2021年12月20日

登山記録4(奥高尾縦走路)

初回はこちら。各項目の説明は初回を参照のこと。


No.12・13・14 奥高尾縦走路(陣馬山・景信山・小仏城山)
〔標高〕855m(陣馬山)・727m(景信山)・670m(小仏城山)
〔標高差〕640m(陣馬山,栃谷尾根ルート),530m(陣馬山,陣馬高原ルート)
〔百名山認定〕無し
〔ヤマノススメ〕8巻
〔県のグレーディング〕無し
〔私的な難易度と感想〕全部合わせて4A
陣場山から明王峠・景信山・小仏峠・小仏城山と抜けて高尾山から下山する縦走路。山を4つ登頂する割には難易度が低く,お手軽に日帰り縦走を体験できる。いずれの山も極めてよく整備されていて,まず迷うことも躓いて転ぶこともない。最初の陣馬山がやや険しく,特に栃谷尾根ルートは難易度に似合わない急登であるので少しだけ気をつけた方がいいかもしれない。なお,栃谷尾根ルートは出発地点がJR藤野駅でバスが不要である代わりに登頂まで3時間15分かかり,陣馬高原ルートは駅からのバスがけっこう長い代わりに1時間50分と登山時間を大きく圧縮できる。栃谷尾根ルートは登山道入り口がややわかりづらいので,こちらから登る場合は注意されたい。陣馬山の山頂といえば巨大な白馬像で,これは1960年代後半に京王電鉄が建てたもので特に深い意味は無いようだ。眺望は「天気が良ければ富士山が見える」という触れ込みで,私が登った時にも確かに見えたが……これは誇大広告気味なような。あとは『ヤマノススメ』でも食べられている通り,陣馬山山頂の山小屋で売られているきのこ汁はけっこう美味しい。聖地巡礼目的でなくても食べるとよい。

陣馬山眺望陣馬山の白い馬像陣馬山きのこ汁



陣馬山から40分で明王峠,そこから30分で堂所山,そこからさらに1時間歩くと景信山に着く。陣馬山とは逆の関東平野側に開けているので,樹林帯の切れ目から東京方面の市街地が見える。ここもきのこ汁が名物なのだが,私が行ったタイミングでは売店が閉まっていた。オフシーズンなので仕方がない。陣馬山に比べると正直魅力に欠ける。

景信山眺望


景信山から40分で小仏峠。ここは古来利用されていた甲斐路の交通の要衝で,武田信玄が北条氏と戦ったときにここを越えている(これが滝山城から八王子城に防衛拠点を移す契機となった)。江戸時代には甲州道中が通り,明治時代には天皇が行幸し,現在ではJR中央線と高速道路(中央自動車道)が付近を通っている。そのため,小仏峠からは中央自動車道がよく見え,その音もする。これはこれで1つの景観だろう。「明治天皇小佛峠御小休所阯」なる,小休止しただけにしては仰々しい石碑も立っている。

明治天皇小休止の碑


最後に小仏峠から25分で小仏城山,そこから1時間ほどで高尾山に着く。小仏城山以降は木道になり,整備が極まっている。逆に言って高尾山登山口から小仏城山までは革靴でも登山可能。栃谷尾根登山口から登って高尾山6号路で下山したとして,総行程9時間,距離にして18km超,5つのピークを越えるの長丁場になるが,まともな登りは最初の陣馬山のみで残りは小刻みなアップダウンに過ぎないから膝への負担は少なく,それに比して達成感はある。