2022年12月25日
サッカーワールドカップ2022 in カタールの感想
サッカーワールドカップの感想をだらだらと書いておく。4年前の感想はこちら。
・日本
今回ほど予選が盛り上がらなかったワールドカップは無い。勝ち抜け自体は楽勝だろうと見られていたこと,最終予選が全然テレビ放映されなかったこと,ベテラン選手が一気に代表引退して流れが切れてしまったこと,いろいろあるだろう。だから様子のわからないまま本戦が始まってしまった。それゆえに下馬評も低かった。低かったというよりもよくわからないし,詳しい人が言うにはダメそうという感覚の人の方が多かっただろうと思われる。私もそれに近い。一方で,実は歴代で最強戦力,言うほど弱くないので期待して見るべきという人も少なからず見かけたのは,2010年とは少し状況が違う。見えていた人には見えていたのだろう。最終的に大きく盛り上がったのは,当然ながらちゃんと勝ち上がった日本代表チームが第一の要因だが,第二にはやはり全試合を放映してくれたAbema,第三には名解説を振るった本田圭佑の功績だろう。それぞれに感謝したい。
グループリーグ初戦のドイツ戦。前半の「やっぱりね」という雰囲気からの,後半に入って日本中の手のひらをぐるっと回転させた。不可解だったのはドイツの監督で,日本は交代がすぱっと決まるのに対して,ドイツは交代がことごとく状況を悪化させていた。ベテラン選手が多く,スタミナ切れで交代させるしかないが,交代で出てきた選手が戦術にフィットせずにどんどん状況が悪化していく。一方で本田さんが延々と「穴」と指摘していたズーレはずっと残した。ドイツも意外と台所事情が悪かったのだろうか。
第二戦のコスタリカ戦は「やっぱりね」という側の試合だった。横パスが多くて前線にボールが渡らない,渡っても創造性に欠くというのは森保ジャパンというよりも以前からの日本代表の課題だったような気がする。その悪癖は2010〜2018年のあたりには解消されていたように思えたのだが,森保ジャパンになってまた顔を見せ始めた。こういうチーム性あるいは国民性はなかなか払拭しきれないものではあるだろう。
第三戦のスペイン戦はドイツ戦の繰り返しで,前半はスペインらしいパスサッカーでズタズタになりながらも1失点で押さえ,後半に選手交代で攻撃のリズムを変えて一気に逆転という流れ。とはいえ前半は前田がブスケツを追い回していたのが,見るからにスペインに嫌がられていて,それもあってドイツ戦ほどの絶望感は無かった。あれは前田を褒めるしかない。後半,1点目の堂安のミドルシュートもすごかったが,世界の話題をさらったのはやはり「三笘の1mm」で,折り返してきたボールでシュートを決めた田中碧が幼馴染であることも含めて「三笘は持ってる」としか言いようがない。VARがサッカーの細かいところで戦術を変えたと呼ばれる今大会を象徴するシーンでもあった。試合終了後に友人がTwitterで「この前半気合で受け切ってHT修正からの後半一発目で刺しにいくスタイルは一体どこまで通用するだろうか」とつぶやいていたのだが,確かにもうワールドカップにおける日本の持ち味,格上に対する戦術になった感じはした。あと試合中にドイツ・コスタリカ戦の戦況とあわせて4ヶ国のうちどの2ヶ国が勝ち上がるか分単位で目まぐるしく変わったのは面白かった。さらに個人的には,この試合が終わった直後に羽田空港に移動して鹿児島に旅立つというエクストリーム出発をしたので,余計に記憶に残った試合になった。
トーナメント1回戦,クロアチア戦。終わってみれば3位のクロアチアと粘り合ってのPK戦敗退,誇らしい成果ではある。解説の本田さんが繰り返していたように,ラフにボールを蹴り込んで,中で競り合ってボールを保持してシュートに持っていくスタイルは,良くも悪くもきっちりとボールを運ぶ形の日本と相性が悪そうではあった。また,前半で1点とれたためにかえって交代が遅くなり,グループリーグでの勝ちパターンが上手く効力を発揮しなかったようにも見えた。そしてその交代カード,グループリーグ突破の攻撃的原動力,三笘はすっかりマークされていた。それでもドリブルで切り裂いていたのはすごいし,本田さんの言う通り,そのうちビッグクラブに移動しそう。いろいろあっての紙一重でのベスト16,一視聴者ながら悔しい。敗戦後は三笘にもらい泣きした。PK戦が始まる時に本田さんが「PK戦は運,そしてパラグアイ戦はそれで負けたんだから今回は勝たせくれよ」とサッカーの神様に祈っていたのは重かった。
あとまあ,日本が予定通りの2位通過でモロッコとぶつかっていたらどうなっていたか気になる。三決のモロッコ・クロアチア戦を見ていた感じで言えば,サイドの守備が空いていてクロアチアより与しやすそうな感じはしたが,サッカー有識者の意見も聞いてみたいところ。
<グループリーグ敗退勢>
・サウジアラビア
「アルゼンチンとの死闘に全てを出し尽くしたサウジアラビアは,続くグループリーグで嘘のようにボロ負けした」を地で行く展開。アルゼンチンとの初戦に勝利し,翌日が祝日になったのがハイライトだった。
・ドイツ
スペイン戦の引き分け,コスタリカ戦の大勝を実力通りとすると,日本戦の敗戦だけがボタンの掛け違いであった。私的には2010年大会からは日本でなければドイツを応援していて,つまりそれはトーマス・ミュラーが司令塔のドイツ代表ということだったことになるが,ミュラーのワールドカップがこれで終わりかもしれないと思うと少しの寂しさがある。次は37歳なのでまだ出られるかなとも思うが,すでに1回今後招集しないと言われているので難しい。
・ベルギー
下馬評時点で「チームが崩壊しているので,タレントがそろっていることに比して弱いのでは」と言われていた通りにグループリーグ敗退となった。モロッコの快進撃をお膳立てする立場に。
<ベスト16>
・オーストリアと韓国
自国のことを棚に上げて言えば,アフリカ勢がベスト4まで行ったのだから,アジア勢のベスト8以上も見たかったなと。オーストラリアも韓国も日本ほどではないにせよグループリーグ勝ち上がりの時点で上出来感あったので,高望みではあるが。韓国が初戦ブラジル,オーストラリアは優勝したアルゼンチンなので,やっぱりどうしようもないか。
・アメリカ
壮行会にバイデン大統領が激励のメッセージを送っていたのが印象的だった。サッカーがメジャーではない国なだけにね。なんだかんだで割りとベスト16には勝ち上がってくるあたりは流石にアメリカ人材豊富だなと思う。
・スペイン
試合結果よりも華麗なパスワークに殉じる姿勢,正直嫌いじゃない。日本がクロアチアに負けた後で監督が「所属チームでの1000回のPK特訓を指示していた」と言っていたのに,モロッコ相手にPKで敗退するという完璧なフラグ回収であった。日本人に慰めと笑いをありがとう。
<ベスト8>
・オランダ
アルゼンチンとの準々決勝が,アルゼンチン側の煽りで荒れ模様となり,そのままPKへ。オランダも「1年間PKの練習をしてきた」と言っていたにもかかわらず,そのPKで敗れた。PKは練習量では決まらないらしいぞ。PKのクソゲー感がどんどん増していく大会だった。
・ブラジル
クロアチアにPKで負け,ブラジルお前もかよという衝撃。とはいえ,あの試合についてはクロアチアのGKリバコビッチ(リヴァコヴィチ)が神がかっていたとしか言いようがない。スペインとは別の意味で日本への慰めとなった。あと,実は最近のブラジル代表はここぞの勝負に弱くて,毎回優勝の最有力候補に挙げられながら最後の優勝が2002年,2014年の4位以外は全部ベスト8止まりという。その2014年はミネイロンの悲劇と呼ばれるあれの年だし。なんなんでしょうね。
<ベスト4以上>
・モロッコ
アジアの国がベスト8以上に残れなかったのは残念ながら,アフリカの国がベスト4に躍進したのは喜ばしい。試合を見ていて,まともに強いと言えばいいのか,ヨーロッパ流のサッカーを真っ当にやっていて,なるほどベスト4という印象。その中では三決,明らかに疲れていて守備がちょっと緩かったのがもったいない。
・クロアチア
クロアチアは延長まで引きずり込むサッカー戦術と,PK戦の強さが際立っていた。その上,ベスト16,ベスト8を延長まで戦って,準決勝も三決も疲労を見せないタフさ。さすがは前回大会準優勝国という戦いぶりを見せた。さすがにモドリッチ(モドリチ)はここで代表引退だろうが,ブレイクしたDFのグヴァルディオル(グヴァルディオール)然り,層がめちゃくちゃ厚くて次のワールドカップも普通に強そう。
・フランス
優勝候補の筆頭で,前回優勝国はグループリーグ敗退するというジンクスを見事に打ち破り,実際に決勝までたどり着いた。タレント豊富ながらポグバにカンテと主役が体調不良で次々と脱落,さぞかしデシャン監督の胃は痛かっただろうが,最後はエムバペ(ムバッペ)に全てを託して一点突破,それをグリーズマンをはじめとする周囲が見事に支えた。決勝もまさにこの展開で,さすがにもうダメかと思われると息を吹き返す闘志で延長まで戦い抜いた。お見事。
・アルゼンチン
エンバペに殉じたのがフランスならメッシに殉じたのがアルゼンチンで,グループリーグやベスト16の時点では上手く噛み合ってなかった感じだったが,徐々に整っての準決勝・決勝戦であった。盟友のディ・マリア,新鋭のアルバレスと3枚看板の攻撃陣が強烈で,チーム全体からメッシを優勝させるんだという強い意気込みを感じた。個人的にメッシには全然思い入れが無いのだが,決勝戦の本田さんのサッカー少年に戻ったかのような熱狂ぶりを見て,全世界の大人たちがサッカー少年に戻ってこの試合にかじりついていたのだろうと思うと胸が熱い。
メッシの大会になるか,エンバペの大会になるかと言われていて,サッカーの神様からの「両方だよ」というアンサー。両国とも最高の決勝戦をありがとう。
・日本
今回ほど予選が盛り上がらなかったワールドカップは無い。勝ち抜け自体は楽勝だろうと見られていたこと,最終予選が全然テレビ放映されなかったこと,ベテラン選手が一気に代表引退して流れが切れてしまったこと,いろいろあるだろう。だから様子のわからないまま本戦が始まってしまった。それゆえに下馬評も低かった。低かったというよりもよくわからないし,詳しい人が言うにはダメそうという感覚の人の方が多かっただろうと思われる。私もそれに近い。一方で,実は歴代で最強戦力,言うほど弱くないので期待して見るべきという人も少なからず見かけたのは,2010年とは少し状況が違う。見えていた人には見えていたのだろう。最終的に大きく盛り上がったのは,当然ながらちゃんと勝ち上がった日本代表チームが第一の要因だが,第二にはやはり全試合を放映してくれたAbema,第三には名解説を振るった本田圭佑の功績だろう。それぞれに感謝したい。
グループリーグ初戦のドイツ戦。前半の「やっぱりね」という雰囲気からの,後半に入って日本中の手のひらをぐるっと回転させた。不可解だったのはドイツの監督で,日本は交代がすぱっと決まるのに対して,ドイツは交代がことごとく状況を悪化させていた。ベテラン選手が多く,スタミナ切れで交代させるしかないが,交代で出てきた選手が戦術にフィットせずにどんどん状況が悪化していく。一方で本田さんが延々と「穴」と指摘していたズーレはずっと残した。ドイツも意外と台所事情が悪かったのだろうか。
第二戦のコスタリカ戦は「やっぱりね」という側の試合だった。横パスが多くて前線にボールが渡らない,渡っても創造性に欠くというのは森保ジャパンというよりも以前からの日本代表の課題だったような気がする。その悪癖は2010〜2018年のあたりには解消されていたように思えたのだが,森保ジャパンになってまた顔を見せ始めた。こういうチーム性あるいは国民性はなかなか払拭しきれないものではあるだろう。
第三戦のスペイン戦はドイツ戦の繰り返しで,前半はスペインらしいパスサッカーでズタズタになりながらも1失点で押さえ,後半に選手交代で攻撃のリズムを変えて一気に逆転という流れ。とはいえ前半は前田がブスケツを追い回していたのが,見るからにスペインに嫌がられていて,それもあってドイツ戦ほどの絶望感は無かった。あれは前田を褒めるしかない。後半,1点目の堂安のミドルシュートもすごかったが,世界の話題をさらったのはやはり「三笘の1mm」で,折り返してきたボールでシュートを決めた田中碧が幼馴染であることも含めて「三笘は持ってる」としか言いようがない。VARがサッカーの細かいところで戦術を変えたと呼ばれる今大会を象徴するシーンでもあった。試合終了後に友人がTwitterで「この前半気合で受け切ってHT修正からの後半一発目で刺しにいくスタイルは一体どこまで通用するだろうか」とつぶやいていたのだが,確かにもうワールドカップにおける日本の持ち味,格上に対する戦術になった感じはした。あと試合中にドイツ・コスタリカ戦の戦況とあわせて4ヶ国のうちどの2ヶ国が勝ち上がるか分単位で目まぐるしく変わったのは面白かった。さらに個人的には,この試合が終わった直後に羽田空港に移動して鹿児島に旅立つというエクストリーム出発をしたので,余計に記憶に残った試合になった。
トーナメント1回戦,クロアチア戦。終わってみれば3位のクロアチアと粘り合ってのPK戦敗退,誇らしい成果ではある。解説の本田さんが繰り返していたように,ラフにボールを蹴り込んで,中で競り合ってボールを保持してシュートに持っていくスタイルは,良くも悪くもきっちりとボールを運ぶ形の日本と相性が悪そうではあった。また,前半で1点とれたためにかえって交代が遅くなり,グループリーグでの勝ちパターンが上手く効力を発揮しなかったようにも見えた。そしてその交代カード,グループリーグ突破の攻撃的原動力,三笘はすっかりマークされていた。それでもドリブルで切り裂いていたのはすごいし,本田さんの言う通り,そのうちビッグクラブに移動しそう。いろいろあっての紙一重でのベスト16,一視聴者ながら悔しい。敗戦後は三笘にもらい泣きした。PK戦が始まる時に本田さんが「PK戦は運,そしてパラグアイ戦はそれで負けたんだから今回は勝たせくれよ」とサッカーの神様に祈っていたのは重かった。
あとまあ,日本が予定通りの2位通過でモロッコとぶつかっていたらどうなっていたか気になる。三決のモロッコ・クロアチア戦を見ていた感じで言えば,サイドの守備が空いていてクロアチアより与しやすそうな感じはしたが,サッカー有識者の意見も聞いてみたいところ。
<グループリーグ敗退勢>
・サウジアラビア
「アルゼンチンとの死闘に全てを出し尽くしたサウジアラビアは,続くグループリーグで嘘のようにボロ負けした」を地で行く展開。アルゼンチンとの初戦に勝利し,翌日が祝日になったのがハイライトだった。
・ドイツ
スペイン戦の引き分け,コスタリカ戦の大勝を実力通りとすると,日本戦の敗戦だけがボタンの掛け違いであった。私的には2010年大会からは日本でなければドイツを応援していて,つまりそれはトーマス・ミュラーが司令塔のドイツ代表ということだったことになるが,ミュラーのワールドカップがこれで終わりかもしれないと思うと少しの寂しさがある。次は37歳なのでまだ出られるかなとも思うが,すでに1回今後招集しないと言われているので難しい。
・ベルギー
下馬評時点で「チームが崩壊しているので,タレントがそろっていることに比して弱いのでは」と言われていた通りにグループリーグ敗退となった。モロッコの快進撃をお膳立てする立場に。
<ベスト16>
・オーストリアと韓国
自国のことを棚に上げて言えば,アフリカ勢がベスト4まで行ったのだから,アジア勢のベスト8以上も見たかったなと。オーストラリアも韓国も日本ほどではないにせよグループリーグ勝ち上がりの時点で上出来感あったので,高望みではあるが。韓国が初戦ブラジル,オーストラリアは優勝したアルゼンチンなので,やっぱりどうしようもないか。
・アメリカ
壮行会にバイデン大統領が激励のメッセージを送っていたのが印象的だった。サッカーがメジャーではない国なだけにね。なんだかんだで割りとベスト16には勝ち上がってくるあたりは流石にアメリカ人材豊富だなと思う。
・スペイン
試合結果よりも華麗なパスワークに殉じる姿勢,正直嫌いじゃない。日本がクロアチアに負けた後で監督が「所属チームでの1000回のPK特訓を指示していた」と言っていたのに,モロッコ相手にPKで敗退するという完璧なフラグ回収であった。日本人に慰めと笑いをありがとう。
<ベスト8>
・オランダ
アルゼンチンとの準々決勝が,アルゼンチン側の煽りで荒れ模様となり,そのままPKへ。オランダも「1年間PKの練習をしてきた」と言っていたにもかかわらず,そのPKで敗れた。PKは練習量では決まらないらしいぞ。PKのクソゲー感がどんどん増していく大会だった。
・ブラジル
クロアチアにPKで負け,ブラジルお前もかよという衝撃。とはいえ,あの試合についてはクロアチアのGKリバコビッチ(リヴァコヴィチ)が神がかっていたとしか言いようがない。スペインとは別の意味で日本への慰めとなった。あと,実は最近のブラジル代表はここぞの勝負に弱くて,毎回優勝の最有力候補に挙げられながら最後の優勝が2002年,2014年の4位以外は全部ベスト8止まりという。その2014年はミネイロンの悲劇と呼ばれるあれの年だし。なんなんでしょうね。
<ベスト4以上>
・モロッコ
アジアの国がベスト8以上に残れなかったのは残念ながら,アフリカの国がベスト4に躍進したのは喜ばしい。試合を見ていて,まともに強いと言えばいいのか,ヨーロッパ流のサッカーを真っ当にやっていて,なるほどベスト4という印象。その中では三決,明らかに疲れていて守備がちょっと緩かったのがもったいない。
・クロアチア
クロアチアは延長まで引きずり込むサッカー戦術と,PK戦の強さが際立っていた。その上,ベスト16,ベスト8を延長まで戦って,準決勝も三決も疲労を見せないタフさ。さすがは前回大会準優勝国という戦いぶりを見せた。さすがにモドリッチ(モドリチ)はここで代表引退だろうが,ブレイクしたDFのグヴァルディオル(グヴァルディオール)然り,層がめちゃくちゃ厚くて次のワールドカップも普通に強そう。
・フランス
優勝候補の筆頭で,前回優勝国はグループリーグ敗退するというジンクスを見事に打ち破り,実際に決勝までたどり着いた。タレント豊富ながらポグバにカンテと主役が体調不良で次々と脱落,さぞかしデシャン監督の胃は痛かっただろうが,最後はエムバペ(ムバッペ)に全てを託して一点突破,それをグリーズマンをはじめとする周囲が見事に支えた。決勝もまさにこの展開で,さすがにもうダメかと思われると息を吹き返す闘志で延長まで戦い抜いた。お見事。
・アルゼンチン
エンバペに殉じたのがフランスならメッシに殉じたのがアルゼンチンで,グループリーグやベスト16の時点では上手く噛み合ってなかった感じだったが,徐々に整っての準決勝・決勝戦であった。盟友のディ・マリア,新鋭のアルバレスと3枚看板の攻撃陣が強烈で,チーム全体からメッシを優勝させるんだという強い意気込みを感じた。個人的にメッシには全然思い入れが無いのだが,決勝戦の本田さんのサッカー少年に戻ったかのような熱狂ぶりを見て,全世界の大人たちがサッカー少年に戻ってこの試合にかじりついていたのだろうと思うと胸が熱い。
メッシの大会になるか,エンバペの大会になるかと言われていて,サッカーの神様からの「両方だよ」というアンサー。両国とも最高の決勝戦をありがとう。
Posted by dg_law at 19:45│Comments(0)