2023年02月25日

登山記録14(蓼科山)

No.36 蓼科山
〔標高〕2,530m
〔標高差〕約620m
〔百名山認定〕百名山
〔ヤマノススメ〕15巻
〔県のグレーディング〕2B
〔私的な難易度と感想〕2C
 標高2,500m超のほぼ単独峰ながら七合目まで自動車道が通っているため,総歩行時間が4時間〜4時間半くらいで登れてしまう,比較的手軽な百名山。北側と南側の2つの登山道があり,コースタイムに大差は無いものの,スタート地点の標高で比べると北側は1905m,南側は1723mであるから獲得標高差はちょっと差がある。それでコースタイムにあまり差が無いということは南側の方がさくさく登れる道ということかもしれない。眺望はどちらのルートも良いようで,我々は北側から登ったが,女神湖が終始綺麗に見え,山頂が近くなると白樺湖や美ヶ原まで見通せる。我々が登った時は紅葉の時期であって,眼下に広がる紅色は見ごたえがあった。南側から登った場合は八ヶ岳が綺麗に見えるようなので,こちらの方が希少かもしれない。いずれにせよ山頂の眺望は素晴らしく,それこそ八ヶ岳も見えるし浅間山も見えた。やはりここまで2時間しかかからないというのは他の百名山と比べた時のアドバンテージである。眺望でなくとも,火山なのに立派な樹林帯を持っていて良い樹林歩きになり,森林限界を超える山頂付近になると一転して巨大な軽石しかない荒涼とした岩石地帯に切り替わる。ちょうど男体山が近いか。
 また,北側の方が日陰になりやすく,夏場は良さそうだが,秋は積雪が早いので注意が必要。我々は11月頭に登ったがすでに完全に積雪していて,お守りで持っていった軽アイゼンを装着する羽目になった。難易度はそうでなくとも割と高く,県のグレーディングではBになっているから油断していたら,斜度がかなり急で途中からはずっと岩場と鎖場が続く。これは南側だともう少し楽だったのかはちょっと気になっている。少なくとも北側ルートの難易度はCレベルでBではない。



 なお,この下山後には時間が微妙に余ったので白樺湖まで行って温泉に入り,北欧料理のガムラスタンという店に行ったが,ここが大変に美味であった。以下のTwitterに書いた通りではあるが,店主に「ラーションが飾ってありますけど、お好きなんですか?」と尋ねたところ,スウェーデン現地まで行っていたガチ勢で,店に飾ってある皿などを見ながらしばし談笑してしまった。私もラーションは好きなので,店主に同好の士との会話を提供できていたなら嬉しい。



 また,このガムラスタンを探している間に中ッ原縄文公園を訪れていた。ここは貴重な土偶「仮面の女神」が発掘された場所で,それを記念して4本の御柱を建てちゃう辺りに茅野市民(というよりも諏訪文化圏の人々)に根付いた精神性を感じる。小さな公園にいきなり巨大な柱が4本建っているのだから異様である。おそらく税金で普通に建てようとしても理屈が立たずに通らなかったのであろう,「縄文時代からこの地の人々は御柱を建てていた可能性がある」と取ってつけたような学術的根拠が説明されていたのでさらに笑ってしまった。また,このGooglemap上の中ッ原縄文公園のクチコミによると,御柱を建てる際にテンションの上がりすぎた茅野市長が柱に登ってしまい,お付きの方に怒られていたというエピソードもあるらしい。周辺の話も含めて最高に面白いコンテンツなので,近くを通られたらぜひ立ち寄ってほしい。さらにその後,茅野駅で特急待ちをしている間に,茅野駅での工事中に何の変哲もないただの丸い大石が発掘されたので,ありがたがって飾ってしまったという大石が展示されていたのでこれも見に行った。この茅野市の姿勢,大好きだ。



 最後に一応触れておくと,『ヤマノススメ』では15巻に登場する。あおいたちもやはり岩場の量に驚いていた。また強風に煽られていたが,私が登った時はそうでもなく。また,あおいたちは山頂が曇っていて眺望がゼロ,「自然相手だからこういうこともある」と言って下山する珍しい回であった。珍しいながらも,やはり眺望が描かれないと印象に残りにくく,東京の自宅に戻ってから「あれ,そういえば一応聖地巡礼で行ったんだよな?」と再確認する程度には作中での印象が薄い。蓼科山がかわいそうなのでもう一度登ってほしい気も。



蓼科山 / 稲田義智さんの蓼科山の活動データ | YAMAP / ヤマップ