2022年04月11日

敗訴してやる気がなくなったのでは読者は納得しない

・GIGAZINE倉庫破壊事件、控訴審でも編集長が敗訴 「契約書偽造」の主張認められず(弁護士ドットコムニュース)
→ 事件が起きてから2年半経って,こういう結末となった。これを予想していた人はあまり多くない……が少なくもないという感じではなかろうか。当初からGIGAZINE側も何か隠しているだろうと指摘していた人はそれなりにいたと記憶している。
→ やはりGIGAZINE側の主張で無理があったのは「「祖父の死とともに、建物のある土地まで編集長のものになる」という契約が存在した」「「長年、土地代を請求してこない地主は、無償の土地使用を黙認していた。」という点で,法律論はわからないが客観的に言って通らないと誰しもが思うだろうし,地裁の判断を見るに法律論でもやっぱり通らなかったようである。建物の固定資産税は払っていたが土地の固定資産税は払っていなかったのは致命傷だろう。地代を払わないならそちらは発生するだろうに。
→ しかし,それはそれとして一審の「地主は取壊工事の前に、権利関係を十分に確認していなかったが、取壊工事には、編集長らを脅かす意図はなかった。」という事実認定,及び控訴審の「取壊工事によって脅かし、退去を迫るという「不当な意図」は推認できない」という判断はよくわからない。建物の登記がGIGAZINE編集長になっていたのは確かであるので,最終的にGIGAZINE編集長の借地権の消滅が確認されて更地にして返却しなければならないということになったにせよ,当時の状況にあっては不法な破壊だったのでは。反社らしき人が出てきた不動産会社側も胡散臭い。それもあって刑事事件としても西淀川署が動いていたと思うのだが,そこら辺の真相・結末は報道されていないので全くわからない。
→ なお,この二ヶ月後に実際に取り壊し工事が行われた。結局のところGIGAZINEが報道してくれないことにはわからないことが多いので,さすがにGIGAZINEは何か公式声明を出すべきであろう。
・GIGAZINE倉庫、朝から取り壊し始まる 合意得られず強制執行(弁護士ドットコムニュース)


・ポディマハッタヤさんを訪問
・ポディマハッタヤさん、逝去のご報告
→ おそらく日本で一番有名なスリランカ人(少なくともバンダラナイケと並ぶ)が亡くなっていた。会いに行った日本人がいて,その後もその人とつながりがあったから訃報を知ることができたのだから,不思議な縁だ。「一本の鉛筆の向こうに」が掲載されていた時代にはこれほどインターネットが急成長するとは思われていなかったから,その意味でも隔世の感がある。まさか死因が新型コロナウイルス感染症とは。ご冥福をお祈りします。


・元横綱・朝青龍の甥、豊昇龍。「一番のプレッシャーは叔父さんのツイッター」(web Sportiva 向正面から世界が見える〜大相撲・外国人力士物語)
→ 豊昇龍の長めのインタビュー(?)記事。インタビュアーの発言が全く出てこないので自筆の文章に近い雰囲気。豊昇龍を応援している人ならかなり面白い記事になっていると思うので一読を勧める。日本語が流暢で外国人意識が薄いところはいかにも新世代という感じがする。若隆景を強くライバル視しているのは取組からも伝わってくるところだ。これからの活躍に期待したい。


・植民地の歴史に消えた、アフリカ・ベニンの世界唯一の「女だけの最強軍隊」(クーリエ・ジャポン)
→ ややこしいのだが現ベナン共和国に存在したのがダホメー王国,現ナイジェリアに存在したのがベニン王国である。本記事はダホメー王国の方なので記事名は「ベナン」にしてほしかったところ。つづりは同じだが,旧フランス植民地なのでフランス語読みでベナンになる。ダホメー王国もベニン王国も黒人奴隷の輸出国であった。
→ 閑話休題,有料記事ではあるが元記事の英語記事は普通に読める。女性戦士の部隊を「世界唯一」と言ってしまうのはかなり怖いが珍しいのは間違いなく,私も知らなかった。なんでまた女性戦士の部隊が組織されたのかというのははっきりとはしていないが,戦争により男性不足に陥っていたという説があるようだ。