生の変化が想定外すぎたので,仕方のないところかもしれません。
>千秋楽の取り組みは割を崩して妙義龍戦の方が盛り上がりましたかねえ。
これは難しいところで,直近の対戦が照ノ富士の反則負けなのでそのインパクトは大きいですが,実は照ノ富士は妙義龍に合口が良くお得意様なので,正代の方が勝率が高かった可能性があります。割を崩すまでの価値は無いという審判部の判断を尊重しようと思います。
>阿炎が十両優勝で〜〜
これはよく言われていますね。朝乃山もそうなることが予想されますので,こういう場合は優勝から除外する制度などを作ったほうがよいのかもしれませんが,難しいですかね。
>剣翔と一山本はいつ休んでもおかしくなかったですし
>隆の勝も膝が音を立てたという取り組み以降は冴えが今ひとつ。
剣翔は休んだ方が良いと思ってたのですが,結果的にがんばったおかげで幕内残留できそうな様子になったので,わからないものですね……
隆の勝はそう言ってましたね。それで休まないんだ……と思いました。
>遠藤と阿武咲には14日目に白星を上げて追走してほしかった。
惜しかったですね。遠藤は見るからに動きが硬かったのと,阿武咲は明生の変化が想定外すぎたので,仕方のないところかもしれません。
>千秋楽の取り組みは割を崩して妙義龍戦の方が盛り上がりましたかねえ。
これは難しいところで,直近の対戦が照ノ富士の反則負けなのでそのインパクトは大きいですが,実は照ノ富士は妙義龍に合口が良くお得意様なので,正代の方が勝率が高かった可能性があります。割を崩すまでの価値は無いという審判部の判断を尊重しようと思います。
>阿炎が十両優勝で〜〜
これはよく言われていますね。朝乃山もそうなることが予想されますので,こういう場合は優勝から除外する制度などを作ったほうがよいのかもしれませんが,難しいですかね。
Posted by DG-Law at 2021年10月01日 01:20