2021年11月20日

登山記録(高尾山・天覧山・三ツ峠山・富士山)

5・6年前から趣味の1つに加わったはいいが大してブログに書いてなかったために溜まりこんだ登山系の旅行記と,好きなのに全く感想を書いていない『ヤマノススメ』の漫画&アニメの感想,そして既存の登山難度グレーディングに対する注文をどう処理しようか迷った挙げ句,まとめて処理すべく,登山記録をつけていくことにした。記録の順番に迷ったが,『ヤマノススメ』の聖地巡礼として行ったところをまず原作登場順に記録し,次に未登場の山を北から順に書き,尽きたところからは時系列とすることにした。また,1記事につき4・5座程度として,ストックのある35座程度が消化し終わるまでは2・3週間ごとに投稿し,尽きてからは1シーズンごとに投稿することにした。

紹介形式であるが,まず山のステータスを書いて,後ろに登山の感想などを付していくことにする。山の名前には何かしらの情報サイトへのリンクを張っておいた。

〔標高と標高差〕
文字通りの標高と,自分が登った際のスタート地点とのおおまかな標高差。
〔百名山認定〕
日本百名山・二百名山・三百名山・花の百名山・新百名山に入っている場合はそれをここに記載。重複しているものは左に書いたものを優先。
〔ヤマノススメ〕
『ヤマノススメ』の原作またはアニメに登場している場合はここに話数を記載。なお,私が登山を始めた契機は寺社仏閣巡りの延長線上で,投入堂と浅間大社奥宮が当初の目的であり,『ヤマノススメ』は後付だったりする。天覧山・富士山・谷川岳・金峰山以外はそれ目的というよりも偶然重なっていたという意味合いの方が強い。ヤマノススメの聖地巡礼については次のサイトが参考になる。
・ヤマノススメ聖地巡礼 全山行一覧(クレコ)
〔県のグレーディング〕
都道府県が認定している難易度グレーディングがある場合はここに記載。これには少し補足説明が要るだろう。登山ブームによる無謀登山が増えたことを受けて,近年は長野県や山梨県が中心となって地方自治体が難易度の目安を発表している。たとえば長野県はこれ。他の都道府県にもリンクが張られている通り,参加している県は年々増えており,5年前くらいは8つだったと思うのだが,現在は11まで増えた。非常に有用なのでできれば全県で実施してほしい(埼玉県のお前のことだぞ)。なにせ百名山でさえまだ67座しかカバーされていない。このグレーディングの基準は2つあり,数字とアルファベットで表示される。数字の1〜10は体力度で,実際には細かな計算があるが,大雑把に言えば数字が1増えると2.0〜2.5時間くらい歩行時間が増える。アルファベットは技術などの難易度で,
A:初心者向け。ほぼ階段か土の斜面しかなく,ほとんどがスニーカーで登れる。
B:多少の岩場・鎖場・痩せ尾根・沢登り等の危険箇所が登場。登山装備が必要になるが,滑落しても死ぬ危険性は低い。
C:中級者向け。危険箇所がBよりも増え,滑落したら明らかに死ぬ箇所が出てくる。
D・E:上級者向け。
となっている。
〔私的な難易度と感想〕(写真がある場合は写真)
実は上述のグレーディングはA〜Eの5段階でつけている関係で,特にA・Bはそれぞれの中での幅が広く,比較すると同グレーディングとは思えない事例が散見される。また,アスレチック的な技術・ルートファインディング能力・日照や補給への対策等の難度を一本化して評価したものであるため,特にA〜CはこのうちのどれのせいでAではなくてB・Cなのかがわかりにくいという欠点がある。そこで本記録では私自身の経験とネット上の他者の登山記録等から,A・B・CをさらにA・A+・B-・B・B+・Cの6段階に分け,その上でB-以上はA+以下ではない理由を付すことにした。なお,D以上の山は私自身が登れる気が全くしないため,本記事にはそもそも登場しない。というよりもD以上を登れる人はB以下の細かい難易度の差なんて大して気にせんでしょ(偏見)。以下は一例。


No.1 高尾山
〔標高〕599m
〔標高差〕約400m
〔百名山認定〕花の百名山
〔ヤマノススメ〕1巻・アニメ1期
〔県のグレーディング〕2A
〔私的な難易度と感想〕2A(1号路)・2A+(6号路,稲荷山)
皆大好き高尾山。スニーカーでも,何なら革靴でも登れる山として有名。私も1号路・6号路・稲荷山ルートで4回くらい登った。1号路は寺院沿いということもあって整備されているというよりも石段が続くが,1号路は石段がかえってきつい。純粋な膝への負担だけで言えば6号路よりもきついと思う。ただ,観光地としては優れているので,6号路で登って1号路で下るのがよい。『ヤマノススメ』は正反対に1号路から登って6号路から下りているのだが,その6号路の途中であおい・ひなたがここなと出会っている。6号路と稲荷山ルートはどちらも1号路に比べるとちゃんとした登山路であるが,私は6号路を進める。6号路は樹林歩きが気持ちよく,簡単な沢登りがあって,これが結構楽しいからだ。沢登りがあるのでA+とした。滑って転ばないように気をつけよう。これに比べると稲荷山ルートはちょっと見どころに欠けるかなと思う。ただし眺望は稲荷山ルートの方が良い。



天覧山No.2,3 天覧山・多峯主山
〔標高〕197m・291m
〔標高差〕天覧山で約80m
〔百名山認定〕認定なし
〔ヤマノススメ〕1巻・アニメ1期,3巻・アニメ2期
〔県のグレーディング〕無し
〔私的な難易度と感想〕1A
完全に『ヤマノススメ』の聖地巡礼のためだけに登った珍しい山。天覧山は1883年に天皇がここから練兵を視察したことからこの名前がついた。その天覧山は1Aというか,完全に散歩である。15分もあれば重文に登頂可能。景色は写真の通りなかなか良く,飯能の市街地が一望できる。飯能市が誇るのも,『ヤマノススメ』の作品最初の山に選ばれるのもよくわかるところ。1つ奥の多峯主山(とうのすやま)になると少しちゃんとした登山になるが,それでも高尾山6号路よりは楽で,天覧山からは30分弱で着く。樹林歩きとしてはまずまず楽しいし,山頂からの眺望もあるが,聖地巡礼が目的でないならしいて行かなくていいかなと。なお,天覧山麓にある飯能市博物館が無料の割にコンテンツが充実していて,飯能市の歴史や自然がよくわかるのでお勧め。また,多峯主山からの下山はピストンで天覧山に戻った方がいい。そのまま反対側に下山すると市街地から大きく外れることになり,正直に言って見どころが薄い。


こんな感じで続きます。

PIC000165No.4 三ツ峠山
〔標高〕1,785m
〔標高差〕『ヤマノススメ』コースで約1,170m,最短コースなら約490m
〔百名山認定〕二百名山
〔ヤマノススメ〕2巻・アニメ2期
〔県のグレーディング〕2A(一番短いコースの場合)
〔私的な難易度と感想〕3A+〜4A+(『ヤマノススメ』通りのコースの場合)
名前は峠となっているが,きちんとした山頂が3つある山で,最高峰は開運山という。一応は『ヤマノススメ』通りに登るか,ということでリンク先で言うところのAコースで登頂。このコースはとにかく長い。最寄りの駐車場からでも往復で5時間半近く,富士急線の三つ峠駅からだと追加で3時間かかる。往復8時間超,少なくとも天覧山・高尾山の次に行く山ではないと思われ,これを3つめの山にここを選ぶかえでとひなたもおかしいが,ちゃんと完登するあおいもあおいである。あの子たちの体力と成長速度はおかしい。作者の感覚が狂っているとも言う。

難易度は,ルート上がほぼ全て土の坂か丸太による階段なのでAでもよいのだが,『ヤマノススメ』2巻の〔十二合目〕にも出てくる通り途中で歩幅が30cmも無い崖が崩れた道が20-30mほどあるので,その1ヶ所をとってA+とした。ピークハントするだけなら三つ峠バス停からかBコースで登るとよい。こちらは確かに2Aだろう。しかしながら,Aコースは道中に樹林帯の切れ目による富士山ビュースポットが30分に1回程度あり,梵字の入った石碑や石像地蔵群等の修験道の山らしい観光名所が多数であるから,かなり楽しい。山頂付近ではロッククライミングの名所である屏風岩や,突如現れるNTT-FM放送中継所の巨大人工物,そして特に写真の通り,山頂からの富士山は雄大そのもの。これがあるから疲れを忘れて登ることができる。体力に問題がなさそうならこちらから登るのを勧める。ともあれ,難易度がA〜A+の山としては気軽に標高1800m弱を体験できる山には違いなく,登って損の無い山である。二百名山は妥当も妥当の名山。



No.5 富士山
〔標高〕3,776m
〔標高差〕富士吉田ルートで約1,440m,須走ルートで約1,800m
〔百名山認定〕百名山
〔ヤマノススメ〕3巻・アニメ2期,16巻
〔県のグレーディング〕5B(富士吉田),6B(須走・富士宮),7B(御殿場)
〔私的な難易度と感想〕6B(富士吉田・須走にお鉢めぐりを含む)
言わずとしれた富士山。私は2018・2019年と2回登っており,これはそれぞれ別記事があるのでそちらにリンクを張って終わりとしたい。
・富士山登山記2018
・富士山登山記2019
今思い返しても2018年の気候と山小屋は過酷だった。富士山は岩登りの技術難易度だけで言えばA+でよいのだが,高山病対策・渋滞対策・山小屋睡眠対策という他の山とは全く異なる対策が求められる特殊な山で,総合するとやはり2段階格上げでBだろう。一応,格付けのためにも御殿場ルートと富士宮ルートでも登ってみてもいいかなとは思っている。ともあれ,これから登る人に改めてアドバイスするなら,富士山名物渋滞を経験してみたいという奇特な人以外は土曜日・お盆休みの登山だけは絶対に避けた方がいい。
この記事へのコメント
いつも当ブログ楽しく拝見させております。
高尾山のところで飛鳥山コース〜との記載がありますが、稲荷山コースの間違いではないでしょうか?
最近登ったため気になりました。
Posted by Sienher at 2021年11月24日 12:39
すみません,完全に手は稲荷山って打ってたつもりでした。直しときます。
Posted by DG-Law at 2021年11月25日 01:08