2022年06月05日

登山記録10(荒船山,浅間山)

No.27 荒船山
〔標高〕1422m(1356m)
〔標高差〕約360m(290m)
〔百名山認定〕二百名山
〔ヤマノススメ〕9巻
〔県のグレーディング〕2B
〔私的な難易度と感想〕2A+
 長野県と群馬県の県境,名前の通りに遠景で見ると船の形をしている山。形の通りで前面に切り立った崖があって山頂は非常に広い平面になっている。では登るのが困難かというと2A+にした通り,背面側(北側)から,内山峠からの登山は緩く,ちょっとした岩場が一箇所ある以外は難点が無く,初心者でもまずまず普通に登れるだろう。県のグレーディングは2Bになっているが,あれはその一箇所の岩場を考慮してのものと思われる。Aに下げようとする群馬県と長野県の必死の努力が見える整備状況であった。標準コースタイムは5時間強。我々は4時間弱で踏破した。
 山頂は平坦すぎて厳密にはどこが山頂なのか全くわからず,ピークどこだよと言いながら5分ほどさまよってしまった。山頂は森林に覆われていて小川も流れており,なかなか雰囲気が良い。一部に森林が切られた展望台があり,そこから見える浅間山が非常に美しく,翌日に登る予定であったこともあって満足感があった。なお,荒船山の山頂は1356mとなっているがこれはこの本体の標高であって,舳先からわずかに離れた別の山(経塚山)の方が1422mとわずかに高い。ピークハント気分はこちらに登って味わうとよいだろう。経塚山は眺望がないので,ピークハント目的でないなら登る必要はまったくない。その他,我々の登山行については,詳しくは同行者がブログで詳しく書いているのでそちらを参照してほしい。



なお,船の舳先に当たる南側,つまり崖側から登るルートも一応あるが,当然ながらに難易度が高い。なにせ県のグレーディングに載ってない(登る人が多いと想定されていない)。YAMAP等の写真を見ると垂直に登る鎖場等があり,普通にDかDに近いCはありそう。また,『ヤマノススメ』では9巻で登場した。あおい・ひなた・ほのかの3人で登る(ここながいない珍しいパターン)。ほのかの兄が初めて登場した回で,その意味で印象深い。



荒船山・荒船山(経塚山) / 稲田義智さんの荒船山(経塚山)の活動データ | YAMAP / ヤマップ




No.28 浅間山(前掛山)
〔標高〕2524m(2568m)
〔標高差〕約1110m(浅間山荘登山口から)
〔百名山認定〕百名山
〔ヤマノススメ〕13巻
〔県のグレーディング〕4B
〔私的な難易度と感想〕3B
 荒船山の翌日に登山。前日は浅間山荘温泉に宿泊。上掲の同行者のブログの通り,『レッド』の山本直樹の色紙が飾ってあって笑った。なお,実際のあさま山荘事件が起きたあさま山荘は全く別の場所である。閑話休題,浅間山は外輪山が二重にあって,浅間山の本体は噴火警戒のため直接登ることができず,内側の外輪山の山頂の前掛山が実質的なピークとなっている。その前掛山に登る登山道は大きく分けて2つある。2つの外輪山の間の谷間から登っていくのが浅間山荘登山口ルート。外側の外輪山(黒斑山)を乗り越えていく車坂峠(高峰高原)ルートである。今回の我々は宿泊地からわかる通り,前者のルートを使った。登りの前半は左側に黒斑山,右側に前掛山が見え,荒涼とした火山に挟まれる珍しい風景で面白かった。また,並走する沢の水が赤く,前日に入った浅間山荘の温泉の色そのままで,匂いが温泉地らしい強い硫黄臭なのも含めて面白かった。
 前半はそこまで斜度のない普通の登山道でここまでならA+でもいいくらいだったが,前掛山は火山らしい小石が転がるザレた道で斜度もあり,ここに来て難易度Bを実感した。しかし,前掛山の中腹からは北側の,つまり嬬恋村の方向に開けていて眺望が楽しめる。前掛山山頂からは浅間山本体の山頂が見えるが,まあ見える以上の意味は無い。コースタイムは7時間半。我々は6時間で下山。4Bにあるような長さではないと思う。



『ヤマノススメ』では13巻で登場。本巻が発売された2017年頃では現在よりも入山規制が強く,前掛山すら登れなかったために黒斑山が事実上のピーク扱いだった模様で,あおいとほのかの2人で黒斑山に登っている。……今気づいたのだが,我々の登ったルートと全く重なっていない。まあでも,そのために改めて黒斑山に登りにいかなくてもいいかな……

 なお,同行者の旅行記にある通り,下山後に行った布引観音(「牛に引かれて善光寺参り」で有名な寺院)の懸造建築が非常に良かった。またそこで飼われている名物猫が極めて人に慣れていて,ちょっと撫でるとすぐに喉がゴロゴロなりだしたので気分が良かった。お勧め。



前掛山 / 稲田義智さんの活動データ | YAMAP / ヤマップ